無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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34話

 

 東京レース場にダービーの始まりを告げるファンファーレが響き渡る。

 

 重低音がレース場を揺らし終わると同時に、ウマ娘たちは続々と次々とゲートインしていく。

 

 

 

 …そして。

 

 

 

 今、ゲートが開かれ、ウマ娘が一斉にスタートした。

 

 やはりダービー、観客のボルテージもMAXである。

 

 先頭には3人、その中にはキングもいた。

 

 その後ろにはスカイ、スぺとエルはその後方に控えている。

 

 …大丈夫か、キングがあれだけ飛ばしてるの見たことないぞ?

 

 第2コーナーで先頭はキングのまま、スカイが2番目に位置取りしている。

 

 スぺは中団、しっかりスリップストリームを得られる位置だ。

 

 その少し後ろにエルもいる。恐らく最後に思いきりぶっ差してくるのだろう。

 

 レースはそのまま第3コーナー。

 

 …ここでスカイが仕掛ける。

 

 スカイはキングを交わして一気に先頭に躍り出る。キングも喰らいつこうとするが表情は厳しい。

 

 さらに後ろから、スぺも仕掛けていた。

 

 スピカの面々からも応援の声が飛んでいく。

 

 残り400m、東京レース場の急坂にスカイとスぺは入っていく。

 

 …スカイはそのまま逃げ切る形だ、皐月賞のように逃げ切りたいだろう。

 

 だが、スぺの足は落ちない。

 

「…しっかり切り替えできてるな」

 

 …一言、俺はそう呟く。

 

 スぺはピッチ走法に切り替えて、加速力は維持したままスカイに迫っていく。

 

 …そして、坂の半ばでスぺは再加速した。

 

 スカイとの差は縮まっていき、一気に置き去っていく。

 

 …だが、後ろからスぺに迫るウマ娘が一人、エルである。

 

 エルはスカイを一気に置き去り、スぺに迫っていく。

 

 そして、ラスト200m少し前ぐらい。エルはスぺを追い越し、一気に2バ身程離していった。

 

 ここでこれだけ離されてしまえば気持ちが折れるウマ娘もいるだろう。

 

「…まだいけるよな」

 

 スぺの目にまだ火は灯っていた。

 

 スぺが話してくれたお母さんとの約束、「日本一のウマ娘になる」という夢。

 

 それを叶えるためにも、ここで負けるわけには行かないんだ。

 

 いつも物静かなスズカを含めてスピカの面々から大きな応援の声があがる。

 

「…差し返せ、スぺ!」

 

 俺も自然とそう声が出ていた。

 

 俺たちの声が聞こえたのか、…スぺが吠えた。

 

 今まで出したことのないような大声を出しながら、エルとの距離を縮めていく。

 

 そしてスぺはエルと距離を無くし、並ぶ。

 

 どっちが勝つか、スタジアムは最高潮に盛り上がっている。

 

 …そして。

 

 二人はほぼ同時タイミングでゴール板を駆け抜けた。

 

 …その直後、スペは勢いよく転倒した。

 

「スぺちゃん!」「スぺ!」

 

 俺とスズカは柵を乗り越えてスぺの元へと駆けよっていく

 

 スズカはスぺを抱きしめて、俺はスぺの手を肩に回して支える。

 

「…スズカさん、ハンターさん、私限界超えられましたか…?」

 

 そう話すスぺにスズカと俺は笑う。

 

「えぇ…!」

 

「ああ。…よくやったな、スぺ」

 

 俺が確定板を見ると写真の文字が灯っていた。

 

「…珍しいな、写真判定」

 

 …ダービーという大舞台で写真判定という大接戦だ。

 

 観客を含めて、レース場全体は沈黙に覆われる。

 

 …そして、判定結果が出た。

 

 確定板に出た文字は…

 

 

 

 

 

     5

 

     1

 

 

 

 

 

 …スペシャルウィーク1着、エルコンドルパサー2着。

 

 それを示す数字が確定板に灯っていた。




 …悩んだ末にこの結果にしました。

 色々考えることはあると思いますが後悔はありません。

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