平沢姉妹と真鍋和の幼馴染みは軽音部でのんびり日常を過ごす。(完結)   作:春はる

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前回から2ヶ月と少しと期間が開いてしまいましたが、やっと投稿できました。

今回は、年明け後から新歓で中野梓が入部する辺りのストーリーですが、部活の新勧部分は晴が料理部での出来事を書いていますので、軽音部での勧誘の話はほぼありません。

それでも読んでくれたら嬉しいです。



第11話

 

 

~晴視点~

 

 

クリスマス会をやってから日が経ち、1月3日になった。

 

今日は、軽音部の皆と近くの神社で初詣に来ていた。

 

同じ料理部の萌とその彼氏の守は、元旦の1日に行ったらしいのでここに来ていない。

 

澪・ムギ「「そんなことない!」」

 

神社前にいると、いきなり二人が叫んだ。

 

晴「律。……あの二人どうしたの?」

 

律「年末年始の唯の過ごし方で、唯はぐ~たらしてたのに体重が増えない事を言ったから、二人が叫んだんだ」

 

晴「あ~、確かに唯って体重が増えるなんて本当にないよ。小さい頃からそうだったよ」

 

澪「は、晴までそんなこと言うの……?」

 

晴「え」

 

ムギ「晴くんまで……ひどいわ」

 

なんか俺の言葉に二人がさらに落ち込んでしまった。

 

律「唯……あと晴も、取り敢えずあの二人に謝っとけ」

 

晴・唯「「ごめんなさい!」」

 

律に言われて、とりあえず二人に謝っておいた。

 

 

そこからはお参りしておみくじを引きに行って、その日は終わった。

 

 

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軽音部の皆と初詣に行ってから結構な日が経って、春が近づいてきたある日。

 

そんな今日は、憂の高校合格発表の日になった。

 

唯はガチガチに緊張している。憂の方も少なからず緊張している感じだった。

 

晴「憂。絶対、合格してるよ。だから自信をもって」

と、俺が伝えると憂は"う、うん"と言って合格者の受験番号が張り出されてる掲示板に向かっていった。

 

因みに、俺は憂は合格出来てると信じてるから緊張はあまりない。

 

だって、唯も合格して入学している。それに受験当日までの間、俺は憂に勉強を教えてた時に、答えの間違いは全くなかったからだ。

 

そう思ってると、合格者の受験番号が張り出されている掲示板から憂が戻ってきた。

 

憂「は、晴くん!!私の番号があったー!」

と、憂は言いながらいきなり抱きついてきた。

 

晴「番号があったって事は、合格したって事だ」

 

憂「うん!!」

 

憂の返事に俺は嬉しくなり、未だに抱きついている憂の頭を撫でてあげた。

 

晴「憂、おめでとう!」

 

憂「えへへ~」

 

唯「よかったー!」

 

俺の隣にいた唯も凄く喜んでいたが、喜んでいる途中から選挙みたいな言い方になっていた。

 

 

しばらくして唯は落ち着き、憂は少し顔を赤くさせながらだけど俺から離れたので、皆で帰ることになった。

 

 

俺は澪と憂以外の皆と話をしながらで、憂は澪と話をしながら家に帰った。

 

 

皆とは途中で分かれて、俺は平沢家にお邪魔して憂の合格のお祝い料理を作った。

 

勿論、お祝いを受ける当事者である憂は休んでもらって俺一人で作った。

 

料理を食べた憂に、満面の笑顔で"美味しい"と言ってくれたから嬉しかった。

 

 

そんなこんなで一日が終わった。

 

 

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ー澪視点-

 

 

今日は、唯の妹……憂ちゃんの桜ヶ丘高校の合格発表の日だ。

 

 

合格者の番号が張り出されてる掲示板の側には、憂ちゃんと姉の唯に幼馴染みの晴がいる。

 

私と律とムギは少し離れた場所で、三人の様子を見ていた。

 

様子を見て少しした頃に、憂ちゃんが晴に抱きついていて唯も喜んでいた。

 

律「わー、憂ちゃん……大胆だな~」

 

澪「確かにね。それに唯の喜びながら言ってる言葉なんて、選挙とかでよく聞く言葉だよ。……親バカならぬ姉バカみたいだな」

 

ムギ「そうね。……でも、憂ちゃんが合格できて良かったわね」

 

ムギの言葉に私と律は頷いた。

 

少しして三人が私達の所にきたから帰ることになった。

 

 

その時に、私と憂ちゃん以外の四人は、少し前を歩きながら話をしていたから、私は憂ちゃんと話をすることにした。

 

澪「憂ちゃん、合格おめでとう。良かったね」

 

憂「はい!」

 

私の言葉に、憂ちゃんは笑顔で返事をしてくれた。

 

澪「……そういえば合格が分かった時に、唯じゃなくて晴に抱きついたのはなんでなんだ?」

 

憂「それは……反射的にです。……でも……勉強を教えてくれたのは晴くんですし、それに幼馴染で何より好きな人だから……」

 

私の質問に憂ちゃんは顔を赤くさせながら答えてくれた。

 

澪「(物語でたまに見る両片思いっていうやつじゃ……)因みに聞くけど、いつから好きなの?」

 

憂「……他の人に言わないですか……?」

と、控え気味に聞いてきたから私は何度も頷いた。

 

憂「小さい頃、晴くんとよく公園で遊んでいたです。そんな時にある出来事で晴くんの事を好きになったんです。というより、その頃はかっこいいって思ってた感じですね」

 

澪「しばらくして、好きだって事を自覚した感じ?」

 

憂「……そうですね……。でも去年のクリスマス会の後ぐらいに、前以上に好きって意識をしてしまいましたけど……」

 

私の言葉に憂ちゃんはどんどん声が小さくなりながら答えてくれたが、顔がリンゴと言う程に赤くなってしまったから、最後に聞きたいことを聞いてから、恋バナはやめようと決めた。

 

澪「因みになんだけど、その公園での出来事ってどんな事なの?」

 

憂「……二人で遊んでいる時だったんですけど、犬……野良犬だと思うんですけど、その犬が襲ってきたんです」

 

憂ちゃんの言葉に私は驚いたが、話の続きに耳を傾けた。

 

憂「それで、晴くんが私の前に出て追い払おうとしてくれたんです。……でも晴くんは、結局ふくらはぎを噛まれちゃって、近くを通ったお巡りさんが助けてくれましたけど」

 

澪「犬に噛まれたって、晴は大丈夫だったのか?」

 

憂「はい。助けてくれたお巡りさんが応急処置と両親に連絡をしてくれて、しかも病院にまで連れていってくれたんです」

 

澪「それは良かった。……でも言われてみれば、学校のプールとかでふくらはぎに傷を見たような気がするけど、ひとまずその時に意識してた感じなんだね」

 

憂「……そうです。その時に凄くかっこよかったって思ってましたけど、多分この時から晴くんの事が好きになってたと思います」

 

澪「そっか……」

と、憂ちゃんと話をしていると、皆と分かれる事になったから晴達に"また学校で"と言って家に帰った。

 

 

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~4月~

 

 

~晴視点~

 

 

憂の合格発表があった日から時間が過ぎて、進級して二年生になり、そし日から学校か始まる日になった。

 

 

そして今は登校中にバッタリ会った和と一緒に学校に向かっている。

 

和「唯は?」

 

晴「唯は去年の入学式の日と同じで、慌てて一人で向かったよ」

 

和「はぁ……相変わらずね、唯は」

と、唯の話をしながら登校していて、しばらくして学校に着いた。

 

学校に着いた時にクラス表を確認した。

 

クラス表を見てみると俺と和は同じクラス、二年一組だった。

 

唯達のクラスも確認をしたかったが、クラス表を見てる生徒が多くて確認はできなかったから、見るのはやめてクラスに向かった。

 

一応、澪が同じクラスなのは分かった。同じあ行だから上から名前を見た時に知った。

 

 

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~二年一組~

 

 

教室に着いて自分の席に荷物を置いてから、教室内を見てみると、ポツンと席に座ってる澪がいた。

 

澪に気がついた俺と和は澪に声をかけにいった。

 

晴「澪、おはよう」

 

和「澪もいたのね。おはよう」

 

澪「晴!それに和も同じクラスだったんだ……!……二人ともおはよう!」

 

俺と和が声をかけると、澪は心の底から嬉しそうにして挨拶してきた。

 

嬉しそうに挨拶してきた事を聞くと、俺と和と澪以外の皆は違うクラスだから、俺がいるのはクラス表で知ってたけど、それ以外の知り合いは誰もいないと思ってしまったらしい。

 

その話を聞くと、"そっか……"と呟いて苦笑いしてしまった。

 

因みに、守と萌の二人も同じクラスだった。

 

 

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クラスでの出来事や新一年生達の入学式とかが過ぎた後に部活勧誘の時間帯になった。

 

先輩三人と萌と俺の合計五人で部活のチラシや料理部の魅力とか色々と説明していた。

 

そうこうしていると午後の授業になった。

 

 

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~放課後~

 

 

~料理部・部室~

 

 

午後の授業が終わり、放課後になった。

 

俺は、先輩三人と萌の皆と部室で一年生が来るのを待っていた。

 

萌「中々、来ないね~」

 

晴「だね~」

 

先輩A「といっても、なんだかんだ一人くらいは来るもんだから、気長に待っとけば大丈夫だぞ」

 

先輩B「そうそう。顧問の先生が言ってたのだけれど、最低でも一人は入部してきたらしくて、部員が途切れた事はないって言ってたわよ」

 

晴・萌「「へぇ~」」

 

先輩と話をしていると、"ガチャ"と部室として使ってる家庭科室の扉が開いた。

 

先輩C「誰か来たわね」

と、先輩が呟くと同時に一人が覗いてきた。

 

後輩(兄)「あの~、料理部に入部したいんですけど~」

 

後輩(妹)「にぃに、早く入ってよ」

 

一人が覗いてきたと思ったら、二人がやってきた。

 

萌「……いきなり二人やってきたー!」

 

後輩二人「……!」

 

二人来たことに萌が大声で叫んだから、びっくりしてしまった。しかも入ってきた後輩二人も驚いてしまってる。

 

晴「萌、いきなり叫ばないで。あの後輩二人がびっくりしてるし」

 

萌「だって二人も来てくれたんだから!」

 

先輩A「二人とも少し黙る」

 

晴・萌「はい……」

 

先輩に注意されたから、静かにした。俺と萌が静かにしている間に、先輩が質問している。

 

話を聞くに、部室に来た二人は双子で男子が兄で女子が妹だそうだ。

 

それで、二人ともお菓子とかは作った事は無いみたいらしいが、前にテレビでパティシエのお菓子特集というのを番組を見た妹の方が作りたいと思ったらしい。

 

けど、お菓子の材料とかその他諸々よく分からないから、料理部に入って教わった方がいいと思ったらしい。兄の方も妹に触発されたとの事。

 

後輩(兄)「……僕と妹、お菓子作った事は無いんですけど大丈夫ですか?」

 

入部の経緯を話してくれた後に、大丈夫かどうかを聞いてきた。

 

先輩A「大丈夫大丈夫!俺も高校に入る前までお菓子作りどころか炊飯器でご飯を炊くこと自体したことないやつだったから」

 

先輩B「私も作ったことなかったわ。私達世代では、この子が唯一の料理お菓子作りが得意な人だったしね。……と、まぁそういうわけだから大丈夫わよ」

 

先輩はそう言いながら、もう一人の先輩の肩に手を置いて、自分達の事を含めながら、作れなくても大丈夫だという事を説明していた

 

先輩C「そう、私は昔からお菓子作りが好きよ。……で、この二年の二人も、私と同じで小さい頃から作ってるから得意なのよね」

 

萌「うんうん、そうでーす」

 

晴「そうだけど、その前に自己紹介しないんですか?」

 

先輩達「「……そうだった!」」

 

俺が言った言葉に、先輩達はそう叫んでから、お互いに自己紹介をした。

 

 

そのあとも話をして、最終的に一年生の双子は入部してくれる事になった。

 

そこで、ちょうど下校時間になったので、各自家に帰った。

 

明日の放課後にも、もう一度集まる事になった。

 

 

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~平沢家~

 

 

自分の家に帰った後に、平沢家にお邪魔してた。

 

 

今日も、唯と憂の二人と晩御飯を食べる事に、なってるからだ。で、今は憂と一緒に晩御飯を作ってる所だ。

 

晴「軽音部の方はそんな感じだったんだ……」

 

晩御飯を作りながら、憂から唯達……軽音部の状況、新入部員勧誘の事を聞いていた。

 

憂曰く、部員は集まりそうな感じはなさそうと言っていた。けど、一人だけもしかしたらって子はいるらしく、明日の新入生歓迎会で、軽音部の演奏に誘うと言っていた。

 

晴「なるほどね」

 

憂「料理部の方はどうだったの?」

と、憂から料理部の事を聞かれた。

 

晴「こっちは、二人入ってくれたよ」

 

憂「二人も入ってくれたの!すごいね!」

 

晴「うん。双子兄妹なんだけど、二人はお菓子作った事がないって言ってたから、教えがいがあるよ」

 

憂「(晴くん、嬉しそう)でも、二人も入ってくれて良かったね」

 

 

晴「本当良かったよ。……憂は部活どうするか考えてるの?」

 

憂「私?……私は特には決めてないかな……」

 

料理部の新入生の事を話した後に、憂に部活を決めているのか聞くと、決めてないと言われたから、料理部に誘ってみることにした。

 

晴「じゃあ、料理部に入らない?」

 

憂「料理部か~。少し気になってるんだよね……」

 

俺が料理部の事を言うと少し考え始めてしまった。

 

晴「まぁ、入る入らないは別に憂次第だからゆっくり考えて。今は晩御飯完成させよ」

と、憂に伝えてから、料理を作り完成させた。

 

三人で晩御飯を食べた後、俺は家に戻ってお風呂に入り寝た。

 

 

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~翌日・放課後~

 

 

~料理部・部室~

 

 

講堂で部活紹介などをする新入生歓迎会が終わった後に、俺は料理部の部室にいた。

 

昨日と同じく、萌や先輩達と話をしながらのんびりと部室で過ごしていると、部室のドアが開いた。

 

やってきたのは、昨日入部してくれた双子だった。

 

後輩(兄)「どうも……」

 

後輩(妹)「先輩!どうも!」

 

物静かに入ってきた兄と、元気いっぱいの妹という対照的な双子だ……ということを思っていると、二人が閉めたはずのドアがまた開いた。

 

憂「晴くん、いる~?」

 

次に入ってきたのは憂だった。憂は俺の名前を呼んできたから、"とうしたの?"と質問した。

 

憂「……えっと、私料理部に入部しようと思って、入部届けを持って来たんだけど……」

 

俺の質問に、憂はそう言ってきた。"入部届けを持ってきた"と言った瞬間に先輩と萌がもうスピードで憂の元に駆け寄った。

 

先輩B「それ本当に!?」

 

萌「せ、先輩!この子で三人目ですよ!三人も入ってきてくれました」

という事を、二人が言うと他のメンバーも似たようなテンションになっていた。

 

その様子に双子は呆気に取られていて、先輩達に責め寄られている憂は困惑していた。

 

タジタジになった憂は、俺に近づいて背中に隠れてきた。

 

まぁ確かに、さっきの責め寄られる状態は誰だろうと、逃げたくなる程だったのは誰が見ても理解はできていた。

 

萌「ねぇ、晴っちその子は知り合いなの?」

 

憂が俺の後ろに隠れた事に不思議に見ている萌がそう聞いてきた。

 

晴「唯の妹の、平沢憂だよ」

と、俺が伝えると憂は自己紹介を始めて、先輩達と話を始めたから、俺も少し会話に入りつつ憂のフォローに入った。

 

憂「この後少し用事があるので、そろそろ帰ってもいいですか?」

 

少し話をした時に憂がそう言ってきた。憂の言葉に先輩は"帰っても大丈夫"と答えていた。

 

先輩A「じゃあ、料理部は週2日だからね。活動する日は晴から聞いてね」

 

憂「はい、分かりました」

と、先輩の言葉に憂は返事をしてから部室を出ていった。

 

先輩C「いや~、まさか三人目が来たのはよかったよ」

 

憂が出ていった後に先輩が憂の入部届けを見ながらそう呟いていた。

 

晴「……俺、そろそろ軽音部の方に顔を出してきますね」

 

先輩A「おう。そのまま帰っても大丈夫だからな」

 

晴「分かりました」

 

俺は、軽音部に行く事を伝えてから、場室を出た。

 

 

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しばらく、軽音部の部室……音楽室準備室の近くに来た時だった。

 

律「確保ー!!」

 

中から律の大声が聞こえてきた。

 

部室のドアを開けて、部室内を見てみると、黒髪をツインテールにしている一年生らしき女子が律達に抱きつかれている状態だった。

 

晴「どういう状況?」

 

部室内のそんな光景を見た俺は、そう粒いていた。

 





双子は名前は考えてないので、次回以降も今回と同じで名前表記は双子(兄)と双子(妹)と表記します。

次回は早めに投稿が出来るように頑張りたいですが、次の話が出来ていませんので、今回のように期間があいてしまうと思います。

1ヶ月から遅くとも3ヶ月開いてしまうかもしれませんがそれでも待ってくれたら嬉しいです。

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