転生したら蜥蜴人族の友人と邪仙の恋人ができた件   作:乃出一樹

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お待たせしました、第9話となります。

ちなみに、自分は東方原作はあまりプレイしたことがありません。どうにもSTGが苦手で・・・


異世界人

「ん~!美味しい~♪」

 

 

 

そう言って、俺の作ったサンドイッチを食べているのは先程突如現れたあの女だ。

 

あの後、突然現れた謎の人物にどう対応したものかと悩んでいると、女の視線がバスケットに入っているサンドイッチに向いたのである。

 

それを見逃さなかった俺はその場な空気を変えるべく冗談混じりに「あ、良かったらご一緒しません?」とサンドイッチを差し出し、なんとかこのような状況に持っていったのだ。

 

 

 

「しかしお主、どこから現れたのである?それに声を掛けられるまで全く気付かなかったぞ・・・」

 

「ん・・・『空間移動』です。あとはまぁ、貴方方の素性が知れなかったので念のために気配を消して近付きました」

 

 

 

ガビルの問いに事も無げにその女はそう言った。『空間移動』って、スキルか?さらっと言ったけど、かなり凄いことなのでは・・・

 

しかし・・・・・・どこかで見たことあるような気がするんだよな、この人。

 

 

 

「おっと、申し遅れました。私の名は青娥(セイガ)と言います。以後、お見知りおきを」

 

「うむ、我輩はガビル!誇り高きリザードマン一族の次期首領である!それで、こっちが・・・・・・」

 

「──あ、思い出した。『霍青娥』・・・」

 

「はーーい、ちょっとこちらへどうぞー!」

 

 

 

俺がぽつりとそう呟いた瞬間。僅かに焦ったような様子を見せながら女が叫ぶ。するとヴン、という音が響き、俺と女を囲う(ガビルだけ除け者にする)ように半透明の壁が出現した。

 

 

 

「はっ!?ちょっ・・・なんだこれ!?」

 

「結界、のようなモノです。即席ですが、これで中の音は外へ聞こえません。外の音もですけど。勿論、強度もそれなりにありますよ」

 

 

 

どうやら女の言葉通りらしく、結界の向こうからなにやらガビルが叫んでいるようだが、その声は全くこちらに聞こえない。それと叫びながら結界を強く叩いてもいたが、びくともしなかった。

 

 

 

「無駄ですよ。CやBランク程度の魔物ではこの結界は壊せません」

 

「みたいですね・・・・・・それで、どうしてこんなことを・・・?」

 

「んー、そうですねぇ・・・・・・まずは、確認したかったんです。貴方・・・『異世界人』ですね?」

 

「──ッ!?」

 

 

 

謎の女・・・・・・青娥さんの言葉で胸がどくんと脈打つ。『異世界人』という単語は初めて聞いたが、意味は間違いなく俺の想像通りだろう。とにかく、俺の正体を言い当てられたことと、爺さん以上に何かを知っている可能性のある人に出逢えたという二つの驚きで、俺は硬直しつつもなんとか言葉を紡ぎ出した。

 

 

 

「異世界人・・・・・・俺がそうだって分かるんですか?」

 

「そりゃ分かりますとも。だって、青娥と聞いて『霍』まで思い浮かぶんですもの」

 

 

 

俺の問いに青娥さんはやや呆れたように笑いながらそう返す。

 

『霍青娥』・・・・・・それは俺の居た世界にあった人気作品、『東方Project』に登場するキャラクターだ。シリーズ何作目かは忘れたが、確か初登場したのは『東方神霊廟』だった筈。

 

というのも、実は俺は『東方project』、通称『東方』にはあまり詳しくないのだ。あのようなシューティングゲームが得意ではなくて、中学生の時に一度だけ遊んでそれ以来である。ただ、かなり有名で人気な作品だし、友達が大好きだったこともあり、ある程度だけキャラクターやストーリーは知っている。

 

それはさておき彼女、霍青娥のバックストーリーだが。東方内での「聖徳太子」である『豊聡耳神子』の師匠で、初登場の際に起きた異変の遠因でもある。

 

仙人になるべく修行を重ねてかなりの力と不老長寿を手に入れた人間だったが、性格にやや問題があったせいで仙人ではなく『邪仙』へと墜ちてしまう。しかし、自身が操るキョンシーの『宮古芳香』を可愛がっていたり、作中での行動を見るにただの下衆ではない模様(友人談)。

 

強者が好きであるが、決してその者に媚びへつらう訳ではなく、純粋に惹かれてしまうという一面もある。等の要素から友人の推しキャラの一人であった。ちなみに能力は「壁をすり抜けられる程度の能力」だったか。

 

 

 

「はは・・・・・・つっても、ほとんど友達に教えてもらったんですけどね。それより、今言った・・・『異世界人』について教えて貰えませんか?今日突然会った相手に言うようなことじゃないとは思ってるんですけど・・・」

 

「・・・・・・別に構いませんよ。ただし、私が異世界人なのかどうかは詮索無用でお願いします」

 

「えっ?なんでまた・・・」

 

「なんでもです。知りたいことがあるなら、私に分かる範囲で答えますのでそれで手を打ってくださいません?」

 

 

 

よく分からないが、青娥さんが触れて欲しくないと言っているのだからやめておこう。その代わり、お言葉に甘えて色々なことを教えてもらうことにするか。

 

 

 

「分かりました、お願いします・・・・・・あ、その前にこの結界解いてもらっていいですかね?このままだとガビルが心配するんで」

 

「あら、別にあんなリザードマンなんて放っておいてもいいと思いますけど。異世界がどうとか言われたって理解できるかどうか」

 

「それでもです。俺より頭が良さそうで色々なことを知ってる青娥さんがいれば、俺の本当の事情を説明できるかもしれないし。それに・・・友達なんです。仲間外れには、したくないなって」

 

「・・・・・・成程。えぇ、分かりましたわ。それでは・・・っと」

 

 

 

妙な間の後、そう言いながら青娥さんが指を鳴らす。すると俺と青娥さんを囲っていた結界が一瞬で無くなった。

どうやったのか不思議に思っていると、ガビルが慌てて俺と青娥さんの間に割り込み、俺に怪我などが無いか確認してきた。

 

 

 

「おぉっ!?旅人殿、無事であるか!・・・・・・青娥殿、我が友に対し今のは一体何の真似か!返答次第によってはタダでは済まぬぞ!」

 

「ちょっ、待て待てガビル!今のはその、別に青娥さんは俺に危害を加えようとしたんじゃなくてだな・・・」

 

 

 

声を荒らげながら青娥さんに槍を向けるガビル。そんなガビルと彼を宥める俺を見て、青娥さんはくすくすと笑いながら悪びれた素振りも見せずガビルに謝罪した。

 

 

 

「うふふ、ごめんなさい?だってこの森に居ない筈の龍人族(ドラゴニュート)と一緒にいたものだから、少し気になっちゃいまして♪」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・えっ?」

 

「・・・・・・なぬ?」

 

「えっ?」

 

「・・・・・・ドラゴ・・・ニュート?もしかして、俺のことです・・・?」

 

「・・・・・・・・・あっ・・・もしかして、その辺りも全部説明しないといけない感じです・・・?」

 

 

 

笑顔のままで硬直した青娥さんと無言で数秒見つめ合った後、俺は無言で頷く。

 

それを見た青娥さんは笑顔を崩し、大きく溜め息を吐いてから説明を始めるのだった。




金曜日にはいよいよアルセウスが発売ですね。その日からアルセウスに忙しくなるので、投稿の無い週が出てくるかもしれません。御容赦ください。
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