転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件   作:乃出一樹

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少し前から考えていた作品ですが、ランドルくんのSSRが来そうなので慌てて初投稿です。いえ、SSRが実装されたら滅茶苦茶嬉しいんですけどね


とある少年の終わりと始まり

「げほっ・・・・・・まさか、こんなことに・・・なるなんて、な・・・」

 

 

俺の名前は空野行人(そらのいくと)。どこにでもいる普通のオタク高校生だ。そんな自分は今地面に・・・正確には車道に倒れていた。周りには自分から溢れた赤黒い液体が流れ出ており、頭や身体中に激しい損傷がある。もう助からないだろうと、漠然と感じた。

 

 

 

「おい!あの車、人を轢いたぞ!」

 

「マジ!?どこどこ!」

 

「誰か!誰か救急車呼べっ!」

 

 

偶然近くに居合わせた人たちの声が聞こえる。そう、自分は誰かの言ったように車に轢かれてしまったのだ。

 

夕方、学校帰りにスーパーへ寄り、買い物を済ませた時のことだった。

特に変わったこともなく、歩行者側の信号が青になったのを確認して横断歩道を普通に渡っていた。すると車が猛スピードでこちらへ突っ込んできたのである。スーパーで買った商品を確認しつつ、崩れないように袋の中身を調整していた俺は車の存在に直前まで気付かず、あっと思った瞬間には吹っ飛ばされて。そして現在の状況に至る、という訳である。

 

 

 

「誰かを助けて死ぬんなら・・・まだ、良かったけど・・・こんな死に方するとは・・・流石にやりきれねえよ・・・・・・」

 

 

 

呻きながら僅かに笑う。するといつの間にか段々と周囲の声が聞こえなくなってきた。そろそろ限界なのかもしれない。痛みすら感じなくなっていく中、頭に浮かんできたのは、おそらく走馬灯なのだろう、自分が歩んできた人生の記憶と・・・・・・そして、未練と後悔だった。

 

 

 

「は、はは・・・・・・今日は・・・体の調子が良いからって、浮かれすぎたかな・・・こんなこと、なら・・・寄り道なんて、するんじゃなかった・・・」

 

 

 

自分は生まれつき体が弱かった。体調を崩すのなんてしょっちゅうだったし、入院したことも一度や二度じゃない。

体を鍛えようと思ったこともあったが、結局諦めてしまい、学校の体育の時間はほとんど見学していた程である。

 

そんな体だが、今日のようにたまに調子の良い日もあって。そういう日は好きなモノを食べて贅沢するのが俺の密かな楽しみだった。

 

なので、楽しみから生じた趣味である料理をするためにスーパーで色々と買ってきた訳だが・・・・・・浮かれていたのか信号を無視して突っ込んでくる車に全く気付かずこんなことになってしまったという訳である。

 

 

 

(あーぁ、普通の体だったらこんなことにはならなかったのかなぁ・・・・・・次があるかは分からないけど・・・もし生まれ変われるんなら、それなりに強い体に生まれたいな・・・病気とかにならない、健康な体に・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《「それなりに強い体」を検索・・・・・・終了、確認しました。種族【龍人族(ドラゴニュート)】へと転生します》

 

 

《確認しました。『状態異常無効』を獲得・・・・・・成功しました》

 

 

 

(・・・なんだ、今の?なにか聞こえたような・・・・・・)

 

 

 

ゆっくりと僅かに首を動かす。妙な声が聞こえた気がして辺りを見渡したが、声の主らしき人物は見当たらなかった。

 

 

 

「幻聴か・・・?まあ、いいか・・・もう死ぬんだからどうでもいい・・・・・・いや、でも・・・死ぬ前に『ランドル』のSSR姿を見たかったぜ・・・」

 

 

 

『ランドル』とは、Cygamesが提供しているソシャゲ、グラブルこと「グランブルーファンタジー」に登場するキャラクターの一人である。

 

作中にいくつか存在する種族の内の一つ、「ヒューマン」の少年で、乱暴な態度が目立ちやや脳筋なところがある。しかしその割には常識的で、決して悪い人物ではない。というか普通に善人である。

 

 

髪の色はピンクで、ポニーテールのように纏めている。蹴りを主体に戦う闘士。そしてCVが羽多野渉なイケメン・・・推さざるを得ないだろう。念の為に言っておくが、自分はホモでも腐男子でもない。ただイケメンが好きなだけだ。

 

しかし、個人的には男キャラの中で一番の推しであるランドルだが、何故か最高レアリティであるSSRがないのである。彼のライバルであるフェザーはSSRが実装されているのに何故・・・・・・やはり人気がないのだろうか。

 

友達にも「なんでランドルなの?」とか言われたことがあるが、好きになってしまったからには仕方ない。誰かを推すのに理由は要らないのだ、多分。

 

 

 

 

 

 

 

《記憶から『ランドル』の情報を確認しました。確認した情報を元に、魂の新たな器となる肉体を作成します・・・・・・成功しました》

 

 

 

(そうだ・・・そう言えば、まだFGOの映画も観に行けてなかったっけ・・・忙しかったり、色々あったせいで・・・)

 

 

 

FGO・・・正式タイトル『Fate/Grand Order』・・・TYPE-MOONによるFateシリーズ初のソシャゲである、このFGOの映画が最近公開されたのだ。

 

タイトルは「冠位時間神殿ソロモン」。本作の第一部の最終章を映像化したモノである。

 

最終章の見所はいくつかあるが、個人的に観たかったのはそれまでの旅路で・・・各章にて出会った英霊たちが最終決戦に駆けつけてくるシーンだ。映画化されるに当たって絶対に観たいシーン・・・もっと言うなら、一人の英霊の登場シーンを滅茶苦茶観たかった。

 

 

その英霊とは、復讐者─岩窟王エドモン・ダンテス。

 

 

通称「巌窟王」もしくは「モンテ・クリスト伯爵」として知られる彼は、『復讐者』としておそらく世界最高の知名度を有する人物だろう。

 

『Fate/GrandOrder』では当時ゲーム内で初となるアヴェンジャーのサーヴァントとして実装された。レアリティは最高ランクの☆5。

 

初登場は同じ型月作品である『空の境界』とのコラボイベントで、その後に開催された高難易度クエスト『監獄塔に復讐鬼は哭く』の二つに敵として現れる。とは言っても前者はシルエットのみで、後者の方も完全に敵とは言い切れない・・・・・・寧ろ味方と言った方が正しいと思う。

 

始めは主人公を試したり嘲るような態度を取っていたが、監獄塔において隔絶され、立ちはだかる艱難や不条理に耐え、前に進み続ける主人公の姿に魅せられ、好意的に接してくれるようになった。

 

イベント以降はメインストーリーにも度々登場し、神出鬼没ではあるが、主人公と共に人理修復に勤しみ、その特異な性質と在り方から色んな意味で主人公の精神を護ってくれている。

 

そのため現実のみならず、主人公の夢(のような空間など)でも警鐘や助言を主人公に告げる役目を担う事も多い、非常に頼れる仲間なのだ。

 

正直、自分も最初はただの敵としか思えなかったが、ストーリーで彼と触れあう中で段々と彼を好きになっていた。苛烈なまでのその生き様、決して折れない鋼の如き精神、しかし優しい心を持ち合わせている・・・オマケに容姿も整っているなんて無敵だと思う。

 

繰り返すが自分はソッチではない。確かに彼は女性人気が異様に高いが、男からも人気はある・・・筈だ。

 

ちなみに俺は彼を「エド」と呼んでいる。自カルデアでは藤丸にもそう呼ばれていてとても仲が良いという脳内設定で常にプレイしている。

 

 

そしてこのエドこと岩窟王。FGOをよく知らない人にここまでの説明をすると、「顔と中身が良いだけのメンタルケアサーヴァントか?」と言われることもあるが・・・実は戦闘能力もかなり高い。

 

それなりに基本ステータスが高いというだけでなく、なにより彼は宝具が強力なのだ。

 

エドの宝具は設定では三つあり、その内の二つはゲーム内では使用されないのだが・・・使用する一つだけでもかなり強力なのだ。

 

 

その宝具の名は『虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)

 

彼が囚われたシャトー・ディフ、そこで培われた鋼の精神力が宝具と化したもの。超高速思考を行い、それを肉体に無理矢理反映させることで主観的にはまるで時を止めているかのような超高速移動を実現するのだが・・・・・・なんと、時間や空間等の無形の牢獄からでさえ脱出できるという。

魔術的(?)に牢獄と定義すればなんでも突破出来るのかは不明だが・・・かなりのチート宝具だよな。

 

 

正直、アルトリアよりは強いと自分は思っている。同じFate好きの友達(アルトリア推し)にそれを言ったら少し揉めてしまったが。

 

 

 

「・・・・・・はは・・・こんな状況で、なに考えてるんだか・・・・・・でも、エドみたいな力があれば、このくらいの窮地は難なく切り抜けられたのに・・・・・・それよりも、滅茶苦茶カッコ良い・・・エドの活躍、見たかったな・・・」

 

 

 

 

 

《確認しました。『精神攻撃耐性』を獲得・・・・・・成功しました》

 

《確認しました。ユニークスキル、『復讐者(トゲルモノ)』を獲得……成功しました》

 

《確認しました。ユニークスキル、『脱獄者(ヌケダスモノ)』を獲得……成功しました》

 

 

 

再び誰かの声が響いた。だが、最早よく聞き取れない。どうやらそろそろ限界のようだ。

 

 

 

(しかし・・・頭、強く打ち過ぎたかね?最期がこんな、訳の分からない幻聴を聞きながら・・・なんて、な・・・・・・)

 

 

 

僅かに口端を上げて、俺の意識は闇の中へ。

 

やがて何も聞こえなくなり、何も見えなくなり、心臓の鼓動が止まり、そして───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ゴォオオオオオ・・・・・・!』

 

 

 

「──────え?」

 

 

 

俺は空にいた。

 

何故こんなことになっているのか自分でも全く訳が分からないが、本当に空にいる。待ってくれ、本当にどうしてだ・・・?俺はさっきまで地面に倒れてて、死にそうになっていて・・・・・・

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・ん?空?」

 

 

 

ちなみに、先程の音は風を切る音である。なにが切っているのかというとそれは自分で、どう切っているのかというと・・・・・・

上から下へ風を切って移動していた。もとい───落下していた。

 

 

 

「はっ?え、あ・・・?・・・・・・あぁああああああああああああああああああああああああッ!!!!?」

 

 

 

気付いた時には手遅れで、というか気付いていたとしてもどうしようもなくて。

 

今現在における自分の状況など全く理解出来ぬまま、俺は悲鳴を上げ、緑が広がる地上へ落下していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これは後で知ることなのですが。この少年の悲鳴は悲しくも誰かに届くことはありませんでした。しかし、少年の姿を目にした者たちはいたのです。正確には、おそらく少年を異世界の空へ転移させた際に生じたのであろう、目映いばかりの閃光を。

 

 

 

「ん?おい、なんだぁあの光。結構近いな」

 

 

 

まず一人目は、大鬼族のはみ出し者。同じ大鬼族である一人の男とつるんでいる、悪意の塊。

 

 

 

「うおっ!?何か光ったぞ!何なんだ一体・・・・・・?」

 

 

 

二人目は、とある小物に命じられその森を・・・少年が落下した『ジュラの大森林』を飛び回っていた、仮面の魔人。

 

そして三人目は───

 

 

 

「あら?あの光はなんでしょう・・・・・・ふむ、少し遠いですが気になりますし、明日あの辺りを散策してみましょうか」

 

 

 

光を目撃した者の中で一番の圧倒的な力を誇り、この空よりも濃い美しい青髪を持つ妖艶な女仙人でした♪

 

 

 

・・・・・・・・・・・・あー、すみません。忘れてました。まだいましたね。

 

 

 

 

 

「むっ!あの光はなんであるか!?・・・・・・ふっふっふ、もしかすると、ジュラの大森林が祝っているのやもしれんな・・・この地に誕生した強者・・・名持ち(ネームド)となった、この『ガビル』を!!!」

 

 

 

・・・・・・・・・お調子者の、蜥蜴が一匹。




主人公くんがしぶといって?いやいや、三上悟さんも死ぬまで割りと時間ありましたし平気平気
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