二十二の使徒   作:海砂

30 / 87
第三十話

 役所で懸賞金五十万ジェニーを受け取る。

 ……が、フリーポケットにそんな金額は入らない。

 役所内に居る間はお金がカードから現実化することはないらしいが、残念ながら店と違い貯金は出来ないようだ。

 仕方なく役所内に居たプレーヤー片っ端からあたって、高値でカードを買い漁った。

 

 指定ポケットカード

・黄金天秤

・顔パス回数券

 

 フリーポケットカード(呪文(スペル)含む)

・ガルガイダー七枚

・裏表コイン(F-200)

・猫を駄目にする箱(G-400)

交信(コンタクト)三枚

漂流(ドリフト)二枚

再来(リターン)三枚

同行(アカンパニー)三枚

反射(リフレクション)二枚

城門(キャッスルゲート)三枚

 

 特にカード集めをするつもりもないので、主に必要な呪文(スペル)カード(よく利用するものと自分を守備するもの)をメインに交換した。

 ガルガイダーは高値で売れるらしいのでお金の代わりにそのまま持っていようかと思う。

 猫を駄目にする箱はゲレゲレがいたく気に入ったので、ゲレゲレをその中に入れたまま持ち運んでいる。

 正直ただのダンボール箱だとしか思えないのだが。

 

 さて、修行を再開したいところだが入り口に近いこの街では正直強力な敵にはお目にかかれそうにない。

 なので街の入り口まで行って一旦漂流(ドリフト)で別の街に飛び、すぐに再来(リターン)でゲレゲレの元へ戻る。

 二度やってみて恋愛都市アイアイと城塞都市キネイルに飛ぶことができた。

 今度はゲレゲレと一緒に同行(アカンパニー)でアイアイへ飛ぶ。

 私はダンダ団にケンカをふっかけるのだヒャッハー! 汚物は消毒だ!

 

 

 そして何故か、助けた女の子に纏わりつかれている。困った。

 ちなみに絡んでいた奴らはいずれもランクFの雑魚だった。

 

「大丈夫です! わたし、男性でも女性でも強い人が好きなんです!」

 

 何が大丈夫なんだ、何が。

 この子、私だけではなくゲレゲレにもハートマークを飛ばしまくっている。

 ゲレゲレはまんざらでもないらしい。しょせんオスか、けっ。

 

「ダンダ団に喧嘩売ってきたのはてめーらか」

 

 おっ、ボス格きたー? レイザーさん並みの巨体が一人と、雑魚っぽいのが数人で私たちを取り囲んだ。

 

「だとしたら?」

 

「お頭がぶっ潰す! この街の裏の顔役でもあるお頭はな、そんじょそこらの強者くらい屁でもねーんだぜ!」

 

 雑魚、偉そう。強いのはお頭であってテメーじゃないだろうに。

 女の子は後ろで震えている。この子を守りながら全員ぶっ倒すってのがミッションってところかな。

 お頭は確かに強そう。NPCだとは思うけど普通に纏でこちらをじっと見ている。

 とりあえず、全開の練を浴びせかけてみた。雑魚の半数はカードになって、半数は逃げた。

 お頭は微動だにしない。

 

「……女子に乱暴狼藉を働くのはダンダ団の趣旨に反している。失礼なことをしてすまなかった。団を代表してお詫びする」

 

 あれ。戦うんじゃないのか?

 ちょっと予想外の展開になってきた。

 

「非常に練達した猛者とお見受けする。君のような者を探していた。良ければついてきてくれないだろうか」

 

 なんかよくわからないけどついて行くことにした。女の子も私の服の裾をつまんで一緒について来る。

 アイアイ中央にそびえ立つ城へと案内される。てっぺんで何かがアイーンアイーン言ってるけど気にしない。志村か。

 

「こっちだ」

 

 城の裏口から中に入り、案内されたのは玉座の間。ただしそこには誰もいない。

 後ろで震えていた少女が玉座の前に出て、静かに腰を下ろした。

 

「控えよ、女王の御前である」

 

 えっなに、あの子がこの街の女王だったの?

 ひとまずお頭を真似てひざまずく。ゲレゲレにもお座りをさせた。

 絨毯がとてもフカフカしているのでひざは痛くない。

 

「顔を上げてくれ……騙すような真似をしてすまなかった。表向き城とダンダ団は何の関係もないことになっているのでな、このような形を取らせてもらった」

 

 震えていたのも演技だったってことか。まあNPCだろうしその程度はお手の物か。

 

「妾は強き者が好きだ。性別人種種族を問わぬ。エイラ、ゲレゲレ、その方らも強き者だ。そうであろう、ダンダ団の頭よ」

 

「はい、少なくともこの身よりは上であると思われます」

 

「よかろう、それだけで条件は満たした。エイラ、ゲレゲレ、その方らは妾の夫あるいは妻となりてこの街を共に支えるのだ」

 

 ……ナンデスト?

 

「この街は多夫多妻制を採用している、何の問題もない」

 

 お頭の適切なフォローが入る。多夫多妻制ってそういう制度だったっけ?

 

「すでに妾には十二人の夫と八人の妻がおる。遠慮するでない、今後の生活はすべて城で面倒を見よう。当然、妾と結婚してくれるな?」

 

 

 

 私はお頭と集まってきた大量の衛兵をぶっ飛ばして、全力で逃げた。

 多分これ指定ポケットカードのイベントなんだろうと思うけど、女の子の嫁になるのは嫌だ。

 衛兵はそうでもなかったけどお頭はそれなりのレベルの念能力者(念獣?)だったので、いい修行になったと思うことにしよう。

 

 なお、アイアイはほぼ出禁になったことを付け加えておく(入ったら衛兵が駆けつけてくるようになった)




あまりにもGIのどうでもいい部分を書くのが楽しすぎるので次話あたりで先に進めます。このままだと抜け出せなくなってしまう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。