常磐ソウゴは魔王である   作:ぬんぬん

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白鳥歌野は勇者である編 スタート!


EP2「スワのユウシャ2015」

白い部屋があった。清潔感が保たれ、様々な機械が置かれた部屋に常磐ソウゴが眠っていた。

 

死んだわけでも、怪我をしている訳でもない。ただ、オーマジオウの力を無理やり使用したことで意識を失い、それから数ヶ月経っただけだ。

 

つまり今、常磐ソウゴは病室にいる。常磐ソウゴは意識不明者である。というわけだ。

 

時間にして約三ヶ月眠り続けた魔王の周囲に突如として一瞬銀色の光を発生した。その瞬間、常磐ソウゴは目を覚ます。

 

「ここは…?」

 

「目が覚めたかい?我が魔王」

 

「うわっ!?誰!?…って、キミは…」

 

「自己紹介が遅れたね。私の名はウォズ。キミの忠実な家臣さ、以後お見知り置きを」

 

恭しく礼をしたウォズのことを怪しい人を見る目で見るソウゴだったが、一瞬考え込んで笑顔を見せる。

 

「そっか。俺は常磐ソウゴ、将来の夢は王様!よろしくね、ウォズ」

 

「よろしく、我が魔王。さて、とりあえずキミには最近の話を聞いてもらわねばならない」

 

ウォズは静かに語り始める。ソウゴがオーマジオウの力を使って白い怪物──バーテックスを地球から一度一掃した後、数日後に再度バーテックスが現れたということ。

 

そして、今の日にちは2015年10月30日。バーテックスが攻めてきてから三ヶ月も経っているということだった。

 

「…そうだ!学校のみんなや街の人達は!?」

 

「さあ?私には分かり兼ねるね。だがおそらく…」

 

「そんな…というか待って?じゃあなんでここはあの怪物にに襲われないの?」

 

「それは、この地を神が守っているからね」

 

「そっか、神様かぁ。神様が守ったく…れ……え!?神様?神様ぁ!?」

 

「シー…ここは病院だ、少し静かにしたまえ」

 

「いや無理だよ!普通、突然神様がいるってカミングアウトされたら驚くでしょ!?」

 

ウォズによれば、バーテックスを作り出したのは天の神と呼ばれる人を滅ぼそうとする神。そして天の神とは逆に人を守ろうとする神々を地の神と呼び、日本の各地に神によって守られた地があると言う。

 

「各地って…じゃあここ以外にもあるんだ?」

 

「もちろんだとも。この地以外であれば、北海道の旭川市のカムイコタン、沖縄の南城市、そして四国があるね」

 

「じゃあここはどこなの?」

 

「ここかい?ここは長野県の諏訪湖周辺だね」

 

「長野県!?東京じゃなくて!?」

 

「ああ。東京には神が守る地が無くてね。私が我が魔王をここまで運んだのさ」

 

「そうなんだ…。ありがと、助けてくれて」

 

「どういたしまして。さて、この地を私が案内しようと思ったんだが──最適な人物がやってきたようだね。では、我が魔王。また会おう」

 

「えっ、ちょっと!?…いなくなっちゃった…」

 

本を閉じて、マフラーに包まれてその場から消えたウォズのいたところを見て呆れたような声を出すソウゴ。

 

そんな時、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。

 

「誰だろ?どうぞー」

 

「ハロー!あら、起きていたのね!」

 

「うたのん、ちょっとうるさい…あ、あの、気分が悪かったり体調が悪かったりはしませんか?」

 

バン!と扉を開けて入ってきたのは二人の少女だった。方や、不思議な服装をしており、もう一人は巫女服のようなものを身にまとっていた。

 

「え?あ、うん。大丈夫だけど…アンタたちは?」

 

「おっと失礼!私は白鳥歌野、この周辺を守る勇者をしています。そしてこっちが」

 

「う、うたのん!?え、えっと…藤森水都です。うたのんに神託を伝える巫女をしてます。よ、よろしくお願いします?」

 

「あ、俺は常磐ソウゴ。高校一年生で、将来の夢は王様になること!よろしく!」

 

二人の自己紹介に合わせて、ソウゴも自己紹介をする。ソウゴの自己紹介に目を輝かせる歌野。

 

「ワオ!王様が将来の夢なのね!実は私も農業王になることが夢なの!」

 

「農業王!?いいね、最高じゃん!俺が王様になったら農業のことは歌野に任せよっかな~」

 

「私は厳しいわよ!王様だからって楽に野菜を食べれると思わない事ね!」

 

「えー王様なんだし少しくらい楽させてよ」

 

「ダメよ!汗水流して農作業した後に食べる野菜が最高なんだから!」

 

元々明るい性格の歌野とソウゴはポンポン会話をする。そんな2人の様子に目を白黒させる水都。

 

「も、もう仲良くなってる…さすがうたのん…」

 

「そういえばソウゴ、どうしてあんなところに倒れていたの?」

 

「あんなところ?」

 

「貴方、畑のそばに倒れていたのよ?」

 

「畑のそば…?さ、さあ?なんでだろ」

 

ソウゴの脳裏にはフードを被った怪しげな少女が浮かぶが、とりあえずそれは飲み込んで首を傾げておく。

 

「うーん、まあとりあえず安静にしてなさい!グッバイ!」

 

「ま、待ってうたのん…聞くことがまだ残ってるよぉ…」

 

「シット!そうだったわ。ねぇソウゴ、一つ聞きたいんだけど」

 

「なに?」

 

「三ヶ月前、バーテックスを一掃した金色の戦士のこと、何か知らない?」

 

「あ、それ俺」

 

「…え?」

 

「いやだからそれ俺だって」

 

ソウゴの回答にピタリと水都と歌野が固まり、ギギギギ…と擬音がつきそうな動きで顔を見合わせ──

 

「「えええええええええ!?」」

 

──二人の絶叫が轟いた。




常磐ソウゴ
三ヶ月眠ってた人。筋肉の衰えなどは無い模様。ウォズによればオーマジオウになった際、残存した力によって肉体の時が止まっていたらしい。
こいつを見ることになった医者は泣いていい。

白鳥歌野
農業王に私はなる!と、一人だけ大農業時代を生きている少女。諏訪を守る勇者である。
何故かオーマジオウを探してた。

藤森水都
書くのが一番難しい人。でも白鳥歌野も十分難しい。畑のそばに倒れてた人も歌野並のコミュ強でビビった人。
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