無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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6話

 

 ルナたち3人はリギル選抜レースの方に行ったため一人で仕事中。

 

 …もうこうなったらルナしかできないもん以外全部終わらせてやる。

 

 そう思いつつ、仕事をしていた時だった。

 

「あのー、入っていいですか?」

 

 扉の向こう側からノック音と声が聞こえてきた。

 

「…ああ、大丈夫だ」

 

 俺の言葉の後、そのウマ娘は生徒会室へと入ってくる。

 

「あれ、今日はハンターさんだけなんですか?」

 

「3人はリギルの選抜レースの方に行ってるよ、スズカ」

 

 サイレンススズカ。昨日俺たちの話題にもなってたウマ娘だ。

 

「で、チーム移籍の書類が出来上がったのか?」

 

「…はい。これでよかったんですよね?」

 

 スズカが見せてくれたチーム移籍届にはリギルのトレーナーである東条さん、スピカのトレーナーである沖野さん、そしてスズカ本人の名前と印が押されていた。

 

「ああ、生徒会提出分についてはこれでいい。後は…っと」

 

 俺はルナの机の中から生徒会印を取り出す。

 

 そしてその紙に「生徒会副会長 シンボリハンター」と書き、生徒会印をドンと押す。

 

「…よし、これで生徒会の書類上、お前はリギルじゃなくてスピカになった。お疲れさま」

 

 俺はそう話して「…で、ここからがスピカのシンボリハンターとして」と前置きしたうえで話していく。

 

「…スピカの最年長としてお前をスピカに歓迎するよ。

 

 スピカには癖の強い奴しかいないが、実力やトレーナーの力量は本物だ。よろしくなスズカ」

 

「ええ、こちらこそ」

 

 俺とスズカは握手を交わした。

 

「あ、そうだ。部室行ったときにトレーナーに生徒会の仕事終わり次第そっち向かうって伝えといてくれ」

 

「はい、分かりました。失礼します」

 

 スズカはそう言って生徒会室を出て行った。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「カーイチョー!あっそびにきったよー!」

 

 ドアがバタン!という大きな音と共に開かれる。

 

 全く…、騒がしいのが来た。

 

「アレ、今日はハンターだけ?カイチョーは?」

 

 そう周りをきょろきょろしているのは最近よく生徒会室に遊びに来ているウマ娘、トウカイテイオー。

 

 ルナに凄く憧れてるらしく、ルナもこいつに対しては結構甘いからエアグルーヴも強く言えない。

 

「…生徒会室に入る時はノックをしろって言ったはずだぞテイオー。ルドルフ達なら選抜レースに行ってる」

 

「え、選抜レースってリギルの!?今日あったの!?行けばよかったー…」

 

 テイオーはしょんぼりしながらソファに座る。

 

「まあ、スズカ脱退に伴う補充だからな…、知らないのも仕方ねーよ」

 

「そういえばハンターはリギルの試験って受けたの?」

 

 テイオーは俺の方に首を向ける。

 

「俺は受けてねーな…。レースを走ったことは走ったけどリギルの選抜レースじゃないし」

 

「リギルに入ろうとは思わなかったの?リギルって昔からチョー有名でしょ?」

 

「別に…って感じだったんだよな。ルドルフにも勧められたし強さは本物だろうけど戦術をガッチガチに固められるの嫌だったし。

 

 で、どこにしようかって考えてた時にゴルシに拉致られてスピカに入ることになったって感じだ」

 

 俺の言葉にテイオーは「あ、やっぱゴルシ関係あるんだ…」と呟く。

 

 「まあ結果的に自由な走り方できるスピカは俺に合ってたし。結果オーライってやつだな」と俺は続けていく。

 

「でもなテイオー、お前まだフリーだろ?ならチームはしっかり考えろ。移籍は出来るとはいえ自分の評判にもかかわってくるからな。

 

 チーム移籍ばっかしてるやつなんてウマ娘だけじゃなくてトレーナーからも評判悪くなるからな」

 

 俺の言葉にテイオーは「はーい」と返してくれる。

 

 …っていうかいつのまにか終わったよ仕事。

 

 俺は筆記用具を片付けてクッションの方へと向かい、ボフッとクッションに身を任せる。

 

 …その内ルナたちも帰ってくるだろうから、それまで待つとするか。

 

 それを見たテイオーは俺の方へ向かってくる。

 

「ねーねー、ハンター。カイチョーの昔のエピソード教えてよー。何か知ってるでしょー?」

 

「イヤだ。それ言っても俺がルドルフに怒られるだけだろ。

 

 …それにお前みたいなやつに言えねえよ。どこで言うか分かんねえし」

 

 俺のその言葉に対してテイオーはぶーと口を膨らませる。

 

「そこはさー、ボクを信頼してよハンター。無敵のテイオー様がそんなことすると思う?」

 

「するだろうな」

 

「ツッコむの速くない!?」

 

 そうテイオーと話しているとドアの開く音が聞こえてきた。

 

「…テイオー、来ていたのか」

 

「あ、カイチョー!」

 

 ルナたちが戻ってきたみたいだった。

 

 テイオーはルナの元へと走っていき、俺の元にエアグルーヴが来る。ブライアンはソファの方へ行って眠る準備だろうか。

 

「お前らしかできない奴以外の仕事は終わらせてる。ゆっくりしていいぞ」

 

「ありがとうございます、ハンターさん。あれだけあったのにさすがですね…」

 

 エアグルーヴは俺が終わらせた書類の山を見てそう話す。

 

「スズカの移籍書類も俺がやっといた。見たければそこのファイルに入ってるよ。…で、誰がリギルに入ることになったんだ?」

 

 俺の言葉に答えてくれたのはルナだった。

 

「…エルコンドルパサーだ。お前も彼女の強さは知ってるだろう?」

 

 エル…か。そういえばアイツまだフリーだったな。

 

 エルコンドルパサーはジュニアで結構勝利していたウマ娘だ。激辛料理も行けるみたいでその方面の話も合う数少ない人物である。

 

 まあ、俺達スピカにとってはいい壁になるだろう。強い相手に不足はない。

 

 …そろそろ俺も、部室行くか。

 

 俺はクッションから腰を上げて生徒会室を出て行った。

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