艦隊これくしょんー啓開の鏑矢ー   作:オーバードライヴ/ドクタークレフ

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どんどん参加艦が増えてくぜイェア。
描写仕切れる自信がないぜイェア。
話がほとんど動かないぜイェア。

そんな今回ですが、抜錨!


第17話_MI・始動

The offing of Ogawawara Islands_

Sept.13 2082. 0152UTC. (1052JST.) _

 

 死神か疫病神か。そう呼ばれて久しい。

 

 

 最後まで水面の上に残った。なぜか被弾しない、被雷しても炸裂しない。どんなに周りがひどい惨状でも必ず帰還する。

 気にするなと言ってくれる人もいる。帰還を喜んでくれる人もいる。それでも何度も頬を張られたし、たくさんの罵声を浴びてきた。

 

 なぜ、駆逐艦のお前だけが帰ってくる?

 護衛任務なのになぜお前だけが生きて帰ってきた?

 お前さえいなければ。

 死神が。

 お前のせいだ。

 

「わたし、は……!」

 

 今度こそ守り切って見せる。生きて帰して見せる。

 たとえ自分が沈むことになっても、守らねばならない。

 だからかもしれない、道半ばで被雷して先に進む艦隊を見て、笑顔でいれたのは。

 

 作戦は単純明快。ここで暴れて敵艦隊を攪乱し本隊の血路を拓くこと。

 

「行きますっ!」

 

 浸水が止まらない。でも、航行できる。主砲は撃てる。魚雷も撃てる。だから単騎反転し、敵艦隊中心へと突っ込んでいく。

 

 

 

「ゆきかぜは沈みませんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

551Torpedo Squadron Commander Room / Anchorage of Wake-Island_

Sept.15 2082. 0736UTC. (1936WAKT.) _

 

 

「とんでもないもの拾ったわね。あなた」

 

 六波羅夏海医務長が電を見ながらそういった。部屋には電と航暉、天龍、龍田が詰めている。

 

「DD-KG08、パーソナルネーム“雪風”。所属は極東方面隊西部太平洋第一作戦群隷下の第526水雷戦隊、もっとも所属したのは結構最近ね。南方の540番台や580番台の水雷戦隊をたらい回しにされて今のところに落ち着いた感じかしら」

 

 クリップボードを航暉に手渡すと夏海は薄く笑った。

 

「どこでどんな無茶したか知らないけど、ひどいもんよ。最新式の義体と脳殻だったから耐えられただけだわ。全身ズタボロ、内臓ふくめてひっちゃかめっちゃか。伊波少尉から艤装の破損具合を聞かないとわからないけど、戦艦集めてタコ殴りにでもしないとあんなことにならないわよ。ナノマテリアル被膜もほぼ全部剥がれ落ちてるし、よく息してたって言うしかないわ」

 

 航暉はクリップボードを見て内容を確認してから天龍たちに回す、それを横目で見ながら口を開いた。

 

「伊波少尉からも似たような報告が上がったよ。主砲・機銃・魚雷・機雷……武装という武装を全弾消費、燃料電池も反応しきって空っぽ。右舷に被雷痕1、直撃弾2、至近弾もしくは爆風によるサイドからの圧砕痕多数、電探・ソナー機能停止。浸水で転舵もまともにかなわない状態で駆動システム4系統中3系統機能停止。残りの1系統も排熱がうまくいかなくて缶が焼けついて半分溶けてるような状況だ。無線も死んでるし、非常用位置指示無線標識装置(ELT)はどこかへ消えてるし……主な損害だけでこれだ。艦機能は全壊と伊波少尉が断言したよ」

「……生きてここについたのが奇跡だな」

 

 天龍が暗い顔でそういった。ウェーク島哨戒圏でそのような戦闘は確認していない。最低でも三桁キロは離れたところからこの破損状態で単独で航行してきたことになる。燃料も弾薬も尽きて機関も死に体、その無防備な状態で深海棲艦に見つかることなく、この広い太平洋のど真ん中の有人島に生きているうちに漂着する。そんな奇跡はおいそれと転がってないのである。

 

「で、そのラッキーガールはどんな感じだ?」

 

 天龍が夏海にクリップボードを返しつつ、そう聞いた。

 

「やっと電脳が生き返ったわよ。脳波もだいぶ起伏が出てきたから脳機能自体は生きてるわ。体の方はナノマシンと活性酵素マシマシで全力修復中。生体維持機能の修復はほぼ完了したけど、手足の筋肉の断絶がひどくて修復が思ったより難航中。まぁ妖精も全力で直してくれてるみたいだし、この回復速度からすると……起き上がるだけなら今日中にはできるようになるはずよ。もっとも」

 

 意識が戻ればの話だけど。といった。

 

「それで、どうしてこうなったかの部分はわかったのかしら~」

 

 水上電探のアンテナユニットを頭の上で揺らしながら龍田が航暉に流し目を向けた。

 

「面白いものが出てきたよ。……月刀中佐よりWTC、DD-KG08のパーソナルデータを司令室スクリーンに投影せよ」

[Projects Personal-Data of DD-KG08 CMPL/ Comnd Tsukigata]

 

 応接セットのガラステーブルが白く光り、すぐに落ち着いた光量に落ち着いた。表示されるのは雪風の三面写真や所属、スペックなどが記されたデータリストだ。

 

「……雪風は今も呉鎮守府にいることになっているんだ」

「はぁ!?」

「雪風保護の一報を入れたらCTCがエラーを返してきた。5日前の9月10日の油槽船“さくらめんて丸”の護衛任務完遂後出港していないことになっている」

 

 投影されたデータを見ると現状欄には確かに呉軍港にて任務待機中(STBY / Kure Admiralty Port)とある。それを見て電は口を開く。

 

「なら、今いる雪風さんは……?」

「体細胞データが合致している以上別人とは考えづらい。考えられる可能性は二つ、雪風の独断専行、もしくは何らかの極秘任務に就いていた……エラーを返したまま、対策が取られてないところを見ると軍内部の人間に対してもある程度の機密性を有する作戦に従事している可能性が高いだろう」

「極秘任務……」

「おいおい、もしかして雪風は極秘任務の最中だから捜索すらされてなかったとか言うのか?」

 

 天龍が航暉を睨む。彼は肩をすくめた。

 

「少なくとも捜索隊が編成された痕跡はない。そもそも“出港すらしてない艦の捜索”なんてできるはずないから秘密裏に処理された可能性もあるが」

「胸糞悪い」

「今回は天龍ちゃんと同意見かなぁ……」

 

 龍田が凄みのある笑みを浮かべた。隣に立つ電がびくりと震えた。航暉はそれを見て苦笑いだ。

 

「雪風が生きてたことに感謝しなきゃな。下手したら雪風は軍籍抹消されて存在しなかったことになってただろうさ。……この件に関してはおそらく横須賀から連絡があるだろう。それ次第になるが“雪風はここに来なかったし、けがなんてしていない”ってことになるはずだ。……天龍」

「おぅ」

「おそらく551には緘口令が敷かれる。暁たちにも黙っておくように言い聞かせておいてくれ。おそらく俺が言うよりもスムーズだろう」

「わかった。……極秘作戦のことは話さないほうがいいな?」

「頼む……次、龍田」

「なにかしら~」

 

 上機嫌で返事が返ってくる。

 

「クェゼリンの第二作戦群司令部へ付近警戒を厳にするように一報を入れてくれるか? 深海棲艦襲撃の兆候があるとでも言ってくれると助かる。雪風のことは伏せてくれ」

「了解よ~」

「電は明日0900WAKTまでオフシフトだ。今はハイになってて疲れを感じてないだろうが、横になっておけ。……もしかしたらうちにも出撃命令が出る可能性もある。休める時にしっかり休んでおけ」

「出撃命令、なのです?」

「雪風がこんな状態ってことは随伴艦も危ない可能性が高い。極秘作戦とはいえ馬鹿な指揮官じゃなければ全滅する前に救難要請を出すはずだ。そうなると最寄りの基地はおそらくウェークになる。電は貴重な戦力で、ここの最先任艦だ。可能な限りベストな状態に戻しておけ」

 

 雪風が生きてたどり着いた以上、たどり着ける距離に艦隊がいるはずだ。そこでもし救難信号が出たら、最寄りの部隊はおそらくウェークの551水雷戦隊になる。激戦地に飛び込み、敵を退け、味方を連れて帰る必要がでてくるのである。

 

「了解なのです」

「六波羅医務長は雪風の治療を続けてください。意識が戻った時点で必ず報告を」

「貴方も休んだ方がいいわね、月刀中佐」

「少し探りを入れたら休むよ……以上解散」

 

 敬礼を交わして皆が部屋から出ていく。部屋に残された航暉は溜息をついた。首の後ろからケーブルを引き出すとデスクについているジャックに差し込んだ。

 

『……高峰』

『はいよ。そろそろ来ると思ってた。ユッキー拾ったって?』

 

 ノイズがあっという間にクリアリングされ、面と向かって話してるような声が響く。遥か海の向こうの相手とこんな会話ができるんだからつくづく電脳通信は便利だ。

 

『……安心しろ。枝は張られてないし、こっちでも回線を地球3周ほど回してる。逆探されないし割り込みもわかる。それで、カズ。ユッキーの様子はどうだ?』

『ひどいもんだ。死ななかったのが奇跡だ。さすが幸運艦』

 

 通信の奥で笑う気配がした。

 

『死ななくてよかった。その様子じゃまだユッキーは起きてないね?』

『そうだ。で、どこまで知ってる? 中路中将傘下の部隊がなぜ中部太平洋まで出てきてる?』

『先に言っておくと中路中将はこの件に関しては関わってない。それは俺も確認済みだ』

『なるほど、で、なんで526が出張ってる?』

『グアムの岩城少将はわかるな?』

『あぁ、下村准将の後釜の』

『そうだ。彼が急進派の急先鋒だって言えばわかるか?』

『……反攻作戦か』

 

 鼻で笑った航暉におなじように笑う高峰。

 

『それも特大のヤツさ。一航戦に二航戦、伊勢型に利根型……アウトレンジに特化してやられる前にやるを体現した編成だ。……作戦名“オペレーション・ネオMI”』

『……ミッドウェー(、、、、、、)?』

『イェア。あのミッドウェーの雪辱を晴らすだの時代錯誤なこと言ってCTCの警告を無視して意気揚々と動き出しやがった。作戦指揮将校は523の北川少将とグアムの岩城少将の連名だ。参加部隊は中部太平洋第一作戦群から531戦隊、532戦隊、533航空戦隊、534航空戦隊、西部太平洋第一作戦群から522戦隊第二小隊、523航空戦隊、526水雷戦隊、527水雷戦隊……ここまで揃うと壮観だよな』

 

 各戦隊の司令官の顔を思い浮かべながら航暉はメモ帳にそれを書き取っていく。522と聞いてペンを止めた。

 

『まて、523……一航戦が参加してるのはまだ理解できる。なんで榛名と霧島まで参加してやがる?』

『お前が522からウェークに飛ばされた後着任した春日野ってヤツが根っからの急進派でな、523の北川少将の信者って感じだ。北川少将に感化されて今回の作戦に乗った』

 

 航暉は黙り込んだ。第551水雷戦隊司令に着任する前の職、第522戦隊司令補佐官時代の部下が巻き込まれている。唇を噛みしめる。

 

『……おい、まさか』

『中路中将の懐刀だって言われてるお前を中将から切り離して僻地に置いておく。別の艦隊で作戦レベルも違うから顔を合わせる機会はめったになくなるし、何らかの接触を持とうとした場合でも初動をつかみやすくなる。お前の異動もこの作戦のためとみるべきだろう。』

『用意周到なことで……』

 

 この水面下の作戦のために、人事部に掛け合い中佐を水雷戦隊司令官に任命するるなんて無茶ができるとなると想像以上に人事部と癒着が深そうだ。

 

『それだけじゃないぞ。521の大和と武蔵は今北方で長距離スナイプの真っ最中で525の軽空母部隊も北方のアリューシャン列島攻略の応援で択捉にて出撃待機中。中将が動かせるのは524の重巡部隊と金剛・比叡、駆逐隊一つだ』

『それも急襲に備えて西部太平洋から動かせない、か……。中路中将がMIに反対するのは目に見えてる。現状領土防衛で手一杯なのに攻略作戦は時期尚早だって言い続けてる人だからな……』

『完全に出遅れた。お前が異動になった時点で気づくべきだったって中路のタヌキが嘆いてたよ。あんな苦々しい顔の中将初めてみたぜ?……“人虎”の中路も艦が動かせないんじゃ檻の中さ』

『……こっちもまともに動けないしな。水雷戦隊指揮を任されてるとはいえ一介の中佐だ。戦艦交じりの艦隊指揮権なんてない』

『向こうもそのつもりだろうさ。攻略作戦失敗したらその救出には551が当てられるのは間違いない。その不手際を551指揮官のお前に押し付けて退官させれば慰めにもなるだろうさ。穏健派の手駒の艦も減らせて一石二鳥。成功したら名を上げて、失敗しても相手も道連れにできるとか思ってるぜ、きっと』

 

 航暉は考え込むように黙り込んだ。高峰はそれを辛抱強く待ち続けた。

 

『……551は現状維持で待機するほかない。雪風の治療は何とか安定圏に入ったらしいからこのまま受け持つ。一応全艦30分アラート待機を続けさせる。中路中将にそう伝えてくれ』

『了解。中将から伝言だ。“雪風にすまなかったと伝えてくれ”だそうだ』

『“俺からも伝えるがてめぇが自分で言いに来い”と一言一句過たずに伝えとけ』

『こっちも了解』

 

 進展があったら伝えると高峰が言って回線がオフラインになった。首筋から回線を引き抜くと航暉は目を閉じる。右腕を額に乗せ背もたれに体重を預けた。暗くなった窓からは雲が多い空が見える。月が出ているのだろう、空が仄明るく光る。

 

 

「……頼む、死んでくれるなよ」

 

 

 つぶやいて目を閉じた。今できることは祈ることぐらいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Tactical Command Center of the U.N. Navy Western Pacific 1st Force / Yokosuka Admiralty Port_

Sept.15 2082. 0747UTC. (1647JST.) _

 

 

「航暉はなんと?」

「“俺からも伝えるがてめぇが自分で言いに来い”だそうです」

「厳しいね。……まぁ、謝りに行けることを感謝しよう」

《ヘーイ、テートクゥ!そろそろ状況を説明してほしいデース》

 

 無線のハイテンションな声に中路は口角を緩めた。作戦指揮所には中路と高峰、青葉を除くと数人の士官がいるだけだ。部隊すべてを動かすような作戦時には40人近くが駆け回る広い部屋も今はがらんとしている。地下3階、4階を吹き抜けにして作られた作戦指揮所の壁一面につけられたスクリーンには中路が使役できる全艦がプロットされていた。

 

「さきに補給及び補修の状況を報告してくれ」

《第522戦隊第一小隊、金剛・比叡、補給完了、破損なしの絶好調ネー! 三式弾も積載完了してマース》

《第524戦隊、古鷹・加古、偵察機も含めて出港準備完了です。加古がすこし眠そうですけど……》

《第528駆逐隊、時雨・白露・朝潮・満潮。以上4隻。出港できるよ》

《つまらない作戦だったら承知しないわよ》

 

 無線の割り込んできた声に中路が小さく笑い声を上げる。

 

「満潮、残念ながら“とてもつまらない”と我ながら判断せざるを得ない作戦だ。この作戦への参加は各艦の判断に任せる。僚艦が作戦を降りるといってもそれを責めることは禁ずる。そのうえで聞いてくれ」

《……何やら命令違反でもさせようって感じの言い方ネー?》

「今作戦参加艦は対空演習という名目で演習海域ゴルフ51に向かってもらうことになる。うまくいけば弾を一発も撃たずに帰還でき、私が軍法会議にかかればいいという練習航海だ」

《……提督、うまくいってそれってことは下手したらどうなるんだい?》

 

 時雨の落ち着いた声が無線に乗る。

 

「下手すれば中部太平洋艦隊の哨戒域に無断で突っ込んで霧島たちが苦戦するような大規模艦隊とドンパチになる」

《What!?》

 

 金剛の叫び声に高峰は一瞬目を閉じた。叫ばれると耳にくる声だ。艦隊から疑問が噴出する前に中路が畳みかける。

 

「呉の軍港で待機しているはずの雪風が瀕死の状況でウェーク島基地に保護された。グアムの岩城少将とうちの北川少将が中心になってミッドウェー攻略を目的とした極秘作戦が遂行中であり、雪風がその護衛として参加していたことも裏がとれた。ミットウェー到達前に行動不能艦が出ている以上、ミッドウェー周辺での戦闘も多大な被害が出ることが十分に想定される。これより西部太平洋第一作戦群はミットウェー攻略部隊が“全力打撃支援要請(ブロークンアロー)”を宣言し、ミッドウェーからの撤退戦に移行すること想定し支援艦隊を前進待機させる」

 

 ここまで言い切ると無線の奥は黙りこんでいた。

 

「言っておくがこれは君たちにとってローリターンどころか、ハイリスク・ノーリターンな作戦となる。しかしながら攻略部隊の全滅という最悪のシナリオを回避する目的においてのみ、この作戦の意義を見出すことが可能だろう。全責任は私が負う。作戦志願者は志願してほしい」

 

 無線の奥で噴き出すような笑いが起きた。

 

《水臭いデスネー、高速戦艦“金剛”、志願するネー》

《お姉さまだけでそんなところに行かせるわけにはいきませんっ!、高速戦艦“比叡”志願です!》

《重巡洋艦“古鷹”、志願します。重巡の真の力、お見せします!》

《古鷹が出るのに出ないのもあれだし……“加古”、でるよー》

《雪風が沈みかけるとなるとなかなかの敵だね、……不足はないかな、“時雨”いくよ》

《いっちばん活躍して見せるんだから! 白露型駆逐艦1番艦“白露”志願します!》

《仲間の危機に駆けつけない理由はありません、朝潮、志願します》

 

 ここまでノンストップで無線が続き、少しの間が空いた。

 

《……揃いも揃って馬鹿ばっかじゃない!》

「なにを今更。賢かったらここで黙って傍観してるさ」

 

 皺が増えた目じりを細めて中路が笑う。

 

「だが、馬鹿一人は賢者百人の働きができる。力の向きさえ間違えなければな。で、どうする?」

 

 中路がいじわるな笑みを浮かべているのに気が付けたのはその場にいた高峰の特権だった。無線の奥で荒い息が聞こえて、あぁもう! と叫ぶ声が乗る。

 

 

 

《私が出なきゃ話にならないじゃない!》

 

 

 

 それを聞いて中路も高峰も笑った。ずっと傍観していた青葉が高峰の耳元でささやいた。

 

「案外可愛いところあるんですね、満潮ちゃん」

「知らなかったか? からかうと可愛いぞ、あいつ」

 

 その笑い声が無線に乗ってたのか、何笑ってるのよ!?と抗議の声が聞こえる。

 

「よし、全艦の意思を確認した。交代指揮官は高峰少佐に頼んである。月刀の友人で腕も確かだ、安心して誘導されてくれ。西部太平洋第一作戦群、出港用意、かかれ!」

 

《了解!》

 

 

 

 

 日の目を見ないであろう作戦が動き出す。もうすぐ日が落ちようとしていた。

 

 

 




西村艦隊、好きなんですがあまり出番がない予定(ぇ

感想・意見・要望はお気軽にどうぞ。
次回は雪風回(?)の予定。お楽しみに!

それでは次回お会いしましょう。

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