37話
スズカの宝塚記念。
エアグルーヴやキンイロリョテイみたいな強いウマ娘はいたものの。
…見事にぶっちぎって見せた。
ちなみにだがスズカはこれが初のGⅠタイトルだったらしい。
そして、俺は最終調整に入っていた。
「スカーレット、頼む!」
俺は前方200mぐらいにいるスカーレットにそう返す。
「了解です!」
スカーレットからも元気な返事だ。
「じゃ、行くぞー。…よーい、スタート!」
俺とスカーレットは同時にスタートを切る。
ちなみにコースはスカーレットに合わせて芝である。
…俺は前をひたすら走るスカーレットを追いかけていく。
言うまでもないだろう、ファル子対策だ。
スカーレットに少し前から走ってもらい、俺が仕掛けるタイミングを掴むトレーニングだ。
サマードリームトロフィーの行われる場所は中山。…基本的にドリームトロフィー本戦はここで行われることが多い。
…さすがにスズカは宝塚記念を走ったばっかりだったのでスカーレットに頼んだ。
「…ここっ!」
俺はいつもより早めに第3コーナーと第4コーナーの中間地点ぐらいから仕掛けていく。
…ここから仕掛けるのはあまりない。マルゼンやルドルフと走る時ぐらいか。
俺はぐんぐん差を近づけていく。
…だが、俺は脚は届かなかった。
僅かにスカーレットが速く、ゴールを通過する。
「…くっそ、あそこからだとだめか…」
俺が膝に手をついて息を整えていると沖野さんが近づいてくる。
「ハンター、今脚は残ってるか?」
「まあ残ってますけど…。仕掛けるギリギリは第3コーナーですかね。
多分それ以上になると最後タレます」
「…しかも中山だからなー。坂のこと考えたらもっときつくなるぞ」
俺と沖野さんはそう話していく。
「だったら、今仕掛けたポイントからは速く、第3コーナーよりは後ってことですか?」
俺はスカーレットに「ああ」と答えて続けていく。
「あの辺のどこかだな…。少しでも仕掛けるのが早かったら最後タレるし、逆に遅かったら力を出し切れないし…」
そう話す俺に沖野さんが話してくる。
「まあ、ハンター。直前まで何回かトレーニングしていくからその間に自分のタイミングを掴んでくれ」
「了解っす。スカーレットも付き合わせて悪いな」
「いえ、これ位ならいつでもオッケーですよ!」
俺がスカーレットに話すとスカーレットはそう返してくれた。
サマードリームトロフィーが終われば9月の学園祭にかかりきりになる。しっかりと勝って終わらせないとな。
俺は近づく本戦に向けて着々と準備を続けていった。