転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件   作:乃出一樹

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お待たせしました、第10話となります。

アルセウスが面白すぎて投稿出来ないかと思いましたが、なんとかなりました。


転生したらドラゴニュートだった件

「・・・・・・・・・俺、人間じゃなかったんだ・・・」

 

「まさか自分の種族すら分かっていなかったとは・・・」

 

 

 

驚愕の事実に呆然とする俺を見て呆れたように息を吐く青娥さん。

 

先程のやり取りの後、俺は青娥さんから色々なことを教えて貰った。まず最初に教えて貰ったことが、自分が人間ではないということというのは予想も付かなかったけれど。

 

 

 

「爺さんが、人間である俺に魔素があるのはおかしいとか言ってたけど・・・魔物だったからか・・・」

 

 

 

とんでもない身体能力を手に入れたのは、ランドルになったからではなく、体が魔物に・・・龍人族(ドラゴニュート)になったからなのだろう。

 

 

 

「ドラゴニュート・・・・・・確か以前、爺から聞いた覚えが・・・」

 

「オーガと同じくBランクの魔物ですね。翼を持ち空でも戦えるので、個人的にはオーガより手強い種族かと」

 

 

 

ガビルが爺さんから聞いたことを思い出そうと顎に手を当てる隣で、青娥さんは淡々と説明する。青娥さんの主観とはいえ、あのオーガより手強いとは相当恐ろしい魔物なのだろう。

 

 

 

「・・・・・・ん?待ってくださいよ青娥さん。翼って、俺そんなのどこにも生えてないんですけど」

 

 

 

翼という単語を聞き、俺は背中を青娥さんへ向ける。まぁ、わざわざこんなことしなくても分かるだろうが、咄嗟にこうしてしまった。そんな俺の様子がおかしかったのか、青娥さんはくすりと微笑むと説明を続けた。

 

 

 

「あら、ごめんなさい。説明不足でしたわ。ドラゴニュートには二つの姿がありまして。一つ目は人型の竜・・・・・・ざっくり言ってしまうと、外見はリザードマンに翼が生えただけです」

 

 

 

成程・・・多分だが、ドラクエに登場する『リザードマン』みたいな感じなのだろう。おっと、クロコダインは除く。

 

 

 

「そして二つ目が、旅人さんのような人間と同じ姿です。違いはと言いますと・・・前者はリザードマンからの進化によって。後者が、竜と人が交わり生まれた者たちの末裔・・・でしたか」

 

「竜と人が・・・な、なんか凄いですね・・・色々と」

 

「まぁ、それは遥か昔の話らしいですけどね。私もそう詳しくは」

 

 

 

流石にそんな昔のことまでは知らないのか、分からないとでも言うように青娥さんは肩を竦めた。しかし『進化』なんて現象もあるのか・・・後でそれについても教えて貰おう。

 

ちなみに『ミリム』という魔王が支配している領地には多くのドラゴニュートが暮らしているらしい。そこのドラゴニュートも俺と同じく外見は人間なのだとか。というか、そこにいる連中こそが、話に上がった竜と人が交わり生まれた者の末裔たちらしい。

 

 

 

「しかし、旅人殿が魔物だったとは。うっかり名前を付けていたら大変なことになっていたやもしれんな」

 

「あー、名付けって、使った魔素が回復しないことがあるんだっけ?俺のせいでガビルが弱くならなくて良かったよ・・・」

 

「はっはっはっ!まぁ、その時はその時である。それよりも・・・・・・我輩が驚いたのは、『異世界人』というやつだ」

 

 

 

ガビルのその言葉で、青娥さんから教わったことを思い出す。

 

青娥さんから教えて貰った色々なこと・・・その中には勿論『異世界人』についても含まれている。

 

『異世界人』とは文字通り、俺たちが今いるこの世界とは別の世界・・・つまり、俺が元居た世界からやってきた人間のことである。

 

異世界出身の人間や、転生者は割りと多く存在するらしい。ただし、俺のように異世界人の転生者というのはかなり珍しいそうだ。青娥さんも『一人』しか知らないらしい。

 

 

 

(・・・・・・まぁ、俺が『そう』だと知っても大して驚いてなかった辺り、青娥さんが異世界から転生したっていうその『一人』なんだろうな)

 

 

 

なんとなく察したが、口には出さなかった。

 

それと、異世界人は次元を越えて世界を渡る際に強力な力を手に入れることが多いそうだ。恐らく俺のドラゴニュートの身体もそうなのだろう。

 

 

 

「まさかそのような者たちが・・・いや、そもそも異世界などというモノが存在すること自体が驚きだ。これは爺ですら知らぬことであろう」

 

「・・・・・・ガビル。その、悪かった。記憶喪失だなんて嘘吐いて」

 

 

 

改めて青娥さんから聞かされた内容に驚いているガビルに向き直り、俺は頭を下げた。俺の突然の行動に目をぱちくりさせるガビルを気にせず俺は言葉を続ける。

 

 

 

「自分でも、今置かれてる状況が分からなかったんだ。別の世界に来てしまったことくらいは理解出来てたけど、それをどう説明したらいいのか・・・説明したところで、信じてもらえないと思って・・・結果的に、お前を騙す形になった。本当にごめん・・・」

 

「・・・・・・ははは、なんだ。そんなことであるか」

 

 

 

謝罪した俺を見ていたガビルだが、やがて小さく笑いだす。それを見て困惑していると、ガビルは俺の肩を優しく叩いた。

 

 

 

「我輩とて、旅人殿と青娥殿の話を聞いてなんとか信じられたくらいだ。そんな話を、出逢ったばかりの・・・それも魔物になど話せぬだろう。おかしな奴と捨てられては困るだろうからな・・・・・・あの時、頼れる者など我輩しかいなかったのだから」

 

「ガビル・・・」

 

「悪しきオーガ共に襲われ、見知らぬ土地で心細かったであろう。生き残る為の知恵という奴だ、気にすることはないのである。妹や爺まで騙したことも気にすることはないぞ?我輩からも謝るし、責めてくるようなら叱ってやるとも!」

 

 

 

笑顔でそう俺に語りかけ、からからとガビルは笑った。

 

・・・・・・本当に良い奴なんだな、彼は。どこか抜けていてお調子者だとしても、皆に慕われている理由が分かった気がする。

 

 

 

「・・・・・・・・・ありがとう・・・ありがとな、ガビル」

 

「あら・・・案外器が大きいんですね。少し見直しましたわ」

 

「えっ、なんか青娥殿の我輩への評価低くない?」

 

「私、面食いですので」

 

「それは遠回しに我輩の顔が不細工だと言っておられる・・・?」

 

 

 

ガビルを褒めたかと思えば、意味深な言い回しをしてけらけらと笑う青娥さん。彼女の言葉で悲しんでいるような怒っているような複雑な表情を浮かべるガビルを見て、俺は慌てて話題を逸らした。

 

 

 

「とっ、ところで!青娥さんはどうして俺がドラゴニュートだって分かったんですか!?やっぱり魔素を持ってるからとか!?」

 

「いえ、それだけでは流石に。人間に化ける魔物は少なくありませんし」

 

「それじゃあ、どうして・・・」

 

「私のスキルです。ユニークスキル『大仙人』・・・これにはいくつかの力が備わっているのですが、その中の一つに『解析鑑定』というモノがありまして。それを使って貴方を調べました」

 

 

 

『スキル』・・・それは、なんらかの成長をこの世界が認めた時、稀に獲得することが出来る力のことだ。

 

青娥さんが言うには、スキルとはこの世界独特の特殊現象発動システム、とでも言うべきモノらしい。スキルによっては並みの魔法以上の事象がそれを行使するだけで簡単に現出するとのこと。発生する事象の内容と、その為のトリガーの引き方さえ理解出来ていれば、理論と法則の理解などは基本的に不要らしい。

 

・・・爺さんから昨日ほとんど聞いたことではあるが、青娥さんは異世界人である俺目線で教えてくれたので非常に分かりやすかったな。爺さんには異世界人だと隠していたから仕方ないけども。

 

それと、スキルにはランクがある。強さや希少性などによってざっくりと分類されているそうで、一般的なスキルを『コモンスキル』、特別なスキルを『エクストラスキル』、個体独自のスキルを『ユニークスキル』と呼ぶそうだ。青娥さんが言うには、更にもう1つ、最上位のスキルのランクがあるそうだが・・・それについてはまた今度、とのこと。

 

ちなみに『毒耐性』や『炎熱耐性』などのレジスト系スキルもあるらしい。

 

 

 

「なんと、ユニークスキルを持っているとは・・・!ぬぅ・・・どうやら只者ではないらしいな・・・」

 

 

 

ユニークスキル。その言葉に反応してガビルが唸る。それも無理は無いかもしれない。ガビルや親衛隊長たちが持つ『魔力感知』はエクストラスキルなのだが、青娥さんはそれより希少なスキルを持っているというのだから。

 

ユニークスキルは青娥さんが言ったように、複数の力・・・スキルで構成されていることが多く、また内包したスキルが通常のそれより性能が高かったりすることもあるそうだ。

 

なんでも、似たようなモノはあっても同じモノは存在しない、唯一無二のスキルなのだとか。その個体専用のオーダーメイドのようなモノか。

 

 

 

「確かに、ユニークスキルを持ってる奴ってかなり凄そうだもんな・・・・・・そういや、そんなに凄い青娥さんはどうしてここへ?」

 

「ふふ、煽てても何も出ませんよ?・・・んー、別に言ってもいいか。実は昨日、ここジュラの大森林の空が突然光ったんですよ。その光がどうにも気になりまして」

 

「なんと、青娥殿も見たのであるか!」

 

 

どうやらガビルが見たという謎の光を青娥さんも目撃していたらしい。気になるのか、ガビルがそれを見たときのことについて訊ねる。一応伝えておいた方がいいかと思い、オーガたちもそれを見ていたことを俺は青娥さんへ教えた。

 

それらの情報を聞いた青娥さんは、ふむ・・・と呟き、少しの間の後に口を開いた。

 

 

 

「もしかすると・・・・・・その光は旅人さんがこちらの世界へ転移してきた際に生じたモノかもしれませんわ」

 

「俺が・・・?どうしてそう思うんです?」

 

「世界を渡るのってとても難しいんですよ。こちらの世界へ異世界人を呼ぶ場合、召喚の儀式というものを行わなければならないのですが」

 

 

 

召喚の儀式なんて術式があるのか。ということは、異世界人という存在は案外広く知られているのかもしれない。もしかすると、あちらの世界へ戻る儀式などもあるのだろうか。

 

 

 

「その儀式を行うには色々と条件がありまして。コストがかかったり、一度召喚を行ったらある程度スパンを開けないといけなかったり・・・・・・私も見たことはありませんが、そんな大掛かりの術式ですので、使用時に凄まじいエネルギーや光が発生するのではないかと」

 

「成程・・・・・・旅人殿は空から落ちてきたと言っていたな。つまり空中に転移したということ・・・であれば、我輩や青娥殿が見た光の正体は旅人殿だったということであるか」

 

「確証はありませんけれどね」

 

 

 

青娥さんは自分の仮説の最後にそう付け加えた。そうは言うが、なんとなく青娥さんの仮説が正しい気がする。この世界に詳しい異世界人(本人否定)っぽい人が言うのだから信憑性がある。

 

 

 

 

「ふーん・・・・・・あっ、そうだ。青娥さん、悪いんですけどまだ教えて欲しいことがあって。もしかしたら俺の気のせいだったのかもしれないけど、実はこの世界に来る直前に変な声を聞いたんです」

 

「あぁ、声ですか。いいですよ、さっきあぁ言いましたし、それについても教えて差し上げますわ・・・・・・けれど」

 

「ん?」

 

「続きは──邪魔者たちがいなくなってからにしましょうか」

 

「・・・・・・ッ!旅人殿、青娥殿!」

 

 

 

そう言えば気になっていたあの時の声について訊ねたところ、青娥さんはそう言いながら視線を別の方向へ向ける。どうしたのかと不思議に思っていると、突然ガビルが慌てたように声を上げた。

 

 

 

「グルルルゥアアアッ!!!」

 

「なっ、なんだ!?」

 

 

 

ガビルの声の後、森の奥から咆哮が響いた。青娥さんは全く動じていないが、ガビルはやや緊張した面持ちで槍を構えている。その様子から只事ではないと身構えた瞬間、奴等は姿を現した。

 

 

 

「グルルルル・・・・・・!」

 

「こ、こいつらは・・・手長蜥蜴(リーチリザード)!」

 

「あらあら・・・・・・沢山お越しですこと」




リーチリザードのランクっていくつなんですかね。とりあえず私の想像で決めておきますが、間違っているようでしたら御指摘頂けると幸いです。
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