転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件   作:乃出一樹

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お待たせしました、第38話となります。

今年もFGOの夏イベにお金が溶けていく・・・


鍛冶の勉強

「・・・・・・・・・なぁ親父さん。さっき一本作ったって言ってたな。その剣を見せてくれ」

 

「ん?あぁ・・・・・・ほい」

 

 

 

リムルが『大賢者』との会話を終えたのは、あれからすぐのことだった。リムルの頼みを聞いたカイジンさんは近くに置いてあった剣を掴む。それをガルムさんに渡すと、ガルムさんは剣がよく見えるように両手で持ってリムルの方へ差し出した。

 

 

 

「おぉ・・・・・・これは見事だ。素人の俺だって親父さんの腕が確かなのが分かる・・・!」

 

「ふーん・・・・・・あ。カイジンさん、魔鉱石を使ってるってことは、この剣って成長したり変形したりするんですか?」

 

「よく知ってるな。そうだぜ、魔鋼を芯に使ってるからな。魔鋼を使った武器は色々と凄いが・・・・・・やはり一番の特徴は、使用者のイメージに沿って成長するってとこだ」

 

「なにそれ!スゲー!」

 

 

 

俺の問いにカイジンさんは鉄を打ちながら答えてくれた。ドワルゴンへ来る前に封印の洞窟で青娥さんから教えてもらったことだが、鍛冶師のカイジンさんが言うのだから間違い無いだろう。勿論、青娥さんを疑った訳ではないが。

 

 

 

「もう親父さんが村に来てくんないかな・・・・・・」

 

「はは、こんな状況じゃなきゃな・・・・・・」

 

 

 

心からそう思っているであろうリムルの言葉に、カイジンさんが申し訳無さそうに笑う。ところで、カイジンさん的には魔物であるゴブリンたちが多く暮らす場所に行っても平気なのだろうか。ゴブリンはかなり弱い魔物らしいが、それでも普通の人間からしてみれば、なるべく関わりたくはないと思う。まぁ、カイジンさんも厳密には人間ではなくドワーフなので、その辺り人間と考え方が違うのかもしれない。そもそもドワルゴンで暮らしている時点で魔物に対して偏見などがないのかもしれないが。

 

 

 

「──ってな訳で、ちょっとその剣借りるぞ 」

 

「は?」

 

 

 

どういう訳なのか全く分からないが、カイジンさんの言葉の後で突如リムルがそんなことを言い出す。そして俺が間の抜けた声を漏らすと同時に、リムルは体をぐにゃりと変形させて剣にまとわり付いた。

 

 

 

「えっ・・・うわっ!お、おい何を・・・・・・!?」

 

「リムルの旦那!?」

 

「少し待っててくれ・・・・・・・・・」

 

 

 

カイジンさんとカイドウさんも・・・・・・いや、この場にいる全員がリムルの行動に驚いていた。剣にまとわり付いたリムルは慌てる俺たちにそう告げると再び黙り込む。

 

剣に何かされるのではないかと、カイジンさんたちは気が気ではない様子でリムルを見つめる。すると次の瞬間、リムルの体からカイジンさんが作った物とそっくりな剣が吐き出され、音をたてて床に落ちた。

 

 

 

「・・・・・・えっ?」

 

「えぇええ・・・・・・!?」

 

 

 

その一本を皮切りに、新しい剣が次々とリムルから吐き出され床に並べられていくという訳の分からない光景を前に全員が驚愕する。やがて全部吐き出し終えたリムルは、並べられた剣の前にちょこんと移動し、どこかやり遂げたような表情で告げた。

 

 

「魔鋼塊のロングソード、二十本完成だ!」

 

「えぇええええーーーっ!?」

 

 

 

床に並べられた合計二十本の剣を見てカイジンさんが声を上げる。ガルムさんたちが言葉を無くす中、俺はなんとか我に返りリムルに問い掛けた。

 

 

 

「リムル、お前何したんだ・・・!?」

 

「『補食者』で体内にしまってある魔鋼塊を使って、『大賢者』に剣のコピーを作ってもらったんだよ」

 

 

 

驚きながら訊ねた俺にリムルは軽く答える。簡単に言ってるけど、これ滅茶苦茶凄いことじゃないのか・・・?本来なら二週間かかる仕事を一瞬で終わらせてしまったぞ。『大賢者』はそんなことも出来るのか・・・・・・勿論、『補食者』のスキルもあって初めて出来る芸当なんだろうけど。しかし、目の前でこんなものを見せられては俺の『脱獄者』が持つ『道具作成』が霞むな・・・

 

 

 

「コピーだと・・・・・・俺の技術ごと・・・!?」

 

「何なら、ちゃんとコピー出来てるか試してもらって構わない。性能も全部同じ筈だぞ」

 

 

 

リムルの言葉に驚愕しながらカイジンさんは床に並べられた剣を一本ずつ確認していく。やがて確認を終えたカイジンさんは静かに頷くとリムルに向き直った。

 

 

 

「見ただけで分かるぜ・・・・・・だが中途半端な納品は出来ねぇ。なぁ、念の為、試し斬りに付き合っちゃくれねぇかい?」

 

「それで証明出来るなら、いくらでも」

 

「よし、それじゃ近くの荒地に行こう。なんでも魔獣が現れるようになったって話だ。こいつらの切れ味を試すにゃもってこいだろう」

 

「近くのって、ドワルゴンの中の?街中に魔物がいるんですか?」

 

「あぁ、セントラルの外れにある荒地にな。鉱山が近くにあるせいで漏れ出た魔素から発生したのか、何処かから入り込んだのかは分からないが、最近魔獣を見掛けるそうだ」

 

 

 

やれやれ、と頭を掻きながらカイジンさんは答えた。ガルムさんたちと出会った鉱山ではB-ランクのアーマーサウルスが発生していた。その場にいた人たちの反応を見る限り、あれクラスの魔物が発生するのは珍しいのだろうが、それより下位ランクの魔物ならよく見掛けるのだろう。それならば魔素がある鉱山の近くに魔物がいるのはおかしくはない。少なくとも、カイジンさんがそこまで慌てていないところを見るに、そこにいる魔獣というのはアーマーサウルスよりは弱いのだろう。

 

しかし大通りから離れているとはいえ、街中に魔物が出没するって怖くないのだろうか。と、思ったが、昼間のアーマーサウルスの騒ぎの時は討伐隊が割りと早く到着していたっけ。恐らくこういった事態には慣れているのだろう。ここにもギルドはあるのだろうし、手練れの冒険者やカイドウさんたち警備隊もいるからそこまで問題にはならないのかもしれない。

 

 

 

「それで、どうする?リムルの旦那」

 

「オッケー!なぁ、アクトはどうする?」

 

「俺?あー・・・・・・いや、俺はここで待ってるよ」

 

 

 

こちらに振り返って訊ねてきたリムルに、俺は少し悩んでからそう返した。リムルがいるからカイジンさんの護衛は必要ないだろうし、そんなに時間もかからないだろうからな。

 

 

 

「そっか。じゃあちょっと待っててくれよ、すぐに済ませて帰ってくるからな」

 

「んじゃ、俺もここらで戻るとすっか。またな、お前ら!」

 

 

 

そう言って、リムルとカイジンさんは二十本の剣を持って工房を出た。二人に続くようにしてカイドウさんも仕事に戻って行く。三人がいなくなり工房には俺と、なんやかんやで仕事が片付いたことに喜ぶガルムさんたち三兄弟が残った。

 

 

 

「・・・・・・・・・あ、そうだ。魔獣って、魔物となにか違うんですか?」

 

「ん?魔獣か・・・・・・別に魔物と比べて大した特徴とかがある訳じゃないぞ。一応、動物が魔素を浴びて変質したものが魔獣だとされているな。まぁ、人型以外の・・・・・・獣やら虫みたいな姿をした魔物がよく魔獣と呼ばれてるよ」

 

「昼間にアクトくんが倒したアーマーサウルスも魔獣って呼ばれてるよ。まぁそんなに気にすることでもないさ。結局、魔物ってことに変わりはないからよ」

 

「ウッ!」

 

 

 

リムルたちの帰りを待つ間暇になったので、少し気になった魔獣について訊ねるとガルムさんたちがそう答えてくれた。相変わらずミルドさんだけは何を言っているのか分からないけども。

 

 

 

「ふーん・・・・・・じゃあエビルムカデやジャイアントバットも魔獣か。スライムは、どっちでもないから魔物・・・・・・?・・・・・・ややこしいから呼ぶ時全部魔物で統一するか」

 

「おぉ、そうだ!アクトくん、俺たちに鍛冶を教えて欲しいんだったな」

 

 

 

俺がどうでもいいことで悩んでいたその時、思い出したようにガルムさんがそう言った。リムルの滅茶苦茶すぎる力に驚いて忘れていたが、そういえばそれが俺の本来の目的だったと思い出した俺は慌てて頷く。

 

 

 

「あっ、そうですそうです!武器・・・・・・槍なんですけど、自分のスキルで作ってみたくて。あと服もですけど」

 

「槍と服か・・・・・・よし、任せてくれ。よく分からない内に仕事が終わっちまったからな。昼間助けてくれた礼ってことで、知りたいことは何でも教えてやるさ」

 

「やった!ありがとうございます!・・・・・・あ、でも・・・その・・・弟子入りするって訳じゃなくて、出来るだけ短い時間で基本を教えてもらえたらなと・・・・・・実は人を待たせてるので」

 

 

 

本当は俺が待たされている側なのだが、ガルムさんたちにはとりあえずそう言うことにした。可能であれば時間をかけて鍛冶を学ぶべきなのだろうが、青娥さんに修行をつけてもらっている身なのであまりドワルゴンに長居は出来ないし。

 

 

 

「そういう事情なら仕方ないが、大丈夫か?」

 

「多分・・・・・・?実は俺にも便利なスキルがありまして。まぁさっきのリムルみたいなことは出来ませんけど・・・・・・なので最低限教えてもらえれば・・・・・・あー、ふざけたことを言ってる自覚はありますけど・・・・・・」

 

 

 

自分たちの技術を簡単に早く教えろ、と言われているようなものである。普通に考えれば怒られても仕方のないことだと思うが、ガルムさんたちは大して気にしていない様子でからからと笑った。

 

 

 

「ははは、気にしなくていいさ。スキルってのはそういうもんだからな」

 

「ウッ!ウッ!」

 

「それじゃあ早速始めようか。アクトくんの連れが待ちくたびれてしまわない内に!」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

 

 

快く引き受けてくれたガルムさんたちに再度礼を言いつつ頭を下げ、俺は彼ら三人から鍛冶・・・・・・武器と衣類の作り方について教わることとなった。

 

ガルムさんたちの教え方は丁寧で、素人の俺にも分かりやすいものだった。ガルムさんの本業は防具職人、ドルドさんは装飾品などの小物の作成と、武器職人としてはカイジンさんに遠く及ばないらしい。しかし、カイドウさんが言っていたように二人とも凄腕の鍛冶師だからか、カイジンさんの元で働いているからかは分からないが、武器の作り方についてもとても詳しかった。

 

ちなみにミルドさんは建築関係を得意としているらしく、彼からは結局何も教わらなかった。言葉も分からないし。なんだか申し訳無い。

 

そうして、彼らに鍛冶と衣類の作り方の基本を教わり始め二時間程経った頃。リムルとカイジンさんが剣の試し斬りを終えて帰ってきたのだが、帰ってくるなりリムルはやたら嬉しそうな顔で俺にこう告げたのだった。

 

 

 

「おーいアクト!綺麗なお姉ちゃんたちがいるお店行こうぜー!」

 

「は?」




剣の試し斬りのくだりはまおりゅうからです
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