東京優駿、またの名を日本ダービーはすぐにやって来た。
レース当日、東京レース場の地下バ道。
「お、きたきた!」
ウオッカが勝負服に身を纏ったスぺの姿を見て言う。
「ど、どうも…」
スぺは結構緊張してるみたいだった。
…まあダービーは人の入り凄いし、勝負服着たら一気に気持ちはいるし。
「緊張してるみたいね」
「限界を越える力が出せるのか心配で…」
スズカの言葉にそう答えるスぺに、スズカはスぺの頬に手を当てて話していく。
「あれだけ坂の練習したんだもの。後は思いっきり、楽しんで!」
「は、はい!」
俺もスズカに続けるようにスぺの頭を乱雑にかき回していく。
「は、ハンターさん?」
「…俺が教えれることは全て教えたつもりだ、後はお前がいつも通り走るだけだよ。
そうすりゃ、限界以上の力は出せるはずだ。
…自分を信じろ、スぺ!」
「は、はい!」
そう答えるスぺにゴルシが「ほらよ」とあるものを渡す。
「…これ、四つ葉のクローバー?」
「はい!みんなでさがしたんですよ」
「ダービーは、最も幸運なウマ娘が勝つんですよね」
「なかなか見つからなくって結局」
「マックイーンが見つけてくれたんだよな」
「お、思わず目にとまったものですから…」
スピカの面々はそう各々話していく。
テイオーはマックイーンに向けて続けていく。
「すっかりチームに貢献してるよね!」
「…努力は報われるべきです」
スズカはマックイーンに続けるように「これで運もスぺちゃんの味方ね」と話していく。
「み、みんな!それにメジロマックイーンさんも!ありがとうございます!
私、すごく幸せです!」
スぺの言葉に、俺は苦笑いしながら続けていく。
「…おいおい、それはレースで1位とった後だろ?
…しっかりタイトル、勝ち取って来い!」
「はい、ハンターさん!
…みんな、行ってきまーす!」
そう言ってスぺはターフへと走っていった。
◇ ◇ ◇
「スぺ、小さいなー…」
「…トレーナー、それ逆っすよ」
「緊張しすぎでしょ…」
「ば、バカ、緊張なんてしてねーよ!」
沖野さんは緊張しているのか、俺が指摘するまで双眼鏡を逆に構えていた。
…まあ気持ちが分からんでもないけど。
俺も結構緊張してるし、これがダービーってもんなんだろう。
そう思ってるとウオッカが俺に話しかけてくる。
「そういや、ハンターさんってダービー出てないんすよね?」
「ああ。クラシック登録できてなかったからな」
そう返すとテイオーが俺に返してくる。
「ダービーに憧れはあるの、ハンター?」
「…まあ俺の年はルドルフがいたからな。
ある程度は諦めも付いたけど。ないって言ったら噓になるかな。
…まあ俺の技術はスぺに叩き込んだ。
これでスぺが勝ってくれるのなら、俺は満足だよ」
俺はそう言いながらターフへと目を向けていった。