中身入りロボット、魔法少女の騎士になる。   作:ダイコンハム・レンコーン

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※今回は掲示板要素アリ。

そろそろ本筋の話が始まる、かも。

追記:ID追加してみた。


夢見るロボット/物語の始まり

 姿が見える。逃げ惑う人の姿が。

 

 声が聞こえる。誰かが助けを呼ぶ声が。

 

 どこからか匂いがする。鉄臭い血の匂いが。

 

 口の中に苦味が広がる。埃被った土の味が。

 

 触れれば分かる。鼓動の一つもありはしない事が。

 

 暗闇の中に居る時はいつもその光景が見える。戦場の中に、俺が……いや、()が居る。

 

 白い機体を土埃と血でドス黒く染め上げる私は、両手に銃を持ち、恐怖に慄き逃げる敵兵を撃ち殺していく。腰を抜かした兵士の腹は踏みつけ、もう片足で頭を蹴り抜くと空にオタマジャクシの様な影が飛んでいった。

 

 ──もし、この身体が前世の時にあれば。

 

 どこからか、そんな声がする。

 

「違う、違う、違う、そんな事思ってない」

 

 俺は否定するが、状況は何も変わらない。目の前の光景は俺を置き去りに先へ進む。

 

 物陰から飛び出した敵兵が鉄パイプで私の頭を打ち抜いた。だが傷一つ無い。ゆっくりと銃口をそちらに向け引き金を引いた。しかし弾は出ない、弾薬切れらしい。

 

 すると私は、銃を捨て空手になって敵兵の方へ向かう。

 

 ──殺して、殺して、殺して。

 

「俺は、ただ守る為に、助ける為に……!」

 

 敵兵を押し倒し、私は馬乗りになる。

 

 私は、両方のマニピュレーターで敵兵を殴り始めた。

 

 ぐしゃり、べちゃり、何かが湿っぽく折れる音がする、何かを掻き回す様な音がする。

 それだけに飽き足らず私は、敵兵の腕や足を玩具の様に引っ張り始める。

 

 白い身体が赤く塗り潰されていく。まるで、自分と言う存在が塗り潰されていく様に。

 

 俺は見ていられず、目を逸らそうとした。

 

 しかし、その先には別の光景が広がっていた。夜の嵐と雑木林、この前見た光景がそこにあった。でも、そこに立つ者達の姿はまるで違っていた。

 

 俺の記憶と違うのは……騎士が青髪の女の首を絞めていると言う事だ。

 

「危険ハ、排除、スル」

 

 スリットの奥には赤い光が灯っていた。声にはノイズが混じり、音が割れている。魂の一欠片も感じられない無機質な言動は、今の私がただの機械となっている事を示していた。

 

「決シテ、逃サナイ」

 

 ──あれが兵士の、ロボットのあるべき姿だ。中途半端なお前とは違う。

 

「……そんな事の為に戦っているんじゃない」

 

 ──本当にか? お前はあの時、本当にそうしていたのか? 矛先を真っ直ぐに女の胸元に突き立てようとしたのに、か? 

 

「っ! 俺は……」

 

 ──お前は殺そうとした。奴を敵として認識したその瞬間に。奴が水になって消えなければ奴は間違いなく死んでいた。

 

 頭の中に響く声に、俺は反論する言葉を失ってしまった。それが、他ならぬ答えだった。

 

 俺は俯き、また視線を逸らした。

 

 その先には水面が広がっている。

 

 映り込む俺の姿は、真っ赤に汚れた私の姿。

 

 ──死んだって逃げられないぞ。お前の手は血で汚れている。誰かの手を掴もうとするのは、その血を誰かの手になすり付けて綺麗になりたいからだろ? 

 

「っ!」

 

 水面からいくつもの手が伸びて俺の身体を掴み、引き摺り込もうとする。

 

「……なら、どうすれば良かったんだ。誰かを信じる事は罪だったのか?」

 

 ──そしていつの間にか意識は暗転し、俺は給電機の側で目覚める。

 

 ……

 

 …………

 

 ………………

 

789:335 ID:It5GHDD+G

 と言う夢を最近給電中に見るんだが、どうすれば良いだろうか? 

 

790:冷たくなった名無し ID:yWIZB1p2u

 精神科行け。

 

791:冷たくなった名無し ID:O/iv7m+aP

 行けたら苦労しないんだよなあ。

 

792:冷たくなった名無し ID:OH62lj3KO

 睡眠薬飲め。

 

793:冷たくなった名無し ID:O/iv7m+aP

 飲めたら苦労しないんだよなあ。

 

794:冷たくなった名無し ID:yFZGj+Qvz

 ロボットって案外不便なんやなあ。ムードオルガンとか無いんか? 近未来やのに。

 

795:冷たくなった名無し ID:i8gFjWkdI

 ロボットに人間の魂がある状況自体がかなりイレギュラーだからな。自分を人間と思い込む精神異常ロボットとかじゃないのはここに居る時点で明らかやし。

 

796:冷たくなった名無し ID:ySEGlQqQi

 人の魂を持ったロボットに何を以って自我があると証明するか。

 →この掲示板が答え。

 うーん世の中の理不尽。

 

797:冷たくなった名無し ID:4LcG9h8hN

 >>794

 そう言う世界観だと下手したら335がセクサロイド扱いされそう。俺ならする。

 

798:335 ID:It5GHDD+G

 セクサロイド? 

 

799:冷たくなった名無し ID:yWnzNdYOJ

 ふふ……S◯X! 

 

800:冷たくなった名無し ID:+kBxPJfl1

 やめないか! 

 

801:冷たくなった名無し ID:J2W6HUAT6

 オリオン座の下で? 

 

802:冷たくなった名無し ID:wpBzCRG0R

 セッ◯ス! 

 

803:冷たくなった名無し ID:eQH3JuSWJ

 やめないか! 

 

804:冷たくなった名無し ID:cMG3Y5Xgq

 >>799〜>>803

 なんやその連携力は。

 

805:335 ID:It5GHDD+G

 もしやセクサロイドとは性処理を目的としたロボットか? 

 

806:冷たくなった名無し ID:ChxXHHmF8

 こうしてると無知シチュみたいやな。

 

807:冷たくなった名無し ID:Qgg7WTHt8

 >>805

 せやで。まあ造語の一つやからそっちの世界でも使われてるかは分からんけど。

 

808:335 ID:It5GHDD+G

 そう言った機能は無いな。非公式のオプションパーツではあるかもしれないが。

 

809:冷たくなった名無し ID:64Z/HiyX8

 そもそもなんで335はその言葉にピンポイントで反応したんですかねえ……。

 

810:冷たくなった名無し ID:02j6uy5gx

 ワイ天才美少女アンドロイド、無知シチュと見せかけたドスケベと言う言葉で閃く。

 

811:冷たくなった名無し ID:GUIkrqHRC

 >>810

 ブレードラ◯ナー呼ぶぞ。

 

812:冷たくなった名無し ID:SjEs/2RrG

 取り敢えず物理的なアプローチは無理があるのは確かや。

 

813:冷たくなった名無し ID:NbCtf2MhX

 精神的なアプローチが理想だな。夢を見るのがバグ扱いになるならプログラムなどのソフト面から直せるかも知れないが。

 

814:冷たくなった名無し ID:2t6aIzdJg

 >>813

 でもこれ魂が夢見てるって感じやけどな。脳のバグにしたらあまりにも話の筋がはっきりし過ぎてる希ガス。

 

815:335 ID:It5GHDD+G

 何にせよ精神的に改善が必要、と言う事か。

 

816:冷たくなった名無し ID:NbCtf2MhX

 これが何らかのトラウマによるモノならそのトラウマを克服するのが一番手っ取り早いだろう。何か自覚はないのか? 

 

817:冷たくなった名無し ID:InM0fUZTP

 世界初の精神病ロボットの誕生か? 

 

818:冷たくなった名無し ID:nYNQsa11V

 >>817

 不謹慎過ぎる……。

 

819:335 ID:It5GHDD+G

 >>816

 要因は幾つかあると思っている。

 1つ目はこの手で殺して来た命への罪悪感。

 2つ目はいずれこの世界もこうなるんじゃないかと言う恐怖。

 3つ目はそんな血で汚れた俺が娘の側に居続けて良いのかと言う戸惑い。

 このままではいずれ夢に見たあの姿になってしまう様な気がして、どうにも不安だ。

 

820:冷たくなった名無し ID:xoXjG41KX

 このスレにおるんが気の毒な位真面目な奴やな。

 

821:冷たくなった名無し ID:NbCtf2MhX

 決して理解出来なくはない感情の動きだな。それなら幾つか解決策はあるかもしれない。

 

822:冷たくなった名無し ID:2qVVt9OCT

 悩んでもどうしようもない事ばっかやん。既に終わった事、未知の未来への不安、相手が知りようの無い過去の話。

 

823:335 ID:It5GHDD+G

 >>821

 本当か? 

 >>822

 確かにそうだが、どうしても割り切れないんだ。

 

824:冷たくなった名無し ID:o34X+8n5I

 >>821

 メモ帳ニキじゃん。

 

825:冷たくなった名無し ID:tOTBsPpEE

 誰だよ。

 

826:冷たくなった名無し ID:o34X+8n5I

 >>825

 石ころニキと同じ古参スレ民。石ころニキより出現率が低いはぐれメ◯ル。

 

827:冷たくなった名無し ID:viWoeCPBB

 はぐれ◯タルとかマ? 狩らなきゃ……(使命感)

 

828:Hなメモ帳 ID:NbCtf2MhX

 まあ細かい事は省くが戦闘経験やら危機に直面して誰かを救助する奴って言うのはトラウマを抱え易い。335は兵士であり救助者だったんだろ? なら寧ろなっていない方が凄いと言う話だ。

 

829:Hなメモ帳 ID:NbCtf2MhX

 大雑把に説明すれば大体三つの治療法がある。

 一つはトラウマに自ら触れ、それを克服する事。

 一つは他者とのやり取りの中でトラウマによって変わってしまった物を探し、自分の精神を再生させる事。

 一つは物理的に脳に働きかけ、精神の自己治癒を促す事。

 さあ、どれを選ぶ? 

 

830:冷たくなった名無し ID:XvIc468Ff

 一番目なら335だけで、二番目なら掲示板の面子と、三番目は335の世界の人と、って事やな。

 

831:Hなメモ帳 ID:NbCtf2MhX

 説明を聞きたいなら私に聞くと良い。なんたって私は全知全能のメモ帳だからな。

 

832:冷たくなった名無し ID:1VyXVE17S

 全知全能とかあほくさ、厨二病やな。

 

833:Hなメモ帳 ID:NbCtf2MhX

 >>832

 黙れ人格破綻石ころ。煽りの幼稚さでバレているからな。

 

834:賢者の石ころ ID:1VyXVE17S

 >>833

 うわキモッ。変態ストーカーメモ帳やん。

 

835:335 ID:It5GHDD+G

 >>831

 この掲示板の人にも、今居る世界に居る人にも、ましてや娘にも、俺の世界の話は関係の無い話だ。これ以上誰かに迷惑をかける訳にはいかない。1番目の方法について教えてほしい。

 

836:冷たくなった名無し ID:TBq/Y6PLm

 >>833

 >>834

 これが叡智の書と賢者の石のやり取りとかマジで人類のブランドを損ねてます!

 

837:冷たくなった名無し ID:eNrK2OzkM

 なにが人類のブランドですかぁああ!! こんな争いしか知らない蛮族の溜まり場みたいな人類種に権威なんてありませぇええん! 

 

838:Hなメモ帳 ID:NbCtf2MhX

 >>835

 良いだろう。まず大事な事は許容出来る範囲でトラウマに関わる出来事に触れる事だ。それが335にとって戦争であるならば、それを少しずつ思い出していけ。そしてそれを受け入れて慣れていけ。それが出来れば更に深く切り込む、それだけだ。

 後、いくらトラウマを克服する為とは言え戦場に直接乗り込むなんて馬鹿な真似はするなよ? 成功すれば直ぐに解決出来るだろうが絶対やるなよ? 

 

839:335 ID:It5GHDD+G

 そうか、分かった、やってみよう。

 

840:賢者の石ころ ID:1VyXVE17S

 >>838

 フリかな? 

 

 

 

 ──✳︎──

 

 

 

 夜の街には魔が潜む。魔王の手先なりし魔物達が。

 

 苗が根を張るかの如くに、徐々に、人の世界を脅かす。

 

 しかし、それに争う者たちが居た。

 

 "魔法使い"そう彼らは呼ばれた。かつて魔王に滅ぼされた世界から逃げ延びた者たちが伝えた力を使い戦う存在だ。

 

 彼らは日夜魔物達と戦いを続けている。

 

 今日も、また。

 

 ……

 

 …………

 

 ………………

 

「誰か助けて!」

 

 絹を裂くような悲鳴をあげ、ビルの隙間を縫う様に走る人影。

 

 それを追って空を駆ける獣。尋常ならざる脚力でビルの上をスイスイと渡る。

 

 獣は歪な笑みを浮かべて笑う。それは威嚇でもなければ喜びでもなく、ただ嘲っているだけだ。

 

 彼らは生まれながらにして悪辣かつ残虐、歪んだ願いから生まれた恐怖の(しもべ)、その名は"魔物"。

 

 容姿は数多、その素性も数多。今獲物を追う魔物の姿は、人狼と呼ぶに相応しい見た目をしていた。

 

 彼我の脚力は言うまでもなく人狼型の魔物が上。

 

 逃げる人間の前に回り込み、人狼は路地に降り立つ。

 

 針金の様な鈍色の毛、血走った眼、ぬらりと光る牙。その圧に尻餅をついていた人間は、恐れ慄く他にない。

 

 鋭い爪を伸ばした掌が、人間の頭上に持ち上がる。影の中で涙が光っていた。

 

 このまま、この人間の命は終わるのか。そう思われた時。

 

「ちょっと待ったぁぁああっ!!」

 

 夜闇を切り分け、ピンクのツインテールを棚引かせたヒロインは空から現れた。

 

 突如乱入した首に赤いブローチを下げた白とピンク色のドレスの少女は人間と魔物の間に立ち塞がる。魔物は気にかける事も無くそのまま手を振り下ろす。

 

「なんのっお!」

 

 彼女もまた頭上に掲げたピンク色のハートが備わった白い杖でコレを防いだ。

 

 そして飛び散る火花、それよりも疾く両者は動き出す。

 

 攻撃を防がれた魔物は、即座に後ろへ跳躍する。

 

「──遅い!」

 

 が、その懐には既に身を屈めた少女が居た。驚く暇もなく魔物は直上に蹴り上げられる。

 

 更に、少女は路地の壁を蹴り魔物を追い越すと、飛び上がる魔物の背中に回り込みこれを撃墜した。

 

 落下した魔物により飛び散る土煙。晴れるとそこには倒れ伏す魔物の姿があった。

 

 これが、僅か一瞬の出来事である。

 

 唖然として見ていた人間の前に、遅れて降りて来た少女が立つ。

 

「大丈夫ですか!!」

「は、はい……」

「ああ、良かった」

「……えっと、あなたは?」

 

 困惑気味に聞かれた質問に、少女は言いにくそうに返す。

 

「その、言えないんです」

「え?」

「ごめんなさいっ! 忘れて! 『白痴(ブランク)』!」

「あ……」

 

 次の瞬間、人間の頭上に白い魔法陣が現れ、刹那の内に消えていた。すると人間は即座に微睡に落ちてしまった。

 

「すぐ目を覚ます……んだよね?」

 

 心配そうにする少女。

 

「ああ、そうだぜ。だからそんな顔すんなよ」

 

 少女がそうしていると、彼女の胸元の赤いブローチから声が響く。どこかがさつな響きの女の声が。

 

「あ、いや! リュウコちゃんが嘘吐いてるとかそう言う意味じゃないからね!?」

「分かってる。お前がそんな器用なマネは出来ないってこの1日2日で察してるからな」

「え! リュウコちゃんってもしかしてエスパー?」

「いや、命を共有して四六時中側に居たら嫌でも分かるだろうが」

「えっ……リュウコちゃん、私の側に居るのが嫌なの? ごめんね、私が死んじゃった所為で……」

「ちげぇよ! 話聞けこのすっとこどっこい!」

 

 自分の胸と語らう少女、幻覚でもなければ幻聴でもない、紛れもない現実として2()()()少女がそこには居る。

 

 だが、そんな少女の背後で、のっそりと浮き上がる影がある。

 

 先程の魔物はまだ斃れていなかったのだ。手足を巧みに使い、音を殺し少女の背後へと近付いて行く。

 

 そして、少女の背後に取り付き、いよいよその爪を少女の柔肌へ突き立てようとしたその時。

 

「──『颶風(シュツルム)』!」

 

 少女の頭上を通過し、一本の槍が魔物を貫いた。

 

「ひゃっ!? 何なに!?」

 

 驚き頭を抑えながら背後を見やる少女。──そこには十字刃の槍に穿たれ、黒い塵となって消えていく魔物の磔があった。

 

「っ! まだ倒せてなかったんだ……」

 

 少女はそう呟き、額に冷や汗を流す。そこには串刺しにされた魔物の姿に対する衝撃や、命の危機がそこにあったのだと言う恐怖も含まれているのだろう。どうやら彼女が踏んできた場数はそう多くは無い様だ。

 

 だが少女の中に居るもう1人の少女、リュウコはそうでもないらしい。

 

「……そこのアンタ、さっきからずっとコッチ見てただろ? どこのモンだ」

「えっ?!」

 

 路地を囲むビルが作る濃紺色の空の道、その突き当たりには月光を背に立つ者が居た。

 

 月の光を浴び輝く銀色は、夜闇の中でもハッキリと鋭利な鎧の外郭を浮かび上がらせる。兜のバイザーの赤い飾りと赤いサーコートが風に舞い絶えず踊り狂う。絵本の1ページの様な姿だが、決して幻などではない。

 

 リュウコはその存在に気付いていた。気付いていた上でその存在が敵か味方か試していたのだ。

 狙いが外れた時の為にリュウコは、少女の背中に赤い魔法陣を用意していたが、当の少女は気付いていない様子で話は進む。

 

「あれはまるで……」

「……"騎士"、か。虫唾が走る言葉だぜ」

「ちょっとリュウコちゃん?」

 

 突然の事に少女は困惑しながらも、その姿を真っ直ぐに見据えた。

 

「助けてくれてありがとうございました! 魔法使いの方……ですよね?」

「……」

 

 忘れず感謝を伝える少女。だが騎士は何も言わず、槍の突き刺さる場所に降りて来た。

 

 少女は間近で見る騎士の姿に気押されていたが、リュウコは騎士に問いかける。

 

「その匂い……アンタ、その()をどこで見つけた」

「……借り物だ」

「そうかよ」

 

 短い問答を済ませ槍を引き抜いた騎士は、矛先を地面に向け風魔法を唱えると、どこかへと飛び去ってしまった。

 

「えっと、何だったんだろうあの人」

「さあな、魔法使いには変わり者も多い、アイツもその内の1人だったんだろうぜ」

 

 後にはただ、眠る人間と、呆然とする少女と、その内側で不満げに言い捨てるリュウコの声だけがあった。

 

 ──少女の名前は、灯守(ともり)ユウキ。

 

 ひょんな事から炎の魔法使い、辰虎(たつとら)リュウコと命を共有する事になった至って普通の高校生。

 

 彼女はこの先、苛烈な戦いに身を投じて行く事となる。その中で度々現れる謎の騎士。

 

 これは、そんな二者の初めての邂逅であった。

 

 

 

 ──✳︎──

 

 

 

997:335 ID:It5GHDD+G

 と言う訳で早速救助活動に行って来た。

 

998:Hなメモ帳 ID:NbCtf2MhX

 何やっTEENO? 

 

999:賢者の石ころ ID:1VyXVE17S

 う〜ん、これはバカw

 

1000:冷たくなった名無し ID:fPBzfuBv2

 335はやはり天然なのでは……? 

 

1001:1001 Thread

 このスレッドは1000を超えました。

 新しいスレッドを立ててください。

 




地の文と掲示板、主観視点と三人称視点、後他キャラ視点、めちゃくちゃ入り混じってるけど読み易さ的に大丈夫なんですかねコレ……? 

因みに今話で出てきたトラウマの治療法は割とガバガバな付け焼き刃な知識から書いた物なので皆さんは鵜呑みにしないようにしてください(注意喚起)

自分を見限る事なく誤字報告を送ってくれる方々には本当頭が下がる思いです。ありがとうございます。

追記
石ころニキとメモ帳ニキにコテハン追加。
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