-アークスシップ3番艦ソーン ショップエリア-
大勢の人達がそれぞれが違う所で賑わっている。
グループでワイワイ会話をしたり、カップルがベンチで仲良くしていたり、家族連れが色んなショップを見て回ったり。
病室とは正反対の場所を目の当たりにして、シアが目を輝かせる。
「......!........!」
口を動かしているが、声は出ない。
それでもその楽しんでいる後ろ姿を僕とマトイは見つめ笑みを浮かべる。
「さ、シアちゃん。一緒にお買い物しよう?」
マトイはシアの手を取り、笑顔を見せた。
シアはマトイの手をギュッと握り返すと、ユウの方へ振り返った。
「ん?」
シアはマトイの手を握っている方とは逆の、空いている手をユウに差し出した。
ユウはシアの目を見た。
.........手を繋いで、ってことなんだろう。
「........ふふ、わかったよ。」
シアに差し出された手をユウは握る。
シアから見て左側にマトイ、右側にはユウが立ち、ユウとマトイは互いを見た。
「........なんだか.....。」
「家族みたい........だね。」
変な気分だ。
少し照れたようなマトイに、満足気なシア。
小さな少女の身の危険を警戒しながらこの依頼を進めていたけど、今日は......うん、こんな日があってもいいのかもしれない。
僕達3人は歩幅を合わせて進み出した。
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「いらっしゃいませー!」
お店に入ると同時に店員が元気よく挨拶をする。
僕とマトイはシアの服を買うために、洋服屋に来た。
女性物の服が並んでおり、ユウは少し居づらそうにするが我慢する。
シアが飾っている服の袖を摘み物珍しそうにあちこち見渡し、マトイはシアの傍に寄る。
さて、僕はどうしたものか.......。
すると────────
「だから!もっと柄のいい物を持ってきてほしいんですわ!!」
店内に大きな声が響き渡る。
「な、なんだ....?」
僕は恐る恐る大声がした方へ向かう。
そこには.......
「ふぅん、この柄はいいわね。」
紫色の長い髪、薄紫の長いまつ毛........それに.........。
僕はソロリソロリと後退り、マトイとシアの所へ戻った。
バッと振り返りマトイを見る。
「ち、ちょっと!ここ高いお店じゃないのっ!?」
「え?えっ!?嘘......ここは普通のお店じゃ.....!?」
僕とマトイのやり取りをシアは間で交互に見る。
「普通のお店...!?いやでも、あの子のあの口調.......お嬢様だっ!!絶対高いよ、ここ!!?」
僕は傍にあった服を手に取り、値段を確認した。
「ここはきっと大富豪......が........。........え。」
僕は目を疑った。
もし大富豪やお嬢様がここに来て服を買うならそうとうな値段の服に違いないと思っていた。
僕の考えでは数億メセタ.....すると。
「.........63万メセタ.....?」
「ちょっと!!」
目を疑った瞬間背後から大きな声がして3人でビクッと身体が動いた。
......僕は恐る恐る後ろへ視線を向けた。
「あなた達、そこで何してるのかしら?」
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PHANTASY STAR ONLINE2 THE SAGA EP5 "願いの一番星"
─────2022年、公開。