二十二の使徒   作:海砂

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第七話

「お嬢ちゃんは、四大行は出来ないのか?」

 

 団長さんが攫われて全員がアジトに集合するまでの間。

 フランクリンさんが暇つぶしにか私に話しかけてきた。

 私がずっとしょぼいオーラを垂れ流し続けているからだろう。

 パクノダさんが『念能力を持っている』と言ったにもかかわらず。

 

「出来ないことはないです。けど、意味はあまりありません。私には今視えている通りのオーラしかないからです。能力自体は産まれた時から持っていて、産まれたときから使えていました」

 

 嘘と本当を適度にブレンドさせて、私は苦も無く回答する。

 苦痛と死への恐怖さえなければ、蜘蛛も、きっと蟻も、こんなにも身近になれる。

 

「なるほどな、じゃあ修行も何もしてないけど『使える』ってわけか……なんだったら、簡単な修行方法でも教えてやろうか? 今すぐにでもできるような」

 

「纏や練の常時展開くらいだったら知ってますけど、他に何かあるんですか?」

 

 前提として、私は発以外の四大行をフランクリンさんに見せた。

 見せるほどのものでもないけども。

 ついでにジンたちが漫画でやっていたイボゲームもやって見せた。名前は勝手に付けた。

 手のひらにオーラのイボを出して、もぞもぞと動かす手遊びだ。

 ついでに周辺のオーラは絶にして、完全にイボだけのオーラの形をトランプのマークに変えて見せた。

 

「ほう、絶と流はなかなかのもんだな」

 

「オーラ総量が少ないから出来るんでしょう。力が大きくなればなるほど扱いにくくなる。筋肉でも、オーラでも」

 

「とりあえず一番いいのは体を鍛えることだろうな。念能力もその容器が頑丈でないとすぐに壊れる」

 

 鍛えたことなんて一度もないからな。

……腹筋とか、そういうのでいいんだろうか。いいらしい。

 

 フランクリンさんがモノがなくても出来る筋トレのやり方を。

 途中から話を聞いていたボノレノフさんが基礎的な格闘技の動きを教えてくれた。

 ほんのちょっと動くだけでも息切れして汗がにじむ。

 二人はそんなへたれた私を孫でも見るかのような眼差しで見つめながら応援してくれる。

 いい人たちだ。

 

 ヒソカは寝転がってケータイを眺めていた。多分イルミとやり取りしているんだろう。

 

 

 どこからともなく音がした。入れ替わりのタイミングが訪れた。

 

「俺たちと一緒に来い、守ってやるから」

 

 何事も起こらないことを知っている私は、言われた通りにしよう。

 ヒソカが前を歩く。

 私はその後ろを、ボノレノフさんとフランクリンさんの間に挟まれて付いて行く。

 ヒソカが先行し、部屋に入る。中では即、入れ替わりが行われている。

 私たちが部屋に入ると、カルトちゃんに変装したヒソカが建物を飛び出していった。

 

「追うか?」

 

「いや……誘いかもしれねぇ、全員揃うのを待とう」

 

 入れ替わり、無事完了。さようならヒソカ、嫌いではないけれど貴方は私に必要ない。

 少なくとも今の私には。

 さあ、皆が戻るまで筋トレを続けよう。

 毎日続けたらウボォーギンさんみたいになれるかな? 無理か。強化系じゃないし。

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