無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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72話

 

 掲示板に俺達3人の順位は乗らない。

 

 「写真」という文字が雨の中で光っている。

 

 大粒の雨が地面を叩く音と、観客のざわめきが東京レース場に響いていた。

 

 …そして、掲示板に数字が点灯した。

 

1       ⑯

 

2       ⑫

 

3       ①

 

 

 

「…やった」

 

 点灯した掲示板を見て俺はそう呟いた。

 

 そんな俺を後ろからルナが抱きしめてくる。

 

「…お、おいルナ!?」

 

「…ハンター、おめでとう。よくここまで来てくれた」

 

「…ああ、ようやくお前に勝てたよ。長かったなー…」

 

 俺はそうルナを抱き返す。

 

「…これからもお互い姉妹、そして最大のライバルとして、互いに切磋琢磨して行こう、ハンター」

 

「言われなくても分かってるよ、ルナ」

 

 そう俺たちが話していると、後ろからシービーが話してきた。

 

「私も忘れないでね、お二人さん。今度は私も負けないからさ!」

 

「ああ、そうだなシービー、

 

 ハンター、いつものアレをしてこなくてもいいのか?」

 

 ルナはそう言いながらスタンドを指す。

 

 そう言われて俺がスタンドを見ると、ハンターと呼ぶ大歓声が聞こえてきた。

 

 …忘れてたな、そう言えば。

 

「ああ。ちょっと行ってくるよ」

 

 俺はそう言ってルナとシービーから離れていく。

 

 …そして。

 

「…シャー、オラァ!!」

 

 俺は膝立ちになりながら両手を横に広げて、叫びながら観客席に向かうようにして芝を滑っていく。

 

 観客席からの歓声、芝からの水しぶき、そして大粒の雨が祝福するかのように俺に掛かってきた。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

『…シンボリハンターの数字が灯った!

 

 カサマツが信じて送り出した狩人の矢が、世界の強豪、そして絶対的な皇帝をも貫いた!

 

 そして今、滑り込んで自らの勝利を噛みしめる『狩人の咆哮』だー!』

 

「…懐かしいもんみてんな、ルナ」

 

 俺はルナにそう話す。

 

「久しぶりに見たくなってしまってな、このレースを」

 

 ルナは振り返って俺にそう話す。

 

「…このレース、私にとってはいい薬になったよ。

 

 誰も私についてこれないのか…と菊花賞までは思っていたからな。

 

 そう考えてるときにこのレースのお前とシービーだ。

 

 久々にレースの楽しさを思い出したよ」

 

「それだったらよかった。中央に移籍した価値があるってもんよ」

 

 俺はそう言って入れておいたコーヒーを飲む。

 

「…だいたい、今もそうだけどお前は一人で抱え込みすぎなんだっての。

 

 もう少しは俺達を頼れるようになれ。

 

 全て自分がやるっていうのは、お前が自分のことを買いかぶりすぎだ」

 

「…シリウスほどではないが厳しいことを言ってくれるな、ハンター」

 

 ルナは苦笑いしながら返してくる。

 

「俺を誰だと思ってんだよ。皇帝様の妹の狩人だぜ?

 

 それぐらいはお見通しだっての」

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