転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件   作:乃出一樹

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お待たせしました、第11話となります。

とりあえずこの作品ではリーチリザードはこのランクということにさせて頂きます。


力の片鱗

咆哮と共に木々の間から現れたのは、ホバーリザードに似た魔物たちだった。その魔物たちは群れで行動しているのか、複数匹で俺たちを囲むように広がる。その数は・・・・・・十匹。

 

 

 

「ガビル!こいつらは・・・?」

 

手長蜥蜴(リーチリザード)という魔物たちである!ここにいるホバーリザードの上位種であるが、こいつと違い狂暴なのだ!強さも桁違いで、ランクはC-である!」

 

 

 

ガビルの言う通りらしく、リーチリザードたちは喉を鳴らしこちらを睨んでいる。それに恐れを為したのか、ホバーリザードはガビルの背に隠れるようにしゃがみこんでいる。C-というと、並みのリザードマンより少し弱いくらいか。そんな奴等が十匹も・・・!

 

遅れながらも危機的状況に陥っていることに気付いた俺は、咄嗟に青娥さんを庇うように彼女の前に立った。

 

 

 

「青娥さんは下がってください。ここは俺たちが!」

 

「分かりました。では、私はサンドイッチを守りますね」

 

「いや、自分の身を優先してね!?」

 

 

 

バスケットを抱えながら呑気なことを言う青娥さんに思わずツッコむ。ちらっと見ると、後ろに下がりながらまだサンドイッチを食べていた。凄いなこの人、色々と・・・

 

 

 

「ぬぅ、この数に囲まれてしまっては逃げるのも一苦労だな・・・旅人殿、お主も下がるのだ!ここは我輩一人で・・・」

 

「駄目だガビル。いくらお前でも俺と青娥さん・・・に、ホバーリザードを守りながら、この数を相手にするのは無理だろ・・・・・・俺も戦う」

 

「しかし・・・!」

 

「ガァアアアアッ!」

 

 

 

ガビルの言葉を遮るかのように、一匹のリーチリザードが俺目掛け突進してくる。慌ててガビルはそいつを止めようとしたが、反応が遅れた為に間に合わない。リーチリザードは目の前の俺に噛み付こうと大きくその口を開けたが──

 

 

 

 

 

「おらァッ!」

 

「グギャッ!?」

 

 

 

その口が俺の肉を食らうことはなかった。

 

そいつの顎を下から打ち抜くかのように、俺が脚を振り上げたのである。へし折れたのだろう、牙や血を口から撒き散らしながらリーチリザードは後ろに倒れる。死んではいないだろうが、動きを止めたそいつを見て俺は小さく息を吐きながら脚を下ろした。

 

 

 

「ふふふ、お見事~♪」

 

「なんと!」

 

 

 

リーチリザードを倒したその一撃に、後ろにいる青娥さんは拍手をしながらそう褒めた。まさか倒せるとは思わなかったのだろう、驚くガビルを見据え、俺は口端を僅かに上げた。

 

 

 

「・・・・・・オーガよりは弱いんだろ?それならなんとかなるさ・・・俺とお前がいればな」

 

「・・・・・・・・・ふっ、そうであるな。仕方あるまい、爺との約束は守れそうにないが・・・行くぞ、旅人殿!」

 

 

 

いまの動きを見て大丈夫だと判断したのか、ガビルはその言葉と共に槍を構え直す。どうやら俺と共に戦ってくれるようだ。

 

ちなみに俺は平静を装ってはいるが、以前の自分では考えられない力でとんでもない動きをしたこの身体に滅茶苦茶驚いている。心臓ばくばく鳴ってるし汗もヤバい。

 

 

 

「グルル・・・!」

 

「ガァアアアアッ!」

 

 

 

そんな俺などお構い無しに、リーチリザードたちは襲い掛かって来た。仲間がやられたことで怒ったのだろうか、残念ながら見逃してくれそうにない。

 

元居た世界では喧嘩などとは全く無縁の生活だったので、どう戦えばいいのか分からず内心滅茶苦茶パニクっている。とりあえずボクサーのように構えていると、ガビルが連中に向かって飛び出した。

 

 

 

「ぬんっ!」

 

「ギャウッ!?」

 

 

 

突進した勢いのままに、ガビルは一番近くにいたリーチリザードの首に槍を突き刺した。穂先が肉を貫き血飛沫が舞う。致命傷を負いながらも抵抗をする敵を一瞥したガビルは、槍を引き抜くとそれを横薙ぎに振るいリーチリザードを吹っ飛ばした。

 

 

 

「でぇええいっ!・・・・・・まずは一匹である!」

 

「おや、意外とやりますね。流石にネームドなだけはありますか」

 

「やっぱり強いなガビル・・・!・・・・・・おっと!」

 

 

 

ガビルの戦いぶりに見とれていると、こちらにもリーチリザードが向かってきた。連中はかなりの素早さだが、不思議と目で動きは追えている。生まれ変わって手に入れた身体に感謝しながら、迫り来る魔物に意識を集中させた。

 

 

 

「グルゥアアアッ!」

 

「ふっ!はぁっ!」

 

 

 

普通の人間など簡単に引き裂けそうな恐ろしい爪が俺に向け振り下ろされる。それを横に飛んで回避した俺は、そいつに蹴りをお見舞いしてやった。胴体に直撃を受けたリーチリザードは悲鳴のような声を上げながら吹き飛んでいく。

 

 

 

「牙だけじゃなく、爪も武器か・・・・・・モンハンのランポスとかを思い出すよ・・・!」

 

 

 

慣れ親しんだゲームに登場する敵キャラを思い出しながら、次々に襲い来るリーチリザードたちと戦闘を繰り広げる。連中の爪や牙を掻い潜り、拳と蹴りを必死に叩き込む。ランドルならば脚だけで戦い抜くだろうが、流石に今はそんなことを言っていられない。

 

 

 

「せいっ!でやぁっ!旅人殿、そちらはどうだ!?」

 

 

 

俺から少し離れたところでリーチリザードたちを相手にしているガビルが声を上げる。そちらを見ると彼は槍を巧みに扱い次々とリーチリザードを倒していた。背後のホバーリザードを守りながらである為か苦労はしているようだが、あの様子ならばやられることはないだろう。

 

 

 

「もうすぐこちらは片付く!すぐにそちらへ行くからもう少し堪えるのだぞ!」

 

「あぁ!心配するなよガビル。やり合ってみて分かったけど、倒しきるんじゃなく、凌ぐくらいなら・・・・・・!?」

 

 

 

ガビルにそう返した時だった。視界の端に一瞬何かが映る。嫌な予感が頭を支配し、俺は即座にそちらへ顔を向けた。

 

そこには一匹のリーチリザードがいる。そう、先程蹴り飛ばしたリーチリザードが起き上がり、再びこちらに向かって来ていたのだ。しかし、今度の狙いは俺ではない・・・・・・青娥さんだ。

 

 

 

「青娥さんっ!そっちに・・・!」

 

「・・・・・・・・・」

 

 

 

声を掛けても青娥さんは何故か動じない。まさかリーチリザードに気付いてないのか・・・!?

 

このままでは彼女が危ないと、リーチリザードたちを振り切り慌てて駆け出した。爪や牙が身体を掠めるがどうでもいい、向こうにリーチリザードを吹っ飛ばしたのは俺だ。青娥さんに危険が迫っているのは俺の責任なのだから。

 

 

 

「青娥さん!逃げろッ!」

 

「グルルァアアアアアッ!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

リーチリザードがかなり接近したところで、ようやく彼女はそちらへ振り返った。だが、あの距離では逃げることは不可能だろう。武器らしきものも持っていないし、迎撃できるとも思えない。

 

このままでは青娥さんが死んでしまうかもしれない。だというのに、先程から不思議と頭は冴えていた。危機的状況なのに、そしてこんなにも動揺しているというのに。

 

頭がよく回る。目に映る光景がゆっくりに見える。後ろから響くガビルの声も遅れて聞こえた。

 

けれど、それがなんだと言うのか。そんなモノに何の意味も無い。

 

これでは間に合わない。青娥さんを助けられない。

 

 

 

(動けよ俺の身体・・・!速く・・・・・・もっと、速く──!)

 

 

 

全てが遅い世界の中で、ただそう願った。その時。

 

 

 

『ゴウッ!』

 

 

 

「・・・・・・!?これ、は・・・」

 

 

 

身体の奥底から力が吹き出すような感覚があった。困惑しながらも、ただがむしゃらに地面を蹴って──

 

 

 

「───青娥さんッ!」

 

「・・・・・・え?」

 

 

 

気付けば、訳の分からないまま青娥さんに近付いていた。その声と共に彼女を突き飛ばす。俺がすぐ側まで来れたことが信じられないのか、青娥さんはぽかんとした表情のままその場から離れていく。

 

そして───

 

 

 

 

『グジュッ・・・!』

 

「───ッ!」

 

「た・・・・・・旅人殿ぉーーーっ!?」

 

 

 

無防備な俺の身体に、リーチリザードの牙と爪が突き刺さった。




シュウゾウから金を取り返すサブクエ無いですかね?
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