中山レース場。
…サマードリームトロフィーダート本戦当日。
「…にしてもここまで入るとはなー」
「確かにそうですねー」
俺とファル子はレース場のスタンド全体に漂う熱気を感じてそう話す。
「でも、お前と走れて嬉しいよファル子」
「私もです、しっかり逃げ切りますよ!」
俺はファル子の頭を撫でながら話していく。
「言うようになったなファル子。
ま、俺の連覇記録もかかってるからしっかり追い込ませてもらうとするよ」
そう話しているとファル子が入場のため、呼ばれていった。
そしてスタジアムに選手紹介の声が響き渡っていた。
『…全国のダートを制したウマドルがドリームトロフィー初出場初制覇を狙う!
1枠1番、‟砂塵のハヤブサ”、
スマート、ファルコン!』
ファル子は観客席に手を振りながらフィールドに出る。
そして、ファル子の応援歌はというと。
ファル子はファル子自身のサポーター、『ファル子親衛隊』から激烈な声援を受ける。
ファル子は手を振って、大きく頭を下げる。
観客席からは大拍手だ。
…その後も他のウマ娘が次々に入場していく。
もちろん、俺は大外の8枠18番を選ばせてもらった。不動の位置である。
…まあ大外は誰も選びたがらないのでほぼ問題なく入れるのだが。
そして入場はつつがなく進み、俺の番となる。
運営の方にシューズや服などのチェックをしてもらって、俺は入場ゲートに立つ。
『…カサマツから世界へと飛び立ったダートの絶対的王者が自身のもつ連覇記録の更新に挑む!
…8枠18番!‟無敗の狩人”、
シンボリ、ハンター!』
「…お願い、します!」
俺は一礼してフィールドに出て行く。
…今までより一回りも大きい歓声が中山に響き渡っていた。
…まあ、贅沢に16小節も使ってくれちゃって…。でも今までの応援歌と比べても気分は上がる。
ただでさえ、Huntersは他のサポーターと比べても熱い。…というか熱すぎる。
今日もスタンドの一角で全員が飛び跳ねながら歌ってくれている。
…この期待には答えざるを得ないな。
俺は歌が終わった後拍手をして大きく頭を下げる。
その後、俺はスピカの面々がいる場所へと向かう。
「ハンターさん、応援してます!」
「特訓の成果、しっかり見せてくださいね!」
「…ああ、もちろんだよウオッカ、スカーレット。
特訓手伝ってくれてありがとな」
ウオッカとスカーレットに俺はそう返していく。最終的にスカーレットだけでなくウオッカも手伝ってくれた。
「カイチョーも見に来るって言ってたよハンター。
ボクのチームの先輩として情けないトコ見せないでよね!」
「…お前から聞かされなくても今日の朝に部屋で言われたっての、テイオー」
テイオーの言葉通りだが、今日ここに来る前に部屋で「生徒会副会長として、『絶対』を見せて来い」とルナには言われている。
「…ハンターさんには言うまでもないことだとは思いますが、自分の走りをすれば自ずと結果はついて来ると思いますわ」
「ありがとな、マックイーン。そう言ってもらえるとありがたいよ」
マックイーンからはそう話される。まあ相手に自分の走りを乱されないことは優勝するための最低条件だ。
「ハンターさん、ファル子先輩は強いです。…でも、勝てるって信じてます」
「ああ。ルドルフと戦ったときのことを思い出してるよ。でも俺も勝てるって信じてる。理由はないけどな」
スズカにはそう返す。結構ファル子に絡まれてるからある程度は実力わかるのだろう。
「は、ハンターさん!私がダービー取れたのは間違いなくハンターさんのおかげです!ウイニングライブ、楽しみに待ってます!」
「スぺ、そう言ってくれるのなら教えた甲斐があるってもんよ。ライブ、楽しみに待っててくれ」
スぺにはこう返す。…ホント、ダービー取れてよかったよ…。
「…にしても、やっぱりその服違和感しかねーな」
そう笑いながら話してくるのはゴルシだ。ってかルービックやりながら話すな。
「…しゃーねーんだよ。ドリームトロフィーはこの服でって決まってんだ。
この辺りとかヒラヒラしてて違和感しかねーよ
まあもう慣れたけどな」
俺はそう言いながら返していく。
そんな中、沖野さんが俺に話してくる。
「ハンター、お前に言えることはただ一つだ。
…思いきり楽しんで来い!」
大一番、沖野さんはいつもこう言ってくれる。
俺の実力を信じているからこそこう言えるのだろう。
「…了解です。連覇記録、伸ばしてくるとしますか!」
俺はそう言ってゲートに向かっていった。
…なお、後ろから念のようなものを送られていたが気にしないことにしよう。
今回使ったのはファル子がイチロー(オリックス・ブルーウェーブ)、ハンターが藤岡裕大(千葉ロッテマリーンズ)。2曲ともにこの2人に合ってるって思ったんですよね、…まあ独断と偏見ですが。