二十二の使徒   作:海砂

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第九話

 団長さんとパクノダさんを除く蜘蛛の全メンバー、そしてゴンとキルア、そして私。

 十三人がアジトに揃った。(ヒソカ=イルミは数には入れてない)

 この数字は吉兆か、それとも凶兆か。

 

 パクノダさんが戻ってくるまで私に出来ることはない。

 戻ってきても、一度目はそのまま行かせるしかない。

 

「なあなあ、アンタ旅団のメンバーじゃねえよな。アンタだけ、見るからに弱いもんな。なんでこんなとこにいるのさ」

 

 キルアが私に話しかけてきた。言葉の通り、一人だけ明らかに浮いている私のことを不思議に思ったのだろう。

 

「余計なことを話したら旅団メンバーの尾を踏むかもよ?」

 

「こんくれー平気だろ」

 

 ゴンとキルアは鎖で縛り付けられているが、簡単に引きちぎれることは知っている。

 

「弱い私を人質にとってここから逃げ出す? そうしたら()は遠慮なく団長さんを殺すでしょうね」

 

 ゴンがこの言葉に反応した。

 

「そんなことしないよ」

 

「それが賢明ね。私に人質の価値はないし、あなたたちは()にそんなことをさせたくない……」

 

「良く知ってるんだね、オレたちのこと」

 

「私は占い師だから」

 

 しまった、ゴンの目がキラキラし始めた。面倒なことになりそう。

 

「いつまでその餓鬼どもと慣れ合てるつもりね」

 

「弱い者同士、多少は。今は何もすることがないですし」

 

「あの、オレ、この人に占ってもらいたいんですけど、いいですか!?」

 

 場の空気が凍る。ゴン、本当に空気を読まない子……。

 ノブナガさんがいればうまく仲立ちしてくれそうな気もするが、残念ながら彼はホテルベーチタクルでシズクさんに殴られたままいまだに意識を取り戻していない。

 

「私は占い師だって言ったでしょう? 占うには代償が必要よ、一般的にはお金だけど」

 

 私が占いをできると知ったとたんにタダで占わせようとする人たち、腐るほど居た。

 技術は無償じゃない、もちろん私自身が占いたいと思えれば話は別だけれども。

 

「うーん、でも今オレ現金持ってるわけじゃないしなー」

 

「別にお金じゃなくてもいいよ、私にあなたを占ってもいいと思えるようなナニカがあれば。この場合はキルアの方が私にとって対価を払える人材かもね。ゾルディックが一度だけ無償で私の依頼を受けてくれる……それは、報酬になり得る」

 

 何人かの視線がキルアに向けられる。

 おそらくそれは、キルアがゾルディックであるということが周知されていなかったということ。

 

「……キルアと同等の力を持つハンター・ゴン。君が一回だけ私の言うことを何でも叶えてくれるのであれば、私はあなたを占ってあげる」

 

「うん、わかった」

 

 少しは考えようよ! 何でもってアナタ何でも出来るわけではないでしょう!

 駄目だ、ゴンと話していると自分まで向こう側の人種の性質に引っ張られてしまう。

 ……もういいや、占おう。そしてこの状態から解放してもらおう。

 

 シャッフルしたカードをまとめて、縛られた状態のゴンの後ろ手に持っていく。

 そして一枚引いてもらう。

 

「上下が大事だから、引いたカードを動かさないようにしてね」

 

 引いてもらったカードを開く。

 『太陽』の正位置。

 

「希望の光が見える。これは現状のあなたじゃない……何かもう一つ、大きな期待を寄せているものがある。それはあなたの望み通りに願いが叶う。一筋縄ではいかないかもだけど、将来が開けると約束できるわ」

 

 まぶしい、太陽。とてもゴンに似合いの前向きなカードだ。

 G・I(グリードアイランド)のことを暗示させてもらった。

 クラピカのことには触れない……。

 それ以上先のことは、私の占いでは占えないことになっている。

 直近の未来だけを見せることにしよう。

 

「お姉さん、すごいね! ありがとう!」

 

 きっとあっちはうまくいくよキルア、と相方に向かって無邪気に笑う。

 別に君たちのことは嫌いじゃないよ、ゴン、キルア。

 ただ私とは向かう方向があまりにも違いすぎる。

 以前のキルアであれば少しは近かったのかな? 

 ……むしろ今の方が私に近いのかもしれない。

 過去を振り切って新たな仲間を得ようとする、キルアと私。

 やっぱり方向は違うみたいだけれども。

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