ネタも出しながら考えて打って遅れましたが続編です。
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「理事長を……こらしめる?」
銀髪の見習い魔導士のレブラ・ミストセレーが偽名で本名がヴェル・スカリールであること。
他にヴェルの事を簡単に説明して、目的にしている1番目にやりたいことを男性に伝えると、顔面蒼白にして少しだけ怖がりを見せている。
俺を含めた3人はギルドからの申請が通り、ギルドから出てパーティとして街中を散策していた。
その途中で洋風な喫茶店に入店してから話をした。
ヴェルからこの人が気になるから話して欲しいと頼まれたと言われた時は、少し戸惑った。
通っている学校のお偉いさんを殴りに行くって言われていい気はしないだろう。
だからこの人とパーティ組んでギリギリまで協力して貰ってあとは解散する予定ではあったのだが。
「あのリカンっていう奴は裏で人身売買をしてるから、その証拠を掴んでヴェルを解放させるようにする。それが私の本来のここに来た理由なの」
「そ、そうなんですか。ということは、僕はその学校の通行証代わりという……?」
そういうことになる。
肯定的に呟くと、男性は項垂れてしまった。
「まぁ理事長に喧嘩売りにいくようなものだって考えれば楽なんだろうけど」
「た、確かに」
「でも、ヴェルを乱暴に扱ってさ、それを見て他の女の子も乱雑に扱ってると思うと……すごくムカつくんだ」
乱暴に扱っていいものじゃないし、可愛くあるべき。
と、前世についての女性誌をチラ見していた経験を元に話すと隣でヴェルが感動して尊敬の眼差しを向けていた。
「……わかりました。僕も改めて協力させてください」
「ありがとう、仲間は多い方が少しでも助かるから」
肯定した男性から右手を差し出されたので左手で握手して改めて迎え入れる運びとなった。
「ちなみに、名前聞いてもいい?ギルドの方で君のような人での名前が見当たらなくてさ」
「名前ですか?僕はレスト・フェルディアスと言います」
レストでいいですよ。
そういって男性は笑みを浮かべた。
爽やかな男性が笑みを出すと眩しく見えるというのは本当のことなのか。
ちょっとだけ僻みつつ、喫茶店での会計を済まして本来の目的地へと向かった
道順をレストに聞きながら暫く経った後、着いた先は模様が豪華な鉄柵を取り付けられている大きな学校だ。
大きさはどれくらいだろうか、空を飛ぼうと浮かび上がるとレストが制止してくる。
疑問に思ったので、近くの小石を柵超える勢いで上空に飛ばした。
飛んだ瞬間小石は火花を散らせ粉々に砕かれてしまった。
「対侵入者撃退の結界がこの学校に張り巡らされていて、校門を必ずくぐらないといけないようになってるんです」
警備は厳重のようだ。
その昔、学校を上空から飛んで登校してきた人が増えたので校門からの入場じゃないと生徒として認めないという掟が出て以降から厳しくなりつつあるとのこと。
俺達は校門から入り、煉瓦で敷き詰められた道を進みながら入口に到着して、重そうな扉を開く。
扉を開けてすぐのエントランス、左右に伸びる道と目の前にある案内所がある。
レストはすぐさまそこで気怠そうにしている人に話しかけた。
俺とヴェルもそれに続く。
「はーい?あ、レストさんですか」
「レスト・フェルディアス、冒険者ギルドから戻ってきました。後ろにいるのはそこで知り合ったパーティです」
案内さんがこちらを覗くように顔出してきたので一礼をするとため息をついてレストと同じの校章が記されたゲストカードを手に入れた。
通行証のような当日限りの物らしい。
「王国騎士学校は初めて?」
「はい、初めてです」
「じゃあ、案内するわね」
そう言って、俺と同じくらいの暗い茶色く長い髪を少し揺らしながら学校内のマップを説明してもらった。
教室は今いる場所から2階ぐらいからで1階は教師達が主に働いている一室が多い。
理事長室が1階の廊下奥側でその隣が執務室だそうだ。
校内の地図とにらめっこしてる最中、レストが案内さんと話し始めた。
「ところで、生徒の皆は?」
「今の時間は実技特訓ですよ。レストさんはこれからですか?」
「いえ、生徒内での噂について聞きに戻ったんですけど」
「……あー、理事長室の隣の執務室での悲鳴の話ですか」
暫くその噂で持ち切りだとうんざりしたような低い声で息をするように返してきた。
そしてお前もかと振り払うような少しだけ冷たい声で門前払いをされかける。
「そこをなんとか!甘味好きの案内所さん!今度奢ってあげますから!」
「はぁ……わかりましたよ」
年下に集る感覚で嫌気さしてるけど、奢ってもらえるならそれでいいらしい。
いいのか、それ。
レストの頼み込みでなんとかその噂の内容を詳しく聞くことが出来た。
内容というのはイマドキ女子が勝手に思い込んで勝手にでっち上げた噂のようなものだった。
執務室から女性の悲鳴が上がったあの中で理事長が女性と逢瀬を遂げて云々。
その悲鳴もよくよく考えたら黄色い方への声に近いとか色々。
事件の匂いというものがよく感じ取れなかった。
「聞き損かねぇ」
「振り出しになってしまいましたね」
「ただの噂ですし、その程度かと」
噂だけど一応は確かめてみようという結論でレストを先頭に執務室へと歩き始めた。
エントランスの右側の奥がそうらしいので、そこへ向かいながら噂話を非難した。
ちなみに、この用事終わってすぐに案内さんとレストは甘味探しへと外で食べに行くとか。
モテそうな行動取ってて羨ましいですこと。
僻みを心の中で入れつつも、室前まで来た俺達はその中へ入る。
今は理事長が出張で留守にしているらしいので調べられるのなら今の内と案内さんからのお墨付きだ。
来客用のふかふかなソファーがあり、その奥側に作業用の机と羽ペンが添えられている。
そして、全身の見える鏡と本棚、校章の入ったテナントが飾られてあるくらいで他は特にこれといったものは無さそうだ。
「怪しいものは無さそうだね」
「ノルン様っ、このソファーふかふかしますね!」
「遊びに来たわけじゃないんだから」
「悲鳴の大元はここらしいですので、もしかすると何処か隠してるのかもしれませんね」
レストからの案で、更にくまなく探すことにする。
床やソファーの下、絨毯をめくってもそれらしき痕跡や上げる元となった証拠が見当たらない。
参ったな。ここで手詰まりとなると学校内虱潰しで調べるしかないぞ?
そう思い、本棚と鏡の間に背を預け2人が探している様子を見ながら考えていた。
そしたら、世界が反転した。
◆
遠くから急激な物音と何かが転げ落ちる衝撃で目が覚めた。
「なんだ!?」
飛び起きて鉄檻近くまで顔を寄せ、目の前の廊下の様子を見た。
そして、遠くから女性のような声が聞こえてきた。
どうやら誰かがここに来たらしい。
とはいっても、どうせアイツの仲間だろう、私はその正体を見るまで身構えていた。
そして少しずつ近づいてくる軽い足音と声。
蝋燭の光が私の目の前で正体を教えてくれた。
「……あ?」
「あれ?なんでここにエルフ?」
腑抜けてそうな女性が私の姿を見て、すぐに種族を言い当てて首を傾げていた。
こいつ、アイツの仲間にいたか?
そう考えていると、青い瞳をこちらに向けて疑問が飛んできた。
「それより、何ここ。すごい不気味な部屋なんだけど」
「牢獄だよ、人間。そんなこともわかってねーのか?」
「口悪っ、誰から教わったのさ、その言葉」
知るか。
勝手に覚えちまったもんはしゃあねぇだろ。
「それと、学校の地下に牢獄あったなんてびっくりなんだけど」
「……は?学校だと?」
その単語でこの前の出来事がフラッシュバックした。
そして今の自分の立場を嫌というほど押し寄せる様に知らされて項垂れた。
「どうしたの?」
「別にいいだろ」
「良くないでしょ。怪我もしてるし……あれ?」
言葉が変に途切れたので、その相手を見た。
そして次に出る言葉から、私はこいつが味方であることが確信出来ると心が躍った。
「アナ・ツァイヴちゃん?」
「……!」
微かに、ほんの微かに感じる父親の気配とその相手から出ている魔力を感じて思った。
本当に味方なのだろうか、だけど相手が人間だからわからないがヤケだ。
「アナちゃん、だよね」
「助けてくれ!私はここから出たいんだ!」
食い気味に助けを乞う私を見て、相手は目を見開いて驚いていた。
後編へ続きます!!
おまけ
えぬじーしゅう
ヴェル「ノルン様、このソファーふかふかしますよ!」
ノルン「遊びに来たわけじゃないんだから」
ヴェル「ヴェルスマッシュ!!」
ノルン「ほぶらっ!!!」
レスト「ソファーの反発力使ったミサイルかよ」