前回まで、見事雨宮さんが勝利を収めた所までは良かった。
だが、その後、突然別のチームで戦っていたのは、俺達も知らない謎のゼンカイレッドだった。
「本当に知らないのね」
「当たり前だ!
というよりも、レッド枠は俺、ゼンカイジュランだから」
「まぁ、別に良いけどさ」
そんなやり取りをしている間にも次の試合の発表が行われる。
「次の試合は転生者チームVS飛行チーム!!」
それと共に出てきたのは、どうやらマリアさんとトリコさんの二人が選ばれていた。
「どうやら、私達の出番ね」
「それじゃ、ちょっと行ってくるぜ!」
その言葉と共に二人はそのまま次のバトルフィールドへと向かっていった。
「結局、さっきのゼンカイレッドは一体何者だったんだろうか?」
「気にしていても仕方ないんじゃない?
それよりも、ほら、さっそく始まるみたいだぜ」
それと共に俺達が見た先には既に二人が変身を行う場面だった。
「怪盗チェンジ」「本能覚醒!!」
それと同時にマリアさんは先程まで雨宮さんが変身していたルパンレッドを白くした姿、ルパンホワイト。
そしてトリコさんは黄色いライオンを思わせる戦士、ジュウオウライオンへと変身する。
それに合わせるように相手側も現れた。
「嵐のスカイックパワー!ゴセイレッド!」
「孤高の荒鷲!ガオイエロー!」
その名乗りと共に、マリアさんとトリコさんの二人は互いに頷くと同時に戦いが始まる。
マリアさんの手には先程の雨宮さんが使った武器と同じVSチェンジャーでの牽制をゴセイレッドに行っていく。
だが、それに対して、ゴセイレッドもまた手に持った細身で強靭な刃のスカイックソードで切り裂きながら、接近を行っていく。
「へぇ、やるじゃない」
「そっちこそ、やるじゃないか」
互いの実力を認め合ったのか、マリアさんもゴセイレッドは距離を取りつつ、遠距離攻撃で攻め立てていくが、それを全て防いでみせる。
それと共にマリアさんはすぐに距離を離そうとしたが、ゴセイレッドはなんと腰に装着されたままのゴセイブラスターを放った。
「っ」
突然の攻撃に驚きを隠せず、接近を許してしまい、ゴセイレッドが迫る。
「まさか、銃を近距離に近づける為に使うとは」
「しかも、完全にあの剣の方に目を向けていた」
完全に接近戦重視だと思わせておき、実は隙を狙っていたのだ。
「これで終わりだ!」
そう言い放つと共に振り下ろされるスカイックソード。
「まだよ!」
だが、その瞬間、マリアさんの左腕の篭手が現れ、その攻撃を防いだ。
「えっ、あれって」
「あれはアガートラーム。
マリアの持つシンフォギアだ」
「ここでまた、聞いた事のない武器!」
そうしている間にも、籠手から短剣を引き抜き、それに連なって引き出された無数の短剣を周囲の空中に展開させる。
「っ」
それを見てか、すぐにその場から離れようとするが、その前にマリアさんは右手のVSチェンジャーを放ち、それに合わせるように左手の短剣で切りかかる。
「ぐあっ」
それを受けると共にスカイックソードが弾き飛ばされる。
同時にマリアさんはそのまま上空に飛び上がり、同時に両手を広げ、周囲に展開していた短剣を一斉に放ち、ゴセイレッドを一気に貫いていった。
「マジかよ、とんでもないよ、マリア先輩は」
「どうやら、凄いのは向こうもだぜ」
ジュランはマリアの戦いを見て、驚きを隠せなかったが、俺はもう一つの試合を思わず見ていた。
ジュウオウライオンの戦い方。
それは悪い言い方をすれば力任せだが、それは規格外の力任せだ。
本来ならば崩せないだろう山を軽々と殴り壊すと共に、空を跳ぶガオイエローの道を塞いでいく。
「うぉおおおおおっ」
だが、ガオイエローはその拳の一撃を受けても尚立ち上がり、そのままジュウオウライオンに向かって走っていく。
「はぁああああああ」
それを見たジュランは慌てるようにして声を上げる。
「ちょっ、おい!あいつ、大丈夫なのか!?」
「あぁ、問題ない」
「どうして分かるんだよ」
「見ればわかる」
俺の言葉と共に二人の勝負は決まる。
ガオイエローの鋭い蹴りに対し、ジュウオウライオンは受け止めるのではなく、あえて前に出て懐に入り込む。
「何?」
「野生解放!!」
その言葉と共に全身の毛が逆立ち、そのままその巨体を持ち上げると、そのまま地面へと叩きつけた。
「ガハッ」
その衝撃と共に地面に大きなクレーターができると共に、ガオイエローは変身解除されてしまっていた。
「そこまで、勝者は転生者チーム!」
その戦いを見て、俺達は唖然とするしかなかった。
「まさか、本当に勝ってしまうなんて」
ある意味、究極の技術と究極のパワー。
その二つが合わさった戦いという事もあって、俺達は完全に言葉を失っていた。
だが、そんな中で再び異変が起きた。
【怪盗チェンジ!】【警察チェンジ!】
「っ」
響渡る音。
同時にマリアさんとトリコさんが目にしたのは、黒いルパンレンジャーとパトレンジャーだった。
「なんだ、あの二人は?」
突然の乱入者に驚きを隠せない中で、その二人はそのまま無言でマリアさんとトリコさんに襲い掛かる。
「くっ」「いきなり何しやがる!!」
咄嵯の判断でそれぞれ避ける二人だが、その姿は先程までの物とは違い、まるで別人のようであった。
「一体、どういう事なの?これは」
「分からない。だが、嫌な予感がする」
そう言いながら二人が構えている間にも、二人はこちらを見つめてくる。
「貴方達は一体、何者かしら」
そう、マリアさんは対峙している黒いルパンレンジャーに向けて言う。
「・・・・」
だが、未だに無言のままだった。
そうしていると共に黒いパトレンジャーはそのまま手に持ったVSチェンジャーをトリコさんの懐で攻撃を行う。
「なっ」
「トリコさんっ」
咄嵯に後ろに下がるが、それでも完全には避けきれず、吹き飛ばされてしまう。
「くっ」
「引くぞ」
「あぁ」
倒れているトリコさんに向かうマリアさんを見て、黒いルパンレンジャーが黒いパトレンジャーはそう言うと共に、その場から去って行く。
「一体、なんなんだよ、あいつらは」
ジュランのその言葉に誰も答える事ができなかった。