日本代表に選ばれる予定だったのに、なんで俺は小学生なんだ…   作:とうふ

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 イナイレの二次創作書くの楽しくて書いちゃう。てことで続きました!多分当分続くかなぁ?

 とりあえず、目標10話で頑張ります!


2話 vs栄都学園①

 家でゴロゴロしてる時。そいやー栄都学園と練習試合があったようなと思い出した俺。

 やっぱアニメのストーリーは一つ一つ見てかないとね。大事じゃん!

 

「父さん!俺、雷門の試合見てみたい」

 

 父さんは雷門にツテがあるからきっと見えるだろう。だって俺のおじいちゃん響木監督だよ?あの響木監督。やべぇよ。サイン貰わないと。

 

「うーん。別にいいと思うけど、成結はガッカリしちゃうかもなぁ」

 

 確かにフィフスセクターによって勝敗が決まってるなら、あんな強い雷門がガリ勉に負けるのは許さないよね。あ、でも栄都の生徒が嫌いなわけじゃないよ?本当本当。俺あのキャプテンとかゲームでゲットしてたもん。

 

「あれだよ父さん。落とされてから上げられたら、喜びはもっと大きくなるでしょ?」

 

「不思議なことを言うねー」

 

 わざと負けるような雷門を見た後にこそ、だんだん変わっていく雷門がよりかっこ良く見えるものだ。飴と鞭も同じだよね。

 

「じゃあ父さんが許可を取っておくよ。早ければ今週の日曜日かな」

 

「ありがとう!父さん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イナズマキャラバンに乗って天馬達と一緒に移動したかったが、俺はあくまでも一般人。そこは断念して、車で栄都学園までやってきた。

 

「悪い、成結。父さん今日用事があるんだ。久遠さんには伝えてあるから、久遠さんや他の人の言うことはちゃんと聞くんだよ」

 

「うん、ありがとう!」

 

 車で送ってくれた父さんはすぐどこかへ向かった。少し心細いが知り合いもいるし大丈夫だろう。

 すぐ近くに止まっていたイナズマキャラバンのところへ行く。

 

「成結くん、こっちだ」

「あ、はいっ!」

 

 久遠さんに手招きされてそっちに行く。視線が一気に集まって意外と怖い。もうっ、成結くんは集まる視線は苦手なのっ!

 

「今日は経験として成結くんが見ることになった。みんな一度は面識があるな」

 

「響木成結です。ファンです!後で握手とサインください」

 

 切実にお願いをする。みんなの顔を見るとあら不思議。表情から何を考えているか透けているかのようにわかるよ。

 あれだろあれ。「なんで、負け試合なのに……」とか「こいつにはなんの権限があるんだよ」とか。それでも口に出さないのはきっと父さんのおかげかな?

 

「成結くん、よろしくね!俺は松風天馬!」

「僕は西園信介!よろしく」

 

「よろしくっ!!」

 

 ちなみに、俺はみんなにタメ口だ。なぜなら俺はみんなより長生きだから。前世で17歳まで生きて今年で11歳。俺は28年生きてるだろ?じゃあ俺が人生の先輩だ。もちろん敬語を使う人もいるけどね。

 

 もうすぐ試合が始まる。栄都との試合結果は何対何で負けるんだっけ。覚えてないけど、確かなことは神童くんが最後に一点を決めてしまうこと。それは確か不本意で代償として久遠さんが監督を辞めてしまう。

 

「成結くん、少し聞いて欲しい」

「どうしたんですか?」

 

 ベンチに座る俺の横に腰を下ろす久遠さんが俺に声をかけた。なんせ俺はイレギュラーな存在だから、何を言われるかわからない。

 

「今の少年サッカー界はフィフスセクターに勝敗までもが支配されている。まだ小学生の君には知り得ないことだが、事実だ」

 

「なるほど」

 

 いや、突然どうしたんですかい。小学生の俺に教えちゃっていいんですかい。

 

「君にはこのチームを導いて欲しい」

 

「はい、—————はいっ!?」

 

 俺が目を大きく見開いて久遠さんの方を見るが目を合わせてくれない。いやいや、どういうことですか。ほんと、まじで。俺、小学生だよ?なんも権限ないよ?ナイヨ、ナイヨ。ホントドウシヨ。

 

「この試合、よく見るんだ」

 

「は、はいぃ」

 

 いつの間にか試合が始まっている。いやぁ、確かアニメで栄都がフィフスの指示のおかげで勝ててるのに調子に乗っててうざいのは覚えてるよ。あれはちょっとなぁ。雷門の気持ちになれて、すごい共感して見てた記憶がある。

 

「《栄都学園早くも先制点!!!》」

 

 盛り上がる観客席。まぁ、栄都学園で試合が行われてるし納得だけどね。

 

「剣城くんはこの試合見てどう思う?」

「あぁ?なんだお前」

 

 ベンチの屋根の右手前の柱、いや説明わかりにくいな。まぁアレね。アレにもたれかかってる剣城くんに話しかけた。いや、是非とも仲良くさせていただきたいなと思うんですよね。

 

「あ、後でサインもらってもいい?色紙は持ってきてないから……サッカーボールに書く?それともカバンがいい?」

 

「俺に聞くなよ。俺なんかのサインはなんの価値もねぇぞ」

 

 まさか、剣城くんは自分の価値を知らないなんて。こんなにもかっこいいのに。あれかな、まだ知名度はないとか?だってフィフスセクターから送られてきたんでしょ?まだ知名度はないよねぇ。

 

「じゃあ、やっぱり俺のほっぺに書いてよ。僕のほっぺはもちもちだから書きづらいかもしれないけど、我慢してね」

 

「ほっぺだと消えるだろ」

 

「え!?もしかして剣城くんは自分のサインは大切にしてて欲しい系だった!?いや、まぁ当然だよね。そりゃあ剣城くん強いし、いずれは爆発的な人気になるよ。でも、自分からそこまでアピールされても……さっきは自分でサインに価値はないって言ってたのにい」

 

「ちげぇ!なんで俺が!お前がサイン欲しそうにしてたから……消えるのはやだかなって……チッ//」

 

「えっ!剣城くん優しい!僕のことを思ってのことだったんだね!いや、でもやっぱりボールとかカバンってもっとプロとかさ……。剣城くんまだ無名でしょ?ね?だから僕のほっぺで我慢しよ」

 

「お前がサイン欲しがってただろ!」

 

「そうだっけ?剣城くんがサイン書きたそうにしてたからじゃないの?」

 

「ちげぇ!」

 

 いいことがわかった。剣城くんは弄り甲斐がある。だって剣城くん素直なんだもん!元々優しい子だし。お兄ちゃんの手術代のためにフィフスセクターに入ったんだよね。いやぁ泣ける。

 

「《前半終了のホイッスル!2-0で栄都学園のリードで前半終了!》」

 

 気づいたら試合が終わっていた。2-0ってことは、今回の勝敗指示は3-0か。あのガリ勉チームに強豪雷門が3-0で負けるとか普通にあり得ないでしょ。フィフスセクターは頭がちょっと残念なのかな?

 

「成結くん。これに着替えてくるんだ」

 

「いや、え?これって。いいんですか?」

 

「いい」

 

 みんながドリンクで水分補給をしてる最中に久遠さんが紙袋を渡してきた。中には明らかに俺が着ちゃダメな服が入ってて。いやぁ、これはぁ。

 

 

—————ま、着替えますけど。全然着ますけど。

 

 着替えてきたらなんか空気が気まずかった。あれだ。神童くんが「俺たちだって好きなサッカーしたいもん!」って言うやつ。

 

「神童!」

 

 スタスタ歩いて行く神童を心配するように霧野くんが声をかける。

 

「何があったの?」

 

 確認のためにベンチに座って春菜ちゃんに聞いてみる。原作ではここでフィフスセクターの勝敗指示について天馬が知るんだよね。うろ覚えだけど。

 

「大丈夫よ」

 

 俺の頭をポンポンと叩いて春菜ちゃんは笑った。

 あ、わかった。多分「彼はまだ小学生。フィフスセクターについてはまだ知らなくていいわ」的なことを思ってるんでしょ。俺、久遠さんに聞いたんだけどお!?さっき教えられましたよ!?

 

「それにしても、それ〝雷門のユニフォーム〟よね?どうして成結くんが?」

 

「あぁ、なんか。久遠さんが着替えてって」

 

「へぇ、そうなの?」

 

 そう、久遠さんに渡された服は雷門のファーストユニフォームで背番号は77番。多分俺の名前が成結(なずな)だから77かな?久遠さんもお茶目なところあるね!てか、特注?すごいなぁ。

 いや、ユニフォームで俺が言いたいのはそこじゃない!77が俺。じゃあ78は?はい、黄名子ちゃんでーす!はい並んでるー。最高。

 

「ねえ剣城くん?どうこれ、似合ってる?」

 

「似合ってるぞ」

 

 件のアレにもたれかかってる剣城くんにユニフォーム姿を見せると軽く頭を叩いてから似合ってると言ってくれた。ふぅ〜、優しいねぇ!

 やっぱりほっぺに書いてある剣城くんのサインがいい効果をもたらしてるのかもしれない。まあ、しっかり考察してくなら俺が小学生でまだ管理サッカーの対象になっていない事かな。

 

 俺は落ち込んでる天馬くんの様子を見るために葵ちゃんの近くに座った。落ち込んでる天馬くんは俺の存在に気がついていないようだったが信介くんは気づいてくれた。

 

「お前、そのユニフォーム似合ってるぞ!」

「成結くんもユニフォームをもらったの?」

「かわいい」

 

 と、俺のユニフォーム姿はマネージャー3人に大好評。茜ちゃんがカメラで写真を撮ってくれるので俺はその度にポージング。ちなみに信介くんはちょっとびっくりしてる。ほらほら、俺に身長が負けているからって落ち込むな。

 

 こうして、天馬くんは放心状態のまま後半に突入した。


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