二十二の使徒   作:海砂

32 / 87
第三十二話

 地図を使ってゲンスルーたちの最寄りまで行き、絶で近付いて場所を特定し、私はその時点で本拠地に戻る。

 三日ほどはそれで時間を稼げた。

 やがて彼らがドッブルや私の能力の存在に気付く。

 三人はマサドラへ移動した。

 交信(コンタクト)を使いマサドラで呪文(スペル)カードを買い集めていたゴレイヌに忠告する。

 私の能力で、爆弾魔(ボマー)が二手に分かれたことを確認する。

 私はゲンスルー・サブ・バラの三人の顔を認識しているので、彼らが二手に分かれたことを容易に確認することができたからだ。

 

「ドッブルの能力があるから取引は不要かとも思ったが、君と契約していてよかったよ」

 

 私は引き続きゲンスルーたちへの攻撃を提案する。ツェズゲラはそれを拒否した。

 呪文(スペル)カードは今後一切無駄にできない。確かにその通りだ。

 これまでに使った分を除いて、同行(アカンパニー)九枚、磁力(マグネティックフォース)五枚、再来(リターン)十枚をツェズゲラに渡す。

 

「今から使う磁力(マグネティックフォース)を除いて、使える私のカードはこれで全てです。私は戦線離脱します、武運を祈ります」

 

「ああ、助かったよ。すべてが終わったらこちらから連絡をしよう」

 

 そして私は磁力(マグネティックフォース)を使い、旅団員の元へと戻る。

 

「ミィォィイアアアアア!」

 

 ゲレゲレが全身堅で体当たりをぶちかましてきた。やめろ強化系の愛が重すぎる。

 

「お帰り、用事は終わったのか?」

 

「はい。こちらはどうなりましたか?」

 

 フランクリンさんがここにいるということは、もうヒソカとは接触したんだろうけど。

 

「ああ、今アイツが除念師と交渉中だ」

 

 つまり全員が特にすることもなく待機中、と。

 ゲレゲレは私が居ない間シズクさんに遊んでもらっていたらしく、シズクさんにもずいぶんと懐いていた。

 

 そして爆弾魔(ボマー)を捕まえたのち、ヒソカとアベンガネが二人でグリード・アイランドを出る。

 旅団メンバーと彼らが合流しなかったのも、団長さんと旅団員との接触とカウントされないため、念のためだ。

 

「さて、あたしらも戻るかね」

 

「これ以上ここに居る必要もねーしな」

 

 私も現実世界に戻るとするか。

 一度は攻略を目的としてグリード・アイランドを遊んでみたい気もするけれど、それは別に今じゃなくていい。

 私にとって最重要なのは蜘蛛だ。団長さんにもまた会いたい。

 

 旅団員が持っていた分に私の持ち分を加えて全員分の枚数の離脱(リーブ)がある。問題ない。

 

 ……ん? そういえばゲレゲレは離脱(リーブ)を唱えられないな。

 ということは私たちはまたマサドラ西の港から出なくちゃいけないってことか。面倒。

 

 旅団員たちとはそこで一旦別れ、マサドラに向かう。

 使えるカードは全部ツェズゲラに渡してしまったので、徒歩でだ。面倒。

 

「ミィ」

 

 対照的に、ゲレゲレは私に会えてずいぶんとご機嫌だ。

 また一回り大きくなった? 気のせいか。

 猫を駄目にする箱はもうかわいそうなくらいギュウギュウに押し広げられている。

 

 そして港に行き、二人それぞれに所長をぶっ倒す。

 所長すぐ復活するのウケる。

 チケットを一枚、ゲインしてゲレゲレに渡す。そしてもう一枚も自分用に。

 そうやって、遠回りしつつ私達も旅団の本拠地へと戻っていった。

 短くて長いグリード・アイランドの旅、楽しかったな。

 少しは私(とゲレゲレ)の修行になっているといいんだけれど。

 

「おう、おかえり」

 

 旅団メンバーは全員、本拠地に残っていた。

 おそらくは念を取り戻した団長さんをここで待つのだろう。

 私もそうさせてもらうか、それともどこか修業の場を探すか……。

 修行するとしたら天空闘技場かな、おそらくあそこが一番手っ取り早い。

 私には対人戦の経験値が少なすぎる。

 さすがに非念能力者に負ける気はしないけれど、爆弾魔(ボマー)を見た時にヤバイと思った。

 ツェズゲラもそうだが、私では到底一対一で彼らに敵わない。ゲレゲレを足してもかなり怪しい。

 ゲレゲレは天空闘技場で選手として登録できるんだろうか?

 こればかりは行ってみないとわからないか。

 

「シャルナークさん」

 

「ん?」

 

「私、修行のためにちょっと天空闘技場に行ってこようかと思います。団長さんが戻ってきたら連絡もらえませんか?」

 

「いいよ、ホームコードか携帯の番号教えて」

 

 その両方をシャルナークさんに伝えて、私たちは本拠地を出た。

 歩いて三日、最寄りの空港へと到着する。そこからパドキア共和国へ向かう。

 私の分の飛空船運賃は無料だが、ゲレゲレは手荷物扱いで有料だった。ただしキャリーバッグで持ち込めた。

 猛獣ということで最初はゴネられたがライセンスを見せて何かあったら責任を取ると明言したらおさまった。

 キャリーバッグは新たに買い替えた中~大型犬用の頑丈なものだ。

 扉も半透明で中はほとんど見えないので他のお客さんを驚かせることはないだろう。

 個室はペットと共用で泊まれる部屋を確保したので、中ではゲレゲレを放し飼いにしても問題はない。

 

 船旅はのんびりと十日ほど。私も基礎修行を除いてはのんびりとすることにした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。