無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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65話

 

 スズカの復帰レースがジャパンカップの前日に決まった。

 

 …チャントシステムの実証実験となるレースだ。

 

 まさか、ここに来るとはな。

 

 スピカの面々も順調に勝ち星をあげており、俺の調整も順調だ。

 

 …走ってみたところ、まあそこまで感覚も失ってなかった。

 

 来年のサマードリームトロフィー予選には余裕で間に合うだろう。

 

 …なお、俺のいないサマードリームトロフィーはファル子が見事にぶっちぎったらしい。

 

 そして、ウインタードリームトロフィー決勝ではオグリも今回だけこっちに来てくれる。

 

 オグリとファル子の対決、面白いものになりそうだ。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 …そして。

 

「…どうでしたか、北海道は?」

 

 マックイーンが北海道から帰ってきたスぺにそう話しかける。

 

「ばっちり休んできました!トレーナーさん、さあトレーニング早く行きましょう!」

 

 スぺはそう言いながら外に出ようとするが、見事に転ぶ。

 

「…里帰りして、いろいろ初心に戻ったみたいだな」

 

 沖野さんの言葉に「スぺちゃんらしいね」とテイオーが続けていく。

 

「…天皇賞まであと少し、完璧に仕上げるぞ!」

 

「…はい!」

 

 沖野さんの言葉に、スぺは床に転んだままそう返した

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 スぺの秋天の日。

 

 俺はスズカと共に学校に残っていた。

 

 俺が残った理由はスズカが残ると言ったためである。

 

 スズカ曰く、「ライバルだから、他にやるべきことがある」らしい。

 

 …まあ、その気持ちが分からないでもない。

 

「…じゃ、スズカ。本気で一本走ってくれるか?」

 

「分かりました」

 

 スズカはそう言ってスタート位置に走っていく。

 

「…天皇賞もそろそろ始まるかな」

 

 俺は時計を確認してそう呟き、スズカに向けて話していく。

 

「…じゃ、よーい…、スタート!」

 

 俺の声と共に、スズカは走り出していく。

 

 スズカは段々と体を倒していき、スズカがトップスピードを発揮できる前傾姿勢になる。

 

 …脚も以前のようには行かないが、戻っては来ているみたいだ。

 

 以前までは怪我への恐怖もあったみたいだが、それも振り切れてる様子、心配はいらないだろう。

 

 スズカはそのまま、最後のホームストレートに差し掛かる。

 

 …脚は衰えてはいない。

 

 トップスピードのまま、スズカは俺の前を通過していく

 

「…以前のスズカに比べたら物足りないが、まあ上々か」

 

 俺はストップウオッチのタイムを確認してそう呟く、

 

 沖野さんから俺がフランスにいる間のスズカについて、いろいろと教えてもらった。

 

 その時のタイムに比べたら十分に速くなってきている。

 

「…タイムも以前とは行かないけど、戻って来てはいるな」

 

「…ありがとうございます」

 

 俺の言葉にスズカはそう返してきた。

 

 …ほぼ同時刻。

 

 府中の東京レース場にて、スぺがレコードで天皇賞を勝ったのを聞いたのはその後の話である。

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