ターフに出る直前、俺達スピカの面々は着替えて控室に待機していた。
「おーし、連れて来たぜっと!」
そうゴルシは麻袋の中から拉致してきた沖野さんを出す。
「お、お前ら…!」
「「「「ようこそ、チームスピカへ!」」」」
沖野さんに俺以外の7人はそう話していく。
「…なんだよ、普通に呼べよ…」
そう話す沖野さんに俺は7人の後ろから前に出る。
「トレーナーが行方不明だから、ゴルシに捕まえてもらったんですよ。
まったく、どこ行ってたんすか?」
俺がそう話すと沖野さんは首を背ける。
「…何すねてんだ?」
「トレーナーさん、今日はどう走ればいいですか?」
そうスぺが聞くと、沖野さんは首をこっちに向ける。
俺たちが沖野さんの顔を見つめる中、隣の控室から声が聞こえてきた。
「リギルの声…か」
俺たちの相手となる、リギル。マイラーのタイキを除いて全員が出場している。
そして、沖野さんは口を開く。
「…ったく、作戦なんてねえ。チームスピカのやることは一つだ。
リギルのやつらを、あっと言わせてやれ!」
「「「「はい!」」」」
俺たちは沖野さんにそう返答する。
「おしっ、アタシたちも円陣だ!」
「いいですわね!」
「トレーナーさんも入って下さい!」
「いいって俺は…」
俺たちはそう各々が話しながら円陣を組む。
「ハンター、しっかり気合入れてよ?」
「言われなくても分かってるってのテイオー」
俺はテイオーに促される。
…ホント、全員よくここまで成長してくれた。
俺の最初で最後となる芝でのドリームトロフィー。
こいつら全員と本番で走るのも最初で最後だ。
「お前ら、全員調子とか、怪我とかは大丈夫だよな?」
「ええ!」
「行けますよ!」
「言われなくても!」
「大丈夫ですわ!」
「心配無用だっての!」
「もちろんです」
「はい!」
7人からはそう俺にそれぞれの言葉が返ってくる。
「…ホラ、沖野さんも覚悟決めてください」
「…ああ、分かってるぜハンター」
沖野さんから俺にそう返ってくる。
そして俺は息を吸い直して、思いきり叫ぶ。
「俺たちは誰だ!」
「「「「王者、スピカ!」」」」
「誰より汗を流したのは!」
「「「「スピカ!」」」」
「誰より涙を流したのは!」
「「「「スピカ!」」」」
「戦う準備は出来ているか!」
「「「「おおーッ!」」」」
「チームの誇りを背負い、全員狙うはただ一つ!
一着、そしてウイニングライブセンターのみ!
…行くぞーッ!」
「「「「おおーッ!」」」」
俺の声に呼応するように、他の7人もそう叫ぶ。
全員のボルテージは最高潮になった。
これならいいレースをすることが出来るだろう。
そう感じた後、俺達は地下バ道へと向かった。
最後はダイヤのAで主人公が所属する青道高校で伝統的に行われている「王者の雄叫び」が元ネタ。一度書いてみたかった。