それでも俺は希望を持って見届けよう。
それが、自分を殺してでも。
「なんっでお前はそんなに出来ねぇんだよ!!」
この世界はなんでこんなにも真っ暗なのだろうか。
いつも、いつも、こんな光景を見せられるのは、不幸以外に何も無いだろう。
「あぁあぁ、こんなに青くなっちまってなぁ。それもこれもお前のせいだよ!!」
自分の身体が蹴りつけられているのに、痛そうだなぁ、なんて考えている。まるで遠くの風景を見ているかのように感じていて、自分とはなんの関係もない出来事のように思える。
「ほどクソガキだなぁ。死ねば楽になれるのに、なんで生きてんの?」
蹴るのをやめて20代ぐらいの背が低く若い男が倒れている自分の顔を覗き込む。
お腹が痛い。それ以上に頭も痛い。いつもこうだ。自分が生きているとなんの益かも生まれない。不幸だ。
「応えろよ、死ね」
なんか支離滅裂だなぁ。なんてぼんやり考えてみる。意外と余裕があるのか、俺。
「おい、レイ。こいつどうにかしろよ」
「...私だって産みたくて産んだんじゃないもの!!知らないわよ!!」
黙っていた母親が急に怒鳴りだした。
それに神経を苛立たせた男が俺を殴り始めた。
これはいつ終わるんだろうか。
早く寝たい。
朝が来た。知らない天井ではないし、完全に実家の天井だが、朝が来た。
現在時刻0630。そんな時間に榛東相馬(17)は布団から身体を起こす。
この時間はあの男は居ないだろう。というより、仕事に出かけているだろう。朝は夜よりは安心だ。ある程度だけだが。
「おはよう」
「...」
母親は普通にリビングに座っていた。挨拶をするのはしないと怒られるため。反応はしないのだがしないと怒られる。うん。怖い。
俺は台所から食パンを2枚取り出してリビングに持っていきそのまま食べる。むしゃむしゃと食パンを食べながら、味しねぇなぁ、と心の中で愚痴りながらも40秒で食べ切る。
食パン(無味)食べたあと、制服に着替えて黒のリュックを背負い家から出る。うん。くそ家庭だな。なんて声に出せない(chicken)けれど、まぁ、うん。強く生きています。
俺が通う学校は自宅から徒歩約15分とかなり近い。だから、なにか忘れた時とかにはとにかく役に立つ。実例だと体操服忘れたり、傘を忘れたり、酷い時は鞄を忘れたりした時だ。鞄を忘れた時はガチで焦った。昇降口の前で忘れたことに気づいて、思いっきしUターンして登校中の奴らに見慣れないように走ったね。もちろん遅刻はしなかった。
上記の理由でなかなか便利なのだが、今回は如何せん早すぎて、現在時刻午前0630。今教室に入るのは少し自分的に不都合だ。ボッチ教室は恥ずかしい。この時間をどうやって暇を潰すか。
「散歩でもしようか」
ということでゆっくり周辺を散歩することにした。
散歩中、トト○とかワ○ピースとか、RX-78とかと出会わねーかな。なんて考えてしまう。あ、でもクトゥルフ先輩は帰って、どーぞ。
そんなこんなでふざけながら学校の周りをゆっくり歩いていると、視界がふらりと揺れる。
「うぅぁ...」
イイッ↑タイ↓アタマガァァァ!!!どこぞの爆裂では無いが、マヂで痛い。やべぇ、頭が割れる。
原因はわかっている。昨日の夜のアレだろう。ああいうのがあると一週間はこうなる。耐えろ、俺。
近くの座れそうな適当なところに座り、落ち着くのを待つ。深呼吸をすると段々と落ち着いていき、意識も平常に戻る。
はぁ、と大きなため息を吐く。
「...つらいなぁ」
なんとなく、誰も居ないのに愚痴を吐き出す。そりゃこんなことを何回も繰り返してら愚痴りたくなる。(怒)
『仕方ない。そう仕方ないんだ。こんな人生もこんな現実もこんな生き方も。全て仕方ないし自分が悪い。出来損ないの自分が悪い。だから仕方ない。』
そう心で磔にしつつ、今度こそ教室に向かう。現在0730。丁度いい時間だろう。
1200 教室にて
午前の授業が終わり、昼ごはんのおにぎりを食べる。もちろん俺が作ったおにぎりだ。具は梅干しと塩おにぎりだ。
周りを見ると、みんな机を囲んで食べているのに対し、俺は一人でおにぎりを食べていた。そりゃそうだ、友達がいないのだから仕方ない。これも全て自分のせいだ。あ、絶対塩入れすぎたしょっぱ。
そんなことを考えながら咀嚼していると、見覚えのある同級生がこちらに歩んできた。
簡単に次の風景がわかった。あぁ、いつもの憂さ晴らしか。今回は何分でどのくらい耐えればいいのだろう。正直痛いのには慣れているのだか、痛いのは痛いのでやめて欲しい。
「よぉ、相馬。ちょっとこっち来いよ」
その声に周りの生徒の目線が俺の方へギョッと向く。その目は哀れみとかそんなものではなく、ただの排他したいという侮蔑の目線。こんないじめられっ子を早く消したいのだろう。
俺はゆっくり椅子から立ち上がり、彼らの方向へ歩いていく。
その先は、なにも、考えなかった。
1600 帰路にて
「痛いなぁ」
肩が痛い、足が痛い、唇が痛い。
色んなところから、ズキズキと痛みが呻いてくる。青アザになっているところもあるし、腫れているところだってある。いつも通りのあんまりな日だ。痛みのせいか、足どりが重くなる。明日もこんな所に通わなきゃ行けないのか。頭が痛くなって抱えたくなる。帰ってもまたあのクソ環境で生きなくちゃ行けないのか。目の前が真っ暗になりそうだ。いや、そんなことよりも、
授業の課題山積みじゃね?
一瞬よぎったこのフレーズで俺の中の雑音のベクトルを全て真っ直ぐびっちり揃えられた。やべえな今日一日で終わっかな?助けてドラエもーん。
とにかく帰ったら机と向き合うところから始めよう。じゃないと最悪やらないかもしれない。
「.....まさかの一徹確定コース?」
今日の睡眠時間は30分でした。