二十二の使徒   作:海砂

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第二十五話

 シソの木から北に向かうとアントキバに到着する。

 さらに北に向かうと山賊だの怪物だのマサドラだの。

 ひとまずはゲームから出ることが最優先なので適当にモンスターを狩りつつマサドラに向かう。

 狩ったモンスターをすべて売って買えるだけ呪文(スペル)カードを買う。

 『離脱(リーブ)』は出なかった。ちっ。

 

 マサドラからさらに西へ五十キロ。大金なんかないので所長をぶん殴る。

 強化系じゃない私でも割と簡単に倒せたので、意外と『離脱(リーブ)』よりこっちの方がねらい目なんじゃないだろうか。

 もっともここに来るまでにまたさまざまなモンスターと遭遇したけど(だいたい逃げた)

 

 そしてチケットを使って現実に戻る。

 流星街唯一の港アガベ。そこに飛んで、本拠地へと戻る。

 グリード・アイランドに入ってからこの間、およそ十日。

 ゲレゲレはおとなしく待っているだろうか。

 本拠地に入るとボノレノフさんとマチさんが居た。ゲレゲレもいた。

 

「ミャィァイ」

 

 形容しがたい鳴き声をあげてゲレゲレは私の懐に飛び込んでくる。

 勢いあまって倒れ込む。強化系の愛は重い。

 

「待たせたね、ごめんね、ただいま」

 

「その子、あんたのペットだったのね。危うく殺すところだったわ」

 

 で、団長は? と聞かれる。あったことをそのまま伝えた。

 船で修業をつけてもらったこと、グリード・アイランドに上陸したこと、ゲレゲレと出会ったこと、ハンターライセンスを取りに行ったこと、一旦グリード・アイランドの中に入ってゲレゲレがプレーヤーとして参加できるかどうか聞いてきたこと。

 そして何より重要なのは。

 

『団長はまだ念を取り戻してない。でもヨークシンの真東にグリード・アイランドがある。すなわちグリード・アイランドの中に除念師がいる』

 

「なるほど、シャルの分析とも一致するな」

 

「あ、シャルナークさんも戻ってきてたんですか?」

 

「ああ、今はゲーム内に持ち込む品を探しに行っている。他のメンバーもそれぞれそうだ。数日中にはここにまた集まるだろう。旅団員が一人増えたから、その時にでも紹介しよう」

 

 そして二日で、団長さんを除く旅団メンバー全員が本拠地に集合した。

 一人増えた旅団員はヒソカの抜け番、旅団ナンバー4のカルトちゃん。

 

「初めまして、カルトさん。私は故あって旅団とともに活動しているプロハンターのエイラと申します」

 

「……よろしく」

 

 そっけない。だがそれがいい。

 愛想のいいカルトちゃんなんてカルトちゃんじゃない。

 

「で、エイラ、団長は何だって?」

 

「私がグリード・アイランドの、全てではないですが知識を持っているので、それを有効活用するようにと。ちなみにそこの虎はゲレゲレと言って、私の相棒です。念も使えます。空きスロットを使わせていただいてスタート地点の人に聞いて、この子もグリード・アイランドに入れることは確認済みです」

 

 シャルナークさんはうーんと首をかしげる。

 

「確かにグリード・アイランドの情報自体は必要なんだけど、別にクリアを目的としてるわけじゃないしなあ……」

 

「それよりもむしろあそこにいる除念師、ですよね」

 

「あ、やっぱ団長もそう思ってた?」

 

「はい。ヒソカさんに除念師を見つけてくるよう依頼しています」

 

「それはもう知ってる。中でヒソカに会ったから」

 

 なるほど旅団員とヒソカとの接触は完了していると。そういえば団長さんもそう言ってたな。

 

「で、詳細は言えないけど人を探す能力を持っているボクがメンバーになった」

 

 なるほどなるほど。

 それでこれからカルトちゃんを連れてみんなで中に入ってアベンガネを探すのか。

 

「私にもヒントなら見えました。その除念能力者は頭部を含む全身を覆うマントを着ている……と思います、占いに出ました」

 

「へぇ、それは確度はどのくらい?」

 

「さぁ……私の占いはそれなりには当たりますが100%とはいきませんので」

 

 キルアがグリード・アイランドに戻ったということは「爆弾魔(ボマー)」の一斉爆破はもう終わったということだから、アベンガネは念獣とともにマントを羽織って隠れているはず。

 ただ、正直このあたりの細かい時系列まではよく覚えてないな。

 

「私は引き続き修業したいので、マサドラ近辺でモンスターを狩って呪文(スペル)カードを買うことを繰り返したいんですが。皆さんが除念師を探すにも呪文(スペル)カードがあった方がいろいろと便利でしょうし」

 

「そうだね、別に全員が一緒に行動する必要はないし、構わないと思うよ」

 

「オレたちは引き続きプレイヤー狩りするかね」

 

「それもいいけど、ヒソカを監視する役目が一人か二人必要かな。万が一向こうが先に除念師を見つけてしまったらこっちの計算も狂うし」

 

 メンバーがばらけるのなら私が中継役として動くのもアリかな。

 そうシャルナークさんに伝えて了承を得る。

 グリード・アイランドの中でケータイは全く使えない。

 私の『愚者』の能力があれば誰がどこにいるかは一目瞭然だし、呪文(スペル)カードを多数保持していればメッセンジャーにもなりやすい。

 

「よし、じゃあ誰かに伝えることがあって手持ちの呪文(スペル)カードが心もとなかったらエイラの所に行くということで。面倒だったらその辺の誰かから奪ってもいいけど目当てのものを持ってるとは限らないしね」

 

 フランクリンさんがヒソカの監視、フィンクスさんとフェイタンさんはプレイヤー狩りの続き、私はマサドラ周辺をウロウロ、それ以外は除念師を探すのに専念することになった。

 

 そして私は再び、グリード・アイランドの中に入る。

 今度はゲレゲレも一緒に。

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