転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件 作:乃出一樹
ダイの大冒険、終わってしまいましたね・・・・・・本当に素晴らしい物語でした。自分もダイ大でなにかお話を作ってみたい気持ちはあるんですよね・・・いや、正確にはダイ大のある登場人物を活躍させたい作品ですけど。
シーザーに乗ってシス湖上空を飛び回っていたガビル。
やがて、俺か爺さんをシーザーに乗せようとする為に着陸した時だった。
「──なに!?今度は
「し、然り!」
ガビルの驚く声に忍者は焦った様子で答えた。ガビルとシーザーが空から降りて来たのとほぼ同時に、忍者たち部下三人組が駆け付けて来た。そしてガビルにそう報告したのである。
「ナイトスパイダー・・・・・・ってのは?」
「ナイトスパイダーとは、まるで鎧のように強固な甲殻で全身を包んだ蜘蛛型の魔獣です・・・・・・そのランクは「A-」・・・・・・アクトさんたちが戦った牛頭族、馬頭族の首領たちには劣りますが、それでもジュラの大森林ではトップクラスの強さを誇ります・・・・・・!」
部下三人組と同じく、爺さんも焦りを見せながら答えた。A-ランクということは嵐蛇と同じくらい強いのか。最も、俺が戦った嵐蛇は少しおかしかったようだが。
しかしA-ランクって、そいつもオーガより強いのかよ。森の覇者とか言われてる種族より強い魔物結構いるじゃねぇか。どうなってんだこの森。
「まだ湿地帯には来てないが、近くを徘徊してやがるんだ!このままじゃいつこっちにやって来るか分からねえ!」
「ナイトスパイダーの生息地はここから離れていた筈・・・・・・邪竜が消えた影響は、あれ程の強さを持つ魔物にすら及ぶということなのでしょうか・・・・・・」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!どうしようガビル様!?」
不安そうな顔で緑がガビルに訴える。緑たちの不安も最もだろう。俺はナイトスパイダーという魔物は知らないが、A-ランクと聞けばその恐ろしさは分かる。Cランクのリザードマンたちではどうしようも無い相手の筈だ。
緑の言葉を聞いたガビルは腕を組んで目を伏せる。そのまま何かを考えているのか暫し唸っていたガビルだが、やがて顔を上げて口を開いた。
「・・・・・・よし、我輩とシーザーが出る!今日は青娥殿の修行もないことだしな」
「グルルルッ!」
そう言って、ガビルはシーザーを撫でた。ガビルの言う通り、今日の修行は青娥さんが不在の為に休みだ。本人は野暮用があると言っていたが、昨日のやり取りがあったからか、ガビルとシーザーに時間をあげようとしたのかもしれない。青娥さんはそうだとは言わなかったが。
それでも、きっとそうなのだと俺は思っている。なんだかんだであの人は優しいのだ。
「ガビル様とシーザーだけで・・・・・・大丈夫なのですか?」
「うむ!以前の我輩では厳しかっただろうが、今の我輩は青娥殿の修行とアクト殿に名付けして貰ったことでかなり強くなっているからな!」
心配する爺さんにガビルは笑って答えた。その言葉通り、ガビルの強さは昨日とは桁違いになっている。俺が名付けしたことで進化し、魔素量が大きく増えたのだ。そもそも、名付けの前にここ一ヶ月の青娥さんの修行でかなり鍛えられているし。今のガビルの言葉は決して慢心ではなく、ただの事実だ。
「それに、並のリザードマンたちではナイトスパイダーには太刀打ち出来まい・・・・・・大きな隊を編成し討伐に向かったとしても、かなりの犠牲は出る筈。ならば、我輩たちだけで戦った方が良かろう」
「・・・・・・そうですね、それしかありませんか。ナイトスパイダーが相手では、本気の首領が兵を率いたとしても犠牲は免れないでしょう。それなら、ガビル様とシーザーだけの方が確かに安心ですね」
ガビルの案を聞いた爺さんは少しの間の後に頷いた。予想通り、他のリザードマンたちでは相手にならないらしい・・・・・・A-ランクの魔物を倒す為に、リザードマンはどれくらい必要なのだろうか。少し気になる。
「・・・・・・そうだ。なぁガビル、俺も手伝った方がいいか?」
「ははは、それには及ばぬよアクト殿。どうか我輩たちに任せて欲しいのである!アクト殿から受け取った、このバーニングランスも試してみたいしな!」
「おぉー!」
俺の問いに笑いながら答えたガビルは、手にしたバーニングランスを掲げる。その姿に緑たちが感嘆の声を漏らした。
ちなみに、昨日の狩りではバーニングランスは使わなかったらしい。牛鹿等に使うのはちょっと勿体無いと感じたとか。
「万が一、何かあればアクト殿の『魔物師者』で念話しよう。危険な状況に陥れば『魔物召喚』で逃がしてもらえば良いだけだからな」
確かに、と俺はガビルの案に頷く。こう考えると結構便利なスキルだな、『魔物師者』。自分が名付けした対象のみという条件はあるけども。
「そうだな・・・・・・まぁ、そもそも今のガビルならA-ランクの魔物くらい問題無いだろ」
「うむ、進化してスキルも耐性も増えたからな!青娥殿に解説してもらったお陰でどういうスキルかも大体把握しているのである!」
そう。実はガビル、俺が名付けをして進化した際に新たなスキルを獲得していたのだ。しかもユニークスキル。その名も『
さて、その力だが。『御調子者』には四つの権能が含まれている。一つは『自己再生』。文字通り、自身の体を再生するスキルだ。流石に脳や臓器などは無理だが、手足の欠損程度なら再生出来ると言う。
これだけでも正直滅茶苦茶便利なのだが、残り三つの力も中々面白いものとなっている。
その三つの中の一つ目は『道化』と言って、聞いただけではなんだか弱そうに思えるスキル名だが・・・・・・なんでもこのスキルには解析を妨害する効果があるという。さらに敵の精神に干渉し、ガビルが弱く見えたり、大した相手ではないと認識させやすくなる効果もあるそうだ。青娥さんが言うには、初見殺しを狙いやすくする力らしい。
次が『不測効果』。こちらはガビルの気分次第で攻撃力が増減するというもの。詳しく言うと、精神が安定していて、かつ高揚していると攻撃力が増加。精神が不安定だったり落ち込んでいると攻撃力が低下するというなんとも妙なスキルだ。
そして三つ目だが、これが凄い。その名も『運命変更』。一日に一度だけ、自身の身に起こる不幸な運命を無効化するという、とんでもない権能・・・・・・なのだが、どうやら本人の意思では発動出来ないらしい。ガビルは少し残念そうだったが、それでもかなり強力な力だと思う。
Aランクオーバーの魔素量に、ユニークスキル『御調子者』。スキルの方は少しクセがあるが・・・・・・今のガビルならそのナイトスパイダーという魔物くらい一人でも倒せる筈だ。
それと耐性の方は『物理攻撃耐性』、『精神攻撃耐性』、『状態異常耐性』、『炎熱耐性』を獲得している。『炎熱耐性』に関しては、いつかの青娥さんの
「何気にガビルって俺が持ってない耐性を獲得してるんだよな。『物理攻撃耐性』と『炎熱耐性』。どっちも便利そうで羨ましいよ」
「はははっ!なに、アクト殿ならその内どちらも獲得出来るであろう」
「ギャウッ!」
そう言った俺を励ますように、ガビルの言葉の後にシーザーが短く吠えた。ちなみにシーザーはスキルを持ってないが、レッサードラゴンに進化した際に『物理攻撃耐性』と『炎熱耐性』を獲得している。炎に強いのはドラゴンらしくて良いな。
「・・・・・・さて、それではそろそろ向かうとするか。爺、それとお前たち。留守を頼むのである」
「ホッホッホッ、畏まりました」
「任せてガビル様!」
彼等の返事を聞いて、ガビルは笑みを浮かべ頷いた。シーザーに跨がり出発しようとするガビルに俺は声を掛ける。
「行ってらっしゃいガビル、気を付けてな・・・・・・っと、シーザーもだぞ」
「うむ、ありがとうアクト殿!よし、行くぞシーザー。我輩たちの力でナイトスパイダーなど軽く捻ってやろうぞ!」
「グルルルルァアアアッ!」
ガビルの声を受け、シーザーは咆哮し空へと舞い上がる。シーザーに跨がったガビルは最後にこちらを見て手を振ると、シーザーに指示を出し勢い良く飛んで行った。
「頑張れよー!ガビル様ー!」
「ガビル様カッコいいーーーっ!」
「竜を駆るその勇姿、見事の一言!」
空を掛けるシーザーとガビルの背中を見つめながら、部下三人組が声援を送る。なんだか和む彼等の様子を見て俺は口元を緩ませつつ、静かにガビルを見送る爺さんに話し掛けた。
「なぁ爺さん。昼食作っとくからガビルが帰ってきたら食べさせてやってくれよ。あぁ、勿論爺さんたちの分も作るぜ」
「おや、それは嬉しいですねぇ。しかし、それまた何故?」
「んー・・・・・・ちょっと散歩しようかなって」
原作等とは『御調子者』に含まれる権能が変化してます。それと耐性もですね。
ステータス
名前:ガビル
種族:
称号:なし
魔法:なし
ユニークスキル:『
エクストラスキル:『熱源探知』、『魔力感知』
耐性:物理攻撃耐性、精神攻撃耐性、状態異常耐性、炎熱耐性
ユニークスキル『
運命変更:自身の身に起こる不幸を一日に一度だけ無効にする。ただしコントロール不能。
不測効果:自身の精神状況に応じて攻撃力が増減する。
道化:敵の精神に干渉し自身の印象を操作する。さらに解析耐性を得る。
自己再生:傷付いた自身の身体を再生する。ただし臓器等は不可。