艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜県代表決定戦〜   作:星龜

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艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜県代表決定戦〜 前編


 

私立暁学園中等部のガンプラバトル部の部室では、部長の時雨と、部員の夕立と電の3人が、第14回全国ガンプラバトル大会の地区予選決勝で大破したガンプラの修復を行っていた。

 

「次は、いよいよ、県代表決定戦だ。

気合いを入れていかないとな…!!」

と言う時雨に、夕立が

「対戦相手はどこっぽい?」

と、訊いてきた。

 

未成館(みせいかん)中学校ってところだ。」

と言う時雨に、電が

「どんな学校ですか?」

と訊く。

 

時雨は、作業の手を止めて、スマートフォンを取り出し、未成館中学校のガンプラバトル部について検索してみる。

 

「県代表決定戦に進出したのは、今回が初めてみたいだ…。

過去も、とくに目立った戦績は無いな…。」

 

「だったら楽勝っぽい☆」

と、楽観的な事を言う夕立に

 

「何を根拠に、そんなことを言うのですか?」

と、電が諌める。

 

「メンバーは…

雲龍…

天城…

葛城…

名前からして、僕達と同じ、元艦娘だな…。」

 

「元艦娘?」

と、時雨に訊く電。

 

「聞いたことない艦娘ばかりっぽい…。」

と言う夕立。

 

「一応、写真()も掲載されてるけど…。」

と、未成館のメンバーの顔を見せる時雨。

 

 

未成館中学のガンプラバトル部のメンバーは3人で、全員、元雲龍型空母の艦娘達だった。

 

金色の眠たげな目をした、踵まである銀髪を長い一本の三つ編みに括っている少女が部長であり、長女の雲龍。

 

長い茶髪をポニーテールにして、前髪の左を、赤い楓と結袈裟の髪飾りで耳後に留めた、タレ目気味で左目尻に泣き黒子がある少女が、次女の天城。

 

腰まである黒髪のロングヘアーに、後頭部に一房だけ白いリボンでポニーテール状にまとめ、どこかおっとりしている雲龍、天城に比べて、目尻がキリっと釣り上がった、快活な雰囲気の少女が、三女の葛城。

 

 

「顔を見ても、ピンとこないっぽい…。」

 

「ぜんぜん、知らない人達なのです…。」

 

「そもそも、雲龍型空母っていうのが、戦争末期に誕生した艦娘らしいんだ…。

僕達がいた鎮守府にも配属されなかったしね…。」

と言う時雨。

 

続けて

「大戦中の事はともかく、これといった実績の無い部を、県代表決定戦まで進出させたんだ。

ガンプラバトルの実力は、侮れないぞ…!!」

と、慢心を戒めた―。

 

 

未成館中学校のガンプラバトル部の部室では、雲龍、天城、葛城の三姉妹が、暁学園の試合の動画を見ていた―。

 

 

「なんか…強そうだね…。」

と言う雲龍。

 

「そりゃ、大戦中は最前線で深海棲艦とドンパチやってた艦娘達だもん…。

そりゃ、強いよ…。」

と、すでにどこか諦めムードな天城。

 

「それでも、私達だって、県代表決定戦(ここまで)来たんだから☆」

と、明るく振る舞う葛城。

 

「機動性の高い機体も…

接近戦を得意とする機体も…

狙撃による後方支援の機体も…

魔改造クラスの改造が施されてるね…。

こりゃ、一筋縄ではいかないね…。」

と、暁学園の機体(ガンプラ)を見た雲龍が、感想を述べる。

 

「たしかに、暁学園の連中は大戦中、最前線で深海棲艦とドンパチやってた駆逐艦娘達だけど…。

でも、大戦中、深海棲艦とあんまり戦ってない私達だって、県代表決定戦(ここまで)来たんだから☆

大戦時の経験とガンプラバトルは、関係無いってことよ☆」

と、明るく振る舞う葛城。

 

「そうだね…!!

じゃ、練習に行こう…!!」

と、部室を出ていく雲龍達…。

 

 

ガンプラバトル部であるにも関わらず、部室にはガンプラバトルステージが無い…。

 

だから、雲龍達は、練習するためには、街にあるガンプラバトルアリーナに行かなければならないのだ…。

 

こんな劣悪な部活動環境でも、雲龍達は県代表決定戦に進出してきたのだ…。

 

 

一週間後―。

 

第14回ガンプラバトル全国大会の県代表決定戦が行われる県立体育館には、物凄い人だかりが出来ていた。

 

大会に出場する者、選手を応援する者、大会を見学しに来た者と、集まる人々はそれぞれだ―。

 

 

館内の観客席は満員御礼―。

 

しかし

「ん?」

と、時雨は、ある違和感をおぼえた。

 

「どうしたっぽい?」

と訊く夕立。

 

「観客席を見てごらん。」

と時雨に言われたので、観客席を見る夕立…。

 

「何か、気がつかないかい?」

と時雨に訊かれたが、夕立にはわからない…。

 

「わたしもわからないです…。」

と、夕立と一緒に観客席を見ていた電も言う。

 

「左の方を見てごらん。」

と時雨が言うので、頭を左に向ける電と夕立。

 

視線の先には、暁学園の応援団がいた。

 

「みんな、応援に来てくれているっぽい☆」

と喜ぶ夕立。

 

「うん…。

みんな、応援に来てくれているんだ…。

だけど…

未成館の応援団の姿が見えないんだ…。」

と言う時雨。

 

まわりを見渡す、電と夕立…。

 

「た…たしかに…。」

 

「いないっぽい…。」

 

観客席には、未成館の応援団はもちろん、関係者の姿すら見えない…。

 

「こんなにも無関心な学校も珍しいなと思ってね…。」

と、表情を曇らせる時雨…。

 

 

ガンプラバトル部の部室に、練習に必須のバトルステージが無いだけでなく、そもそも、未成館中学校は、ガンプラバトル自体に関心が無い学校だったのだ。

 

観客席をよく見れば、一応、手書きのプラカードで雲龍達を応援している人が5、6人いたが、おそらく、雲龍達の友達だろう。

 

未成館側の関係者と呼べるのは、それだけだった…。

 

 

(きっと、雲龍達は異端児として扱われているんだろうな…。)

 

時雨はそう思うと、胸が締め付けられる気がした。

 

全地球規模でガンプラバトルが隆盛を極める昨今、自校の生徒が出場しているのに、こんなにもガンプラバトルに無関心な学校というのは、極めて珍しい。

 

しかし、そんな劣悪な環境にも関わらず、雲龍達は県代表決定戦に進出してきたのだ。

 

人一倍どころか、それ以上の努力を重ねたのだろう…。

 

 

「手強いぞ…。」

とつぶやき、遠くの正面にいる雲龍達を見据える時雨―。

 

 

そして…

 

『ただいまより、第14回ガンプラバトル全国大会に出場する、県代表決定戦を開始いたします。』

というアナウンスが流れた。

 

観客席からは、怒涛のような歓声が起こった。

 

 

ステージ前に並ぶ、時雨、夕立、電と、雲龍、天城、葛城―。

 

「はじめまして…

元白露型駆逐艦の2番艦の時雨です。」

 

「元雲龍型正規空母の雲龍だ。」

と、握手する。

 

どこかで、会ったことはなかったか?

と、雲龍が訊いてきたが

 

「いえ…初対面のはずですが…?」

と時雨は答えた。

 

「そうか…。

良き試合を…!!」

 

「はい…!!」

と別れて、時雨達、雲龍達は、ガンプラ操縦スペースに移動する―。

 

 

『GUN-PLA Battel, Stand up.』

 

システムが起動し始めた。

 

 

『Please set your GP base.』

 

GPベースを、スロットにセットする。

 

 

『Begining Plavsky particle dispersal.』

 

ステージからプラフスキー粒子があふれ出し、バトルフィールドを形成する。

 

形成されたバトルフィールドは、廃棄コロニー内部。

 

 

『Please set your GUN-PLA.』

 

ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。

 

 

コクピットルーム内に、ホログラフィーで再現された球体操縦桿と正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターが現れる。

 

球体操縦桿を握り、そして―

 

 

『Battel start!!』

 

バトルスタートの合図が鳴り響く―!!

 

 

「電!!

イナヅマガンダム、出撃です!!」

 

「時雨!!

ガンダムレインバレット、行くよ!!」

 

「夕立!!

ユニコーンガンダムナイトメア、出撃よ!!」

 

 

「雲龍!!

カオスガンダム、発進!!」

 

「天城!!

ザクファントム・ブラスト、出ます!!」

 

「葛城!!

ヤクト・ドーガ、行くわよ!!」

 

両チームのガンプラが発進した―。

 

 

廃棄コロニー内の都市に着地する

イナヅマガンダム

ユニコーンガンダムナイトメア

ガンダムレインバレット

の3機―。

 

 

廃棄コロニーなので、中は暗く、また、バトルステージは宇宙空間扱いなので、岩塊や鉄屑が漂っているが、そのほとんどは、CGによる背景扱いだ。

 

したがって、障害物や遮蔽物は、実質、ビルの廃墟だけだ。

 

また、ガンダム作品におけるコロニーの大きさは、直径6キロ、長さ30キロの円筒形で、その内面で戦うわけだから、横への移動はともかく、縦への移動…すなわち、上に飛び上がると、あっという間に反対側に到達してしまう…。

 

つまり、コロニー内は、意外と狭いのだ。

 

こういう狭い場所だと、機動性が高い機体(ガンプラ)は不利だ―。

 

 

「じゃ、どうすればいいのですか?」

と訊いてくる電に

 

「エネルギー配分を変えるんだ。

ファトゥム-01シルエットのスラスターの出力を落として、その分のエネルギーを武装やヴァリアブルフェイズシフト装甲の持続時間延長にまわすんだ。」

と教える時雨。

 

「なるほど…。」

と、機体設定の変更画面を出して、エネルギー配分を変えていく電。

 

「わぁ…スゴイのです…☆」

 

ファトゥム-01シルエットのスラスター出力を落とし、余ったエネルギーを武装に分配していくと、どんどん、武器の威力が上がっていくのを見た電が感激する。

 

しかし、ビームライフルの項目に『ビームライフル 出力過大』と、赤文字の警告メッセージが表示された。

 

「あわわ★」

と、警告メッセージが消えるまで、ビームライフルに回すエネルギーを減らしていく…。

 

こうして、イナヅマガンダムの機体設定の変更が終わった。

 

そこで、電は、ある事に気づいた。

 

「これは…どういうことなのでしょう…?」

と、首を傾げる電。

 

『どうしたんだい?』

と訊いてくる時雨。

 

「機動性が、それほど落ちていないのです…。」

 

『えっ? そうなの?

ということは、それほど、ファトゥム-01シルエットのスラスター推力は大きいんだね。』

 

ファトゥム-01シルエットは、電が機動性を求めて、∞インフィニットジャスティスガンダムのファトゥム-01と、インパルスガンダムのフォースシルエットを組み合わせて製作した物である。

 

そもそも、イナヅマガンダム自体が、相当、機動性が高いため、ファトゥム-01シルエットの推力を落としたくらいでは、機動性は落ちないのだ。

 

 

「ん…来たか…!!」

 

ガンダムレインバレットのレーダーが、未成館チームの機体(ガンプラ)を捉えた。

 

「行くぞ、2人とも!!

夕立、あんまり油断するなよ!!

電は、立ち回りに気をつけろ!!」

 

『ぽいっ!!』

 

『はいっ!!』

 

ガンダムレインバレットが狙撃体勢に入り、ロングバレルビームライフルを撃った。

 

未成館チームの編隊が散開したのが、電と夕立にも確認できた。

 

「行けっ!!」

という時雨の号令一下

イナヅマガンダムは右に

ユニコーンガンダムナイトメアは左に

向かう―。

 

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