無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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 前回に引き続き、今回は初めてのライブを表現。

 抵抗がある方は…、ブラウザバックをお願いします。


23話

 ゴール板の前を通過した俺は、スピードを落としながら柵を飛び越え、ターフを横切ってスタンドの前へと走っていく。

 

 …そして。

 

 

 

「シャー、オラァ!」

 

 

 

 膝立ちになりながら芝を滑り、大きく叫び、ガッツポーズをする。

 

 …これが俗に言う「ハンターの咆哮」だ。

 

 勝った時のパフォーマンスも兼ねて、俺が勝利したときの恒例行事となっている。

 

 そして、Huntersがフラッグをたなびかせ、タオルマフラーを回しながら新たなチャントをスタジアムに響かせる。

 

 

 

 

 

止まらねえ 俺達のハンター

 

暴れろ 荒れ狂え

 

ラララ ラララララ

 

叫び オイ! 歌え

 

 

 

止まらねえ 俺達のハンター

 

暴れろ 荒れ狂え

 

ラララ ラララララ

 

叫び オイ! 歌え

 

 

 

 

 …See offか。気持ちいいな、この曲も。

 

 俺は立ち上がりスタンドに一礼して、右手を掲げながらスピカの面子がいる方へと立ち去った。

 

「は、ハンターさん凄かったです!」

 

「まあ、ざっとこんなもんよ。スぺ。お前らが頑張ってるのに俺がダメダメじゃいけないからな」

 

 俺はスぺの頭を乱雑に撫でていく。

 

「さすがはハンターだな。よくやったぞ」

 

 沖野さんは俺の頭をポンと叩く。

 

「これぐらいどうってことないですよ。こんなとこで負けたら「無敗の狩人」ってなんなんだって話になりますしね」

 

 俺はそう沖野さんに返した。

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「…ハイ、今日の曲もそれでお願いします。…はい、よろしくお願いします」

 

 走り終え、ウイニングライブのために楽屋で一休みしていたところ扉をノックする音が聞こえた。

 

「私たちだ、入ってもいいか?」

 

「…別に構わねえよ」

 

 俺はそう答え、ルナたち生徒会の3人が入ってくる。

 

「お疲れさまだな、ハンター。十全十美な走りだったな」

 

「ああ、ありがとな、ルドルフ」

 

 そう返す俺にエアグルーヴが話しかける。

 

「…にしても凄い盛り上がり様でしたね。ハンターさんが提案したんでしたっけ」

 

「あー…、提案したのは俺だけど一回撤回したんだよな。それをファル子が拾い上げてやろうって話になって。

 

 …で、やってみたらコレだよ。いやーファル子様様だよホント」

 

 ファル子の予選は…中京だったか?

 

 …まあアイツのことだからいつも通りぶっちぎってくるだろう。チャントのおかげでいつもより力出せてるだろうし。

 

「…ハンターさん、この後どうしていくんだ?」

 

 ブライアンがそう問いかけてきたので俺は答えていく。

 

「他のスタジアムやウマ娘、サポーターの意見にもよるけど多分継続だろうよ。今までのどのレースよりも盛り上がり様凄かったし。

 

 盛り上がり様だけなら、俺がルドルフに勝ったジャパンカップに匹敵するんじゃないかな」

 

「…あのレースか。あの日は雨が降っていたがそれを忘れさせるような大歓声だったな」

 

 ルナはバツが悪そうに俺の言葉に続ける。

 

「ハンター、この後のライブもしっかり頼んだぞ。

 

 生徒会副会長としてしっかり役目を果たして来い」

 

「言われなくても分かってるよルドルフ。今日は共通曲じゃないからな」

 

 俺は笑いながらそう返した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「わー、私ハンターさんのライブ見るのって初めてです!」

 

「ボクもそうだなー、しっかり見させてもらおっと」

 

「この前のカラオケの時のやつもよかったけど、これからハンターさんが踊る曲もいいんだよなー」

 

「アンタ、分かってるじゃない!これぞハンターさんって感じなのよね」

 

「ハンターの曲と言えば、やっぱこれだよなー」

 

 そう各々が話しているが、そんなスピカメンバーに沖野さんが話していく。

 

「…ハンターのダンスはこの前も見たとは思うけど、お前らがやってるのとは一味違う。

 

 共通は全くと言っていいほど踊れないけど、この曲ならハンターのダンスの魅力が隅々まで出る。

 

 お前ら、しっかり見とけよー」

 

 

 

「じゃ、行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

 ライブ直前、舞台裏で俺は他のウマ娘達にそう声をかけてステージに出る。

 

 …今回、俺が選んだのは俺がメインとして使っている曲だ。

 

 続々と全員がステージに立ちスタンバイしていく。

 

 満員に詰めかけた観客からの声はない。奇妙な程静寂な一瞬が過ぎていく。

 

 …さあ楽しませてやるとするか。

 

 

 

Let’s do it again そうどれだけBaby

 

立ち上がれば My dream come true

 

問われる 覚悟の強さ 試されてるようなEveryday

 

 

 …ライブが始まっていく。

 

 この感覚は慣れたようで今だに慣れないような、不思議な感覚だ。

 

 

Hey Let’s go 言い訳で 小さくまとまる気なくて

 

Hey Let’s go 飛び出した 世界は荒ぶるノールール

 

 …俺は大きく腕を広げ、叫ぶようにして歌い続けていく。

 

空振りのスキマに迫ってた現実カウンター

 

容赦なくBeat me Hit me また倒れても Oh

 

もう一度 立ち上がり 前を見た者だけが

 

最後に笑うのさ Only winner

 

 

…We gotta go 届くまで Glory road

 

 

 …さあ、観客全員、しっかり見届けろよ!

 

 

Fight ぶつかって 歯向かって

 

それが僕たちのHard knock days

 

平凡な毎日じゃ 渇き癒せない

 

Here we goいつだって 逃げないで

 

風当たり強く生きていこう

 

ゴールまだ遠く 進むべきHard knock days

 

 

 Hard Knock Days、俺がこの曲を見つけたのは小学校の時。ルナに負け続けたとき、耳に入ってきたのがこの曲だった。

 

 俺に希望を与えてくれた曲であり、俺がくじけそうなとき支えてくれた曲である。

 

 

光の先Make my day…

 

 

 …だが、俺の本気はここからだ。

 

 

あの日見た夢がChanging my life 広がる展望 今表現しよう

 

タフな道さえ 軽く乗り越え 傷跡の数だけきっと輝け

 

 

叶うまで… Hard knock days

 

 

一度きりLife 変わらないMind 一番高い景色を眺めるまでTry

 

 

、…ウイニングライブとしてはこの曲だけだろう、ラップパートがあるのは。

 

 俺はここのラップパートをしっかりと歌いきる。…そして、ここからサビ2周だ。

 

 

Fight ぶつかって 歯向かって

 

それが僕たちのHard knock days

 

平凡な毎日じゃ 渇き癒せない

 

Here we goいつだって 逃げないで

 

風当たり強く生きていこう

 

ゴールまだ遠く 進むべき道

 

 

Fight 蹴散らして 強がって

 

それが僕たちのHard knock days

 

無難な選択? そんなのあるわけない

 

Here we go いつだって 最高で

 

後先なんて考えずに行こう
 

 

願いを束ねて 進むべきHard knock days

 

 

…光の先Make my day

 

 

 …その後もしっかり踊り切って、最後に親指、人差し指、小指を立てた右手を上に掲げる。

 

 

 息が上がるが、それ以上の歓声がスタジアムに響き渡る。

 

 …まだ予選だ。本戦でしっかりアレを踊れるようにしないとな。

 

 俺のHard Knock Daysはまだまだ続いていく。

 

 俺は決めポーズをしながらそう心に誓った。 




チャントで使った曲
See off …野球のみならずサッカーまで幅広く使用されているチャント。
     今回は現J3のサッカーチーム、松本山雅FCのものを参考にしてます

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