常磐ソウゴは魔王である 作:ぬんぬん
ジオウが継承した仮面ライダーカブトの能力であるクロックアップ。クロックアップは、アーマー内に流れるタキオン粒子を利用し、時間流を自在にコントロールすることが出来る。そのため、クロックアップを使用していない存在よりも遥かに高速で移動し、相手が知覚する前に攻撃を加えたり、離脱したりすることが出来る。
今も、ソウゴとアナザーカブト以外の全ての物体はしっかりと見なければ分からないほどにゆっくりと動いており、まさにソウゴとアナザーカブトの一騎打ちのような状況になっていた。
「なんか、行ける気がする!」
戦況は、五分五分…否、ソウゴが少し優勢と言ったところか。カブトアーマーに刻まれる歴史が戦闘経験の浅いソウゴを導き、アナザーカブトの攻撃を捌いて出来た隙に攻撃を加えるカウンター方式の戦闘方法を取っている。
「そこっ!」
ジオウはケンの文字と共に現れたジカンギレードを掴んでアナザーカブトを切り裂く。体制が崩れ、防御も攻撃も怪しくなったところをついてジオウは苛烈な攻撃を与える。
「行くよ!」
【フィニッシュターイム!】
カブトライドウォッチを取り外し、ジカンギレードに装填するジオウ。赤いエネルギーが溜まり、エネルギーが刃となりチリチリと空間を燃やす。
「ハァッ!」
【カブト!ギリギリスラッシュ!】
赤い斬撃は、アナザーカブトを飲み込むだけに飽き足らず、周囲のバーテックス事飲み込んで消し飛ばす。斬撃の直撃を受けたアナザーカブトは全身から青い電撃を散らして膝を着く。結果、斬撃を放ったことでジオウはアナザーカブトに背を向ける形となっており、命をかけた戦闘時においては危険すぎるのに、ジオウは残心したまま動かない。
【クロックオーバー】
ジオウとアナザーカブトの時間流が元の時間流へと合流。周囲のバーテックスが突如爆散し、歌野や水都は困惑したように顔を見合わせる。なにせ、歌野や水都からすれば突如消えた2人が再び突如現れて、なぜかアナザーカブトが膝を着いて今にも倒れそうになっているのだ。
「な、なにが起こったの…?」
「カブトアーマーの能力、クロックアップさ。厳密には少し違うが、今の我が魔王は高速移動が出来ると思えば良い」
歌野と水都がウォズの解説を受けているのと、ほぼ同時。フラフラとアナザーカブトが立ち上がり、ジオウに向かって駆けだす。ジオウはゆっくりとジオウライドウォッチとカブトライドウォッチに手を置いて、同時にボタンをカチリと押し込んだ。
【フィニッシュタイム!カブト!】
「ソウゴくん!危ない!」
水都が思わず叫ぶが、ジオウは慌てる様子もなくベルトのロックを外して静かに一回転させる。
「ライダー…キック」
【クロック!タイムブレイク!】
駆けてくるアナザーカブトに対して、完璧なタイミングで後ろ回し蹴りが叩き込まれ、アナザーカブトは凄まじいエネルギーと共に爆散。ジオウは指を天に輝く太陽に向けて指さすと、太陽が一瞬眩く輝いたような気がした。
「こうして、我が魔王はカブトの歴史を
パタンと本を閉じたウォズは軽く微笑み、ストールを伸ばして姿を消す。ウォズが立ち去った場所には、スペードのエースのカードがひらりと舞い落ちた。
ということで、カブトの歴史継承です。
では、また次回。