「…ってな訳で、管理教育プログラム導入とアオハル杯の中止を延期させてもらうことには成功した」
生徒会室で、俺はタイキ達に向けてそう話す。
「その言い方…、何かあるのか?」
そんな俺にブライアンがそう話してくる。
「ああ。理事長代理から『アオハル杯に参加するウマ娘はドリームトロフィーシリーズ所属のウマ娘限定』っていう条件が出されてな。
デビュー前やトゥインクル真っ最中のウマ娘に更なる負担を掛けさせることはできないということらしい。
…こういう大会は様々な年代との交流も産むから必要だって言ったんだが、そこは譲れないって言われたよ」
そう話した後、俺はタイキ達に向けて頭を下げる。
「タイキ、本当にすまない。お前が発案者なのに参加できないってことになってしまった。
俺にもっと力があれば…」
唇をかむ俺をタイキは「イイエ」と声をかけてくれる。
「ハンターさんが言ってくれたからコソ、あの人も延期してくれるのだと思いマス。
…ハンターサン、ワタシたちの分まで走りぬいて下サイ!」
「…タイキ、ありがとう」
俺はタイキに向けてそう返した。
◇ ◇ ◇
「…で、チームをどうするか…だな」
「ああ、ドリームトロフィー限定となった以上、エルコンドルパサーやグラスワンダーのようなウマ娘は誘えない。
エアグルーヴとブライアンも同じだ」
「こっちもだ。スズカやスぺ、それにテイオーやゴルシを誘えたらいい感じになると思ったんだけどな…」
生徒会室でルナと俺は2人でメンバーについてそう話していく。
「ルナが長距離、俺がダートに回るとして残るは短距離・マイル・中距離。…さて誰を誘うか」
俺がそう話していくと、生徒会室の扉が開く音がした。
「…お2人さん、根気つめすぎちゃノンノン♪
もっとに気楽したらどうなの?」
「そうだよ、2人ともただでさえ顔険しいこと多いんだからさ。
たまにはのんびりしたら?」
生徒会室に入ってきたのはマルゼンスキーとミスターシービー。
俺とルナの同期のウマ娘達である。
「…シービー、仮にもこれからの学園の未来を背負ってるんだよ、俺達は。
そんなことしてる暇なんてねーよ」
「それもそっか」
シービーはそう返し、マルゼンと共に俺とルナが見つめている登録用紙を眺めてくる。
「それがアオハル杯の出場登録用紙なの?」
マルゼンの言葉にルナが返していく。
「ああ。私が長距離、ハンターがダートを走るとして残り3人を誰にするか考えている所だ」
「今回は負けが絶対に許されない勝負だからな。
3勝したらアオハル杯は勝てるが、学園を背負うものとしては完全勝利が望まれてる。
…それを達成するために誰を誘うか、そこで悩んでいるんだ」
選択肢として、オグリやタマ、それにクリークといったウマ娘達もいる。
確実に5戦すべてを取りに行くためには、俺達ができる限りの最善を取りたい。
そう考えているとマルゼンが話してきた。
「へえー、それじゃ、お姉さん頑張っちゃおっかな!」
マルゼンはそう言うと、ボールペンを走らせて短距離の欄に自身の名前を書いた。
「ま、マルゼン?」
ルナがそう驚きの声を呟くのと同時に、マルゼンは話していく。
「一度こういうのやってみたいと思ってたのよ。
ルドルフとはリギルでチームだけど、ハンターとはチームで戦ったことなかったじゃない?」
「…ありがとう、マルゼン。
君が味方になってくれるのは心強いよ」
マルゼンの言葉にルナはそう返していく。
そして、椅子に座る俺の後ろから登録用紙を見つめる。シービーも口を開いた。
「じゃあ私も、走らせてもらおっかな」
シービーもマルゼンと同じように、マイルの欄に自身の名前を書いていく。
「久々に私も、こういう感じのレースやってみたいと思ってたんだ。
またよろしくね、ハンター」
「ああ、シービー。いつものエッグい末脚、期待してるぜ」
そうして5つの枠の内、4つが埋まった。後はトレーナーと中距離枠一人である。
「それで、トレーナーは誰に頼もうか」
「ウチのトレーナーでいいんじゃない?
あの人、そう言うところは気にしなさそうな人だしね」
「良いわね。あの人のトレーニング、一度受けてみたいと思っていたのよ」
…まあ、沖野さんならこころよく引き受けてくれるだろう。基本俺たちのやりたいことを優先してくれる人だ。
「で、中距離担当…か」
「どうするの、オグリちゃんでも誘う?誘ったら来ると思うわよ」
ルナとマルゼンが話す通り、残るは中距離担当のウマ娘。
マルゼンが話す通りオグリもいるし、中距離なら走れるウマ娘は多数いる。
「いや、オグリ達もいいけど、心当たりが一人いるんだ。
先にチームトレーニングを始めておいてくれないか?」
「分かったよ、ハンター」
俺はルナたちと別れて、そのウマ娘の元へと向かっていった。
…まあ、ぼかしましたけど、このウマ娘が誰か皆さんなら分かりますよね?