転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件   作:乃出一樹

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お待たせしました、第70話となります。

ポケモンDLC来ましたね。それとモンスターズ3の体験版も。どちらも楽しんでプレイしております。


ダンジョンの謎

「わ・・・・・・私がアクトさんたちと一緒にぃいいいいいいっ!?」

 

 

 

ダンジョンに驚愕するフラメアの声が響いた。無理も無いだろう。戦闘能力がほぼ無いというのに、俺たちと一緒に魔物がうようよいる場所を探索しろと言っているのだから。俺とフォスだって青娥さんのまさかの発言に驚いているし。

 

 

 

「青娥さん、それはいくらなんでも無茶なんじゃ・・・・・・」

 

「そうです!いくらネームドと言ってもフラメアさんは兎人族(ラビットマン)で弱いです!群れだったとは言え牙狼族(がろうぞく)に手も足も出ないくらい弱いですよ!?」

 

「は、はは・・・・・・」

 

 

 

反対する俺の言葉にフォスも頷く。ここまで来る途中、二手に別れる前に兎人族(ラビットマン)についてフォスとスフィアからある程度教えて貰ったのだが、どうやら本当に弱いらしい。ゴブリンや犬頭族(コボルト)よりは強いが、オーク等にはまず勝てない程度だと言う。恐らく魔物のランクとしては良くてD-、最悪でE+くらいだろうか。多分ホバーリザードと同じくらいの強さだと思う。

 

ちなみに、自分よりも小さく幼い外見をしたフォスに弱い弱いと連呼されたフラメアはどこか悲し気に笑っていた。

 

 

 

『だから修行になるんじゃないですかー♪予定と違ってスフィアさんという味方も増えてるし、フラメアさんの護衛くらい簡単ですよー』

 

「いや、そうは言っても・・・・・・」

 

 

 

いつもの笑顔で無茶苦茶言う青娥さんに俺は頭を掻く。確かに俺たち四人がいれば大抵の魔物なら倒せるとは思うけど・・・・・・もしかしたらダンジョンの最奥にとんでもない奴がいるかもしれないしなぁ。

 

 

 

「アクトさん、とりあえずスフィア様たちに相談したらどうです?」

 

「ん、そうだな。それじゃすみません青娥さん、ちょっとガビルと話すんで・・・・・・」

 

 

 

フォスにそう言われ、俺はとりあえずガビルたちと相談することにした。たち、と言っても直接スフィアとは話せないが、ガビルを通じて状況を説明しよう。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・と、思ったのだが。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」

 

「ふぁ?アクトさん、どうしたです?」

 

「いや、その・・・・・・・・・『思念伝達』が出来なくて・・・・・・」

 

 

 

焦りながらも、俺はもう一度深く集中し『思念伝達』を試みる。だが、何度やってもガビルと繋がらない。

 

 

 

「・・・・・・駄目だ。やっぱりガビルと『思念伝達』が出来ない・・・!」

 

「えぇっ!?も、もしかして・・・・・・『魔力感知』がうまく使えないのと何か関係あったりするですかね・・・?」

 

「分からねぇ、けど・・・・・・」

 

『あら、『魔力感知』使えないんです?』

 

 

 

慌てた様子のフォスに歯切れの悪い返事をしていると、魔封牢に映る青娥さんがそう問い掛けてきた。俺は彼女に振り向くと静かに頷きその問いに答える。

 

 

 

「実はここに入ってからうまく使えなくて・・・・・・これって、やっぱりこのダンジョン自体に何かしらの仕掛けがあるってことなんですかね?」

 

『ふむ、恐らくアクトくんの想像通りでしょう。しかし、もしそうなら私とこうして通信出来ているのが気になりますが・・・・・・』

 

 

 

んー、と小さく唸り青娥さんは首を傾げる。確かに、もし念話の類いを妨害する効果がこのダンジョンにあるのなら、こうして青娥さんと会話が出来ているのはおかしい。

 

 

 

『・・・・・・・・・そうですね。アクトくん、『脱獄者』の権能『脱獄』を使ってここから外へ出ようとしてみてくださいます?適当な場所から試してみてくださいな』

 

「え?わ、分かりました・・・」

 

 

 

青娥さんに言われるがまま、俺は壁に手を付いて『脱獄者』を発動する。何故こんなことをさせるのか考えていたその時、壁に手が吸い込まれるように埋もれた。

 

 

 

「う、おぉっ・・・・・・!」

 

 

 

思わず声を漏らして俺は目の前の光景を眺めていた。これまで青娥さんとの特訓で『脱獄』を使ったことはあったが、それで抜けたことがあるのは結界のみ。それとは全く違う、壁に吸い込まれるかのような、ダンジョン自体から押し出されるかのような、そんな感覚を味わいつつ、ダンジョンで使うとこうなるのかと俺は驚いていた。

 

 

 

「あ、アクトさん!どんどん壁に腕が吸い込まれてますよ!?」

 

「っと、そうだった!」

 

 

 

フラメアのその声に我に返った俺は、慌ててスキルを解除し壁から腕を引き抜く。既に肩辺りまで埋まっていたが特に痛みは無く、また腕を突っ込んでいた壁にも傷などは一つも無かった。

 

 

 

『ふむ、『脱獄』の脱出能力はしっかり機能している、と・・・・・・成程、憶測ではありますけどそのダンジョンについて大体分かりました』

 

「ふぁっ!?本当です!?」

 

 

 

少し考えるような仕草の後、青娥さんはそう呟く。驚くフォスに青娥さんは笑顔で頷くと、俺たちへダンジョンの解説を始めた。

 

 

 

『まず、そのダンジョンは何者かのユニークスキルで造られています。数ヶ月前から急に発生したことや、その規模から見てほぼ間違い無いでしょう』

 

 

 

俺もなんとなくそうではないかと予想はしていたが、青娥さんもそう感じたらしい。他のダンジョンがどの程度の規模かは分からないが、これだけのものを人力で、しかも複数を短期間に作るのは不可能だろうしな。

 

 

 

『それでですね。実は私の知り合いにも似たようなスキルを持つ方が居られるんですよ。その方のスキルだとダンジョンを作成した際に色々なルールを付与出来るのですが・・・・・・多分、そのダンジョンの作成者が通信や探知系の能力を妨害する効果を付与しているのでしょうね』

 

「ふぁー、そんなスキルを持った人が・・・・・・・・・えと、あの・・・青娥さん?もしかしてユーラザニアにあるダンジョンを造ったのって・・・・・・」

 

『いえいえ、その方じゃありませんよ。念の為に確認したので間違いありませんわ』

 

 

 

不安そうに訊ねるフォスの顔を見た青娥さんは微笑みながらそう答える。確認した・・・・・・ということは、もしや青娥さんはその知り合いに会いに行ったのだろうか。

 

 

 

「あの、青娥さんは今どこにいるんです?」

 

『ふふ、そう言えばアクトくんに何も言わずに来てましたね。私なら『ウルグレイシア共和国』の──』

 

『ちょっと青娥ー!いつまで話してるのよさー!』

 

 

 

と、その時。通信先から別の声が聞こえた。幼い少女のような声で、その声を聞いた青娥さんは苦笑しながらそちらへ振り返る。

 

 

 

『あー、すみません『ラミリス様』。もう少しだけ待って頂けます?』

 

『もーっ!早くしなさいよね!』

 

「・・・・・・誰だ?青娥さんの友達・・・?」

 

「ら、ラミリス・・・様・・・・・・?もしかして・・・・・・!」

 

 

 

一体誰なんだろうと俺が首を傾げていると、フラメアがなにやらぶつぶつ呟いているのが聞こえた。見ると顔色が少し悪いような気がする。どうしたのだろう、まさかフラメアも知り合いだったりするのだろうか。

 

 

 

『えっと、どこまで話しましたっけ?・・・・・・そうそう、ダンジョンがユニークスキルで造られている、でしたね。では次に何故アクトくんが『魔力感知』や『思念伝達』を使えないのかを説明しましょう』

 

「説明もなにも、それはダンジョンにそれらを妨害する効果があるからじゃ?」

 

『確かにそれが主な原因ではありますが、もう一つ理由があるんですよ』

 

 

 

口を挟む俺に青娥さんは人差し指を立ててそう告げる。どういうことなのかとフラメアとフォスの二人と顔を見合わせる俺を見て、青娥さんは小さく笑うと説明を再開した。

 

 

 

『そもそも、アクトくんには『脱獄者』に含まれる権能、『脱獄』があります。フォスさんとフラメアさんの為に説明しますと、これは壁や結界を通り抜けたり、対魔物用に組まれた結界や『魔力妨害』などによるそれらの範囲内にいる対象への弱体効果を無効化するスキルでして』

 

「わぁ、それって凄く便利な・・・・・・あれ?」

 

 

 

そこまで言ってフラメアは首を傾げた。同時に俺もあることに気付く。そういえば、『脱獄』があるのにどうして『魔物師者』の力を使えないのだろう?

 

 

 

『二人とも気付いたみたいですね?そう、アクトくんならば本来どんな場所でもスキルを十全に行使出来る筈なんです』

 

「んと・・・・・・それならどうしてアクトさんはガビルさんと『思念伝達』が出来ないです?」

 

『はい、先程も言ったように私の憶測ではありますが──・・・・・・』

 

 

 

そう前置きして、青娥さんは俺たちに自身の考えを話してくれた。

 

 

 

なんでも、スキルは相性やそれぞれの性質にもよるが、スキルの対象となる相手との魔素量の差が離れていると効果が弱くなったり全く効かなくなることがあるとのこと。今回の場合はこのダンジョンを造った犯人が俺よりも強いということだ。

 

しかし『脱獄者』の権能、『脱獄』の何かから抜け出す効果はちゃんと発動しているようだった。実際、あのままスキルを発動し続けていれば、俺だけダンジョンの外へ出ることが出来ただろう。

 

 

 

『ダンジョンを造る上で転移は普通警戒するそうなので、犯人がそれの対策を怠っているとは思えません。恐らくは犯人はダンジョン内での通信と探知、それから転移を封じることに力を割いています。しかしアクトくんの『脱獄』は転移系能力とは似て非なるもの・・・・・・』

 

「成程、つまりアクトさんのスキルはこのダンジョンに相性が良かったと・・・・・・」

 

『それもありますけど、私としてはアクトくんのこのスキルから何か不思議なものを感じるんですよねぇ。実は特別なスキルなのかも・・・・・・もしかすると、いつか『究極能力(アルティメットスキル)』に進化するかもしれませんよ?』

 

 

 

究極能力(アルティメットスキル)』。ユニークスキルを上回る、スキルの最上位ランク。

 

アルティメットスキルはどれも非常に強力かつ希少で、魔王であるカリオン様でさえ一つも所持していないという。そんな強力なスキルへと俺の『脱獄者』が進化するかもしれないなんて・・・・・・・・・いや。気にはなるが、一先ずそれは置いておこう。

 

 

 

「・・・・・・それじゃあ、俺たちが青娥さんとこうして通信出来ているのは、これが魔封牢・・・アイテムを介したものだからですか?」

 

『んー、少し違います。スキル以外の通信手段に関しても犯人は対策している筈。私たちがこうして通信出来ているのは、この魔封牢が私特製であり並みのアイテムとは格が違うということと、これを起動しているのが私だからですね♪』

 

 

 

俺の疑問に青娥さんはどこか得意気に答えた。魔封牢は特別なアイテムなのか。そう言えばフラメアが『刻印魔法』が刻まれているって言ってたし、青娥さんのオリジナルならそれも頷ける。ところで、武器以外のこういったアイテムの等級もレアとかユニークと呼ぶのだろうか。

 

それと、「起動しているのが私」という言葉の意味だが。これは青娥さんが犯人よりも強いということなのだろう。もしかすると何かスキルも使っているのかもしれないが。

 

 

 

「ふぁー、なんだか難しい話です・・・・・・・・・それにしても、どうして犯人はユーラザニアにこんなダンジョンをいくつも造ったです?」

 

 

 

こういった話は苦手なのか、フォスは頬を掻きながら息を吐く。その後、少し間を置いて眉を顰めつつそう呟いた。確かにそれは俺も気になっていたところではある。もしや、カリオン様と敵対している勢力の仕業だろうか。

 

 

 

『それについては私も何とも言えませんが・・・・・・ただ、これはユーラザニアに対する攻撃という感じには見えないんですよね』

 

「攻撃じゃない?それじゃ、青娥さんはこれをどう見てるんですか?」

 

『んー、はっきりとは言えないんですけど・・・・・・これまで大した被害が出てないところを見るに・・・・・・練習?ですかねぇ』

 

 

 

どういうことかと訊ねた俺に、青娥さんは考える仕草をしながらそう言った。練習・・・・・・ということは、犯人はまだこの力に慣れていない?カリオン様たちが言うにはダンジョンが発生し始めたのは数ヶ月前。となると、犯人はそれくらいにダンジョンを造り出すスキルを獲得し、ユーラザニアでその力を試しているのだろうか。しかし、仮にそうだとして何故ユーラザニアで?

 

それについてもう少し青娥さんと話そうとしたその時。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・あのう・・・・・・ところで、私は結局どうすれば・・・・・・?」

 

 

 

不安そうな表情で、フラメアがおずおずと手を挙げた。しまった、彼女のことをすっかり忘れていた・・・・・・いや、途中で会話に入ってはいたし存在についてはしっかり覚えていたけど。

 

 

 

「そういやそうだった・・・・・・フラメアをどうするか話し合ってたんだ・・・・・・」

 

「けど、ガビルさんとスフィア様と相談出来ないんですよね?どうするです?」

 

『ですから一緒に連れて行ってくださいな。今から入口まで戻るのも手間でしょう?』

 

 

 

悩む俺とフォスを余所に、呑気そうに青娥さんがそう告げる。確かにそれはそうだけども。

 

 

 

『アクトくん、何度も言いますがこれは修行です。それに良い経験にもなるかと』

 

「経験、ですか?」

 

『はい。アクトくんだって、いつまでも私の元で修行だけしているつもりは無いでしょう?もし冒険者として人間たちの中で生きていくのなら、こういった護衛の仕事を受けることもあります。魔物としてどこかの勢力、魔王に付いて・・・・・・いえ、フリーで生きていくにしてもそういった依頼が来る可能性もありますし』

 

「そうですね。ユーラザニアにもコビーさんたちみたいに戦えない人たちはいるですし、そういう仕事はあると思うです。他の魔王様のところでも同じだと思うですよ」

 

『ね?これからのことを考えて、色々なことを経験しておくべきかと』

 

 

 

これから、か。正直、今の生活が楽しくて、先のことなど全く考えてなかった。確かに、いつまでも青娥さんの元で修行だけする訳にも、ガビルたちリザードマンの領地に居候し続ける訳にもいかないか。

 

 

 

・・・・・・出来れば、これからも青娥さんやガビルたちとは一緒にいたいんだけどな。

 

 

 

『・・・・・・んー、仕方ありませんね。フラメアさん、ちょっと二人でお話しましょ?』

 

「えっ?は、はぁ・・・・・・すみません、失礼しますね・・・・・・」

 

 

 

少し俺が考えていると、青娥さんはフラメアにそう呼び掛ける。フラメアは一言断ると俺たちから少し離れ、青娥さんと小声でなにやら話し始めた。

 

 

 

「・・・・・・・・・えぇええ・・・・・・そんなぁ・・・・・・しかも、────様に・・・・・・ですかぁ・・・?」

 

『もぉ、これくらい良いじゃないですか。実際、アクトくんたちが来てくれたお陰で助かったんでしょう?その代わり──・・・』

 

 

 

主にフラメアだけだが、会話の内容はよく聞こえない。まぁ、フラメアの困惑した表情からするに青娥さんがいつもの無茶振りを言っているのだろう。ちなみに本来であれば『魔力感知』を使えばこのくらいの距離であれば俺でも二人の会話を盗み聞きすることは可能なのだが、今はしていない。ダンジョン内なので十全に発動出来ないというのもあるが、色々と相談中である状況で魔物に襲われないよう、周囲の警戒に力を割いているからである。

 

 

 

『・・・・・・・・・はいっ!ではそういう感じでお願いしますね♪』

 

「うぅ~・・・・・・それなら、まぁ・・・・・・分かりました。確かにアクトさんたちに恩はありますし、ダンジョンに興味もありますから・・・」

 

「・・・・・・あー、話纏まりました?」

 

 

 

どこか諦めた様子で苦笑するフラメアを見て、少し申し訳無くなりつつ俺は声を掛ける。こちらに振り向いたフラメアは予想通り表情が曇っていたが、青娥さんだけはいつもの余裕そうな笑みを浮かべていた。

 

 

 

『えぇ、お待たせしてごめんなさい♪それよりアクトくん、フラメアさんからお話があるみたいですよ?』

 

「は、はい・・・・・・えと、アクトさん?私もこのダンジョン探索にご一緒しても良いでしょうか・・・」

 

 

 

青娥さんにそう振られたフラメアは遠慮がちに、上目遣いで俺に訊ねた。その可愛さに少し癒されながらも、すぐに頭を切り替え真面目な表情を保ちつつ俺は青娥さんを見る。

 

 

 

「・・・・・・なんとなく分かってましたけどね。青娥さんは一度言い出したら聞かないって」

 

『ふふ、よくお分かりで。安心してくださいな。万が一の時は絶対に私が助けますので。フラメアさんも、アクトくんたちもね?』

 

 

 

青娥さんは悪戯な笑みを浮かべつつウインクをした。わぁ、こっちも可愛い・・・・・・じゃないんだよ。

 

 

 

『それに、フラメアさんだってただ守られるだけではありませんよ。既に聞いているかもしれませんが、兎人族(ラビットマン)は『危険察知』のスキルを持ってますので、きっと役に立つかと』

 

「は、はいっ!危ない予感がしたらすぐに教えます!あと逃げ足にも少しだけ自信あります!」

 

 

 

どうしても一緒に連れて行って欲しいらしく、自身の長所を力強く主張するフラメアのその姿が何となく可笑しくて小さく笑う。さて、どうしたものか。本人がこう言ってることだし、万が一の時は青娥さんも助けてくれるらしい。それなら俺としては問題無いが、とりあえず小さい仲間にも確認は取ろう。

 

 

 

「悪いフォス。こっちで勝手に話進めちまったけど、フラメアも連れて行っていいかな?」

 

「ふぁっ、私は全然大丈夫です!ちょっと不安なとこもあるですけど、一緒に冒険する仲間が増えるのは嬉しいです!」

 

 

 

俺がそう訊ねるとフォスは笑顔で答えた。裏表の無さそうな子だからその言葉は多分本心なのだろう。尻尾もぱたぱた振ってるし。

 

 

 

「・・・・・・そういう訳だ。少しの間よろしく頼むぜ、フラメア」

 

「よっ、よろしくお願いします!」

 

 

 

俺が片手を差し出すと、フラメアは慌てながらそれを両手で握り返した。少し不安そうな目をしているが、そこまで怯えた様子は無い。これから自分よりも強い魔物たちがひしめくこのダンジョンを探索することになるというのに。

 

俺や青娥さんたちがいるからそこまで心配していないのだろうか。それとも、恐怖以上に俺たちとダンジョンを冒険することが楽しみなのか。後者だとすれば、こいつも中々の大物なのかもしれない。

 

 

 

『よーし、それでは張り切ってダンジョン攻略と参りましょーう♪』

 

「ったく、呑気なもんだぜ・・・・・・」

 

 

 

こんな時でも呑気な青娥さんの姿に、俺は溜め息を吐きつつ頭を掻く。しかし、態度とは裏腹に俺は口元を緩めていた。もしものことがあっても魔王より強い青娥さんがいれば助けてもらえる、という安心感もあるが・・・・・・単純に、仲の良い師匠がいつものように側にいてくれることが嬉しいんだと思う。最も、仲が良いと思っているのは俺だけかもしれないが。

 

 

 

そんなこんなで、新たな仲間を迎えた俺たちは改めてダンジョンの奥を目指して歩き出すのだった。

 

 

 

・・・・・・・・・とりあえず、ガビルたちと合流しないとな。




ラビットマンとホバーリザードの魔物ランクは完全に妄想です。
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