特典で世界を再構成する戦隊 第二部   作:ボルメテウスさん

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立ちましたという声と共に

「介人さん、お願いします。

 

私の隣にいてくれ」

 

そう言いながら、エマは俺に縋りつくように言う。

 

「嫌だ」

 

「何かをして欲しいなんて言いません。

 

ただ、隣でいてくれるだけで、十分なんです」

 

必死に目に涙を溜めながら、頼むエマ。

 

しかし、俺はそれを否定する。

 

「絶対に嫌だ、諦めて」

 

「そんなっ」

 

その言葉と共に、俺はすぐにその場から離れようとする。

 

しかし、ガシッと俺の足を掴む。

 

「お願いします、捨てないで下さいっ!」

 

「全力で断る!」

 

必死に、捨てられないように俺の足にしがみ付くエマ。

 

「ただ、隣にいてくれるだけで良いんです!

 

隣でテストの解答を見せてくれるだけで良いんでからぁ!!」

 

「絶対嫌だぁああああっ!! お前のテストの点数が酷いの知ってんだよぉおおおっ!!!」

 

必死に懇願するように叫ぶエマだったが、それを拒絶するかのように叫び声を上げる。

 

「うわーん! 介人のバカァアアッ!」

 

そう言いながら、エマはそのまま、まるで子供のわがままを行うように

 

「ばか、ばか、ばかぁ……」

 

と呟き続ける。

 

「おい、落ち着けって」

 

そう言っても、エマは泣き止まず、ずっと俺に罵言雑言を浴びせ続けていた。

 

そして、暫くすると、段々と落ち着いてきたのか

 

「見せてくれないと、私、何をするか分かりませんよ」

 

「うわぁ」

 

脅してきた。

 

「本当に何しやがる気だよ!?」

 

「さぁ?」

 

しかし、それでも俺は首を横に振る。

 

「ダメなものはダメだ」

 

「どうしてもですか?」

 

「ああ、どうしてもだ」

 

しかし、まだ食い下がるように見つめてくる。

 

「じゃあ……、私のこと嫌いなんですね? やっぱり」

 

「いや、それは今、関係あるか?

 

というよりも、お前はある程度、俺よりも頭良かっただろ」

 

「いやぁ、実はここ最近ゲームばっかりしていて、勉強してなかったんですよね」

 

「だからと言って、俺に助けを求めるんじゃねぇえええっ!!」

 

思わず叫んでしまう。

 

「だってぇ……」

 

「大体、何でそんなにも必死になるんだよ」

 

「そりゃあ、私の成績が悪いと、介人さんへの給料も来なくなりますからね」

 

「・・・ちょっと待て。

 

給料?俺、これまで活動してきた中で、お前から給料貰った事ないぞ」

 

「あっ、やべぇ」

 

「・・・まさかとは思うけど、これって、お前の自業自得なんじゃないか?」

 

「いえ、あの、そのですね……。

 

えっと、あれですよ、あれ」

 

「どれだよ」

 

「ほら、あれです。

 

私が頑張れば、きっと介人さんは助けてくれると思ったので」

 

「・・・とりあえず、お前にはもう二度と頼まないようにするわ」

 

そう言いながら、俺はエマの元から離れる。

 

「あっ、ごめんなさい! 冗談です! 冗談!

 

まぁ、その給料に関しては、大きな出来事があるのでぇ、その為に貯めていますからぁ」

 

「はぁ?」

 

何か隠しているようだったが、実際に貯めているのは嘘はついていないようだ。

 

嘘をつくと、かなり目が泳ぐのである程度分かるが、それにしても

 

「なんで、頬を赤くしているんだ?」

 

「そ、それよりぃ、今日は良い天気なので、一緒にお出かけしましょぅ♪」

 

「いや、これから学校だろ」

 

「休んで行きましょうよ」

 

「無茶言うな」

 

そう言って、俺はエマの手を離す。

 

「あっ……」

 

少しだけ寂しそうな表情をするエマ。

 

「なんだよ」

 

「いえ、その」

 

なんか、可笑しいぞ、こいつ。

 

これまで、こいつは文月学園一の屑女と呼ばれる程の屑だったはずなのに、最近はどうもおかしい。

 

「なんか、隠しているのか?」

 

「そっそんな事は」

 

そう言いながら、エマは未だに隠そうとしている。

 

そう疑問に思っていると、後ろから気配を感じた。

 

「エマっ」

 

「えっうわぁ?!」

 

気配を感じ、俺はそのままエマを抱えてその場を転がる。

 

同時に姿を現したのは忍者服を着て狐面を着けた鬼の怪人がおり、その忍者服には赤・青・黄・白・桃の手裏剣が重なったマークが付いている。

 

「まさか、いきなりマギア。

それもニンニンジャーのワルドとはな」

 

「拙者は忍者鬼月。

 

これよりの目的で、貴様が邪魔になったと判断した為、ここで暗殺させて貰う」

 

その言葉と共に鬼月は俺達に向けて、手裏剣を投げる。

 

俺はすぐにギアトリンガーを手に持ち、向かってくる手裏剣に向けて引き金を弾きながら、センタイギアを挿入する。

 

「チェンジ全開!」

 

【ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!ゼーンカイザー!】

 

そして俺の姿はゼンカイザーへと姿を変わると同時に、そのままギアトリンガーを持ちながら、目の前で襲ってくる鬼月に向かって走り出す。

 

ゼンカイザーとなった事で身体能力が大幅に上昇している今なら行ける筈だと思っていたが、次の瞬間、予想外な事が起きている事に気付く。

 

それは鬼月の攻撃だった。

 

鬼月はなんと右手に持った短刀から風のような刃を放ち、それが俺の首筋に当たりそうになる。

 

「うわぁ、危なっ!?」

 

それを間一髪で避け、なんとか難を逃れた。

 

しかし、それで終わりではなかった。

 

今度は左手を向けて、そこから火炎弾を放つ。

 

まるで、忍術のように次々と攻撃を放って来る。

 

「だったら、忍者には忍者!

 

カクレンジャーだっ!」

 

その言葉と共にカクレンジャーギアを手に取り、そのままギアトリンガーに装填する。

 

【18バーン!カクレンジャー!】

 

その音声が鳴り響くと同時にニンジャレッドの幻影が現れ、そのまま俺と一体化する。

 

それにより、ニンジャレッドが最も得意とした忍術、分け身の術による分身の術を行った。

 

「ほぅ」

 

分身した俺の姿を見て、鬼月は感心するように声を上げる。

 

「この数を相手に勝てるか?」

 

そう言いながら、俺達は一斉に動き出し、俺を含めた三人の俺と対峙する。

 

「流石にこれは厳しいだろ」

 

「あぁ、そうだな。

 

だが、その前にお前を倒す」

 

「やってみるがいい」

 

そう言った後、俺は一気に加速して、鬼月に接近すると、蹴りを放った。

 

それに対して、鬼月はそれを片手で受け止める。

 

「ふんっ」

 

「ぐっ?!」

 

そのまま押し返され、俺は後ろに下がる。「なかなかのパワーだ」

 

「そりゃどうも」

 

「では、こちらからも行くぞ」

 

そう言うと、鬼月は自身の身体を回転させ、竜巻を発生させる。

 

それによって周囲の木々が吹き飛び、その威力は凄まじいものだった。

 

「うぉおおおおっ!!」

 

それに巻き込まれそうになった俺は慌ててその場から離れようとするが、竜巻は追いかけるように移動してくる。

 

「くそっ」

 

このままだとやられると判断し、俺は一旦距離を取る。

 

「逃げれると思うな」

 

その一言と共に鬼月は先程よりも強力な風の渦を作り出し、俺を飲み込もうとする。

 

「ぐっ」

 

その圧倒的な力に俺は避ける事も出来ず、ただ耐える事しか出来なかった。

 

そんな中、ふと視界の端で誰かが動くのを感じた。

 

俺は視線を向けると

 

「立ちました!」

 

「えっ?」

 

聞こえたその一言と共に、俺を掴んだ人物を見つめる。

 

「こんな台風に巻き込まれたら、死にますよ、介人さん」

 

「フラグちゃん」

 

それは、俺がこの世界に来る前のパートナーである死神のフラグちゃんだった。

 

突然の事で驚きを隠せない中で

 

「そういう事だ!」

 

それと同時に鬼月を打ち抜く音。

 

その声にも聞き覚えがあり

 

「ジュランもって」

 

「よぅ、介人。

久し振り」

 

そう言いながら、挨拶してくるジュランを見て、俺は思わず固まってしまった。

 

「お前、小さくなっていないか」

 

それは、まさにSDのゼンカイジュランというべき姿であり、俺はジュランの姿を見て、固まっていた。

 

「実は、ジュランさん達のメインボディの修理にはまだまだ時間がかかりまして、それでも介人さんの力になりたいという事で、カッタナー君やリッキー君達のデータを参考にこうやって戻ってきたんですよ」

 

固まる俺の代わりに、フラグちゃんが説明してくれたが

 

「いや、さすがにこれで」

 

「ちちっ、この俺には実は驚くべき機能が追加されているんだ。

という事で、カモン、ゼンカイガッタイギア!」

 

「えっ?」

 

それと共に俺の手元に来たのは、手の平サイズのゼンカイイーグルだった。

 

しかし、以前はコックピットになっていた部分はまるでゼンカイギアを入れるようなパーツが追加されている。

 

「という事で、介人。

その中に俺のギアを入れるんだ」

 

それと共にジュランはそのまま俺にゼンカイジュランのギアを投げる。

 

「よく分からないけど、やってやるか」

 

その言葉と共に俺はゼンカイガッタイギアにジュランのギアを入れる。

 

【16バーン!ゼンカイジュラン!】

 

「それをギアトリンガーにセットです」

 

「あぁ!」

 

それと共に俺はギアトリンガーにゼンカイガッタイギアをセットする。

 

「スーパーチェンジ全開!」

 

【スーパー!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!アームド!ゼンカーイ!】

 

その音声が鳴り響くと同時に、俺の身体にはジュランを思わせる赤いアーマーが装着され、二の腕には16番という数字が目立つ腕輪が装備される。

 

それと共に、俺の手にはジュランが機械変形した姿であるジュランティラノを思わせる巨大な剣を手に持つ。

 

「なんだっ、これは?!」

 

「ジュランさんを鎧のように身に纏う事でパワーアップした姿、その名もアームドゼンカイザーです!!

 

そして、手に持つ武器は龍獣奏撃剣です」

 

「おぉ、なんだか分からないけど、燃えてきたぜ!」

 

それと共に俺は自分の身体ぐらいはあるだろう龍獣奏撃剣を振り回しながら、構える。

 

「それじゃ、格好良い所を見せようぜ、介人!」「あぁ!」

 

ジュランの言葉と共に、龍獣奏撃剣を構えて、俺は鬼月に斬りかかる。

 

それに対して鬼月は風の刃を作り出し、俺に向かって放つがガキィッン!

 

その攻撃は全て弾かれる。

 

どうやら、このアームドゼンカイザーの力で強化された俺の装甲は並の攻撃では傷一つ付かないようだ。

 

そのまま、一気に鬼月に接近した俺は龍獣奏撃剣を振るう。

 

その一撃の威力は強く、振るうだけで突風が吹き荒れる程だった。

 

「先程とは違うようだな。

 

だが」

 

それと同時に鬼月は分身を生み出し、一斉に攻撃を仕掛けてくる。

 

「介人、龍獣奏撃剣にセンタイギアを入れろ」

 

「ここか」

 

それと共に、俺はそのままセンタイギアを入れられるだろう部分に次々と入れていく。

 

【11バーン!マスクマン!17バーン!ダイレンジャー!31バーン!ゲキレンジャー!】

 

その音声と同時に三大スーパー戦隊の力の源であるオーラ、気力、激気が刀身に束ねる。

 

それにより、龍獣奏撃剣は巨大化し、まるで中国刀を思わせる形へと変わる。

 

「「ファイティング・スピリッツバースト」」

 

同時に周りに襲い掛かる鬼月に向けて、龍獣奏撃剣で切り裂く。

 

周りを囲んでいた鬼月は、それによって切り裂かれ、消滅していく。

 

その威力は凄まじく、一振りで数十体の鬼月を消し飛ばし、同時に姿が消えるのを確認する。

 

「ふぅ、なんとかなったか」

 

そう言いながら、変身を解除する。

 

「久し振りで、なかなか良かったじゃないか、介人」

 

「おうよ、サンキュージュラン」

 

俺はそのまま久し振りに会ったジュランとハイタッチする。

 

「にしても、なんだか修羅場だな」

 

「えっ?」

 

その言葉に俺は振り向く。

 

「なんで、まだ担当じゃないあなたがいるんですか」

 

そう言いながら、フラグちゃんを睨むように言うエマ。

 

対して、フラグちゃんは

 

「いえ、私はまだ介人さんの担当から外れた訳ではありません。

第一、あなただって介人さんの担当なんですか?さっきから、ずっと見てましたけど随分と横暴なやり方をしてますよね?

そんなのが介人さんの担当として務まるとは思わないのですが……」

 

「何を言うんですか。

 

介人さんだったら、私の方が相応しいに決まってるでしょう。

 

それに私の実力なら、あなたのような小娘なんて簡単に倒せるんですよ」

 

「へぇー、面白い事言ってくれんじゃないですか」

 

エマとフラグちゃんの言い争いを見ると

 

「結局、これってどういう状況な訳?」

 

「とりあえず、学校に行くか」

 

俺はジュランを連れて、そのまま2人を置いていく事にしたのであった。




アームドゼンカイオー
SDのような姿になったゼンカイジュランの力をゼンカイガッタイギアを通して借りる事で誕生したゼンカイオーの強化形態。
見た目はアームドティラノレンジャーをモデルにアーマー部分をジュランになり、ゼンカイザーが身に纏う。
スーパーゼンカイザーに比べれば、攻撃力、防御力は僅かに下がったが、その代わり身軽な動きが可能になり、全体的のスペックが上がっている。
専用武器である龍獣奏撃剣はジュランティラノをモデルに作られた大剣である。
また、獣奏剣のように音色を鳴らす事ができ、様々な効果をもたらす事ができる。
龍獣奏撃剣にはセンタイギアを入れる部分があり、そこにセンタイギアを入れる事でそのギアの力を使う事ができ、また単独でのクロスオーバンを行う事も可能になる。
2人での協力しなければならない状況の場合は、限定的だがゼンカイジュランの幻影を召喚する事ができ、一緒に放つ事が可能である。
また、未だに判明していない能力がアームドゼンカイオーにはある。

ゼンカイガッタイギア
ギアトリンガーにある機能を参考に作成されたゼンリョクイーグル型のギア。
ギアダリンガーにはセットできない為、実質介人専用アイテムとなっている。
人間とキカイノイドを合体する事を目的にしており、キカイノイド側のゼンカイジャーのギアをセットし、発動する事により、合体ができる。

合体形態での武器
ジュラン:剣
ガオーン:鉤爪
マジーヌ:杖
ブルーン:ツルハシ
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