「…ええ。理事長代理の確認取れました。
それで調整お願いします」
俺はある人物と連絡を取る。
『分かったよ、ハンター。
俺達も初めてだからうまくできるかどうかは分からないけどね』
「いや、そもそも同意してくれたことがありがたいっすよ。
『今回のアオハル杯は、他サポーターチームとの合同応援とする』。
受け入れてくれてホント、こっち側としても嬉しいです」
俺が連絡しているのはHuntersのコールリーダー。
今回は複数のサポーターグループとの合同応援のため、その辺の連絡である。
『…で、レース中の曲だけど、ダートのレースだしいつもの大チャンステーマでいいかい?
モンキーターンとかデコトラとかCallingでも大歓迎だよ』
俺は少し悩んだ後に口を開く。
「そうですね…。
…幻の曲、お願いしてもいいですか?」
『え、アレは君が『できればやめて欲しい』って言った曲だろ?
こちらとしては喜んでやるけど、良いのかい?』
サポーターが歌う曲はその担当するウマ娘が許可を出すことで歌うことが出来る、という制度になった。
基本的にそのウマ娘が拒否することはないが、その中で俺が唯一断った曲だ。
「…はい、今回は俺達も全力でチームファーストに挑みます。
そのためにもあの曲が必要だなと」
『分かった、君がいいならそれで調整させてもらうよ』
「助かります。…後、今回から登場曲制度を導入するんですけど、調整は大丈夫ですよね?」
登場曲制度、俺達がバ道がフィールドへと入場する時に流れる曲だ。
今回のアオハル杯から実験的に導入する。
『ああ。君のやろうとしてることは分かってるよ。
俺たちに任せてくれ』
「…ホント、すみません。こっちの都合で色々させちゃって」
俺はそう謝るが、リーダーは「大丈夫、大丈夫」と声をかけてくれる。
『こっちが好きで応援してるんだからさ、君の1位が見れるのであれば俺たちはなんだってするよ。
俺たちはサポーターなんだからね』
「…ありがとうございます」
俺は改めて、リーダーに感謝を示した。
◇ ◇ ◇
…そして、当日。
俺の出場するダートレースは最初である。
「…ハンター、緊張はしていないか?」
控室で俺はルナからそう話される。
「問題ねえよ。むしろちょうどいいぐらいだ。
どれだけ走ってきたと思ってんだよ、ルナ」
「ふふっ、それもそうか」
ルナは笑ってそう返してくる。
「シリウス、しっかり勝ってお前につなぐから、ちゃんと準備しとけよ」
レースの順番はダート(俺)→中距離(シリウス)→マイル(シービー)→短距離(マルゼン)→長距離(ルナ)である。
ここで躓くことは絶対に有ってはならない。
「ああ。別に負けて帰ってきてもいいんだぜ?」
「そんなヘマしねーよ、シリウス」
シリウスにそう返して沖野さんのもとへと向かう。
「…沖野さん、いつも通り、ですね?」
「ああ。お前のいつも通りの走りをすれば、負けることはないはずだ。
しっかり走って来い!」
「…了解です」
俺は沖野さんの言葉にそう返して続けていく。
「…全員、円陣組んでもらってもいいか?」
「お、やっちゃう?」
「そうよね。気合入れて行かないと!」
「あんまり、こういうのは私らしくないのだが、ここにいるのは君たちだけだ。
やらせてもらうとしよう」
「確かにな、私の取り巻きもいねーんだ。お前らなら信頼はできるしな」
4人はそう言いながら俺の周りに集まってくる。
「ホラ、沖野さんも来てくださいよ」
「今回俺はいいだろ…。ほとんどお前ら自分でやってたじゃねーか」
「とはいえ、ちゃんとメニューは考えてくれてたじゃん。
円陣入ってよトレーナー」
シービーの言葉通り、チームを組んでから沖野さんは基本的に俺達の自由にトレーニングさせてくれたが、その中でもしっかりオーバーワークなどについてはしっかり指示してくれていた。
それだけでも十分だ。
無理矢理俺とシービーの間に沖野さんを入れて俺は話していく。
「…全員狙うは勝利のみ、チームが狙うは完全勝利!
『チーム生徒代表』、READY TO FIGHT!」
「「「おうっ!」」」
…レースを前にして、俺達の気持ちは一つになった。
さあ、戦ってくるとしますかね。