無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

72 / 148
71話

 

 …ゲートに続々とウマ娘が入っていき、静かな時間が流れる。

 

 …この静寂はGⅠだろうが、どこでも変わらないみたいだ。

 

 俺はふうっと息を吐いて気持ちを落ち着かせる。

 

 …そして。

 

 

 

 ガタンッ!

 

 

 

 ゲートが開かれてレースがスタートする。

 

 俺はいつも通り、最後方に位置取って足を貯めていく。

 

 …今回はずいぶんとスローペースだな。ルドルフもシービーもけん制し合っているのだろうか。

 

 海外のウマ娘達もそれに合わせてか、バ群の中に組み込まれている。

 

 …先頭のウマ娘は2番手のウマ娘に10馬身の差をつけて逃げている。

 

 だとしたら、少しマズいか。

 

 このペースで行くと、間違いなく間に合わない。3コーナー過ぎで仕掛けさせてもらうとするか。

 

 そのままレースは進んで行き、第3コーナーに差し掛かる前先頭のウマ娘は俺達とは15バ身くらいの差を付けて行く。

 

 …いつもの外側を抉る作戦だと間に合わない可能性が高い。

 

 なら。

 

「…仕掛けさせてもらうぜ!」

 

 俺はギアを入れて一気に加速していく。

 

 だが、今回俺が通るのはいつもの外側ではない。

 

「…雨だろうが、なんだろうが、これぐらいの荒れ方ならどうってことねえ!」

 

 今までのレースとこの大雨により、あれてしまった内側である。

 

 走りにくく、ここを走るウマ娘はほとんどいない。

 

 …なら、その内側を一気に抉る!

 

 俺はそのまま、ルナのいる集団も追い越して、先頭のウマ娘との差を9バ身、8バ身と徐々に縮めていく。

 

 …他のウマ娘たちも仕掛け始めたその中で、俺に食らいつこうとしてくる影が二人。

 

「…やっぱり、こうでなくてはな。ハンター!」

 

「…君だけを自由にさせるわけには行かないよ!」

 

 ルナとシービーである。

 

「…負けてたまるかっての!」

 

 俺もそう言いながら二人に負けないように再加速する。

 

 前のウマ娘は大分タレてきていた。

 

 俺達との差は4バ身、3バ身と縮まっている。抜き去ることはできるだろう。

 

 となれば、勝負は俺達3人。それ以外に来ている気配はない。

 

 坂の途中で、先頭にいたウマ娘を追い越して最後の直線に入る。

 

 …スタンドからは「あのルドルフとシービーが負けるのか…!?」というざわめきが大きくなっている。

 

 …俺は貯めておいた脚を使って、さらに加速する。

 

「さすがにまだ残しているよな!」

 

「そう来ると思ってたよ!」

 

 だが、ルナもシービーも負けていない。

 

 俺に食らいつくようにして、加速してくる。

 

 その状態のまま、俺達3人はゴール板を通過した。

 

 …結果がどうなっているかは分からないため、右手は突き上げられなかった。

 

 …だが、俺のベストは尽くした。負けたとしても悔いはねえ。

 

 レースを終えた俺達3人は掲示板に順位が灯るのを待っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。