シンフォギア世界にバーチャロイド(ライデン)が参戦したようです 作:とおりすがりのふに族団長
いつ始まるか分からぬ原作開始、日々現れる「ノイズ」、教師としての業務・・・それらの疲れを癒してくれるのはやはり『歌』!!(一瞬「愛」って言いそうになったのはなんでだろ?)
何を隠そう今日は本校に在籍するトップアイドル「風鳴翼」のCD発売日である。
既にダウンロード版は購入&お昼休みに堪能済みだが、CDの初回特典は特典の充実度合いが違うので当然両方購入である。
今日は何時にもました定時退勤を周囲から生暖かい目で見られていたのを鋼の心で気づかぬふりをして学校からCDショップへの道を急ぐ。
そしたら背後から『特典!CD!特典!CD!』と謎の歌?を歌いながら走ってくる一人のリティアン学院生の姿が見えた。
その名を「立花響」リティアン音楽院ではそこそこ名の知れた問題児である。
別に素行不良というわけではないが突拍子もない理由で遅刻をすることが多く、担任の先生は苦労しているそうだ。
俺自身は何回か彼女の『人助け』に巻き込まれたり遅刻の危機を救った事があるのでわりと面識がある。
だからか俺に気づいた立花の方から話しかけてきた。
「鏡音先生。お疲れ様です。」
「立花さんこそお疲れ様です。随分とお急ぎのようですが、やはり風鳴翼さんのCDですか?」
「ですです。未来が売り切れるんじゃないかって脅してくるから気が気じゃなくてダッシュで向かってる次第です」
「そうでしたか。お急ぎの所に足を止めてくれてありがとうございます。」
「いやいや、しょっちゅうお世話になってる先生無視して行けないですよ~。ではCD屋に突撃してまいります~」
タッタッタッ!!
スタスタスタ
タッタッタッ!!
スタスタスタ
タッタッタッ!!
スタスタスタ
「あれ?鏡音先生?」
「おや?立花さん。どうしました?早くCD屋に行かないとCDが売り切れてしまいますよ?」
「いやいやいや!先生が滅茶苦茶早く競歩で移動してるんじゃないですか!」
タッタッタッ!!
スタスタスタ
「ちょっとー!!ここは後進に道を譲って下さいよ~」
「生憎と俺は後進に道を譲るほど年食ってねぇからな~お先に失礼させてもらうぜ。悪いな立花ノシ」
「先生が素の喋り方になってるー-!」
大人げなさを全開にしてJK女子のダッシュと成人男性の競歩の勝負が火花を散らす。
しばらくそんな勝負が続いたが立花が先に音を上げてコンビニ前で足を止める。
「意外と粘るから熱くなってしまった。悪かったな立花。今時CD売り切れなんてありえんよ。コンビニで好きな飲み物奢ってやるから許せ・・・・って!?」
息を切らしている立花に声を掛けた瞬間に凄まじい違和感が俺たち二人を襲った。
コンビニの中を見れば中は無人。通りを見やれば歩いている人は皆無。目の前には主なき自転車が炭を被った状態で放置されている。
それだけではない。辺りは炭の山が散見され、空中にも炭が舞っている。
『ノイズ・・・』
立花と俺の声が重なる。
まずいな・・・いつもは「ディスク」から直接脳内に「ノイズ」のおおよその出現地域が伝えられて現地に向かいながらライデンを起動させるというパターンが殆どだった。
「ノイズ」の出現域まっただ中だとこのセンサーがどう動くかなど考えた事がなかった。道具の性能に胡坐をかき過ぎたと言わざるを得ない。
ともかく今は立花をシェルターに連れて行かないと・・・
「イヤァァァー」
別の通りの方から聞こえる甲高い悲鳴。立花と共に走って確かめに行くとそこには幼い少女が居た。さらにこの通りはシェルターに通じる道路なのだが「ノイズ」に埋め尽くされていて通行不可能であることが一瞬で理解できた。
「立花!その子を連れて逃げるぞ!」
「はい!」
それからの俺たち3人の逃避行は中々厳しいものになった。
開幕囲まれて、きったない川に飛び込むわ、行く先々に「ノイズ」が居たせいでシェルターからどんどん離れる羽目になるわ。
最終的に工場地帯に逃げ込んで高い所に梯子を使って登ってやり過ごそうと試みる運びとなった。俺と立花で8:2位の割合で少女を抱え合っていたが、梯子を登り切った時点で3人の疲労はピークに達していた。
3人そろって大の字になって一休みしている所で少女がふと呟きを漏らす。
「このまま死んじゃうのかな?『ライデン』助けに来てくれないのかな?」
そんなことを言う少女に立花が勇気づけるように手を取って何事か言ってるけど正直頭に入って来ない。
・・・・・・お嬢様ぁぁぁ!!『ライデン』ここに居まーす!!スンマセンしたぁぁぁぁぁ!!!!!心の中でコンクリートに頭を擦り付けて土下座する
一体何をやっていたのやら。二人の安全を確保しようとするあまり『ライデン』を起動するのを忘れるとは・・・
俺は変身して正体バレを恐れるヒーローじゃないっつーの。
前にも言ったが俺は正体バレを恐れてるんじゃ無くてシステムが勝手に俺を転送していただけの話。少女と立花には後で土下座して謝罪せねば。
「ちょうどタイミングよく『ノイズ』も集まって来たな」
『ライデン』を起動するべく立ち上がると、いつの間に集まったのか知らないが、眼前には大量の「ノイズ」が隊列をなしている。
「先生!」
「お兄ちゃん!」
二人からすると前に立つ俺の行為はさぞ自殺行為に見えるんだろう。
「不安にさせてすまんな二人共。」懐からディスクを取り出し起動させようとした所で放たれた立花の言葉に俺の動きが止まる。
「先生、生きるのを諦めないで!!!」
(生きるのを・・・諦めないで?)普通に考えれば『ライデン』を起動しようとしてる俺を止める言葉にはならない筈だが、何故かその言葉は俺の心を揺さぶった。
そして続く言葉でその疑問は一気に解決する。
「Balwisyall nescell gungnir tron」
それは『聖詠』。シンフォギアを起動する歌声。陳腐な表現になってしまうが生で聞いたその声は生前に聞いたものより神々しく、美しく、力強さを感じた。
立花の胸から光が溢れ、その光は柱となって空高く立ち上る。
その光を見た瞬間に記憶のピースが一つ埋まった感じと共に『立花響』が戦姫絶唱シンフォギアの主人公であった事を思い出す。
「立花響・・・お前シンフォギアの主人公じゃねぇかよ・・・って事はここが原作開始地点か!?」
今、この瞬間から転生者「鏡音隼人」の「戦姫絶唱シンフォギア」が幕を開けた。
次回は初戦闘・・・描写ガンバリマス(;^ω^)
期を超えて記憶の封印を超えようとするウェル博士の威力パネェ・・・