合宿から戻ってきて。
俺は放送室から全校生徒へと向けての放送を始める。
…ちなみにだが、基本的に放送は俺の担当だ。
ルナがやることもあるのだが、ダジャレをかましにかましてしまったため、俺がやることになったのである。
『…えー、生徒会副会長のシンボリハンターだ。
合宿も終わり、学園祭が近づいてきていることは全員知っていると思う。
その企画の一つとして学園祭で毎年恒例、第33回大食いグランプリを開催することが決定した。
優勝者には賞品としてスポンサー企業から頂いた巨大大穴ドーナツぬいぐるみを渡す。
…なお、参加資格があるのは現在ドリームトロフィーに参加しているウマ娘。
…残念だが、デビュー前や現在トゥインクルにいるウマ娘は参加できない。
定員は3人。この放送後、生徒会室に来てくれた順に選ばせてもらう。
…以上だ。応募を待っているぞ」
俺は放送を閉じる。
「…こんなもんだなっと」
「お疲れ様です、ハンターさん。お茶でもいかがですか?」
放送を終えた俺にエアグルーヴが話しかけてくれる。
「ありがとエアグルーヴ。いただくよ」
俺がソファに座ってゆっくり休もうとする。
…が、そんな時間はこなかった。
生徒会室のドアがバンッ!っと開く音がした。
「…大食いグランプリ、参加させてくれないか?」
「…いや、早いんだってのオグリ…」
オグリが猛ダッシュで生徒会室にやって来た。
「…お前、放送と同時に走ってきたろ。
廊下は走ってもいいけどよ、限度があるぞ?」
「…とりあえず参加させてもらえるか?」
「マイペースだなお前は…。りょーかい、オグリキャップ参加…と」
俺が書類にオグリの名前を書いていくともう二人の足音がする。
「お、オグリ待ってくれやホンマに…」
「本当ですよ。大食いグランプリは逃げないんですから」
オグリと仲がいいタマとクリークである。
「二人とも、来たのか」
「…放送聞いた後オグリが突っ走ってたので…。まあこういうことやとは思てましたけどね」
タマが俺の言葉にそう苦笑いしながら話し、続けていく。
「そういえばハンターさん、賞品のドーナツぬいぐるみってどんなもんなんですか?」
「あ、それ見たいか?実物はまだ届いてないけど、参考写真なら届いてるよ」
俺はスマートフォンでその写真をオグリ達3人に見せる
そこには地面から人の腰ぐらいまでの大きさの特大ドーナツぬいぐるみが写っていた。
「大きいですねー。優勝したらこれ貰えるんですか?」
「ああ。優勝したらな。オグリが決まったから後2人、誰か来るかなー」
クリークの言葉に俺はそう話す。
そうしていると少し黙っていたタマが俺に話しかけてきた。
「…なあ、ハンターさん。この大食いグランプリ、ウチも参加させてもらってええですか?」
「ああ、別に構わねえけど…、ってタマが!?
トレセン学園最強フードファイターのオグリが出るって言ってんだぞ!?」
タマはトレセン学園のウマ娘の中でも小食である。
オグリと比べたらホントにその量は少ない。
それでもタマは俺の言葉に「分かってます」と続けていく。
「…でも、このぬいぐるみ絶対欲しいんです!お願いします、ハンターさん!」
タマはそう俺に頭を下げてきた。
「了解した。ただ、無理はするんじゃねえぞ?
…エアグルーヴ、タマの名前書いといてくれ」
「…分かりました」
「ありがとうございます!」
タマはそう言って頭を下げてくる。
「…うーん、それじゃ私も参加させてもらっていいですかー?」
そうクリークが話してきた。
「…クリークもか?お前もタマほどとは言わねーけど、食う量は平均ぐらいだろ?」
「…はい。やっぱりあのぬいぐるみ欲しいですし、それにオグリちゃんとタマちゃんが少し心配ですし…」
「こ、子供扱いすなって言うとるやろ!」
クリークはタマの頭を撫でながらそう話し、タマがガーッ!と反発する。
「まあ、参加するなら別に止めはしねえよ。エアグルーヴ、クリークも追加な」
「もう書いてます」
エアグルーヴはそう返してきた。
…ていうかもう埋まったよ3枠。
じゃ、次の準備に取り掛かっていくとしようか。
俺はそう思いながら新しい書類に取り掛かっていった。