「」が肉声、『』が霊体化や電話、念話、()が自分の中で思っている事を描写しています。
これは、聖杯戦争が始まる前のある夜の物語。
セイバーは夢を見るような感覚に陥る。
(これはマスターと私の間に生まれたパスを辿って見るマスターの過去でしたか?)
セイバーは少し考え込んだ後、興味勝ってしまい自身のマスターである三ケ崎亮の記憶へ潜っていく。
まず移り始めたのは、少しの灯りがともされた暗い部屋で膝をついて息苦しそうにしている少年とその少年に蹴りを入れている男性であった。
「何故だ、何故こんなものが出来ない。お前は我ら三ケ崎家の歴代で最も才のあるものだ!今、魔術師としての土御門は死に絶え我らが最後の陰陽道の術を継ぐ家なのだ!お前のような才児がこのようなこともできずどうする!」
「申し訳ございません、お父様。一緒懸命にやらせていただきますゆえ、もう一度やらせてください。」
「何を当たり前のことを言っておる!さっさともう一度やれ!」
と、当たり前のように自身の父に術が成功するまで暴力を振られ続ける姿が流れ続ける。
(これは...なんとも酷い。これがマスターの過去...ですが、何故このようなことがありながらもあのような人格でいられたのでしょうか?)
とセイバーが疑問に思っていると流れていた記憶が変わる。
その光景は、人が賑わう街の公園であった。そこで小学生くらいの亮と亮より幼い男の子、そしてその二人を撫でる一人の女性がレジャーシートの上でくつろいでいた。
「亮、大丈夫?」
「はい、大丈夫ですよ母様。ですが、お父様のご期待には全く応えられず...」
「いいのですよ、亮。あなたは優しい子なのです。あなたは弟に自分と同じ思いをさせないためにあの人の注目を集めているのですから。」
「そんなつもりは...」
「いえ、そういう子なのですよ、亮は。だから、もう少し自分に正直になってもいいんじゃないからしら?」
「自分に正直?」
「はい。ですが、あなたの根幹にあるのは守るということなのですから少し難しいのかもしれませんね。」
「なら、一応努力してみます。」
「そうですか。あなたの成長を楽しみに見ていますよ。」
「はい、お母様!」
と幼い亮は笑顔で返事をする。ただ、二人の話は二人だけの秘密ではなかったのだった。
だが、幼き亮も亮の母もセイバーも誰もが気づかず夢は終わってしまうのであった。
セイバーは夢から覚めた後、数秒考えこんだ後独り言をつぶやく。
「なるほど、これがマスターの幼き頃にして今をマスターを作った記憶のはじめですか。ですが、疑問ですね、マスターに取り付いている霊は一体何なのでしょうか?マスター自身気づいていず、小さく弱い霊。実害はあまりないので、マスターが気にしていないなら祓う必要はないのでしょうが...。今宵の事は少し内緒にしておきましょうか。その方がよいと武人としてのカンがささやくので。」
マスター掘り下げ第一弾、セイバーのマスター三ケ崎亮の過去を少し書きました!
一応マスター掘り下げはアーチャー以外のマスターは3回で終わらせます!
明日は弓の始まりを書きます!