手に入れていた
所有枚数で出たのは四枚。
情報収集で得たとおり、四枚がそれぞれ誰かに所有されているようだ。
このカードはカード化限度枚数が六枚と少ない。
すなわち、カード化できるのは残り二枚。
一往復で二匹のカメレオンキャットをゲットして戻っては売る。
それを二度ほど繰り返すと
次は修行。ドラゴンに行くその前に、もう少し情報収集をした。
この街では他に指定ポケットの魔女シリーズの何かを手に入れることが出来そうだ。
聞いた限りでは修行になりそうな感じはしないので、やっぱりドラゴンに向かうことにする。
街を出て真北に六十キロ。森を越えて木々はまばらになり、山を登る。
途中に出てくるモンスターもそれなりに狩っていった。
山の中腹に差し掛かった所だろうか、すさまじい空気の振動とともに獣の咆哮が聞こえた。
きたか、ドラゴン!
私の左側から凝をされた爪が襲い掛かってくる。かわすのは容易い、キルアより遅い。
二トントラック程度の大きさのドラゴンがそこには居た。
想像していたより、意外と身は細い。
私のイメージはおなかがでっぷりしたドラゴンクエストのドラゴンだったんだけど。
二本の角に凶悪な牙、鋭い前足の爪。
角が一本であることを除けばゲレゲレだって負けてないぞ。
サイズは段違いだけれども。
ゲレゲレと私は堅をする。想定外の攻撃に備えるためだ。
ドラゴンは口元にオーラを集め始めた。これはあれだな、火を吐くな。
「ゲレゲレ! 口から火!」
言われなくとも理解していたゲレゲレは、ドラゴンから吐き出された炎をいともたやすくかわしてゆく。
ドラゴンはゲレゲレを追うように首を動かして炎をゲレゲレに向ける。紙一重でかわす。
私の方がお留守になっていたので腹部に拳打を数発お見舞いしてやった。固い!
ドラゴンは炎を吐くのを止めてこちらを見た。ドヤ顔だ。ムカつく。
普通にやったのでは私でもゲレゲレでも勝てない、ということはどこかにきっと弱点がある。
全身をくまなく観察する。
一か所、喉元にあるウロコ、ドラゴンは全身を堅で強化しているが、さらに攻撃時も守備時もそこを常にオーラを上乗せして守っているのが分かった。
おそらくはあそこが弱点、ただしピンポイントで守られているので生半可な攻撃は効かないだろう。
炎を吐いている時は首を向けられれば即アウトなので、炎だけは吐かせるわけにはいかない。
牙も怖い。前足は短いので懐に潜り込めれば爪は届かないだろう。
「ゲレゲレ、五秒時間稼いで!」
「ミィ!」
ゲレゲレの特攻。ドラゴンが炎を吐くオーラを貯めるスキを与えずに顔面に超ネコパンチを連打する。
私はその数秒でオーラを練って、右手のオーラを硬にする。
守備力はゼロだ、ダメージを食らえば死ぬだろう。
けれど私はゲレゲレを信じている。
ドラゴンはゲレゲレの猛攻を抑えるのに必死になっている、行ける!
素早くドラゴンの喉元に近寄り、一枚だけ逆向きに生えているウロコを右手ではぎ取った。
すさまじい悲鳴を上げて、ドラゴンは倒れ込む。
私が手にしたカード『C-50 ドラゴンの逆鱗』と、地面に落ちたカード『C-35 咆哮のドラゴン』
いずれも指定ポケットカードではないけど、マサドラでの情報通り高値で売れるのだろう。
「驚いた、お嬢ちゃん本当にあのドラゴンを退治してきたのかい!」
酒場で情報をくれたお客さんに再度話しかける。
カードショップでの売買金額は意外と安かった。
その時に懸賞金がかけられているといったコイツの言葉を思い出したのだ。
「懸賞が掛けられてるんでしょう? どこに持っていけばいいの?」
「ああ、アントキバの役所に持っていけば懸賞金が支払われるよ。しかしお嬢ちゃん、本当にすごいなあ」
NPCとはいえ、褒められると嬉しい。ゲレゲレも鼻高々だ。
その時、突然バインダーが開いて「他プレイヤーがあなたに対して「
『よお、オレだ、フィンクスだ。「
「ありますよ。どこで渡せばいいですかね。私は今マサドラにいて、これからアントキバに向かう所だったんですが」
『じゃあアントキバの食堂で待ち合わせだ。オレたちも今その辺に居るからな』
通信を切る。
待ち合せならモンスター狩りはナシにして、まっすぐアントキバへと向かおう。
あの二人を待たせるのは、ちょっと怖い。
でも寄り道をしないのであればカードを使うほどの時間でもないだろう。
そしてアントキバに到着し、食堂を探す。大きな食堂が一件だけ、この街にはあった。
「遅い!」
「ごめんなさい」
二人は先に到着して、てんこ盛りのパスタを食べていた。
あれか、ガルガイダーのパスタか。
「はい、これ、
私はこんな山盛りのパスタを三十分以内に食べるなんて無理なので最初からあきらめてクリームソーダを注文する。
「確かに。せっかくの殺し合いゲームなのにこんなしちめんどくせーもんチマチマ使うんじゃねーよな、どいつもこいつも」
ゲームの根本を揺るがしかねない発言をしつつ、二人はそれぞれに
「で、礼は何がいい?」
「え? 別に何も。もともと私は旅団の皆さんの為に動くつもりだったので」
「これがたとえ旅団員同士だたとしても見返り必要よ。ワタシたち旅団として動いているわけ違うからね」
ん-、でも別に本当に欲しいものなんてないしなあ。カードもいらないし。
「じゃあ、ここでの飲食代を奢ってください。私の分と、ゲレゲレの分」
「そんなもんでいいんならお安い御用だぜ」
私はチーズたっぷりシカゴピッツァとさっきのクリームソーダ、ゲレゲレには羊肉の串焼き調味料抜きジュレソースがけ二人前をそれぞれ御馳走になる。
私たちの注文がテーブルに届いた頃には二人の皿は空になっていた、すごいな。
「じゃあ、オレたちはもう行くからな。支払いは済ませておく。また何かあったらよろしく頼むぜ」
「はい、お二人もお気をつけて」
「誰に向かて言てるね」
気に障ったかと思ったが、ただの冗談だったらしい。フェイタンさんは笑っていた。
二人はガルガイダーを受け取って店を出るとすぐに
「私たちも御馳走にありつけてラッキーだったね、ゲレゲレ」
「ミィ!」
食べ終わったら、次は役所かな。そして今度はここでお金儲け兼修行方法を探しますかね。