俺のビジネスアカデミア   作:エニスマン

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相澤先生の発言が本気だと理解して「こいつヤバいな」ってなるノージア君。
一切戦闘描写のない話は初めてなので実質初投稿です。


第2話 合否、そして入学式?

 雄英から封筒が届いた。

とりあえずお弁当も頂いたし、黒霧さんと開けてみることにする。

仕事用の電話から黒霧さんの電話にかけると、すぐに繋がった。

「もしもし、ノージアです。」

「黒霧です。どうかしましたか?」

「雄英の入試結果が来ました。」

「そうですか!結果はどうでしたか?」

「まだ開けてません。ちょっとそっちにいって開けようと思うので私の部屋にワープゲート繋いでもらえますか?」

「わかりました。少々待ってください。」

 

 通話が切れてからしばらくして、部屋の中に黒霧さんの靄が湧き出てくる。その靄をくぐってbarに行くと、死柄木がこちらを見ていた。

 

「落ちてたらどうするんだ、お前?」

いきなり失礼なことを聞いてきやがる。

 

「まあ、手応えからして大丈夫でしょう。もし無個性を理由に入学を拒否するようならば、少々強引ではありますがあちらのデータベースをクラッキングしてオールマイトの診断書でも公開しますよ。」

 

俺がそう言うと死柄木は珍しく笑った。

 

「それは悪くないな。」

 

「何はともあれ、まずは結果を見てみましょう。」

ワープゲートを引っ込めた黒霧さんが言う。

 

 ポケットナイフで封を切ると、封筒の中から一枚の書類と円盤状の小さな機械が出てきた。

「なんでしょうこれ?」

 

その機械をとりあえずカウンターの上に置くと、

次の瞬間───

───『私が投影された‼︎』

 

「ちょっ待ってください死柄木!それはまずいですって!」

「死柄木弔、落ち着いてください。壊すのは結果を見てからでも遅くはありません。」

オールマイトのホログラムを破壊しようとする死柄木を黒霧さんと共に宥めながら、その内容を注視する。

 

『君は筆記の点数は十分‼︎とくに英数理の点数はトップクラスだ!

実技試験も敵ポイント26P!もう一つの隠された指標だった救助ポイントも37P!合格ラインだ‼︎────

 

とりあえず、合格出来たようだ。

ほっと一息つきながら、案外緊張していたことに気づいて苦笑する。

 

─けれどね‼︎‼︎

えっ、

まだ何かあるのか?

 

救助ポイントは最初の審議の結果さ!0ポイント仮想敵を倒した子の審査をしている時に、君がみんなを逃すために0ポイント仮想敵に立ち向かっていったのが映り込んでいたのさ‼︎』

 

ヤバい。爆弾の件がバレたかもしれん。

 

『君の戦いは砂埃に隠れて見えていなかったが、0ポイント仮想敵の履帯が爆発と共に切れて、やつが行動不能になっていたのは確認できた!

だから、巨大な敵にも怯まず自分にできるやり方で他の人たちを助けようと立ち回ったその勇気と冷静さを評価し、再審査した所───

 

──救助ポイント52P‼︎

 

おめでとう少年!君は主席で合格だ‼︎』

 

……は?

カメラマンからオールマイトに、巻きでと合図が入っているが、彼はまだ話したりないようだ。

 

『君は無個性だと聞いている‼︎

きっと多くの苦難、多くの挫折を経験してきたのだろう!

だが‼︎君はこの入試の結果を誇り、自信を持って良い‼︎

あの場で誰よりも知的に戦った君ならば、無個性でヒーローを目指すと言う不可能な挑戦(ミッション・インポッシブル)も乗り越えてくれるだろう‼︎

来いよセンス少年‼︎

雄英(ここ)が君の

ヒーローアカデミアだ!』

 

そして映像は終わった。

 

「しゅせきぃ?」

自分のものとは思えないほど間抜けな声が出た。

ただでさえ…!ただでさえ俺は無個性と偽って合格したのに…首席を取るとか…!

 

これ以上目立つ要素を加えてどうすんだよ!

 

「えっと…おめでとうございます?」

頭を抱える俺に向かって祝いの言葉をかけてくれる黒霧さん。

 

「潜入って言うには派手すぎるだろ、草」

死柄木がプロジェクターを粉々に『崩壊』させながら笑っている。

ぐうの音も出ねえ…

 

「とりあえず、何か作りましょうか?」

黒霧さんが合格祝いだと言ってご馳走を作ろうとする。また一段とオカンっぽくなってやがる…

 

とりあえず、黒霧さんが料理している間に父さんへの連絡も済ましておく。

とはいえ、あちらはもうかなり忙しくなっているはずなので、メールを書いて送っておくだけだが。

──────────────────────────────────

 昼飯をご馳走になった後、作戦会議を始める。

とりあえず。今後の活動目標について具体的なプランを作っていく必要があるだろう。

「では、まず当面の目標を決めましょう。オールマイト殺害に向けたプランを具体的なものにしたいです。」

 

「とりあえず、敵連合(うち)には対オールマイト用の改人、『脳無』がいる。そいつならオールマイトにも勝てる。」

改人か…それだけだと少し不安だな…

「学校で襲うとなると他の教師や生徒に囲まれるのが怖いですね。襲いやすい状況を作れないか検討するべきでしょう。」

「…雄英に侵入して、授業計画などを盗み出して計画を立てると言うのはいかがでしょうか。」

黒霧さんが良い意見を出す。

「そうですね…雄英バリアーは知っていますか?」

「何だそれ?」

「雄英独自のセキュリティシステムです。学生証や通行許可証を持たないものがセンサーの前を通ると物理的に壁で足止めされます。」

「私の個性でワープしてしまえば関係無いと思うのですが…」

確かに、黒霧さんが相手ではセキュリティ自体は役に立たないだろう。

「いえ、それを陽動に使ってはどうかと言うことです。

オールマイトが雄英に勤めると言う情報はもう世間に出回りました。雄英前には新学期からマスコミが大勢集まるはずです。」

マスコミは目の前で自分たちの邪魔をしていた壁が崩れる様子を見れば暴走し始めるだろう。それを陽動に──

「─職員室に、侵入してください。」

「…なるほどな、それならいけそうだ。」

「では、私は黒霧さんが直接職員室に入れるように校内の見取り図を持ってきます。あとは、作戦開始と同時に生徒や教師陣を職員室に行かないように誘導しますね。」

ひとまず、意見は集まっただろう。

「まとめるとこういうことだな

俺は雄英バリアーの破壊と陽動

黒霧は移動手段兼侵入

ノージアが情報収集と扇動

っていうのが各々の役割だ。」

悪くない。子供っぽいところはあるが、少しずつリーダーらしくなっていっているじゃないか。

「あ、後その辺のチンピラでもまとめ上げて戦力を拡大しておいてはどうです?」

「そうですね、駒は多いほど良い。私からもお願いします、死柄木弔。」

敵連合の作戦会議は終わった。

 

─────────────────────────────────

 

 今日は待ちに待った入学式だ。情報もノウハウも、盗めるものは全て盗んで俺の糧にする。俺の初仕事は、今日からスタートだ!

気合いを入れて、自分のクラスに向かう。俺はA組だ。

 教室に向かう途中で、見覚えのある緑髪を見つける。

「…君は、0ポイント仮想敵を倒した人ですよね。」

「えっあっうん、…えと…僕は緑谷出久、君は?」

「私はノージア・センスと言います。入試のアレ、良いパンチでしたよ。」

「ありがとう…!

…あの、実は…僕、あんなに巨大なロボットに怖気付いちゃって…

あそこで君が飛び出していくのを見て、覚悟が決まったんだ…!

だから、その、ありがとう。よろしく。」

どうしようか、いきなり全く謂れのない賞賛を受けてしまった。

まあ、打算でやった行動が他人のために働いたなら、ラッキー程度に思っておくのが良いだろうか。

日本語には「言わぬが仏」と言う諺もあるらしいし、そんなもんでも良いのだろう。

緑谷と談笑しながら歩いていると、すぐにA組の教室に着いた。

デカいドアの前で自分の席を確認すると、知り合いの名前が近くの席に書いてあるような気がする。

(きのせいかな?)

二度見するが、やっぱりある。

ドアを開けて教室の中を確認すると、奥の方にやはり知り合いとしか思えない姿を見つける。

整った顔立ち、大きなポニーテール、豊かな胸

最後にあった1年と少し前から、身長以外ほとんど変わらない女子がそこにいた。

あ、目があった。

 

「何でお前がいるんだミス八百万⁉︎」

 

焦って英語で聞いてしまう。

 

「何であなたがいますのセンスさん⁉︎」

 

あいつも慌てて日本語で言ってくる。

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け

ここは…ヒーロー科だぞ。」

 

(((なんか‼︎!いるぅぅ‼︎!)))

 

───────────────────────

 

 いきなり現れて俺たちの担任だと名乗った、相澤消太(イレイザーヘッド)に連れられて、ジャージに着替えた俺たちはグラウンドにやってきた。

「個性把握…テストォ⁉︎」

え、どうしよう俺無個性(自称)なんだけど。

 

「入学式は⁉︎ガイダンスは⁉︎」

入試の時見かけた少女が尋ねる。

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。」

嘘だ。

俺の個性には嫉妬や悔しさを抱える人間の反応がいくつかある。

それらはほとんどがヒーロー科のB組に向けられたものだ。おそらくB組は入学式に出ているのだろう。いくらなんでも雑すぎる嘘である。

 

「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り。」

 

きっと今この場の多くが(何言ってんだこいつ)と思っているだろう。

 

「中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト。

爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」

「67m」

「じゃあ"個性"を使ってやってみろ。

円から出なきゃ何してもいい、早よ。」

 

ボールを渡されたツンツン髪のヤンキーが構える。

そして大きく振りかぶると─────

 

「死ねえ‼︎」

FA BOOOM‼︎

 

((((………死ね?))))

 

記録が出る。相澤先生がこちらに向けた端末に写っていた数字は705.2m

「まず自分の『最大限』を知る。

それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

「なんだこれ‼︎すげー面白そう(・・・・)‼︎」

あっ。

おい待て誰だ今余計なこと言った奴。怒ってるぞこの先生。

 

「………面白そう…か

ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?

よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう。」

 

こいつ本気だ、やべえ。

だが俺の個性は外見や筋力に影響があるタイプじゃない。ただ解るだけの個性だ。

「結局、鍛えた体だけで勝負するしかねえ…!」

 

「生徒の如何は先生(おれたち)の"自由"

ようこそこれが、

雄英高校ヒーロー科だ」

 

マジで失言した奴許さねえからな

 

───────────────────────

 

 結局、除籍処分を食らった奴はいなかった。

俺の順位は16位で、最下位になったのは緑谷だったが、緑谷のソフトボール投げを見たところで相澤先生の害意が消えた。

八百万は「あんなのウソに決まってるじゃない…」などと言っていたが、あれは途中までは本気だった。

各々が自分の可能性を追求した結果手にしたハッピーエンドということだろう。

 

 1日目が終了し、アパートに帰ろうとしたところで、校門のあたりで八百万が待っていることに気がつく。

ため息をついて歩み寄ると、いきなり失礼な質問をしてきた。

「さっきも言いましたが、どうしてあなたが雄英に居ますの…⁉︎」

「俺だってお前に同じこと聞きてえよ。八百万お前試験会場にいなかったろ。」

「私は推薦入試を受けましたもの、受験日が違います。」

そういう理由か。

しかし参った、まさか知り合いがいるとは思わなかった。

とりあえず質問にどう答えるべきか悩み

「ヒーローになりたいと思ったんだが、どこのヒーローかに行こうか迷って、結局オールマイトの母校に行くことにした。」

「あなた別にそんなオールマイト好きじゃありませんでしたよね…」

「そこまで好きではなくても、実力は最高峰だと認めてんだよ。とにかく、俺はもう帰るからな、あばよ。」そう言って学校を離れる。

俺は精神的に疲れ果てて、家に帰ってそのまま寝た。




ノージア君とヤオヨロッパイは面識があります。出会いなどについては追々描写していけたらなと思います。
ヤオヨロッパイさんは英語も話せそうなので、ノージア君とは英語で話してもらうことにしました。
コメントなどお待ちしております。
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