艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 〜県代表決定戦〜 作:星龜
正面モニターを見る電。
ターゲットカーソルが、敵機を捉えた。
「カオスガンダム…!?」
電の相手は、未成館の主将の雲龍のカオスガンダムだ。
正面モニターに映るその姿は、電の見た限りだと、無改造のようだ。
モビルアーマー形態で、全身が白く塗られたその姿は、カオスガンダムの試作機である、プロトカオスを連想させる―。
イナヅマガンダムがMA-BAR72 高エネルギービームライフルを撃とうとしたら…
「うっ…!?」
先に、カオスガンダムが撃ってきた!!
それも、最大の武器である、MGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲だ。
「くっ…!!」
MGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲から放たれた大出力ビームを回避するイナヅマガンダム。
エネルギー配分を変えてもなお、機動性があまり落ちていないため、モビルアーマー形態のカオスガンダムの機動性に勝るとも劣らない。
「おかえしです!!」
と、MA-BAR72 高エネルギービームライフルを撃ちながら、上昇していくカオスガンダムを追うイナヅマガンダム。
カオスガンダムを追いかけていると…
「ゑっ!?」
前方に、ビル群の廃墟が見えてきた…!?
(しまったっ…!!)
スペースコロニーの直径は6キロ…。
イナヅマガンダムの
「はにゃぁぁぁ…ッ★」
電は制動をかけたが、遅かった…。
ビルの廃墟に、盛大にぶつかってしまった…。
そこを…
再び、MGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲から放たれた大出力ビームが、イナヅマガンダムに迫る―!!
◇
正面モニターを見る夕立。
ターゲットカーソルが、敵機を捉えた。
「ザクファントムっぽい…?」
電の相手は、天城のザクファントム・ブラストだ。
ザクファントムの背中に、ヴァリュアブルポッドのブースターを装備し、両肩には、同じく、ヴァリュアブルポッドのシールドを装備している、黄緑色に塗られた
「先手必勝っぽい☆」
と、両肩のビームキャノンを放つユニコーンガンダムナイトメア。
ユニコーンガンダムナイトメアの攻撃をかわしたザクファントム・ブラストが、背中のブースターに装備されているビームガトリング砲で反撃してきた。
ユニコーンガンダムナイトメアは降下して、ザクファントム・ブラストからの反撃を回避して、ビルの廃墟に身を隠した。
ザクファントム・ブラストは、大通りに着地すると、両肩のシールドをはずして、手に持った。
そして、シールドの中央から、ビームサーベルを発振させた。
それを見た夕立は
「
と、ほくそ笑んだ。
接近戦は、夕立の十八番だ。
ユニコーンガンダムナイトメアは、両手にMMI-710《エクスカリバー》 レーザー対艦刀を持ち、大通りに出た。
「こっちからいくっぽい…☆」
と、ユニコーンガンダムナイトメアが斬りかかろうとしたら…
「真正面から突っ込んでくるなんて、ありえないんですけどぉ…ッ☆」
と、ザクファントム・ブラストは、シールドの周囲に装備されているニードルミサイルを放った!!
◇
「君の相手は僕だよ…!!」
と、正面モニターに映るヤクト・ドーガを見据える時雨。
時雨の相手は、葛城のヤクト・ドーガ。
正面モニターに映るその姿は、時雨の見た限りでは、ギュネイ専用のヤクト・ドーガを白と黄緑色で塗り分けた、無改造機のようだ―。
「無改造でも、いい
しかし…!!」
と、膝立ちでロングバレルビームライフルをかまえるガンダムレインバレット。
しかし―!!
「なに…!?」
ヤクト・ドーガが、ファンネルを飛ばしてきた!!
その数、21基!!
それを見て、呆気にとられる時雨…。
ヤクト・ドーガには、ファンネルは、両肩のシールドに3基づつ装着されている、計6基しかないはずだ。
なのに、なぜ、葛城のヤクト・ドーガは、約4倍の21基も装備しているのか―!?
「僕としたことが…★」
無改造かと思ったら…
両肩だけでなく、両足と、バックパックの側面と上面にも肩のシールドが装着されており、元の肩の分も含めると、じつに、肩のシールドを合計7枚も装着している。
そのシールドに3基づつ、ファンネルが装着されているわけだから、合計21基ものファンネルを装備しているのだ―。
「さすがの僕でも…
かわしきれないよ…!!」
ヤクト・ドーガから射出された21基のファンネルに囲まれたガンダムレインバレットは、ファンネルの一斉射撃をくらい…。
◇
ビルの廃墟にぶつかってしまったイナヅマガンダムを狙って、MGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲を撃つカオスガンダム。
「なんのぉー!!」
と、イナヅマガンダムは、カオスガンダムのMGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲から放たれた大出力ビームを、MMI-RG59V 機動防盾で防いだ。
しかし、MMI-RG59V 機動防盾の表面が融解してしまった…。
もはや、盾としては使えない…。
イナヅマガンダムはMMI-RG59V 機動防盾を投げ捨て、MA-BAR72 高エネルギービームライフルでカオスガンダムを撃つ。
カオスガンダムは、イナヅマガンダムからの攻撃を回避すると、EPFU-5X 機動兵装ポッドを射出した。
たった2基とはいえ、EPFU-5X 機動兵装ポッドには、MA-81R ビーム突撃砲とAGM141《ファイヤーフライ》誘導ミサイルが内蔵されており、侮れない火力をほこる。
左斜め上と右の真横に停止したEPFU-5X 機動兵装ポッドから、MA-81R ビーム突撃砲とAGM141《ファイヤーフライ》誘導ミサイルが放たれた…!!
(!!)
絶対絶命の危機に…
「ひっこめ、電ッ!!」
と、電の目が深紅に変化し、ぷらずまが覚醒した―!!
「調子に乗るなァァァッ!!」
と、ぷらずまは叫びながら…
イナヅマガンダムは、両手に持ったMA-M941《ヴァジュラ》 ビームサーベルを、左斜め上と右の真横に停止しているEPFU-5X 機動兵装ポッドに向けて投げつけた!!
MA-M941《ヴァジュラ》 ビームサーベルが突き刺さり、爆散するEPFU-5X 機動兵装ポッド…。
◆
「な…っ!?」
正面モニターに映る、イナヅマガンダムがビームサーベルを投げつけて機動兵装ポッドを破壊した光景を見て、驚愕する雲龍…。
「な…ならば…!!」
と、カオスガンダムはMGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲の発射体勢…
…をとった、次の瞬間―!!
MGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲の発射口のハッチを開いたと同時に、イナヅマガンダムのMA-BAR72 高エネルギービームライフルでMGX-2235《カリドゥス改》 複相ビーム砲の発射口を撃ち抜かれ、カオスガンダムの背中が爆散した。
さらに、イナヅマガンダムは、ファトゥム-01を射出した。
「あ…うわぁぁぁ…っ!!」
と、正面モニターに映る、迫りくるファトゥム-01を見て、絶叫する雲龍…。
カオスガンダムは、背中が爆発した衝撃で行動不能になってしまっていたのだ…。
ファトゥム-01の右の翼に装備されている
カオスガンダムは爆発四散した…。
◇
カオスガンダムを撃破したのと同時に…
電の瞳の色も、深紅から、元の金色に戻った…。
「はぁ…
ぷらずまが助けてくれたのです…。」
と、安堵する電―。
◇
真正面から突っ込んできたユニコーンガンダムナイトメアに向かって、ザクファントム・ブラストは、シールドの周囲に装備されているニードルミサイルを放った!!
ニードルミサイルの直撃をくらい、爆煙につつまれるユニコーンガンダムナイトメア…。
「とどめぇっ☆」
と、シールドの中央から出しているビームサーベルで、爆煙につつまれているユニコーンガンダムナイトメアに斬りかかるザクファントム・ブラストだったが…
「ゑっ…!?」
逆に…
ザクファントム・ブラストの方が斬られた…。
「な…何で…?」
と、驚嘆する天城…。
爆煙が晴れると…
そこには…
アンビデクストラスフォームのMMI-710《エクスカリバー》 レーザー対艦刀をかまえたユニコーンガンダムナイトメアが立っていた―!!
[お前の言葉を、そっくりそのまま返すっぽい…☆]
という、夕立からの通信が入った。
「ど…どういう…?」
と訊き返す天城。
[真正面から突っ込んでくるなんて、ありえないっぽい…☆]
◇
ユニコーンガンダムナイトメアがザクファントム・ブラストに斬りかかろうとしたら、ザクファントム・ブラストは、シールドの周囲に装備されているニードルミサイルを撃ってきた。
(!!)
ユニコーンガンダムナイトメアは、とっさにMMI-710《エクスカリバー》 レーザー対艦刀をアンビデクストラスフォームに結合させると、MMI-710《エクスカリバー》 レーザー対艦刀を回転させて、ニードルミサイルを斬り払ったのだ―!!
もっとも、全て斬り払いきれずに、数発被弾したが…。
そして、レーダーを見れば、真正面からザクファントム・ブラストが突進してきたので、返り討ったのだ…。
ユニコーンガンダムナイトメアの背後で、ザクファントム・ブラストはうつ伏せに倒れて爆散した…。
◇
ガンダムレインバレットは、葛城のヤクト・ドーガから射出された21基のファンネルに囲まれてしまい、一斉射撃をくらってしまった…。
爆煙につつまれるガンダムレインバレット…。
だが…!!
爆煙の中から、橙色の髪留めを付けたデュエルガンダムが飛び出してきたのだ―!!
「うそッ!?
ファンネルの一斉射撃をうけたのに…ッ!?」
驚愕する葛城―。
◇
「2週連続で、これをやるとはね…★」
爆煙の中から飛び出してきたデュエルガンダムの正体は、アサルトシュラウド等の追加装備を全て排除した、ガンダムレインバレットだったのだ。
ガンダムレインバレット (素体) は、スラスターを全開にして、一気にヤクト・ドーガの懐に飛び込んだ。
「チェックメイト…☆」
と、腰のサイドアーマーにマウントされた、ストライクノワールガンダムのビームライフルショーティーを改造したビームピストルを右手に持ち、その銃口を、ヤクト・ドーガのコクピットに突きつけた―。
◆
「・・・・・・。」
降伏ボタンを押す葛城…。
一発も攻撃をうけることもなかったのに…
降参せざるをえないというのは…
とても悔しかった…。
◇
『Battle Ended.』
試合終了のアナウンスが流れると、観客席からは怒涛のような歓声が起こった。
暁学園ガンプラバトル部は、見事、県代表のチームとして全国大会への切符を手に入れたのだ―。
「おめでとう。」
「いい試合だったよ。」
と、握手する雲龍と時雨。
「つかぬことを訊くようだけど…。」
と切り出す時雨。
「何ですか?」
「君達は…どうなるの…?」
未成館中学校は、今時、ガンプラバトルに関心が無い、珍しい学校だ。
ガンプラバトルに関心が無い学校の部活ゆえ、結果を残すことができなかった雲龍達がどうなるのか…?
はたして、時雨の予想通りの答えだった…。
「もちろん…
廃部…
でしょうね…。」
と、雲龍は涙を流したが…
「でも…
楽しかったです…。」
と、それでも、精一杯の笑顔を見せた―。
「全国大会…
がんばってください…!!」
「ありがとう…!!」
と、再び、雲龍と時雨は握手をかわした―。
そして…
ここに来るまでに破ってきた者…
そして、敗れていった者達の思いを胸に…
全国大会で優勝することを、電、時雨、夕立は誓いあうのだった―。
◇
こうして暁学園は見事に県代表のチームとして全国大会への切符を手に入れたのだ。
県代表戦に勝利し、バトル会場で抱き合って喜ぶ3人を、観客席の隅から影が見ていた。
口元をニヤリと笑わせ
「予定通りだね…」
と、ポツリと一言呟くと、観客の波へと消えていった…。