無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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第9R 「スピカの夢」
56話


 エルはフランスでの2戦目、サンクルー大賞で無事勝利を収めた。

 

 凱旋門とレース場は違うものの、同じ芝2400で勝てたのは大きい。

 

 無事にフランスへの対応は出来ていると言っていいだろう。

 

 ちなみに現在は東条さん・ルドルフ・エルの4人でミーティング中である。

 

『…ハンター。エルのレースを見てて思ったことはあるか?』

 

 画面越しにルナがそう聞いてきた。

 

「…うーん、やっぱレースのテンポだろうな。

 

 この前のレースでもそうだったけど、やっぱこっちはスタートのペースが遅いからエルが逃げ気味になってる。

 

 …そうだろ、エル?」

 

 俺がそう聞くとエルも首を縦に振る。

 

「そうですネ…。日本だともっと前に行くウマ娘が多いデスけど、ここだと初めは全体的に固まってる気がシマス…」

 

 現に、サンクルー大賞ではエルがバ群の中に取り込まれそうになった。

 

 あそこから抜け出すのは俺やルナでさえもかなり難しいだろう。

 

「…分かった、こちらでも作戦は考えさせてもらう。ハンターもデータ収集を続けてくれ」

 

「了解です、最後までデータは集めていきます」

 

 俺が東条さんにそう答えると、ルナが話してきた。

 

「…ハンター、久々のフランスだがどうだ?」

 

「どうもこうもねーよ。…でも、久々にルーヴルには会ったぜ。

 

「ほう、あのルーヴルか。私も久々に会いたいものだな」

 

 ルナがそう答えるのに俺は続けていく。

 

「後、ブロワイエだったか?そいつにも挨拶されたな。なかなかの強者ぽかったよ」

 

「ブロワイエって、ヨーロッパ最強のウマ娘と評されているあのブロワイエか!?」

 

 俺の言葉に東条さんがそう聞いてくるので俺は「そうです」と続けていく。

 

「恐らく俺がエルのサポートに付いてることで、エルのことは結構警戒してるでしょうね」

 

 俺がそう話しているとエルが話してきた。

 

「ブロワイエなら、ワタシこの前会いマシタ!…これがそのブロワイエのサインデース」

 

 エルが見せてきたのはフランス語の入門本。そこにはフランス語で何か書かれている。

 

『エル、ちょっとそのサインをもっと近づけて見せてくれないか?』

 

 ルナがそう言ってくるため、エルはその本をスマホのカメラへと近づける。

 

「…なるほどな」

 

 …終始笑顔だったルナの目から一瞬だけ笑みが消えた。

 

「…エル。そのサイン、俺にも見せてくれないか」

 

「いいデスけど…、何かありまシタ?」

 

 俺はその書かれた文字を見て東条さんに話す。

 

「…東条さん、エルの調整、早めて行ってもいいですか?」

 

『構わないが…何かあったか?』

 

 東条さんに答えるように俺は本に書かれた文字を訳していく。

 

「やっぱりというかなんというかですけど…、『私の方がコンドルより速く飛べる』…と」

 

 それを聞いて東条さんとエルも笑顔が消えた。

 

「…そうか。ハンター、エルにできる限りのことをしてやってくれ」

 

「了解しました、東条さん。

 

 …エル、予定だと明日から1段階上げる予定だったけど、今から行くぞ。行けるな?」

 

「ええ、もちろんデス!」

 

 目に炎が入ったエルはそう元気よく返してくれた。

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