仗助と育朗の冒険 BackStreet (ジョジョXバオー)   作:ヨマザル

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クリーチャー図鑑

クリーチャー名:メネシス(グレッグ&モニカ共通)
性能:破壊力 - B / スピード - C /射程距離 - C / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - B(暴走化)
能力:DRESSによって生体改造を受けた生物兵器の最高傑作で、見た目は専用のトレンチコートを着た3M近い超大柄な人間。生物兵器の中では比較的知能が高く、簡単なコミニュケーションを取る事さえ可能で、武器やバイク等も使用できる。限界に近いダメージを受けると、リミッターが解除され暴走状態になってしまう。



寄生虫バオー その2

「Stdarrzuuuu!」

モニカと呼ばれた方のクリーチャーが 意味不明の叫び声をあげ、右手を大きく振り上げた。

右手には、本来の手の代わりに、『棘だらけの鉄の骨組み』で作られた、棍棒のような器具がついている。

モニカは、その器具の先に丸い鉄球 ――棘棘が付いた―― を取りつけると、大きく振り回して 投げつけたッ!

 

ゴウッ!

 

とっさに鉄球が飛んでくる方向を予知して、スミレは地面に伏せた。

その頭上を、うなりを上げて鉄球が通り過ぎる。

 

「!?」

スミレは地面を転がりながら、照準をモニカに向けた。

一瞬の躊躇、だがその瞬間 さっきまでスミレが寝ていたところに鉄球が叩きつけられるッ!

 

「うわぁぁぁあああああああ!!」

スミレは地面を転がって鉄球を避けながら、モニカに向かって拳銃の引き金を引いた。 

パシ、バンッ!

一発、二発、拳銃を引くたびに強い衝撃がスミレの手に響く。

反動で、拳銃が手から飛び出そうになる。

アドレナリンの過剰放出でも誤魔化しきれない痛みが、スミレの骨折している右腕に響く。

だが、そんなくだらない痛みを気にしている余裕など、無いッ!!

 

「DusWaaaoooooo」

モニカは意味不明の叫び声を上げながら、スミレを捕まえようと突撃してきた。

 

スミレはとっさに身を沈み込ませ、モニカの足元をすり抜けるようにして突撃を避けるッ!

「うぁあああああっ」

スミレは顔をゆがめた。

モニカの足を避けるためにスライディングするとき、激しい痛みが右腕をおそったのだッ!

だが、それを気にする暇も……無いッ!

スミレは必死にその衝撃と痛みを抑え込みながら、さらにもう一発、もう一発とモニカの心臓に弾丸を命中させて行った。

 

モニカは着弾の瞬間、わずかに身を揺らしただけだ。

また、スミレにむかって鉄球を振りかぶった。

 

あの鉄球がかすりでもしたらそれで終わりだ。

スミレは必死に立ち上がり、モニカの振るう鉄球の攻撃を避けようとした。

だが……自分の立ち上がる動きは、まるでスローモーションで再生されているように、のったりと感じた。

一方、モニカの鉄球は、確実にスミレを粉砕すべく滑らかに動いている。

明らかに、自分の動きよりも鉄球の方が早いッ………

 

「ああ……間に合わない……」

スミレは目をつぶりかけた。

 

だがその時、スミレの目の前にアンジェラが飛び込んできたッ!

 

「おりゃあああ!リーバッフ・オーバードライブ!!」

アンジェラは、スピードが出るようにと、スケーター・ボーイの車輪を自分の肘と足首に取り付けていた。

猛スピードのスライディングで、アンジェラがモニカの懐に飛び込むッッ。

アンジェラはスライディングの体勢:低い姿勢から伸び上るようにして、ひじを撃ち込むッッ

肘うちは命中し、モニカの体勢を揺らがせ、鉄球の向きを変えさせた。

「Guooooon」

波紋を込めたひじ打ちでモニカが怯んだ隙に、アンジェラは地面に飛び込むようにして転がった。

モニカの拳による反撃を、ギリギリかわす。

 

「ウウッ!」

攻撃は避けた。

だが、わずかに拳がかすったその衝撃だけで、アンジェラは吹き飛ばされるッ!

 

「フンッ 無駄なあがきよ」

エルネストがせせら笑った。

「お前の貧弱な攻撃でメネシス:モニカを止めることは出来んよ」

 

「ガッ……」

吹き飛ばされ、地面に激しく背中を叩きつけられたアンジェラが、苦しそうに立ち上がった。

「まだよ、まだ私はあきらめないわよ……エルネスト、あんたが何をたくらんでるかなんて興味はないわ。私はただあんたとそのデクノボーを叩き潰して、仗助を取り戻すッ」

ペッと吐いた唾には、血が混じっている。

「だいたい、そんな変な格好、あんたかっこいいと思ってるわけ?趣味じゃあないのよ!」

 

「そうよ、このド変態ヤロォー。全身網のタトゥーって、あんたSM好きのド変態なんでしょ」

スミレが、毒づいた。

 

タァァア―――ンンッ!

 

スミレは追撃しようとしていたモニカの肩を狙撃し、またしても鉄球の狙いを外させた。

 

「スミレ……遅れてゴメンね。オクヤス達を安全な場所まで降ろした後、またここまで上がってくるのに手間がかかっちゃった……でももう大丈夫よ、ここからは一緒にやろう!」

 

「ええ、私たちが奴らを倒すのよ」

 

「そうよ、あの男達を取り戻すわよッ!狙った男をアイツ等に横取りされてたまるもんですか。……こんなヤツラに、私たちは負けないわよッ」

 

狙った男は必ず落とス!

アンジェラが胸を張った。

 

(……恥ずかしい)

だがスミレも、決意を込めてアンジェラの言葉に頷いた。

「そうよ、絶対に取り戻すわッッ!」

 

「下らん!」

再び、エルネストが爆弾を投げた。

 

「!?何度やっても無駄よっ」

すかさずその爆弾をスミレが狙撃、撃ち落としたッ!

 

バゴッッッ!!!

爆風が視界をふさぐッ!

 

その隙に、またしてもアンジェラが、モニカの懐に入り込み……

 

コォオオオオオオオ――ンン

 

「くらえっ! 千烈脚、波紋疾走(サウザンドバースト・オーバードライブウッ)!!」

アンジェラは、回し蹴りからの連続蹴りをモニカに放った。

170Cm程の細身の女性が放つ、3M近い巨人への果敢な連撃ッ!

 

ドッ ドッ ダッ ダダッ ダッ ダダダダッ ドダダダアッッ!!

 

「Guxyiiii」

頭に一撃、そして全身に無数の蹴りを受けたモニカは悶え苦しんでいた。

アンジェラの蹴りの1つ、1つに波紋が込められているのだ。

モニカは、攻撃を受けるたびにその巨体を揺るがせた。

そして、ついに地面に倒れこんだ。

 

「GYAAAAaaaaaaa!」

全身から煙を出して、モニカが倒れ落ちる。

 

「ふーっ ふ――っ ふぅ―――― 次、あんたよッ」

肩で息をしていたアンジェラは、倒れたモニカをしり目に、再び立ち上がった。

そして、次のターゲットであるエルネストを追撃すべく、駆けだした。

 

その時だ。

不意にスミレの額に、電撃が走り……電撃の切れ目からスタンドの蝶:ウィスパー・イン・ザ・ダーク(WitD)が発現した。

WitDはその羽でスミレの目をおおった。

額に走った電撃によって真っ白になったスミレの視界に、とある『未来のビジョン』を見せる。

「!? アンジェラ、ダメっ!引いて!」

WitD の見せた予知の内容を理解したスミレが、叫んだ。

 

ブンッ

 

とっさにスケーター・ボーイを操作して後ろに飛びずさったアンジェラの頭のすぐ横を、銀色に輝く何かが飛び抜けた。

 

「フン……貴様に差してやるつもりだったが、まあいいだろう」

背後からその『銀色のもの』を投げたエルネストが、再びゆらりと木の陰から全身を現した。

「そろそろ私もこの体と精神にようやく馴染んだみたいでね。本気をだすチャンスが、まだ残っているといいのだが」

 

「何ですって?」

スミレが拳銃でエルネストを撃った。

タァアア――ンンンッ

 

ペシュッ!

 

スミレの撃った銃弾は エルネストのスタンド、オエコモバが出現させた『翼』に防がれた。

エルネストは、その『翼』を自分の背中から、まるで、『天使の羽』のように出現させていた。

弾かれた弾丸はそのまま左右に分かれて飛び、エルネストの背後で爆発した。

 

ファサッ

 

エルネストが、スタンドの『翼』をはためかせる。

すると、エルネストの体が宙に浮かび上がった。

「フフフ……ようやく馴染んできたよ。これで、我がスタンドの能力を存分に使えるというものだ」

エルネストは空中をゆったりと飛んだ。

依然としているスミレとアンジェラの頭上で羽ばたき、二人を見下ろした。

天使などではなかった。漆黒の翼をはためかせたその様子は、まるで、悪魔のようだ。

 

空中でエルネストが上着を脱ぎ、上半身をさらけ出した。

その体には 4つのコインが 正方形を描くように埋め込まれている。

コインが、黒光りをしている……

「アンジェラ……お前には当たらなかったが……だが問題ないっ 死ネィ!」

 

ズブズブズブ

 

「Gxyuiiiiii!!」

 

背後で絶叫が聞こえた。

振り返る。すると、崩れかかっていたモニカの頭に、エルネストが投げた銀色の『何か』が沈み込んで行くのが見えた。

「あれは何?あんた何をしたの??」

 

「……『ファイヤー・ガーデン』それが名前だ……己の意思とは関係なく全身から炎を噴き上げつづけるスタンド。このスタンド能力を貴様にくれてやって、貴様が自らを丸焼きにする様子を楽しもうと思っていたのだ」

だが、貴様が丸焼けになって死ぬことには、変わりないな。

そういうと、エルネストは腕組みして フンッ と鼻で笑った。

 

「Gyaaaaaaa!!!!!」

炎を上げたままモニカが咆哮をあげた。

そして次の瞬間、全身からさらに激しく炎を吹き上げた。

モニカの体は火による破壊と、肉体能力による再生をものすごい勢いで繰り返し、やがて人間体 とは思えないほどその体を歪めていった。

モニカがさきほど右手に取り付けていた器具などが、ぬるりと現れた触手に覆われていく……

 

「くっ」

唖然としているアンジェラに、再び鉄球が横殴りにおそい掛かる!

 

ズルッ

 

「しまったっ うわあああああッ」

かろうじてアンジェラは、鉄球を避けた。

しかし足を滑らせ、山の急斜面を転がるように転落してしていく。

「うぅっ、しまったわ」

アンジェラは、とっさにスケーター・ボーイで斜面に張り付き、墜落を回避しようとした。

だが、張り付いた斜面そのもの土がもろく、また落ち葉が幾重にも重なっているため、勝手に崩れ、すべり、落ちて行く。

 

「チッ……手間をかけさせる」

エルネストは舌打ちした。

控えさせてたグレッグの肩にのり、アンジェラを追って斜面をすべり降りていった。

 

「アンジェラ!」

斜面に駆け寄ろうとしたスミレに、背後から炎をまとった触手の一撃がおそった。

 

「!?」

 

ヌルンッ

 

WitDの警告が走り、とっさに触手の直撃は避けるとこが出来た。

だが、触手は拳銃にまきつき、スミレの手から拳銃を奪った。

 

「しまったわ」

 

「Su……Muu Raaaaaaaaaaaaa!!!!」

振り返ったスミレに、全身から炎を噴出したモニカがおそい掛かった。

 

――――――――――――――――――

 

 

ザザザ―――ッッ

 

アンジェラもまた、斜面を滑り落ちていた。

しばらく滑って、森の中でぽっかりと空いた小さな空き地にたどり着いた所でようやく体が止まった。

落雷か何かで巨木が倒れてできたのか、この空き地にはゴロゴロと炭化した木が転がっていた。

 

そしてその地で、アンジェラはたった1人で『巨大なクリーチャー』と『超強力なスタンド使い』に相対していた。

 

「この、アマッ、チョコマカとォォっ」

 

「鬼さんこちらぁ〰〰 手ぇのなる方へぇ〰〰〰ッ」

圧倒的に不利な状況のなか、アンジェラは倒木が多い地形を利用して、反撃を行うチャンスを虎視眈々と狙っていた。

 

ギャルゥッ ギャルッ

 

アンジェラはスケーター・ボーイの車輪を靴と手袋、それに両手足のパッドに出現させていた。スタンドの車輪をフル回転させ、急停止、急反転、急加速を繰り返して攻撃を避けている。

スケーター・ボーイの機動力をフルに引き出したことにより、頭部へ激しくGがかかっていた。そのGは、波紋で頭部への血流をコントロールして酸素の供給を確保する事で耐える。

そうすることで、ブラックアウトを回避し、驚異的な挙動を実現しているのだ。

 

ボッ! ボガッ! ボッ!

 

エルネストがアンジェラに向けて多数の小石をまき散らす。

それらの小石がすべて爆発し、地面に大穴を開けた。

 

だが、アンジェラはその爆弾をすべて回避して見せた。

回避する動きの隙を突こうと振り上げられたメネシス:グレッグの振り回す刀も、ヒラリとかわす。

スタンドと波紋の精密なコントロールによる高機動による回避だ。

アンジェラは精神と体力を振り絞り、必死で、敵の攻撃をかわしていた。

こうやって、攻撃をかわし続けていれば、いつか波紋の一撃を打ち込むチャンスがあるはずだ。

 

だが……

 

「フン……波紋使いの女ァァ、遊びはやめだ。貴様は仗助にクレテやろうと思っていたが……」

業を煮やしたエルネストが懐から『何か』を取り出した。そ

の『何か』を、 持っている自分の手ごとグレッグの頭に『ズブッと』押し込んだ。

「グレッグよ……貴様にも新たな能力をくれてやろう!『コールドプレイ』!!」

 

「GIBUBUBUUUUUUUUUU!」

すると、その『何か』を埋め込まれたグレッグの全身から一瞬、ピンク色の、ヒルに似た小さな触手が無数にうねうねと現れた。

……プロテクターを兼ねていたトレンチ・コートがはじける。

そして、その背後に氷づけの巨大なモンスターのビジョンが現れた。これは、スタンドだッッ!

スタンドはグレッグを掴むと全身を凍らせ。

そして……唖然としているアンジェラの目の前で、グレッグは再び自ら氷を割って外に出た。辺りを揺るがせるほどの、吠え声を上げた。

 

「なっ……あなた、この化け物にスタンド能力を与えたって言うの?どうやって??」

 

「フン、お前に理由を話しても何の得にもならん。黙って死ねッ!」

 

「DaaaaaaBuuuuuuuu!」

エルネストの指示に忠実に従い、グレッグはスタンドの力で自らの脚部と周囲の地面を凍らせた。

凍らせた地面の上を、まるでスケートでもしているかのように氷の上を滑って、一気にアンジェラへの間合いを詰めるッッ。

接近してきたグレッグは、拳を振り上げ、アンジェラにむかって振り下ろすッッ

 

避けられない!

アンジェラはとっさに体を浮かせ、グレッグの拳を空中で受け止めた。

 

ベギャアアアァアアンッ!!

 

「きゃぁああああああああ!」

グレッグの拳は、アンジェラの腕をへし折り、近くの地面にアンジェラを吹き飛ばした。

波紋を全身に流して、傷の痛みを和らげたアンジェラがやっとのことで立ち上がる。

すると、目の前には巨大な氷の塊が浮かんでいた。

「あッ……ああああっ」

 

グレッグのスタンドが現れ、自らが作り出した空中の氷塊にそっと触れた。

 

バリン!!

 

次の瞬間、空中に浮かんだ氷塊が割れ、飛び散った。

幾つにも割れた氷片がアンジェラを再びおそうッッ

 

バシュッ! プシュッッ!

 

「うわあああああああ!」

アンジェラは、氷片を避けられなかった。

粉砕された氷のかけら達が、アンジェラの体を切り裂く!

「う……う……」

アンジェラはなんとか致命傷となる部分の攻撃だけは、ガードしていた。

だが、片耳を吹き飛ばされ、四肢、肩等に何発かの氷片を食らっていた。

血は出ない。氷片が触れた部分が凍り付いたからだ。

 

「貧弱、貧弱ゥッ―――だが、なかなかアガクじゃあないか」

もしかしたら、生きたまま仗助に引き渡せるかもしれんな……

エルネストが、余裕の表情で見下ろした。 

 

「ハぁ ハぁ ハぁ……」

アンジェラは波紋の呼吸を乱していた。その靴から、スケーター・ボーイの車輪さえもが消えてしまっていた。

 

「フッ……逃げ回るだけで力を使い果たしたか……とどめだ、サッサとやれぃ!! グレッグ……この女の両足を凍らせ、そして砕いてしまえッ!」

 

「Gyaaaaaaaa!」

グレッグが自らの刀に氷をまとわせ、アンジェラの足めがけて振り下ろす。

 

「はっは―――はぁ――はぁ――ッッ」

目の前に迫る氷の剣ッッ!

だが、アンジェラの目はまだ絶望していなかった。

いや、その目には希望をたたえた不敵な笑みが光っていた。

「かかったわね……」

 

「何だと?」

 

コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ” コ”

 

ピシッッ

 

次の瞬間、どこからともなく現れた『糸』がグレッグとエルネストの体に絡みつき、二人の動きを止めた。

 

「なんだ……体が動かん?」

 

どう、お師匠様譲りの戦略は?

アンジェラはヨロヨロと立ち上がり、挑発的に腰に手をやった。

「フフフ……私の地元の台湾からほんのチョッピリ南に行った島にね………『サティポロジア・ビートル』っていう芋虫がいるのよ……その虫から作った糸はね、波紋伝導率が100%なの。私の服は、その糸で織られた特製なの」

おしゃれでしょ。アンジェラが笑った。

 

「何だと?」

 

「その糸をね……こっそりスケーター・ボーイで逃げ回っている間に、近くの地面に張り巡らせておいたってワケ。アンタたちが近づいてきていれるかどうかは賭けだったわ ――でもその賭けは勝ったッ!もうあなたたちは動けないわ……」

 

「き……貴様」

「SuDaaaaaaaZuuu!」

 

コォォォオオオオ―――ッ

 

「そして、喰らいなさい、糸を通した『波紋』 ブラック・バタフライ・オーバードライブッ!」

アンジェラは左手で『糸』を引っ張っる。

その糸に、『波紋』を込めた右拳を叩きつける!

「Gyaaaaaa!!」

サティポロジア・ビートルの糸が、アンジェラが放った波紋を100%伝える。

波紋は……まずグレッグの右腕を切り落とし………そしてエルネストへ……

だが

「無駄ァァ!!!!!」

バシュンッッ!

次の瞬間、『糸』はエルネストのスタンド、オエコモバにより一瞬にして爆破された……

「なんですって、そんな……」

アンジェラは膝をついた。

「ハぁ ハぁ……こ……れが、私の精いっぱいだったのに……」

「女、よくもやった。せめてもの情けだ。粉々に粉砕してくれるッ」

と、言いかけたところで、エルネストが眉をしかめた。

バ……バル…バル

何か、遠くで獣が吼えるような声が聞こえたのだ。

バル・バルバルッ!

吼え声は、どんどん大きくなっていく。

「チッ……ヤツが復活したのか」

エルネストはペッと唾を吐き、そして……

「オエコモバッ! 奴が来る前に女を爆破しろッ」

オエコモバの翼が伸び、アンジェラをおそうッ!

見開かれたアンジェラの目に、ハッキリと迫り来る翼が見えた。

羽の毛筋や緑色の光沢までが細かく見える。

(いやよッッ!あの翼に触れたら、爆破される……)

だが、あまりの疲労に体が動かないッ

と……

ズルゥッ

突然、エルネストの体が一瞬だけ後方にずれた。

同時に、オエコモバの体も連動して後ろに引っ張られた。

 

ブゥンッッ

 

アンジェラは、鼻先にオエコモバの翼の一振りが巻き起こす風を感じた。

アンジェラを爆弾に変えるための翼の一撃が空振りに終わったのだ。

それは本当にギリギリのタイミングであった。

 

「!?貴様ッ」

エルネストは、とっさに自分の靴だけをオエコモバに爆破させた。

 

「フフッ……やらせてもらったわ。敵が勝ち誇った時こそ、反撃のチャンスなの…よ……」

アンジェラが舌を出した。

エルネストの靴に現れた車輪、それは、スケーター・ボーイが付けたものであった。

エルネストが吼え声に気を取られたその一瞬、わずかに残った『糸』に伝わらせて、エルネストの靴に車輪を取り付けたのだ。

一瞬、ほんの一瞬だけ車輪が逆回転し、エルネストとそのスタンドを、後方に高速移動させたのであった。

 

「バル!バル!バルバルバルバルッ!!」

 

次の瞬間、何者かがものすごい勢いで飛び込んできた。

そして、アンジェラの前に立ちふさがり、オエコモバに刃をふるった。

 

――――――――――――――――――

 

 

1999年11月10日  夜 [A山近郊の廃墟]:

 

 

ザアザザ――ッ

ズズズ――――

 

「クゥッ!放してッ」

「ウヲォォォォッ!」

 

扉の奥から、次々と網に引っ掛かった仲間たちが引きずり込まれてきた。

クレイジー・ダイヤモンドの能力によって『直された』網は、あらかじめチャダのプライマル・スクリームによって部屋中に張り巡らされていた工業用の網に次々に一体化していった。

ホル・ホースと仲間たちは、まるで蜘蛛の巣に引っ掛かったトンボやチョウのように、その網に絡みつき、動けなくされていた。

 

仗助は、扉の向こうに行く前に、網を引きちぎって持って行ったのだった。

その網の塊を、仗助はホル・ホース達に投げつけ、そして『直した』。直った網は、元に戻ろうと一気に広がり、ホルホース達をひっかけた。そして、元の網があった場所へ飛んで戻っていく。

このしかけで、仗助はSW財団の調査チームをあっという間に捕まえたのだった。

 

「……ホル・ホース、手っ前ェェエはよォォォ〰〰何やってんだよぉっ!」

ポルナレフは、その中の1人にホル・ホースがいるのを見て、がっかりした。

「お前よぉ―――本ッッッ当ォォに情けねぇな。それでもプロかよ」

 

「ああぁ?誰が言ってやがる???お前こそ、うかうか掴まってるんじゃねーか」

ホル・ホースが口をとがらせた。

「それに、俺の方のチームは非スタンド使いばっかりだったんだぜぇ、戦えるスタンド使いを全部連れてったお前の所にみてーに行かないのはあたりめーじゃねぇか!」

 

「クッ……だが、俺は高校生達を全員、安全なところに逃がしたぞ……おりゃあ、彼らを無事ににがすために、『敢えて』おとりになってつかまったんだよ。お前みてェェ――に警護対象のSW職員ごとつかまるよーなマヌケなことはしねーぜ」

 

「にゃにおッ……俺こそ『敢えて』奴らのアジトに侵入したってわけだ。お前と一緒にするな」

 

「ハッSW財団を連れてか?お前そんなにバカだったのかよ?」

 

「ナヌウニォオオオ、お前、コーコーセーと正面から勝負して、見事にやられたくせによォ」

 

「二対一だ、仕方ねーじゃねーかッッ、お前こそあっという間にやられやがって……さっき仗助が出ていってから、あんまり時間がたってねーぞ」

 

「おっ……おりゃあ連戦で疲れてたんだよッ」 

調子が悪かったんだ。 ホル・ホースは少しばつが悪そうに、テンガロン・ハットを深くかぶりなおした。

 

「……ねぇ、意味のない口げんかなんて止しなさいよ」

二人の様子を見て、アリッサが冷めた口調で言った。

 

ガチャッ

 

扉が開いた。

二人が不毛な口論をしているところに、東方仗助が入ってきた。

口論している二人をしり目に、仗助が手にしていたゴム片を『直す』。

 

プシュッ!

 

次の瞬間、扉の向こうから最後の1人、マキシムが飛び込んできた。そのマキシムにもう一度仗助が『触れる』と、その次は切断されていた四肢が。何処からともなく飛んできて、マキシムの体に収まった。

「アッ……あんたぁッ!!」

激昂しかけたマキシムは、だが仗助がチラリと見せた表情を見て、怯えたように黙り込んだ。

 

「………」

ポルナレフと、ホル・ホースは言い争いを止め、押し黙った。

 

バタン!

 

仗助は扉を閉めた。そして、未だに言い合いをしているポルナレフとホル・ホースの二人を見て、頭をかいた。

「味方同士で口げんかっすか……グレート。こりゃあ”ヤレヤレ”っすねー」

 

「仗助……その言い方をヤメやがれ」

ポルナレフとホル・ホースは、青筋を立て、イラッとした調子で、声をそろえて仗助を睨みつけた。

「よりによって、お前からそのセリフを聞くと、イラつくぜ」

 

「……いやぁ、済みません」

仗助は律儀に謝ると、順々に網に囚われたかつての『仲間』に自身のスタンドで『触れて』いった。仗助が触れる度に、そのスタンド能力によって皆の怪我が治っていく。

 

「ねぇ、仗助……クン……どうして」

アリッサが尋ねた。

「仲間を裏切って こんなこと続けるの、もうやめなさい……あなた、苦しそうよ」

 

「……どうしたもねーっすよ。俺も、DIOが言っている 誰でも天国に行ける グレートな方法ってのがもしあるんなら、みんなで行けばいーじゃねーかって、そう思ってるだけっすよ」

だから、こいつらにも協力してるんす。仗助は、嫌悪感をむき出しにして控えているチャダとマキシムを睨みつけた。

「アイツ等も……早人も、未起隆も、噴上や億泰の奴も、後できっとわかってくれるはずだゼ」

仗助は隅っこに止めてあったバイクにまたがり、バルンッとバイクのエンジンを起動させた。

 

「アンジェラちゃんも、今のあなたを見たらなんて思うかしら」アリッサが尋ねた。

 

「なっ……アイツは関係ーねーッス」

仗助は心なしか顔を赤らめ、首を振った。

「でも、そーっすねぇ。アイツ等を迎えに行ってやらなきゃならねー」 

エルネストの奴には、任せておけねーからな。

 

仗助はブルンと、バイクを回転させると、明らかににじみ出る嫌悪感を隠そうともしないまま、チャダとマキシムに命令した。

「お前ら……俺はエルネストを追うぜ。お前は余計なことをしねーで、ちゃんと皆さんを安全に見守ってろよ」

仗助は、マキシムをにらんだ。

 

「わ……わかってるわよぉっ、イケズッ♡」 

 

マキシムの揶揄を無視して、仗助はチャダを睨みつけた。

「それから、チャダ……オメ―わかってんな」

 

「承知してますよ。仗助さんの指示通り、コインをすべて扉の向こうに運べばいいんですよね」

 

「そうだ。いいか、『この部屋にあるすべてのコイン』だぞ」

忘れたらただじゃおかねー 仗助の威嚇に、チャダはイカにも言うとおりにしますよ。と仗助を宥めた。

 

バルッ…ブルウンッ!

 

さんざん念を資した後で、仗助は、バイクに乗って去っていった。

 

仗助が去った後には、ホルホース達とチャダ、マキシムが残った。

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