エクーリアス・カルデア。来年度──と言っても後1カ月ほどだが──から運用されるトレセン学園の天文台だ。学園にあるそれであるが故、あまり大きくは無いと思われがちだが、同じく来年度に就任する理事長のポケットマネーによりそこそこ以上の大学が使うにも困らない程度の施設になっていた。
この施設の存在意義は表向きには4つ。1つは文字通り「天文台」。星のみではなく、空や風、空気のデータを収集する気象台としての役割を持つ*1。
2つに「プラネタリウム」。天文台としての本領・発表の場であり、理事長が生徒たちを冷静にさせるためのものだ。
3つに「情報保管」。各チーム・各ウマ娘の栄光を纏め、飾り、保管する。ウマ娘を「星」、チームを「星座」として記す天文台ならではの展示だ。
4つに「チーム部屋」。この施設の管理人である私がトレーナーを務める、「チーム・カルデア」の部屋である。
「確認ッ!
白い髪がメッシュのように入っている茶髪の少女──この学園の理事長が入ってくるなりそう聞いてくる。彼女の持つ扇子は開く度に文字が変わるが、未だに要因は分からない*2。
「ええ。『槍』の稼働率は2割で安定、地球儀を運用可能です。ですが……」
「理解ッ!『神棚』の設置はやはり無理か!」
一言一言に感嘆符が付くこの人だが、観察眼はかなりいい。だからこそ、ここを選んだわけでもあるが。
「『神棚』には最低でも巫女が一人、保食神*3程度のつながりでも馬に関する巫女なら猶更なのですが」
一方そのころ津軽海峡連絡船
「はっくしょん!誰か噂でもしているのですかね……ってわわ、水晶玉がー!」
「できれば遺物を持っていると尚良いのですが」
「疑問ッ!日本系のものでなくてもいいのか?」
「できれば日本系のほうがいいですね。特に、神や仏の化身の物なら」
一方そのころ津軽海峡連絡船
「しっかし謎ですね~、なんなんでしょうこのリボン。焦げてたり切り傷があるのは分かるのですが、今までにないパワーを感じます。あと触るとピリピリする染み」
「確認ッ!サブプランはあるな?」
「もちろん。そちらの方が効果がいいだけで、最低限の機能であれば私でも出来ますからね」
とは言うものの、本当に必要最低限だ。フィニス・カルデアやノウム・カルデアとは比べることができない*4。
「失念ッ!時計の回収はどうなっている?」
「緊急時用に分解して保管してます」
私は思い出す。前世にかなり使ったであろう、七色の星を。
「使う状況が来なければ良いのですが」
object name
目覚し時計
explanation
三女神の加護があると言われる目覚まし時計。色や形は複数確認されているが、置き型かつ蹄鉄の紋様があることは一貫している。特定条件下で発動し、時間を巻き戻す効果が確認されている。
星晶片が入っていることを除けば他の同型と変わらず、取り除くことで通常の運用が可能である。
memo
七大兵器の一つかと考えられていたが、その正体は我々と関連深いものであった。しかし、星晶片が出現する理由が分からない。要研究。