無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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19話

 それからしばらく経ち、スぺの弥生賞がスタートした。

 

 今回、そして次の皐月の舞台となる中山の特徴は最後にある心臓破りの坂。…ホントに誰だよアレ作ったの。

 

 一応スぺには「想像以上にキツイから注意しろよ」とは言っておいたが。

 

 …レース展開としてはスタートと同時に先頭に立ったセイウンスカイをスぺが追う形だ。

 

 第4コーナーを回った時点でスぺは3位。

 

 …さて、問題はここからだ。

 

 レース集団を待ち受けるのはラスト200mにある中山の坂。

 

 先に登ったスカイともう一人は完全に登り慣れてなさそうだった。

 

 スカイはまだ何とか…という感じだったがもう一人は完全に休止状態になっている。

 

 スぺもそれに続くように登り始めていく。

 

 最初は苦しげだったものの一人を抜き去ってスカイとの一対一の場面となる。

 

 最後の直線、スカイはだんだんタレてきていたがここでスぺが仕掛けた。

 

 一気にペースを上げてスカイとの距離を詰めていく。

 

 スぺが差し切るかスカイが逃げ切るか…。

 

 俺達を含めた観客一同は固唾をのむ。

 

 

 

 …そしてラスト30mぐらいか。スぺがスカイを躱した。

 

 スカイも追いすがろうと腕を振るが足が坂で使い切ったのか思うように進まない様子だ。

 

 …そのままスぺは1着でゴール板を通過。歓声が上がる中山でスぺは自身初となる重賞を獲得した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 その後のライブもまあなんとか見れる程度にはなっており、スピカの部室で祝勝会が行われていた。

 

 スピカのメンバー各々が話している中、スぺがテイオーにダンス特訓の礼を言うとテイオーはそのまま話していく。

 

「…だってボク、スピカに入ることにしたから!」

 

「「「「えー!?」」」」

 

 トレーナーを含むスピカの面子全員(俺とスズカを除く)が同時に驚きの声を上げる。 

 

 ってか沖野さんまで驚くんすか。

 

「ボク、カイチョーに追いつきたいんだ。だからスピカで力でつけて、カイチョーとレースに出てみせる!カイチョーを一番知ってるハンターもいるしね」

 

「…ったく、言うようになったなお前は」

 

 俺はテイオーの頭を乱雑に撫でる。

 

「まーね。それぐらいしないとカイチョーには追い付けないから。ハンターだってそうしたんでしょ?」

 

「…そうだな」

 

 俺はテイオーの言葉にそう返す。

 

「みんな、よろしくっ!」

 

 テイオーはそう俺達にウインクしながら話した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 その後、俺は生徒会室へと向かった。

 

「…俺だ。入るぞ」

 

 俺がドアを開けるとルナとエアグルーヴがソファに座ってにんじんジュースを飲んでいた。

 

「…邪魔だったか?」

 

「いや、大丈夫だよ」

 

 俺の言葉にルナはそう返す。

 

 その後、俺がクッションに座るとエアグルーヴが話しかけてきた。

 

「そういえばハンターさん、テイオーが…」

 

「スピカに入るんだろ?さっき部室で聞いたよ。まあ俺とウチのトレーナーに任してくれよ」

 

 エアグルーヴの言葉に俺はそう返す。

 

「…ハンター、テイオーは才気煥発なウマ娘ではあるがまだまだ足りないところも多い。しっかりと見ておいてくれ」

 

「言われなくても分かってるよ、ルドルフ。アイツの走り方的にも精神的にもまだまだ改良しないといけない箇所多いからな。

 

 …テイオーが心配ならお前もウチに移籍するか?」

 

 俺が笑いながらルナにそう話すと、「さすがにそれはないな」と苦笑いしながら返された。

 

 その日の夜はそのまま更けていった。

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