「…順位が決まらない?」
控室で運営の人からレースを終えた俺達はそう聞かされた。
「はい、ゴールする時、全員が横一列になっているので…、判断が出来ないんです…」
そう言われて、俺とルナはゴール時の写真を見せてもらう。
「確かにこれは…、判断できないな…」
その写真は俺達が全員一直線になりながら、ゴールする様子が写っていた。
誰かが抜き出ていたり、誰かが少し下がっていたりする様子もない。
「どうする?ウイニングライブの時間も近づいてきてる。
準備の時間も含めていくと、長考はできねーぞ、ルナ」
俺がそう話していくと、ルナは返してくる。
「しかし、順位が決まらない以上はウイニングライブは出来ない。
ウイニングライブは一着のウマ娘が観客に感謝を伝えるための場であるからな」
そう言いながらも、ルナは顔をゆがめる。
「…かといって誰かを一着として、それ以外を二着にしてしまうと必ず不満が生まれてしまう。
どうすればいいのか…」
百戦錬磨である俺やルナでさえも経験したことがないこの状況。
どうするのが正解なのか…。
俺たちがそう悩んでいたところ、2人のウマ娘が入ってきた。
「なーなー、まだ決まらねーのか?」
「待てと言っているだろう、ゴールドシップ!」
ゴルシとエアグルーヴである。
「すみません会長、それにハンターさん。
ゴールドシップが「もう待ちきれねえ!」と言って…」
「まあ、しゃーねーよ。この結果じゃ、順位がマジで決まらないからな」
俺はエアグルーヴにそう返していく。
「…君たち二人にも聞いておきたい。
この結果、誰を一着にすればいいと思う?」
ルナはそう言って、2人にゴール時の写真を見せる。
「…確かに、これじゃ分かりませんね…」
エアグルーヴも俺達と同じ反応である。
そんな中、ゴルシがそれを見て話してくる。
「…なあ、もう全員一着ってことでいいんじゃねーか?」
「…は?」
俺がそう言うとゴルシは続けてくる。
「ああ。要するに全員同着ってことなんだろ?
それなら全員一着ってことにしてライブやればいいんじゃねーか?」
…確かに、一理あるな。
「…それなら、全員納得するな。
全員ソロ曲は持っているし、共通曲もそれなりに踊れるし…」
「おいおい、ハンター。共通曲やれるのか?
「おいコラ。あれから俺も練習してるんだよ。
それなりには踊れるようになってるっての」
俺はゴルシにそう返していく。
一応普通のウマ娘並みには踊れるようにはなったのが今の俺である。
「では、順番はどうしていきますか?」
「それなら今回のレースの枠番順にやって行こう。
そして最後に共通曲で締めるのが良いのではないだろうか?」
「ああ、そうさせてもらうか」
俺たちはそう話して、ウイニングライブの準備へと取り掛かっていった。