特典で世界を再構成する戦隊 第二部   作:ボルメテウスさん

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いよいよ、ゼンカイジャーが最終回ですね。
こちらの連載もまだまだ続きますので、皆様、これからもよろしくお願いします。


海賊な妹

「まさか、こんな授業中に出てくるなんて」

 

そう言いながら、文月学園から出てきたボイジャル、ファリーナ、パトーラの3人はエマから受けた連絡を元に目的地である砂浜へと向かっていた。

 

既に向かっている介人がワルドと戦っている情報を聞いており、3人は焦りながら、向かう。

 

「それにしても、今度のワルドって、確かどんな奴だっけ、姉さん」

 

走りながらも、ファリーナはふと気になった事をパトーラに聞く。

 

「聞いた話だと、海賊が関連しているワルドと聞いたけど、そこまで詳しい事はっ」

 

そう言いながらも、既に人が少なくなった頃になると共に、彼らの前に一つの人影が立ち塞がる。

 

その容姿はまさに銀色の海賊と言うべき姿であり、その手には大きな舵輪を思わせる剣を手に持っていた。

 

「まさか、あれが目的のワルド?」

 

そんな疑問に思うよりも先に、海賊はそのまま3人に向かって行く。

 

「うわっ、なんだが、話を聞いてくれそうな雰囲気じゃないなっ」

 

その言葉を表すように、海賊はそのまま3人に向けて、斬りかかってくる。

 

それに合わせるように、3人もまたギアトリンガーを取り出し、そのまま自身の変身に使う為のセンタイギアをセットする。

 

「「「チェンジ全開!!」」」

 

それと共にハンドルを回しながら、チェンジする事によって、3人はそのままゼンカイジャーへと変身する。

 

「悪いけど、出てきた以上はさっさと倒されてよね!」

 

その言葉と共にファリーナはその両手に装備したトンファーで海賊に攻撃を仕掛けていく。

 

トンファーによる打撃を受けた海賊は大きく吹き飛ばされるが、それでもすぐに起き上がる。

 

「余所見は厳禁よ」

 

だが、その時には既にパトーラの姿はなく、彼女は海賊の背後に回ると同時に蹴りを放つ。

 

「これで決める!」

 

それによって大きく体勢が崩れた海賊に対し、今度はボイジャルが手に持った大砲であるボイジャルキャノンの引き金を弾く。

 

それにより、ボイジャルキャノンによる一撃が、真っ直ぐと海賊に向かって襲う。

 

しかし

 

「この程度で、ゼンカイジャーと名乗るとはね」

 

「えっ」

 

海賊はその一言と共に剣にあるスイッチを押す。

 

すると、ファリーナの身体には舵輪型のロックオンマークが現れ、同時にファリーナと海賊の間に縄が現れる。

 

そして、そのままファリーナに引き寄せられるように海賊は移動し、そのままボイジャルの攻撃を避けた。

 

「なっ!」

 

突然の事で驚きを隠せないファリーナに対して、海賊はそのまま蹴り上げる。

 

「ファリーナっ!

 

それによってファリーナは空中へ投げ出され、動揺しているパトーラへと狙いを変えた海賊は剣を折りたたむと同時に、その引き金を弾く。

 

すると、銃弾がパトーラに襲い掛かり、彼女も同じく空へと飛ばされる。

 

更に追撃するように、2人の方へ向けて海賊は飛び上がり、手に持った剣を振るう。

 

その攻撃に合わせるように、ボイジャルもまた砲撃を行うが、それら全てを弾き飛ばす。

 

その間にもファリーナは何とか着地するも、そこに待ち構えていたかのように海賊が襲いかかり、ファリーナの首を掴む。

 

「かっ……あっ」

 

息苦しさに悶えるファリーナであったが、海賊はそのまま振り回し、地面へと叩きつける。

 

それと同時に、地面に大きなクレーターが出来るほどの衝撃を受け、ダメージを負う。

 

「ぐぅっ!?」

 

「っ!」

 

その光景を見たパトーラはすぐに怒りと共に、手に持ったギアトリンガーにセンタイギアをセットする。

 

【20バーン!カーレンジャー!】

 

音声が鳴ると共に、パトーラの両足には車を象ったタイヤが装着されると共に、そのまま海賊に向かって走り出す。

 

「ふぅん、カーレンジャーなんだ。

 

だったら、こっちも」

 

「えっ」

 

その言葉と共に海賊の手元に来たのは、SDを思わせるキャラだった。

 

「行くよ、アヴィ」

 

「了解っぷ!」

 

その言葉と共にアヴィと呼ばれた存在はそのままセンタイギアに代わり、手に持った舵輪の中にへと挿入する。

 

同時に襲い掛かるパトーラに対して、海賊はまるでサンバを踊るように動きながら、その攻撃を捌き始める。

 

しかも、それだけではない。

 

「はぁ!」

 

【ヨーソロー!クルマジックに、レボリューショ―――ン!】

 

その音声と共に、海賊の身体に車を思わせる鎧が装着され、その姿を変える。

 

「なっ」

 

驚きを隠せないパトーラに対して、海賊は足にあるタイヤが走り出し、そのまま真っ直ぐとパトーラに向かう。

 

そのスピードはカーレンジャーの力を得ていたが、海賊の速さはそれ以上であり、気付いた時にはもう目の前まで迫っていた。

 

慌てて防御しようとするパトーラであったが、それよりも早く海賊の拳が腹部に直撃する。

 

その一撃を受けたパトーラは大きく吹き飛ばされ、壁に激突してしまう。

 

「さっきのは、カーレンジャーの?

一体、どういう事なんだ」

 

それを見て、驚きを隠せないボイジャルに対して、海賊は笑みを浮かべる。

 

「少しは分かっているようね。

少しは見所はあるようだけど、駄目ね。

来て、ビャッコ」

 

「よっしゃぁ、出番やなぁ!」

 

それと共に海賊の手には別の存在が現れ、そのままセンタイギアに変わる。

 

【ヨーソロー!キーリョクに、レボリューショ―――ン!】

 

それと共にまるで龍舞を思わせる動きと共に、その姿を変える。

 

先程までの車を思わせる鎧から一転、まるで中国の鎧を思わせる軽装備であった。

 

「さっきのも、まさか、海賊というのは、以前介人が言っていたゴーカイジャーのマギア」

 

「違うよ。

そもそも、私はマギアじゃない」

 

「えっ」

 

「それじゃ、そろそろ終わらせるよ」

 

そう言うと、海賊は手に持つ剣を振りかざす。

 

それに対して、ボイジャルは咄嵯にボイジャルキャノンを構えて、引き金を引く。

 

だが、その攻撃は海賊に当たる前に消えてしまう。

 

そして、その隙を狙って海賊の刃が迫る。

 

しかし

 

「そこまでにしておけ」

 

その攻撃を止めたのは、介人だった。

 

「介人!」

 

それに一安心した様子だったが、介人は何やら呆れた様子で海賊を見ていた。

 

「なんでこんな事をしているんだ、理乃」

 

「理乃?」

 

その言葉に疑問に思っていると、海賊はそのまま変身が解除される。

 

そこに立っていたのは赤い髪に文月学園の制服を着崩している少女が立っていた。

 

「こっちに帰ってきて、お兄が新しいメンバーを集めたと聞いたから、少し腕試しで戦ってみたの」

 

「おっお兄?」

 

混乱しているファリーナはそのまま立ち上がる。

 

「あぁ、悪いな。

 

こいつは海城理乃。

 

俺の妹だ」

 

「妹……えぇ!?」

 

突然の事に驚くしかないファリーナに対し、理乃は不思議そうな表情をする。

 

「どうしたの? そんなに驚いて」

 

「いやいやいやいや、いきなり現れたと思ったら、妹とか言われても。

 

それに、腕試しって」

 

少し納得がいかないようにファリーナはそのまま理乃に尋ねる。

 

「別に。

ただ、ジュランさん達のように戦えるかどうか試しただけ。

けど、とんだ期待外れだった」

 

「おい」

 

「だって、全然強くないじゃん」

 

「お前なぁ」

 

「まぁ、いいわ。

とりあえず、今度こそ帰る」

 

そう言いながら、理乃はその場を後にする。

 

「大丈夫か、2人とも」

 

「はい、なんとか」

 

何とか立ち上がったファリーナはそのまま倒れているパトーラの方を見る。

 

その顔には怒りの色が見えていた。

 

だが、それは当然の事だろう。

 

何しろ、自分の仲間を馬鹿にしたような発言を受ければ怒るのは当たり前だった。

 

だから、介人はその怒りを止めるつもりはなかった。

 

「なぁ、介人。

ずっと聞きたかったんだけど、俺達以外のゼンカイジャーって、そんなに強かったのか」

 

その言葉に少し不安を覚えるように、ボイジャルは尋ねる。

 

それに対して、介人は

 

「あぁ、強かった。

あいつらは、今でも俺の大切な仲間であり、絶対、お前達よりもずっと強い」

 

そんな事ない。お前達も強い。

 

そんな言葉を3人はどこか期待していたが、帰ってきたのは、無情な事実だった。

 

「でも、それはずっと一緒に戦ってきたから、一緒に強くなったからだ。

まだまだ皆とは、まだまだこれから、全力全開で一緒に戦えば、強くなれる」

 

「そう、なのか」

 

その言葉を聞いて、ファリーナは思わず落ち込む。

 

だが、それでもまだ希望はあった。

 

「けど、お前達は強くなる。

絶対に」

 

「えっ?」

 

「確かに、最初は弱かったかもしれない。

けどな、それはスーパー戦隊の誰もが通る道で、俺達が通った道でもある。

だから、お前達にはまだ成長の余地がある。

もっと、自分に自信を持てば、きっと強くなれると俺は信じてる」

 

「……」

 

「あぁ、もぅ、難しく考えるのは止めた!」

 

その言葉と共にファリーナは立ち上がる。

 

「弱い事ばっかり気にしていても駄目ですよ、姉さん!ボイジャル!

 

今は、もぅ、あの生意気な理乃を見返すだけ強くなる!それだけです!」

 

「ふっ、そうだな。

それなら、早速特訓を始めるぞ!」

 

「そうだね!!」

 

そう言って、ファリーナとボイジャルも立ち上がっていく。

 

「だけど、お前達、まだ学校、終わっていないぞ」

 

「「「あっ」」」

 

「まったく、もう」

 

そうして、介人もまた立ち上がり、四人は教室へと戻っていくのであった。

 

「くそっ」

 

一方その頃、理乃は悪態をついていた。

 

何故、兄があの3人の面倒を見るのか。

 

自分より強いはずなのに。

 

「少し荒れていますよ、理乃様」

 

「なに、文句あるの、バイオン」

 

そう言いながら、後ろから近づいてきたバイオンに悪態を吐き続ける。

 

「いえ、私はただ、介人様にご迷惑をおかけしないように」

 

「うるさい」

 

「申し訳ありません」

 

その言葉と共に、バイオンはそのまま姿を消す。

 

「……ふん」

 

理乃は先程までの戦いを思い出す。

 

全く相手にならなかった。

 

だからこそ、理乃は

 

「私は、今度こそ、お兄の約に立つ。

 

その為に、この力を手に入れた」

 

そう言いながら、ギアダリンガーとソーカイザーギアを見つめる。

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