無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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77話

 

「…では、シンボリハンターさん。お願いします」

 

「分かりました」

 

 俺はそう言いながら抽選箱の中に手を入れる。

 

「…これにするか」

 

 俺は一つの枠番が書かれた紙を取り出す。

 

「…では、シンボリハンターさん。開けてください」

 

「了解です」

 

 俺はそう促されて紙を開く。

 

「…この番号が来てくれるとはな」

 

 俺はそう呟いて、続けていく。

 

「シンボリハンター、8枠16番です」

 

 俺が引いたのは俺の初GⅠで勝利したジャパンカップの枠番。

 

 大外ではないが、外枠に来てくれたのはありがたい。

 

「シンボリハンターさん。感じることはありますか?」

 

 俺はその質問に率直な感想を伝えていく。

 

「…いつもの大外ではないですけど、外側の枠番を引くことが出来たのはありがたいですね」

 

「この番号は、ジャパンカップの時と同じ番号ですね。思うことはありますか?」

 

 俺はそのまま話していく。

 

「…まあGⅠ初勝利、後はルドルフに初めて勝利できた枠番ですからね。縁起はいいですよね。

 

 ドリームトロフィーの連勝記録も続いているので、「芝に行ったら負けた」とか「ダートでしか勝てない」って言われないようにしたいですね。

 

 後は、ルドルフと久々のガチレースなんで素直に思いっきりレースを楽しもうかなって思ってます」

 

 俺がルナを見ながらそう話すと、ルナは俺と同じような笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「準備は万全か、ハンター?」

 

「もちろん、言うまでもないっての」

 

 本番の朝、生徒会室で俺とルナはそう話していく。

 

「お前と本番のレースで戦えるのはいつ以来だ?」

 

「俺が凱旋門を取る前だから、宝塚記念以来だな。

 

 そう考えたらガチのレースって全然してないんだな、俺達」

 

 凱旋門賞が終わり、怪我を完治させた俺はドリームトロフィーダートに移籍した。

 

 ルナもドリームトロフィーに移籍したが、ルナが行ったのはもちろん芝。

 

 あれから戦ったことは公式戦では一度もなく、模擬レースで何度かである。

 

「ああ。…GⅠでは最後までお前に勝つことはできなかった。

 

 その想い、しっかりとぶつけさせてもらうよ」

 

 ルナは俺にそう話してくる。

 

「ああ。とはいえ俺もGⅡやGⅢみたいなレースだとお前には勝ててねえからな。

 

 お互いしっかりベストを尽くそうぜ」

 

 俺はルナにそう返していくと、生徒会室の扉が勢いよく開かれた。

 

「カーイチョー!遊びに来たよー!」

 

 テイオーである。

 

「テイオー、ここに入る時はノックをしろって言ってんだろ?」

 

「ごめんって、ハンター。でも、ちょっとカイチョーと話したくってさ」

 

 テイオーは腕を後ろで組みながら、そう俺たちに話す。

 

「テイオー、緊張はしているのか?」

 

「そう言うカイチョーとハンターはどうなの?二人でも緊張とかはあるの?」

 

「私はドリームトロフィーに挑戦するのは初めてではない。緊張などしていないさ」

 

「俺も、芝に挑戦するのは初めてだけど、ドリームトロフィーは初めてじゃねえ。もうこの緊張も慣れたもんよ」

 

 俺たちの言葉を聞いてテイオーは話していく。

 

「…あのね、ボク不安なんだ」

 

「どうしたんだ?」

 

 そうルナが聞いていくとテイオーは答えていく。

 

「カイチョーとハンターが…。

 

 ボクのスピードについてこれなくて、悔しくて泣いちゃうんじゃないかってね!

 

 …ってイタイイタイ!ハンター、ギブギブッ!」

 

「そんな想像をするな!」

 

 ルナはそう返し、俺はテイオーの首に無言でチョークスリーパーを掛ける。

 

「ごめんってハンター!もう解いてってば!」

 

 俺がルナを見ると、ルナは感慨深い顔をしていた。

 

 まあテイオーはルナに憧れてるし、ルナも結構テイオーのことを可愛がってる。

 

 その気持ちが分からないでもない。

 

「…か、カイチョー。本気で怒ったの?」

 

 …そう聞くテイオーにルナは「怒ってない」と返していく。

 

 そう話した後、俺達はレースが行われる東京レース場へと向かっていった。

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