ありふれない不適合者が世界最強   作:シオウ

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ミレディ・アスレチック・パーク編

これにて第二章完結です


20話 大魔王教練_MAP編

「今この時より……大魔王教練──ミレディ・アスレチック・パーク編を開始する!!」

「「「「ちょっと待った──ッッ!!」」」」

 

 俺の訓練開始を告げる言葉に対し、大迷宮の入口と横から待ったの言葉がかかる。

 

「ふむ。何か質問があるのか?」

「質問も何も、わからないことだらけよ!」

 

 最初に大声でこちらに呼び掛けてきたのは雫だった。

 

「……一度状況を整理するけど、私達はライセン大迷宮を攻略したし、昨晩次の大迷宮へ向けての計画も立てたわよね。それでアノスが次の大迷宮に行く前に行くところがあるからって、いつも通りアノスの転移魔法で移動した。それで連れてこられたのがここだったわけだけど」

「ふむ、そうだな。その認識であっているぞ」

「……合ってたのね。じゃあ何で戻ってきたのよ。それにどうして大魔王教練の話に繋がるのよ!?」

「なるほど。なら教えてやろう」

 

 雫はここになぜいるのかわかっていないようだが、俺からしたらここにいる理由など明白だ。

 

「簡単な話だ。お前達は俺の目から見て……この大迷宮を真の意味で攻略したとは言えぬからだ」

「え……」

「ちょ……どういう意味ですかぁアノスさん! 私、必死になって攻略したじゃないですかぁ……」

「神代魔法も手に入れた」

「それにぶっちゃけミレディちゃんも合格出したんだけど……」

 

 シアが露骨に不満を漏らし、大迷宮製作者のミレディすら困惑の表情を浮かべる。

 

「確かに攻略したが、それでもお前達にはここで学ぶべきものが多い」

 

 だから今回の大迷宮の俺なりの採点を付けていく。

 

「まずはアレーティア。はっきり言って今回の大迷宮攻略の道中はお荷物にしかなっておらぬ。最後のミレディとの対決で工夫して魔法を使ったところは良かったが、最後に魔力切れを起こしてはな。点数を付けるなら20点だ」

「ううぅ……」

 

 俺の言葉に否定するところが見つからなかったからか、アレーティアが膝をついて項垂れる。

 

「次にシア。道中の活躍を差し引いても、お前は完全に大迷宮の罠に翻弄されていた。原則魔法が使えぬこの大迷宮で、身体強化が一番優れているシアこそが本来一番活躍していてもおかしくなかったにも関わらずだ。あからさまな煽り文句に心動かされるのは未熟な証だ。だからこそお前は心身ともに鍛えねばならぬ。点数を付けるなら30点だ」

「そんなぁ……」

 

 シアも耳が垂れ下がり、アレーティアの横で膝をつく。

 

「そして雫。道中は言うことはないが、最後のミレディ戦であと一歩刃が届かなかったことを忘れてはおらぬぞ。点数を付けるなら及第点だが、お前ならもっと上を目指せるはずだ」

「……」

 

 雫も最後の一撃を外したことは心残りだったのか、納得したような顔をする。

 

「今から一週間。ここで俺の教導を受けた後、もう一度この大迷宮に挑戦してもらう。そしてそこで真の意味でこの大迷宮を攻略して見せよ」

 

 そこで俺は雫達ではなく、横にいるミレディの方を向く。

 

「そういうわけだ。お前は知らぬだろうがオルクス大迷宮もまた新兵の訓練や冒険者の収入のために扱われているのだ。なのでこの大迷宮も訓練に使っても不自然ではあるまい」

「いや、そりゃオーちゃんの大迷宮は冒険者には受けがいいだろうけどさぁ」

「なに、悪いようにはせぬ。お前にもメリットは提示するし、代価もきっちり払おう」

「……どうせ言っても辞めないんでしょ? 君さ、よく暴君とか魔王とか言われたりしない?」

「よくわかったな。確かに俺は異世界の魔王だ」

「本当に魔王かよ……」

 

 ミレディの許可も下りたところで、俺は雫達への訓練を開始した。

 

 

 ***

 

「さて、さっそく大魔王教練を始めるわけだが、まず最初にお前達の疑問から晴らすとしようか」

 

 雫達のいる入口にまで降りてきた俺は、まずはこの教練の肝になる話をする。

 

「お前達も疑問に思っているだろう? どうして俺はここで普通に魔法が使えるのかとな」

 

 俺が手の中で<火炎(グレガ)>を出す。その炎に澱みはない。地上にいた頃とまったく違わない精度で魔法が使われている。

 

「アレーティアはこの大迷宮で魔法を使う際にいつもの数十倍の魔力を圧縮して魔法を使用した。確かにアレでも魔法は使えるが、当然魔力消費が数十倍になり、すぐに魔力切れを起こしてしまう。それは身に沁みてわかっておろう?」

「うん……私だとあれぐらい魔力を圧縮しないと魔法は使えなかった」

「ならばどうするのか。この大迷宮の場合、重要なのは魔力の量ではなく、魔力の質だ」

 

 炎を消した後、今度は純粋な魔力を放出し、その場で止める。

 

「より純度が高く、質の良い魔力は分解作用を物ともせず維持することができる。そしてそれだけではない。質の良い魔力を練り上げることができれば、下級魔法の威力を規格以上の出力で放つことができる」

 

 今度は作った魔法をこの世界の魔法陣に注ぎ込み構える。

 

「このようにな……”火球”」

 

 トータスの炎魔法の最下級魔法を行使を壁に向けると、その壁が粉々になってなお突き進み続ける業火となった。

 

「ぎゃぁぁぁぁ──、ミレディちゃんの大迷宮がぁぁ」

「アレーティアなら知っての通り、魔法には等級ごとに籠められる魔力量の上限がある。だがこの技術を習得すれば、下級魔法でも上級魔法を打ち破ることも不可能ではなくなるのだ」

 

 下級には下級の、上級には上級の使用魔力限界が備わっており、当たり前の話だが上級になればなるほど使用魔力量は大きくなっていく。だからこそ基本的に上級魔法の方が下級魔法より強いのだが、魔力運用技術に差があれば、これらの関係を逆転させることもできるという訳だ。

 

「そのために必要な基礎技術は体内魔力操作だ。体内の魔力をより深く意識し、最適な形で練り上げ、それを維持する。まずお前達にはそれを行ってもらう」

 

 早速訓練開始と言わんばかりに、俺はアレーティア達の周囲の魔力分解フィールドの効力を上げた。

 

「ッ!?」

「何か……身体から力が抜けるような……」

「ちょっと……息が苦しいかもしれないです」

「ライセン大峡谷の魔力分解フィールドの効力を上げた。今までとは違い、何もしなければ体内魔力も体外へ逃げていく仕様になったと思え」

 

 アレーティア達を見れば、身体から色違いの魔力が少しずつ放出されているのがわかる。

 

「ちょっとちょっとッ! 勝手に大迷宮の仕様を弄らないでくれるかなぁ! ねぇちょっとッ!!」

「そのまま放置していれば魔力切れで動けなくなるぞ。まずは魔力を体内から漏らさないようにイメージしろ」

「ッ!?」

 

 動けなくなると聞かされ、各々集中できる体勢を取る。

 

 雫は座禅を、アレーティアは立ったまま俯き、シアは足を肩幅に開き、ドリュッケンを下段で構える。

 

 魔力操作は全員可能だ。なのですぐさま身体から溢れる光は身の中に引っ込んでいく。

 

「この状態をまずは最低2時間は続けられるようになってもらう。今日一日はこれを続けてもらうからそのつもりでいろ」

 

 これ自体は簡単だ。なので問題はその維持時間だ。

 

 時間が経てば経つほど、集中は乱れ、魔力は体外へ逃げて魔力切れを起こすことになる。今のアレーティア達なら2時間維持出来れば上等だろう。

 

「さて、では俺は……」

 

 俺はアレーティア達を他所に、先程から文句を飛ばしてくるミレディの元まで転移する。

 

「ミレディィィィ、チョーップッッ!」

 

 ミレディの元に転移するとミニゴーレムによるチョップで迎えられた。重力魔法が乗っていたが、元が軽いので痛くはない。

 

「何をする?」

「何をするじゃないんですけどぉッ! 勝手に大迷宮は改造するし、また大迷宮の壁を破壊するし、いい加減ミレディちゃんも怒るよ、怒っちゃうからね」

「ふむ。思ったのだが、素は全然ウザキャラではないのだな。むしろ真面目な方だとみたが?」

「余計なお世話だよ!! 君のせいで色々限界なんだよコンチクショウ!」

 

 顔が変わらぬが、どうやら怒っているらしい。確かに少し説明不足だったかと考え直し、俺は今回の修行の目的を話す。

 

「今回は体内の魔力操作の習熟が目的だが、常に体内外の魔力系に負荷がかかるこの場所は訓練には最適なのだ。壊した場所や改造した環境は後で必ず元に戻す故、多少の手入れは大目に見てほしい」

「つーーん。ミレディちゃん完全に怒っちゃったので聞く耳持ちませーーん」

 

 どうやら完全にへそを曲げてしまったようだった。豪胆で愉快な人物だと思っていたのでアレーティア達の修行も面白がるかと思っていたが、どうやら思っていたより繊細な人物だったらしい。

 

 さてどうしようかと考え、周囲を見渡すとある物が目に入る。

 

「ふむ……そうだ。報酬の一つとして、あのゴーレムを改修しようと思うのだが?」

 

 俺が目を付けたのは、ミレディが最後の試練で使用した戦闘用のゴーレムだ。

 

 見たところシアに核を撃ち抜かれた状態のままで放置されており、このままでは使い物にならないだろう。

 

「別にぃ。大迷宮にある物は時間経過で直るようにできてるしぃ、わざわざ直してくれなくても構わないんですけどぉ……」

「言ったであろう。修復ではなく改修だと。そうだな……しばし待て」

 

 俺は未だにへそを曲げているミレディから離れ、<思念通信(リークス)>を飛ばした。

 

『ハジメ、聞こえているか?』

『ッ、アノス? どうしたの、こんな朝早くから』

 

 まだ寝ているかと思ったが、この声の調子だと数時間前から活動しているらしい。かつては学校に遅刻ギリギリで来ていた男だとは思えぬな。

 

『少しお前に依頼があってな。今大丈夫か』

『えっ、また? うーん、ちょっと今は立て込んでで。そろそろ教会騎士団に提出するアーティファクトも用意しないといけないし……』

 

 ふむ、どうやら少し間の悪い時に連絡してしまったようだ。ハジメの手が離せぬのなら仕方ない。

 

『ちなみにどんな案件なの?』

『ふむ。今ライセン大迷宮にいるのだがな。そこで使われていた巨大ゴーレムの改修依頼だったのだが……』

『ッッ!!? 40秒で支度する! だから迎えに来て!!』

 

 通信先がにわかに騒がしくなる。どうやら本当に急いで準備をしているらしい。

 

 ピッタリ40秒後に<転移(ガトム)>で迎えに行くと、完全装備で待ち構えていた。

 

「さぁ、アノス。行こう!」

 

 どうやら気合は十分らしい。それなら遠慮はいらないだろう。

 

 そう結論付けた俺はハジメを連れてライセン大迷宮へと帰還する。

 

「良かったのか? 仕事を放り出して」

「良いって良いって。割と適当に作ったアーティファクトでも喜んでくれるしさ。それより大迷宮のゴーレムってことはオスカー師匠の作ったものだろ? それを改修する作業の方が絶対大事だって!」

 

 何やら興奮した様子のハジメを見て、いつの間にかオスカーを師匠呼びしていることに気付いた。

 

「オスカーを師匠と呼ぶのだな」

「そりゃそうだよ! あの隠れ家に残された研究書をまだ一部しか読めてないけど……オスカー・オルクスは間違いなく希代の天才だよ」

 

 いつもよりテンションの高いハジメの言葉を聞き、そっぽを向いていたミレディがぴくっと反応した。

 

「錬成に対する深い情熱と、過去の人物のはずなのに、現代の錬成理論の遥か先を行く技術力。しかも錬成だけじゃない。僕達地球の科学文明にも通じる基礎科学の理論をいくつか提唱してる。もし、オスカーの隠れ家にある研究書を翻訳してトータスで公開すれば、数世紀飛ばしの技術革命が起きるだろうね」

 

 ハジメのオスカーへのリスペクト溢れる言葉に、またもミレディはピクピク反応する。

 

「意外だけど、兵器の発明の資料より文化的な発明の資料の方が多いんだ。多分だけど、本当は戦うための武器を作るよりも、人々の生活を豊かにする発明が好きな優しい人だったんだと思う。本当、生きてたら一度会って錬成について話を聞いてみたかったよ」

 

 ふむ、そっぽを向いていたミレディがこそっとハジメの方を向き始めた。どうやら下心無しのハジメに仲間を褒められて気分が良くなったようだな。

 

「それで、これがそのオスカーが作ったゴーレムだが」

「どれどれ……えっ……」

 

 ハジメがオスカーの作った戦闘ゴーレムを見て、意外なものを見るような目で見る。

 

「ねぇ、君。どうしたの? 何か気になるところでもある?」

「いやえーと。その前に……君は誰?」

「ミレディちゃんはミレディ・ライセンだよ~」

「ミレディって……えっ!? 解放者の!? あ、ごめんなさい。初めまして、錬成師の南雲ハジメです」

「よろしくね~。それで錬成師君は何か気になるところでもあるのかな~」

 

 どうやら錬成師としてオスカーの作ったゴーレムに気になるところがあるらしい。こういう分野になると、何が気になるのか俺にもわからぬな。ここはハジメに任せた方が良さそうだと判断する。

 

「いや、このゴーレム。足が……というより下半身がないけど。これは壊れてるからなのかな?」

「違うよ~。このゴーレムは最初から脚がないよ~。重力魔法で浮いているんだから脚なんていらないでしょ?」

「それは違うよ!」

「へっ!?」

 

 いつも以上に力強く反論するハジメに、ミレディが驚いて一歩下がる。

 

「脚がいらないなんて結論。オスカー・オルクスが出すわけがないんだ。それにこのゴーレム。機体の大きさの割に装備が貧弱すぎる。アザンチウム鉱石の強度を考えれば、もう少し鎧を薄くして武器収納スペースは作れるし、まるでスカスカの武器庫を見てるみたいだ」

「よ……よくわからないけど落ち着きなよ……」

 

 勢いよく呟きながら自分の考えを纏めるハジメにミレディが引き気味に対応する。だが俺はハジメが何を言いたいのかわかってきた。

 

「なるほど、つまりハジメはこう言いたいわけだな。この機体は……まだ未完成であると」

「うん。多分そうだと思う」

「……えっ……」

 

 ハジメは肯定し、ミレディが驚きの気配を漂わせる。

 

「君は……オーちゃんが私に未完成の物を渡したって言いたいの?」

 

 ミレディの言葉に少し棘が混じるが、それを察したハジメがすぐに否定する。

 

「違います。正確に言えばこの状態で一応完成はしてるんです。けど……まるで妥協した上で完成させたというか……多分だけど単純に、この機体を完成させるための時間が足りなかったんだと思います」

「ッッ……それは……」

 

 なるほど。それは中々信憑性のある話だろう。当時のミレディ達がどのような状況に置かれていたのか想像することしかできぬが、決して時間に余裕があったわけではあるまい。

 

 無念ではあっただろうが、ある程度の完成度で妥協せざるを得なかった可能性は大いにあり得る。

 

「ハジメよ。お前ならこの機体を完成させられるか?」

「うーん。今の僕がオスカー師匠と同じレベルかと言われたら自信はないけど……やるだけやってみるよ!」

 

 自信はないと言いつつも、ハジメの目にはやる気がみなぎっている。

 

「とりあえず脚は付けるとして武装はどうしようか……重火器満載にするのも浪漫があるけどオスカー師匠の設計コンセプトは多分近接特化型。ならシンプルに大剣を持たせるか、それともドリルを搭載するか?」

「ドリル!?」

 

 自分が使う機体にドリルが搭載されると知って驚くミレディ。

 

「後はビーム装備を付けられたら面白いと思うけど、今の僕じゃ難しいかな? いや他で代用できれば……」

「びぃむ……って。ミレディちゃんよくわからないけど、材料ならこっちにあるよ」

 

 ミレディがとことこ壁際まで歩いていくと、一部の壁が開く。

 

 そこには、鉱石の山が大量に積まれていた。

 

「おおーー。凄い、宝の山だ! 何々……感応石!? これで遠隔操作ができるんだ……ならもしかしてできないと思ってたあの装備も作れるかも!?」

「全部は無理だけど少しなら分けて上げられるよ~」

「ッ! いいんですか!?」

「いいよ~。その代わりにミレディちゃんの戦闘ボディをスーパーグレートにしてね~」

「よしっ、これとこれは今使って、あ、こっちのは後で……」

「……ふふふ、本当に……錬成師は皆こうなんだね」

 

 ハジメの横顔を見つめるミレディは、心なしか懐かしいものでも見るような目をしていた。

 

 

 ***

 

 そして、アレーティア達は修行を、ハジメはミレディゴーレムの改修作業を開始して数日後。

 

「……はぁ!」

 

 体内に魔力を無駄なく止める技術の習得から始まった訓練は、より質の良い魔力を練り上げる修行へと移り変わっている。

 

 三人の中で唯一魔法主体で戦うアレーティアは、体内で練り上げたより純度の高い魔力を魔力分解効果のあるこの場所で長く維持する訓練を行なっていた。

 

 アレーティアが体内で魔力を練り上げ、掌の上で魔力球の形に整えるように維持する。

 

「んん……ッッ」

 

 そのままジッと耐えるように魔力を維持しているが、30秒経つと練り上げた魔力が周囲に拡散してしまう。

 

「確かに良くなったが、まだまだ練りが甘い。もっと魔力の粒子の一粒一粒に意識を巡らせよ。今のお前の魔力は”もぎゅ”だが、これ以上を望むなら”ぐにゅ~う”まで行かないと駄目だ。もっと魔力をもちもちぐにゅぐにゅさせるがいい」

「ん……頑張る」

「アノス……アレーティアに合わせて擬音増し増しで解説しないで頂戴。意味がわからないわ」

 

 俺がアレーティアにわかりやすく教えていると、雫から苦情が入る。

 

 現在、雫もまた質の高い魔力を練り上げる訓練を行っているが、アレーティアとは違い、現在は身体強化のみを行っている状態だ。魔法を交えた戦闘はまた別の機会で行うべきだと判断した。

 

「雫はそのままでよい。もう新たな身体強化の形はできておろう?」

「まあそうだけど。完成までは後少しかな」

 

 刀を正眼に構え、呼吸を整える雫から風の魔力を感じる。それは微塵も外に漏れることなく、呼吸と共に雫の体内を巡っているようだ。通常の身体強化とは違う、雫だけの戦闘スタイルができ始めているのがわかる。

 

 アレーティアと雫はもう少しというところか。

 

 そして……俺は一人離れたところで瞑想しているシアに対して、指先サイズの小石を放つ。

 

 亜音速で飛ぶ小石がシアの額に向けて放たれるが、シアは最小限の動きで小石を躱す。

 

「やはり完成するのはシアが一番最初だったか。シアよ、今どんな感覚だ?」

「……不思議な感じです。以前よりも感覚が鋭くなったような……」

 

 質の良い魔力を用いた身体強化において、もっとも早く成果を出したのは他ならぬシアだった。

 

 アレーティアとは違い、身体強化のみに時間を費やしているのも理由の一つだが、元々備わっている肉体のポテンシャルが高い。

 

「純度の高い魔力を身体の隅々まで行き渡らせられている証だ。よかろう、シアだけは一足先に別メニューに入る」

「ッ! 本当ですか!?」

「ああ。以前約束したであろう。今からお前に、その魔眼の使い方を教えてやる」

 

 シアの未来視の魔眼は、仮定の未来を見るものだとシアから聞いている。

 

 ただその魔力消耗量はかなり多く。任意で使うと1回使うだけで魔力が枯渇するというのが今までのシアだった。

 

「お前は一族が追放される前に未来視を使ってしまったがゆえに、一族が追放される未来を察知できず、その未来を回避できなかった。そうだな?」

「……はい。直前で友人の恋路の行く末を見るのに使ってしまって……」

「確かに強力な力ではあるが、任意での発動で魔力を根こそぎ持っていかれるのでは燃費が悪すぎる。だからこそお前にやってもらうのは、見る未来のコントロールだ」

「コントロール?」

「自らの危機に反応して自動で見える未来はともかく、戦闘時の任意発動で数時間後や数日後の未来を見る必要はない。見る未来は数秒からコンマ数秒でいいのだ」

 

 俺はシアの正面に立ち、シアと目線を合わせる。

 

「いいかシア。これから俺はお前に対して小石を放ち続けるゆえ、お前はそれを避け続けてもらう」

「小石ですか? けど今の私なら未来を見なくても避けれそうですけど。さっきも躱せましたし」

「ほう、これを見てもか」

 

 俺はシアに対して、ちょっとだけ本気を出してシアの顔横をかすめるように小石を弾く。

 

 すると空間中に爆発音が鳴り響き、壁の一部が吹き飛んだ。これには各自集中してたアレーティアと雫も何事かと目を向けてくる。

 

 シアは……目と口をあけながら固まっていた。

 

「えっ、嘘……今の……全く見えなかったんですけど……」

「当然だ。お前の自力で躱せるのであれば訓練の意味がないからな」

 

 シアが恐る恐る背後を振り返ると大迷宮の壁の一部が粉々になっている光景が見えたのだろう。顔を真っ青にし始めた。

 

「案ずるな。今のお前が死なぬように調節してある。お前が命の危機を感じれば、未来視が自動発動してしまって、これも訓練の意味がないからな」

「いや、いやいや。確かに死なないかもしれませんけど、これ怪我じゃすまないんじゃ……」

「そうだ。いっそシアが死んだら<蘇生(インガル)>を使うという<契約(ゼクト)>を結んでしまおうか。そうすれば蘇生する未来があると言うことで未来視の自動発動はなくなるかもしれぬ」

 

 誤ってシアの頭を吹き飛ばしてしまっても、蘇生するという確約があれば未来視は自動発動しないかもしれない。なぜなら未来では生き返っているのだから。

 

「アノス……流石にそれは自重しなさい」

「……生き返ればいいというものではない」

 

 俺の提案にがくがく震えているシア。それを見かねたのか雫とアレーティアが俺を咎めるが、俺としてはこんなものは序の口だ。

 

「何を言っている。この世界でも<蘇生(インガル)>が使えるとわかった以上、いずれお前達やクラスメイト達にも一度くらいは死んでからの蘇生を経験してもらうぞ。以前も言ったが、根源は消滅の危機に反応して力を増す。つまり実際死んで蘇るのは効率がいいのだ」

「噓でしょ!?」

 

 雫が何やら驚いているが、今まで俺はクラスメイト達には<蘇生(インガル)>を使えるかわかるまで手加減していた。

 

 もう少ししたら死を経験するほどの修行を開始する予定だ。

 

「わかりました。私、やります」

「シア……無茶は良くない」

「いいえ! もう未来視がもっと上手く使えれば、なんて後悔したくありませんから! やってやるですぅ!」

「よくぞ言ったシア」

 

 やはり土壇場でのシアの肝の据わり方は見事なものだ。

 

 だからこそ、この修行にて必ず未来視の魔眼を使いこなせるようにしてやらねばなるまい。

 

「石が飛んでくるタイミングを未来視で察して避け続けよ。それの繰り返しの中で自分にとって最適な力の運用方法を見つけるのだ。では……いくぞ」

「はい!」

 

 そして、シアの未来視をコントロールするための訓練は始まった。

 

 

 ***

 

 

 

 

 そして、訓練開始から7日が経過した。

 

 俺はミレディとハジメと共に、ライセン大迷宮の最深部、解放者の部屋にてモニターを観察する。

 

 モニターに映るのはそれぞれ別の場所にいる三人の姿。

 

『では始めるぞ。ルールは簡単。各々のやり方でライセン大迷宮の最深部を目指す。それだけでよい。ただし道中は以前と同じと思うな。所々俺のアレンジが加えられ、難易度が上がっている。油断すれば死ぬと心得よ』

『あー。もうミレディちゃんはツッコムのも疲れたよ』

『あはは……』

 

 横でミレディがやっと騒がしかった七日間が終わると呟き、ハジメが渇いた笑いを浮かべるが、今はアレーティア達に注目する。

 

『では始めるがよい!』

 

 そして、俺の合図と共に、アレーティア達がライセン大迷宮の再攻略を開始した。

 

 まず動いたのは雫。

 

 目の前で両手を合わせ、身体の内側に高純度の魔力を練り上げ、隅々まで満たしていく。

 

「”嵐身”」

 

 雫が新たな身体強化魔法を使いながら、廊下を疾走する。道中センサー式の回避困難な罠によって発生したトラップが雫を襲うが、それを難なく突破して突き進む。

 

 今までよりも反応速度が段違いで早い。純粋な身体強化ではシアに劣るが、精密動作という意味では雫に軍配が上がるだろうな。

 

 そしてシアもまた、身体強化を用いて、大迷宮を駆けていた。

 

「どりゃああああ──ッッ!」

 

 そこに大迷宮の罠に翻弄されていたシアの姿はない。雫より優れた身体強化にて力づくで押し通せる罠は力づくで突破するという豪快な姿を見せた。

 

 そして今のシアでは力づくで突破できない罠に関しては、シアが修行によって習得した新たな能力が生かされる。

 

「”天啓視”」

 

 未来視の派生技能として現れた天啓視は通常の未来視と違って数秒先の未来を見通す。あまり遠くの未来は見えないがその分消費魔力を大幅に抑えることに成功したシアの技能は、死角からのトラップすら対処する。

 

 

 最後の一人であるアレーティアは他の二人とは違った攻略を見せた。

 

「”凍獄”」

 

 周囲で発動しようとしていたトラップを発動前に凍結し、

 

「”来翔”」

 

 そのまま飛行魔法を発動。宙に浮かびながら進むことで床に設置されている罠を全て回避する。

 

 より高純度の魔力を練り上げられるようになったアレーティアは、地上と比較して七割の出力なら魔法を自由に使えるようになった。

 

 流石に全力とはいかないが、この環境で魔法が使えることは何よりのアドバンテージだろう。

 

「”雷斧”」

 

 現れた罠も魔法で砕けるようになったアレーティアは以前とは違い、のびのびと攻略することができていた。

 

 各々特訓の成果を見せながら、順調に大迷宮攻略を行っていく。

 

 そして大迷宮攻略から約3時間。三人は別ルートから決戦の間に到着した。

 

「アレーティアさん。やりましたぁ!」

「ん……シアも頑張った」

「確かに、前回よりずいぶん楽だったわね」

 

 己の成長を実感し、互いの健闘を称え合う三人。確かにここまでは順調だ。三人とも特訓の成果を披露し、余裕を持って大迷宮を攻略できている。

 

 だが……

 

「ふふふ、よく辿り着いたね。挑戦者たち……」

 

 そう、パワーアップを遂げたのは、アレーティア達だけではない。

 

「正直さぁ、この一週間ミレディちゃん色々ストレスとか溜まってるんだよねぇ~そういうわけだからさぁ~いきなり全力全壊でいくよ~。さあ、いでよ。ミレディちゃんの新たな戦闘ボディ!」

 

 そして、アレーティア達の目の前にそれは現れた。

 

 背面の機械的な三対の翼から光を噴出し、なかった脚が付けられたそれは、地球で父さんが長年視聴を続けている地球の代表的なロボットアニメで見たことがある姿によく似ていた。

 

 南雲ハジメ改修『スーパーミレディゴーレム vol.1』

 

 現状のハジメが持てる技術を使って開発した、ミレディの新たな戦闘ボディだ。

 

「あは、漲る、ミレディちゃんに力が漲ってくる~。これなら神のクソ野郎も倒せるかも~」

 

 意識をスーパーミレディゴーレムに移したミレディは以前よりも遥かにパワーが増したそのボディにご満悦のようであった。

 

「じゃあ、いくよ~」

 

 ミレディは背中に付けられていた大剣を手に取り、構えるアレーティア達に襲い掛かった。

 

 

 ***

 

 こうして、私ミレディ・ライセンにとって、騒がしい一週間が終了した。

 

「まぁ、みんなもまぁまぁ強くなったんじゃないかな~。まだまだミレディちゃんには及ばないけど~」

「くっ……屈辱」

「おのれぇ、ミレディ……」

「惜しいところまでいったんだけどね」

 

 最後の戦いで見事勝利した私に対し、挑戦者たちが声を上げる。

 

 うぷぷ、敗者の嘆きが実に心地いい。

 

 ……最後の戦いで負けかけて、少し大迷宮の試練では出さないと決めていた力を使ったのは内緒だ。

 

「うーん。やっぱり僕はまだまだだなぁ。オスカー師匠が残した設計図にあった、黒騎士王なんて最高に厨二溢れるゴーレムにはきっと及んでない。まだまだ精進しなきゃ」

 

 いやいや、錬成師君は嘆いているが君も中々のものだと思うよ。これからも頑張ってほしいものだ。

 

 

「さて、ミレディよ。俺の報酬は気に入って貰えたか?」

「報酬? 君からは特に何も貰ってない気がするんですけど~」

 

 散々大迷宮を弄り回し(直してもらったけど)、散々壁やトラップを破壊し(これも直してもらったけど)、ミレディちゃんの大迷宮を本気で修行に使った異世界の俺様魔王が何か言っている。

 

「報酬とは何も形に残るものだけではあるまい。お前にとって大切なのはこの大迷宮か? それとも神代魔法を授ける魔法陣か? いいや、どれも違うであろう。お前が長い時を超え、待ち続けていたものは……目の前にある」

 

 話を聞かない暴君の視線の先には、お互いの成長を喜び合う吸血鬼の女の子と兎人族の女の子。

 

「俺と雫は異世界人だ。最後に故郷に帰還するのが目的である以上、真の意味でお前の望みを叶えることはできぬ。だが、あの二人は違う。どちらもこの世界の生まれで、付け加えるなら今の神エヒトが支配する世界の構造とは相いれぬ存在だ」

 

 彼らがこの大迷宮に居座るようになった一週間、私は今の世界や彼女達の事情を知ることになった。

 

 私の時代よりも民達の力が弱くなっていること。教会の支配は未だに盤石であること。亜人族は私達の時代以上に差別を受けていること。魔人族が神の名のもとに、幾度も人族に戦争を仕掛けていること。

 

 それを聞いた時、やはり嘆きの感情は抑えられなかった。

 

 確かに私達はわずかな間とはいえ、あらゆる種族の垣根を超えて一つになった。私達はいつか彼らなら神を超えられると信じて後を託したが、エヒトの支配はやはり強固で、未だにこの世界の人々を蝕み続けていることに、エヒトへの憎悪が蘇りそうになったが、そこに異世界の魔王は待ったをかける。

 

「だからこそ、いつかあの二人が、今の世界に抗う者達の中心になるのだ。この世界の生まれでありながら、自らの運命に立ち向かうと決意した、あの二人が……」

 

 だが、私達の希望は消えてはいなかった。数は少ないが、まだまだ未熟だが、確かに今の世界に抗い、真に自由な未来を掴もうとする者はいたのだ。

 

 気の遠くなるほどの時間が流れた果てに、ついに辿り着いた。

 

「さて、ミレディ・ライセン。かつてこの世界の運命を変えようとした者よ。お前の目からみて、あの二人はどう映る?」

 

 彼女達は笑っていた。このミレディ・ライセンの大迷宮を超え、世界の真実を知ってもなお、曇ることなく、しっかり前を向いていた。

 

 ああ、その姿は私にとってあまりにも……

 

「中々どうして…………頼もしいであろう」

 

 ……ちくしょう。悔しいが認めよう。

 

 異世界の魔王は確かに、私に得難いものを与えていた。

 

「うん…………とっても☆」

 

 きっと彼女達なら他の大迷宮を超え、この世界の魔法の深奥にたどり着き、私達が出来なかった神の討伐を成し遂げる。異世界の魔王にその成長を見守られながら……

 

 

 この一週間で彼女達が私に見せた可能性は、私にそう信じさせるに値するものだったのだ。

 

 彼女達が紡ぐ未来を想像した私の心は、数千年ぶりの安堵に包まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ところで相談なんだが、俺の仲間はまだ20人以上いてな。他のメンバーもこの大迷宮で修行させたいのだが、構わぬか?」

「うん、それは無理☆」

 

 それはそれ。これはこれだ。

 

 感謝はしてるが、少しは自重しろ、異世界魔王。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アノス達のいるライセン大迷宮より、遥か北に位置する島にて、ある一人の女が一族に見送られているところだった。

 

「お気をつけください、姫様。今の大陸はいつもとは違います」

 

 着物を着た妙齢の女性に見送られるのは、一際美しい美女だった。

 

 黒い長い髪に、着物越しでもわかる豊満な身体。そしてその身に宿す魔力は大陸の平均値を大きく超える。

 

「心配するでない。ヴェンリよ。妾とてもう子供ではないのだぞ」

「……そうでしたね。あんなに小さかったあなたが……時が経つのは早いものです」

 

 女は乳母に挨拶した後、己の祖父に顔を向けた。

 

「気をつけよ。監視者カルトゥスが観測した異質の存在は今なお力を増しておる。味方になればよいが、神が呼び出したのであれば油断することはできぬ。用心するがよい」

「わかっておる。妾とて油断などせんよ。特に……」

 

 

「……呼び出された者の中で一際巨大で禍々しい魔力を纏うものにはのぉ」

 

 女は自らの魔力を解放し、その姿を変えていく。

 

 

 彼女達は、トータスではもう歴史の闇に消えたと思われている種族だった。

 

 その身を見上げるほど巨大な竜に変え、空を悠遊と飛ぶその姿は、かつては世界の守護者とも呼ばれた種族だった。

 

 過去神の陰謀によって数を減らし、隠れ潜まなければならなくなったが、それでも彼らの力は未だに健在なのだ。

 

 ”では皆の者。いってくるのじゃ! ”

 

 彼女達は竜人族。この世界最古の民の一つであり、この世界の悪神エヒトに抗う者達。

 

 そして、大陸へ向けて飛び立ったのは竜人族の中でも姫と称される特別な地位にいる人物。

 

 竜人族の姫、ティオ・クラルスは竜の姿にて大陸に飛び立つ。

 

 暴虐の魔王と呼ばれた男と、彼女が邂逅するのは、あとわずか。




おまけ
後日、ライセン大迷宮入口前にて

看板「おしらせ。ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮は現在改装工事中です。なので挑戦者の受付は現在しておりません。だから誰も入ってきてはいけないのです。とくに名前に”ア”と”ノ”と”ス”がつく異世界の魔王は入ってくんな☆ byミレディ」
ア「…………解せぬ」
雫「いや、解せるわよ……」


ミレディの評価(高い順)

ハジメ:仲間のオスカーをリスペクトしているのが伝わるので原作からは考えられないほど好感度が高い。素材は自ら分けてくれるし、オルクスと同じくハジメは、転移でライセン大迷宮の最深部に入れるようにアノスにより設定されたのでこれからもゴーレムはパワーアップする模様。

アレーティア&シア:心が擦り切れ、絶望しかけていたところに現れた希望。彼女達が作る未来を楽しみにしている。

雫:苦労人。あの理不尽と良く付き合えるなと感心している。

アノス:希望を見せてくれたことには感謝はしてる。感謝はしてるが……素直に認められない。少し自重しろ異世界魔王。


アノスにとっての大迷宮

オルクス:サファリパーク
ライセン:アスレチックパーク

はたして、残りの大迷宮はどうなるのか。


あとがき
という訳で魔王アノスのトータスでの冒険譚第二幕、いかがだったでしょうか。
魔王学院原作と比較して苦労したところはやっぱり敵の不在ですね。
魔王学院世界は何だかんだ敵も神を始めとして中々チート集団です。それゆえにチート級に強い敵をさらに強いアノスが無双していくという話ができるのですが、ありふれにはまだアノスが力を発揮する敵がいないというのが現状。
いつかアノスも暴れさせたいんですが、暴れると本当に何でも一人で解決できてしまうのが困ったものです。

第三章はそろそろ原作とは少し違う流れになってくるかもしれません。
はたして竜人族の姫は原作通り変態になるのか。それとも別の道を行くのか。
この辺りで死ぬはずの生徒はどうなるのか。

次章がいつになるかはわかりませんが、またこつこつ書いていこうと思いますので気長にお待ちください

では
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